JP2000294291A - ポリマー電解質電池 - Google Patents

ポリマー電解質電池

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JP2000294291A
JP2000294291A JP2000018648A JP2000018648A JP2000294291A JP 2000294291 A JP2000294291 A JP 2000294291A JP 2000018648 A JP2000018648 A JP 2000018648A JP 2000018648 A JP2000018648 A JP 2000018648A JP 2000294291 A JP2000294291 A JP 2000294291A
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negative electrode
positive electrode
inorganic solid
amorphous structure
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JP2000018648A
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Ryuji Oshita
竜司 大下
Maruo Jinno
丸男 神野
Toshiyuki Noma
俊之 能間
Koji Nishio
晃治 西尾
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極と負極とポリマー電解質とを備えたポリ
マー電解質電池において、正極や負極とポリマー電解質
との密着性を高めて、正極や負極とポリマー電解質とが
接触する界面の抵抗を低下させ、充放電サイクル特性に
優れたポリマー電解質電池が得られるようにする。 【解決手段】 正極1と負極2とポリマー電解質3とを
備えたポリマー電解質電池において、上記のポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造の無機固体電解質層1a,2aを設けるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、正極と負極とポ
リマー電解質とを備えたポリマー電解質電池に係り、特
に、正極とポリマー電解質とが接触する界面、負極とポ
リマー電解質とが接触する界面の特性を改善して、ポリ
マー電解質電池における充放電サイクル特性を向上させ
るようにした点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高出力,高エネルギー密度の新型
電池の1つとして、非水電解液を用いて、リチウムの酸
化・還元を利用した高起電力の非水電解液電池が利用さ
れるようになった。
【0003】しかし、このような非水電解液電池の場
合、非水電解液が漏液したり、非水電解液が正極や負極
と反応して電池特性が低下する等の問題があった。この
ため、最近においては、ポリマー電解質を用いたポリマ
ー電解質電池が注目されるようになった。
【0004】ここで、このようなポリマー電解質電池に
おけるポリマー電解質として、従来においては、一般
に、ポリエチレンオキシドやポリフッ化ビニリデン等の
ポリマーにLiPF6 等のリチウム塩の溶質を含有させ
たものや、上記の溶質を炭酸エステル等の有機溶媒に溶
解させた非水電解液を上記のポリマーに含有させたもの
が用いられていた。
【0005】しかし、上記のようなポリマー電解質電池
においては、正極や負極とポリマー電解質との密着性が
悪く、正極とポリマー電解質とが接触する界面や負極と
ポリマー電解質とが接触する界面の抵抗が大きくなっ
て、ポリマー電解質電池における充放電サイクル特性が
低下するという問題があった。
【0006】そこで、近年においては、ポリマー電解質
中に界面活性剤を添加して、ポリマー電解質と正極や負
極との界面における抵抗を低下させて、ポリマー電解質
電池における充放電サイクル特性を向上させることが試
みられた。
【0007】しかし、このようにポリマー電解質中に界
面活性剤を添加した場合、この界面活性剤が不純物とな
り、この界面活性剤によって正極や負極の活物質が劣化
されて、かえってポリマー電解質電池における充放電サ
イクル特性が悪くなるおそれがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、正極と負
極とポリマー電解質とを備えたポリマー電解質電池にお
ける上記のような問題を解決することを課題とするもの
であり、正極や負極とポリマー電解質との密着性を高め
て、正極や負極とポリマー電解質とが接触する界面の抵
抗を低下させ、正極や負極とポリマー電解質との界面に
おけるイオン伝導度を向上させて、充放電サイクル特性
に優れたポリマー電解質電池が得られるようにすること
を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1にお
けるポリマー電解質電池においては、上記のような課題
を解決するため、正極と負極とポリマー電解質とを備え
たポリマー電解質電池において、上記のポリマー電解質
と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモルフ
ァス構造の無機固体電解質層を設けるようにしたのであ
る。なお、この発明におけるアモルファス構造とは、蒸
着やスパッタリング等によって得られる結晶構造がくず
れて非晶質構造になっている結晶構造を有するものをい
う。
【0010】ここで、請求項1に示すポリマー電解質電
池のように、ポリマー電解質と接触する正極や負極の面
にアモルファス構造の無機固体電解質層を設けると、こ
のアモルファス構造の無機固体電解質層により正極や負
極とポリマー電解質との密着性が向上し、またこの無機
固体電解質層自体がイオン伝導性を有しているため、正
極や負極とポリマー電解質との界面における抵抗が低下
して、正極や負極とポリマー電解質との界面におけるイ
オン伝導度が向上し、充放電を繰り返して行っても反応
が均一に行われ、このポリマー電解質電池における充放
電サイクル特性が向上する。
【0011】また、上記のアモルファス構造の無機固体
電解質層を構成する無機固体電解質としては、請求項2
に示すように、Li3 N,LiTi2 (PO43 ,L
i−βAl23 ,LiI,LiI−Li2 S−P2
5 ,LiI−Li2 S−B23 ,LiI−Li3 N−
LiOH,Li2 O−B23 ,Li2 O−V23
SiO2 ,LiTaO3 の少なくとも一種を用いること
ができる。
【0012】また、正極や負極に設ける上記の無機固体
電解質層が厚くなりすぎると、この無機固体電解質層の
抵抗が大きくなり、正極や負極とポリマー電解質との界
面におけるイオン伝導度が低下してしまうため、請求項
3に示すように、上記の無機固体電解質層の厚みを10
μm以下にすることが好ましい。
【0013】ここで、この発明におけるポリマー電解質
電池は、上記のようにポリマー電解質と接触する正極と
負極の少なくとも一方の面にアモルファス構造の無機固
体電解質層を設けることを特徴とするものであり、正極
や負極やポリマー電解質を構成する材料等については特
に限定されず、ポリマー電解質電池において一般に使用
されている公知のものを用いることができる。
【0014】ここで、上記のポリマー電解質としては、
ポリマーに溶質を含有させた固体状のポリマー電解質
や、溶質を溶媒に溶解させた非水電解液をポリマーに含
浸させたゲル状のポリマー電解質を用いることができ
る。
【0015】そして、上記のポリマーとしても、一般に
使用されている公知の材料を用いることができ、例え
ば、分子量が5000〜500000の範囲になったポ
リエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレンオ
キシド、ポリエチレンイミン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリアクリロニトリル等を使用することができる。特
に、請求項3に示すように、ポリマーにポリエチレンオ
キシド類やポリエチレンイミン類を用いると、ポリマー
電解質電池における充放電サイクル特性が一層向上され
るようになる。これは、ポリマーにポリエチレンオキシ
ド類やポリエチレンイミン類を用いた場合、このポリマ
ー電解質と無機固体電解質層との密着性がさらに高ま
り、正極や負極とポリマー電解質との界面における抵抗
がさらに低下するためであると考えられる。
【0016】また、上記の溶質としても、一般に使用さ
れている公知の溶質を用いることができ、例えば、Li
PF6 、LiBF4 、LiN(C25 SO22 、L
iAsF6 、LiSbF6 、LiAlF4 、LiGaF
4 、LiInF4 、LiClO4 、LiN(CF3 SO
22 、LiCF3 SO3 、LiSiF6 、LiN(C
3 SO2 )(C49 SO2 )等で表されるリチウム
化合物を使用することができる。
【0017】また、上記のポリマーに非水電解液を含浸
させてゲル状のポリマー電解質を得る場合において、上
記の溶質を溶解させる溶媒としても、一般に使用されて
いる公知の溶媒を用いることができ、例えば、エチレン
カーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、1,2−ジエトキシエ
タン、1,2−ジメトキシエタン、エトキシメトキシエ
タン等を使用することができる。
【0018】また、この発明のポリマー電解質電池にお
ける正極を構成する正極材料としても、一般に使用され
ている公知のものを用いることができ、例えば、リチウ
ム含有遷移金属酸化物であるリチウム含有マンガン酸化
物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有バナジ
ウム酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含
有鉄酸化物、リチウム含有クロム酸化物、リチウム含有
チタン酸化物等を使用することができる。
【0019】また、上記の負極を構成する負極材料とし
ても、一般に使用されている公知のものを用いることが
でき、例えば、金属リチウム、Li−Al,Li−I
n,Li−Sn,Li−Pb,Li−Bi,Li−G
a,Li−Sr,Li−Si,Li−Zn,Li−C
d,Li−Ca,Li−Ba等のリチウム合金、リチウ
ムイオンの吸蔵,放出が可能な黒鉛,コークス,有機物
焼成体等の炭素材料、Li4Ti512,TiO2 ,N
25 ,Fe23 ,MoO2 ,MoO3 ,WO2
WO3 ,SnO2 ,SnO,SiO2 ,SiO等の電位
が正極材料よりも低い金属酸化物を使用することができ
る。特に、請求項5に示すように、負極材料に炭素材料
を使用した場合においては、ポリマー電解質電池におけ
る充放電サイクル特性がさらに向上されるようになる。
これは、炭素材料の場合、その表面積が大きく、このよ
うな炭素材料を用いた負極にアモルファス構造の無機固
体電解質層と形成すると、この無機固体電解質層によっ
て負極とポリマー電解質とが密着される面積が大きくな
って、負極とポリマー電解質との界面におけるイオン伝
導度が一層向上するためであると考えられる。
【0020】
【実施例】以下、この発明に係るポリマー電解質電池に
ついて実施例を挙げて具体的に説明すると共に、この実
施例におけるポリマー電解質電池においては、充放電サ
イクル特性が向上されることを比較例を挙げて明らかに
する。なお、この発明におけるポリマー電解質電池は下
記の実施例に示したものに限定されるものではなく、そ
の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施でき
るものである。
【0021】(実施例1)この実施例1においては、下
記のようにして作製した正極と負極とポリマー電解質と
を用い、図1に示すような扁平型のポリマー電解質電池
を作製した。
【0022】[正極の作製]正極を作製するにあたって
は、正極材料としてリチウム含有二酸化コバルトLiC
oO2 を用い、このLiCoO2 の粉末と、導電剤とし
てのカーボン粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビニリ
デンとを85:10:5の重量比になるように混合させ
た。そして、この混合物にN−メチル−2−ピロリドン
を加えてスラリー化させ、このスラリーをアルミニウム
箔からなる正極集電体上にドクターブレード法により塗
布し、これを圧縮させた後、130℃で熱処理して、厚
みが約80μm、直径が10mmの円板状になった正極
を作製した。
【0023】次いで、上記のようにして正極集電体上に
作製した正極に対し、ターゲットにLiTi2 (PO
43 を使用して、下記の表1に示すスパッタリング条
件でスパッタリングを50分間行い、正極集電体と反対
側における正極の面に、層厚が約1μmになったアモル
ファス構造のLiTi2 (PO43 からなる無機固体
電解質層を形成した。なお、このようにして形成した無
機固体電解質層は、結晶構造がくずれてアモルファス構
造になっていた。
【0024】
【表1】
【0025】[負極の作製]負極を作製するにあたって
は、負極材料として、平均粒径が約10μmの黒鉛粉末
を用い、この黒鉛粉末と、結着剤としてのポリフッ化ビ
ニリデンとを95:5の重量比になるように混合させ
た。そして、この混合物に対してN−メチル−2−ピロ
リドンを加えてスラリー化させ、このスラリーを銅箔か
らなる負極集電体上にドクターブレード法により塗布
し、これを圧縮させた後、130℃で熱処理して、厚み
が約70μm、直径が10mmの円板状になった負極を
作製した。
【0026】次いで、上記のようにして負極集電体上に
作製した負極に対し、上記の正極の場合と同様にしてス
パッタリングを行い、負極集電体と反対側における負極
の面に、アモルファス構造になったLiTi2 (PO
43 からなる無機固体電解質層を層厚が約1μmにな
るようにして形成した。
【0027】[ポリマー電解質の作製]ポリマー電解質
を作製するにあたっては、数平均分子量Mnが360の
ポリエチレングリコールメタクリレート(アルドリッチ
社製)を、エチレンカーボネートとジエチルカーボネー
トとを50:50の体積比で混合させた混合溶媒にLi
ClO4 を1mol/lの濃度で溶解させた非水電解液
に対して重量比で1:5の比率になるように混合した溶
液を、上記のようにして正極に形成したアモルファス構
造の無機固体電解質層の上に厚みが25μmになるよう
に塗布した。その後、出力200kV,照射線量2Mr
adの条件でエレクトロンカ−テン式電子線照射装置に
より電子線を照射して上記のポリエチレングリコールメ
タクリレートを重合させ、ポリマーがポリエチレングリ
コールメタクリレートからなるポリマー電解質を、正極
に設けたアモルファス構造の無機固体電解質層の上に形
成した。
【0028】[電池の作製]電池を作製するにあたっ
て、図1に示すように、上記のようにアモルファス構造
になった無機固体電解質層1aの上にポリマー電解質3
が形成された正極1に対して、負極2に設けたアモルフ
ァス構造の無機固体電解質層2aがポリマー電解質3と
接触するように重ね合わせ、正極1とポリマー電解質3
との間及び負極2とポリマー電解質3との間にそれぞれ
アモルファス構造の無機固体電解質層1a,2aを介在
させ、この状態で、これらを正極缶4aと負極缶4bと
で形成される電池ケース4内に収容させ、正極集電体5
を介して正極1を正極缶4aに接続させる一方、負極集
電体6を介して負極2を負極缶4bに接続させ、この正
極缶4aと負極缶4bとを絶縁パッキン7により電気的
に絶縁させて扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0029】(実施例2)実施例2においては、上記の
実施例1における負極の作製において、ポリマー電解質
と接触する負極の面にアモルファス構造になったLiT
2 (PO43からなる無機固体電解質層を設けない
ようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合
と同様にして扁平型のポリマー電解質電池を作製し、図
2に示すように、正極1とポリマー電解質3との間にだ
けアモルファス構造になったLiTi2 (PO43
らなる無機固体電解質層1aを設けた。
【0030】(実施例3)実施例3においては、上記の
実施例1における正極の作製において、ポリマー電解質
と接触する正極の面にアモルファス構造になったLiT
2 (PO43からなる無機固体電解質層を設けない
ようにし、それ以外については、上記の実施例1の場合
と同様にして扁平型のポリマー電解質電池を作製し、図
3に示すように、負極2とポリマー電解質3との間にだ
けアモルファス構造になったLiTi2 (PO43
らなる無機固体電解質層2aを設けた。
【0031】(比較例1)比較例1においては、上記の
実施例1における正極及び負極の作製において、ポリマ
ー電解質と接触する正極及び負極の面にそれぞれアモル
ファス構造になったLiTi2 (PO43 からなる無
機固体電解質層を設けないようにし、それ以外について
は、上記の実施例1の場合と同様にして扁平型のポリマ
ー電解質電池を作製し、図4に示すように、正極1と負
極2とがそれぞれポリマー電解質3と直接接触するよう
にした。
【0032】次に、上記のようにして作製した実施例1
〜3及び比較例1の各ポリマー電解質電池について、2
5℃の条件下においてそれぞれ充電電流600μAで充
電終止電圧4.2Vまで充電した後、放電電流600μ
Aで放電終止電圧2.75Vまで放電を行い、これを1
サイクルとして、100サイクルの充放電試験を行い、
各ポリマー電解質電池の1サイクル目と100サイクル
目とにおける放電容量を測定し、その結果を下記の表2
に示した。
【0033】
【表2】
【0034】この結果から明らかなように、ポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造になったLiTi2 (PO43 の無機固
体電解質層を形成した実施例1〜3の各ポリマー電解質
電池は、正極及び負極の面にアモルファス構造の無機固
体電解質層を設けないで、正極と負極とをそれぞれポリ
マー電解質に直接接触させた比較例1のポリマー電解質
電池に比べ、100サイクル時における放電容量の低下
が少なくなって、充放電サイクル特性が著しく向上して
いた。
【0035】(実施例4〜6)実施例4〜6において
は、上記の実施例1〜3のものと、ポリマー電解質と接
触する正極や負極の面に形成するアモルファス構造にな
った無機固体電解質層を構成する無機固体電解質の材料
を変更し、アモルファス構造になった無機固体電解質層
を正極や負極に設けるにあたり、スパッタリングのター
ゲットにLi3 Nを用い、上記の実施例1の場合と同じ
条件でスパッタリングを行った。
【0036】そして、実施例4においては、ポリマー電
解質と接触する正極と負極とのそれぞれの面に上記のよ
うにしてアモルファス構造になったLi3 Nからなる無
機固体電解質層を形成し、それ以外は、上記の実施例1
の場合と同様にし、図1に示すように、正極1とポリマ
ー電解質3との間及び負極2とポリマー電解質3との間
にそれぞれアモルファス構造の無機固体電解質層1a,
2aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0037】また、実施例5においては、ポリマー電解
質と接触する正極の面にだけ上記のようにしてアモルフ
ァス構造になったLi3 Nからなる無機固体電解質層を
形成し、上記の実施例2の場合と同様に、図2に示すよ
うに、正極1とポリマー電解質3との間にだけアモルフ
ァス構造の無機固体電解質層1aが設けられた扁平型の
ポリマー電解質電池を得た。
【0038】また、実施例6においては、ポリマー電解
質と接触する負極の面にだけ上記のようにしてアモルフ
ァス構造になったLi3 Nからなる無機固体電解質層を
形成し、上記の実施例3の場合と同様に、図3に示すよ
うに、負極2とポリマー電解質3との間にだけアモルフ
ァス構造の無機固体電解質層2aが設けられた扁平型の
ポリマー電解質電池を得た。
【0039】そして、これらの実施例4〜6の各ポリマ
ー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場合と
同様にして、1サイクル目と100サイクル目とにおけ
る放電容量を測定し、これらの結果を下記の表3に示し
た。
【0040】
【表3】
【0041】この結果から明らかなように、ポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造になったLi3 Nからなる無機固体電解質
層を形成した実施例4〜6の各ポリマー電解質電池にお
いても、正極及び負極の面にアモルファス構造の無機固
体電解質層を設けないで、正極と負極とをそれぞれポリ
マー電解質に直接接触させた上記の比較例1のポリマー
電解質電池に比べて、100サイクル時における放電容
量の低下が少なくなって、充放電サイクル特性が著しく
向上していた。
【0042】(実施例7〜9)実施例7〜9において
も、上記の実施例1〜3のものと、ポリマー電解質と接
触する正極や負極の面に形成するアモルファス構造にな
った無機固体電解質層を構成する無機固体電解質の材料
を変更し、アモルファス構造になった無機固体電解質層
を正極や負極に設けるにあたり、スパッタリングのター
ゲットにLiIとLi2 SとB23 との混合物を用
い、上記の実施例1の場合と同じ条件でスパッタリング
を行った。
【0043】そして、実施例7おいては、ポリマー電解
質と接触する正極と負極とのそれぞれの面に上記のよう
にしてアモルファス構造になったLiI−Li2 S−B
2 3 からなる無機固体電解質層を形成し、それ以外
は、上記の実施例1の場合と同様にし、図1に示すよう
に、正極1とポリマー電解質3との間及び負極2とポリ
マー電解質3との間にそれぞれアモルファス構造の無機
固体電解質層1a,2aが設けられた扁平型のポリマー
電解質電池を得た。
【0044】また、実施例8においては、ポリマー電解
質と接触する正極の面にだけ上記のようにしてアモルフ
ァス構造になったLiI−Li2 S−B23 からなる
無機固体電解質層を形成し、上記の実施例2の場合と同
様に、図2に示すように、正極1とポリマー電解質3と
の間にだけアモルファス構造の無機固体電解質層1aが
設けられた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0045】また、実施例9においては、ポリマー電解
質と接触する負極の面にだけ上記のようにしてアモルフ
ァス構造になったLiI−Li2 S−B23 からなる
無機固体電解質層を形成し、上記の実施例3の場合と同
様に、図3に示すように、負極2とポリマー電解質3と
の間にだけアモルファス構造の無機固体電解質層2aが
設けられた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0046】そして、これらの実施例7〜9の各ポリマ
ー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場合と
同様にして、1サイクル目と100サイクル目とにおけ
る放電容量を測定し、これらの結果を下記の表4に示し
た。
【0047】
【表4】
【0048】この結果から明らかなように、ポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造になったLiI−Li2 S−B23 から
なる無機固体電解質層を形成した実施例7〜9の各ポリ
マー電解質電池においても、正極及び負極の面にアモル
ファス構造の無機固体電解質層を設けないで、正極と負
極とをそれぞれポリマー電解質に直接接触させた上記の
比較例1のポリマー電解質電池に比べ、100サイクル
時における放電容量の低下が少なくなり、充放電サイク
ル特性が著しく向上していた。
【0049】(実施例10〜12)実施例10〜12に
おいても、上記の実施例1〜3のものと、ポリマー電解
質と接触する正極や負極の面に形成するアモルファス構
造になった無機固体電解質層を構成する無機固体電解質
の材料を変更し、アモルファス構造になった無機固体電
解質層を正極や負極に設けるにあたり、スパッタリング
のターゲットにLiとβAl23 との混合物を用い、
上記の実施例1の場合と同じ条件でスパッタリングを行
った。
【0050】そして、実施例10おいては、ポリマー電
解質と接触する正極と負極とのそれぞれの面に上記のよ
うにしてアモルファス構造になったLi−βAl23
からなる無機固体電解質層を形成し、それ以外は、上記
の実施例1の場合と同様にし、図1に示すように、正極
1とポリマー電解質3との間及び負極2とポリマー電解
質3との間にそれぞれアモルファス構造の無機固体電解
質層1a,2aが設けられた扁平型のポリマー電解質電
池を得た。
【0051】また、実施例11においては、ポリマー電
解質と接触する正極の面にだけ上記のようにしてアモル
ファス構造になったLi−βAl23 からなる無機固
体電解質層を形成し、上記の実施例2の場合と同様に、
図2に示すように、正極1とポリマー電解質3との間に
だけアモルファス構造の無機固体電解質層1aが設けら
れた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0052】また、実施例12においては、ポリマー電
解質と接触する負極の面にだけ上記のようにしてアモル
ファス構造になったLi−βAl23 からなる無機固
体電解質層を形成し、上記の実施例3の場合と同様に、
図3に示すように、負極2とポリマー電解質3との間に
だけアモルファス構造の無機固体電解質層2aが設けら
れた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0053】そして、これらの実施例10〜12の各ポ
リマー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場
合と同様にして、1サイクル目と100サイクル目とに
おける放電容量を測定し、これらの結果を下記の表5に
示した。
【0054】
【表5】
【0055】この結果から明らかなように、ポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造になったLi−βAl23 からなる無機
固体電解質層を形成した実施例10〜12の各ポリマー
電解質電池においても、正極及び負極の面にアモルファ
ス構造の無機固体電解質層を設けないで正極と負極とを
それぞれポリマー電解質に直接接触させた上記の比較例
1のポリマー電解質電池に比べて、100サイクル時に
おける放電容量の低下が著しく少なくなり、サイクル特
性が著しく向上していた。
【0056】(実施例13〜15)実施例13〜15に
おいても、上記の実施例1〜3のものと、ポリマー電解
質と接触する正極や負極の面に形成するアモルファス構
造になった無機固体電解質層を構成する無機固体電解質
の材料を変更し、アモルファス構造になった無機固体電
解質層を正極や負極に設けるにあたり、スパッタリング
のターゲットにLi 2 OとV23 とSiO2 との混合
物を用い、上記の実施例1の場合と同じ条件でスパッタ
リングを行った。
【0057】そして、実施例13おいては、ポリマー電
解質と接触する正極と負極とのそれぞれの面に上記のよ
うにしてアモルファス構造になったLi2 O−V23
−SiO2 からなる無機固体電解質層を形成し、それ以
外は、上記の実施例1の場合と同様にし、図1に示すよ
うに、正極1とポリマー電解質3との間及び負極2とポ
リマー電解質3との間にそれぞれアモルファス構造の無
機固体電解質層1a,2aが設けられた扁平型のポリマ
ー電解質電池を得た。
【0058】また、実施例14においては、ポリマー電
解質と接触する正極の面にだけ上記のようにしてアモル
ファス構造になったLi2 O−V23 −SiO2 から
なる無機固体電解質層を形成し、上記の実施例2の場合
と同様に、図2に示すように、正極1とポリマー電解質
3との間にだけアモルファス構造の無機固体電解質層1
aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0059】また、実施例15においては、ポリマー電
解質と接触する負極の面にだけ上記のようにしてアモル
ファス構造になったLi2 O−V23 −SiO2 から
なる無機固体電解質層を形成し、上記の実施例3の場合
と同様に、図3に示すように、負極2とポリマー電解質
3との間にだけアモルファス構造の無機固体電解質層2
aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0060】そして、これらの実施例13〜15の各ポ
リマー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場
合と同様にして、1サイクル目と100サイクル目とに
おける放電容量を測定し、これらの結果を下記の表6に
示した。
【0061】
【表6】
【0062】この結果から明らかなように、ポリマー電
解質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモ
ルファス構造になったLi2 O−V23 −SiO2
らなる無機固体電解質層を形成した実施例13〜15の
各ポリマー電解質電池においても、正極及び負極の面に
アモルファス構造の無機固体電解質層を設けないで正極
と負極とをそれぞれポリマー電解質に直接接触させた上
記の比較例1のポリマー電解質電池に比べ、100サイ
クル時における放電容量の低下が少なくなり、充放電サ
イクル特性が著しく向上していた。
【0063】(実施例16〜18及び比較例2)これら
の実施例16〜18及び比較例2においては、上記の実
施例1における正極の作製において使用した正極材料を
LiMn24 に変更し、このLiMn 24 の粉末
と、導電剤としてのカーボン粉末と、結着剤としてのポ
リフッ化ビニリデンとを90:6:4の重量比になるよ
うに混合させた。そして、この混合物にN−メチル−2
−ピロリドンを加えてスラリー化させ、このスラリーを
アルミニウム箔からなる正極集電体上にドクターブレー
ド法により塗布し、これを圧縮させた後、130℃で熱
処理して、厚みが約100μm、直径が10mmの円板
状になった正極を作製した。
【0064】一方、負極としては、上記の実施例1の場
合と同様にして作製したものを用いるようにした。
【0065】そして、実施例16においては、上記の実
施例1の場合と同様にして、正極と負極とのそれぞれの
面にアモルファス構造になったLiTi2 (PO43
からなる無機固体電解質層を形成し、図1に示すよう
に、正極1とポリマー電解質3との間及び負極2とポリ
マー電解質3との間にそれぞれアモルファス構造の無機
固体電解質層1a,2aが設けられた扁平型のポリマー
電解質電池を得た。
【0066】また、実施例17においては、上記の実施
例2の場合と同様に、ポリマー電解質と接触する上記の
正極の面にだけアモルファス構造になったLiTi2
(PO 43 からなる無機固体電解質層を形成し、図2
に示すように、正極1とポリマー電解質3との間にだけ
アモルファス構造の無機固体電解質層1aが設けられた
扁平型のポリマー電解質電池を得た。
【0067】また、実施例18においては、上記の実施
例3の場合と同様に、ポリマー電解質と接触する負極の
面にだけアモルファス構造になったLiTi2 (PO
43からなる無機固体電解質層を形成し、図3に示す
ように、負極2とポリマー電解質3との間にだけアモル
ファス構造の無機固体電解質層2aが設けられた扁平型
のポリマー電解質電池を得た。
【0068】一方、比較例2においては、上記の正極及
び負極の面にそれぞれアモルファス構造になったLiT
2 (PO43 からなる無機固体電解質層を設けない
ようにし、図4に示すように、正極1と負極2とがそれ
ぞれポリマー電解質3と直接接触した扁平型のポリマー
電解質電池を得た。
【0069】そして、これらの実施例16〜18及び比
較例2の各ポリマー電解質電池についても、上記の実施
例1〜3の場合と同様にして、1サイクル目と100サ
イクル目とにおける放電容量を測定し、これらの結果を
下記の表7に示した。
【0070】
【表7】
【0071】この結果から明らかなように、正極材料に
LiMn24 を用いた場合においても、ポリマー電解
質と接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモル
ファス構造になったLiTi2 (PO43 からなる無
機固体電解質層を形成した実施例16〜18の各ポリマ
ー電解質電池は、正極と負極とにアモルファス構造にな
った無機固体電解質層を設けず、正極と負極をそれぞれ
ポリマー電解質と直接接触させた比較例2のポリマー電
解質電池に比べて、100サイクル時における放電容量
の低下が少なくなり、充放電サイクル特性が著しく向上
していた。
【0072】(実施例19〜21)実施例19〜21に
おいては、上記の実施例16〜18の場合と同様に、正
極材料にLiMn24 を用いて正極を作製する一方、
ポリマー電解質と接触する正極や負極の面にアモルファ
ス構造になった無機固体電解質層を形成するにあたり、
その無機固体電解質の材料を変更し、スパッタリングの
ターゲットにLiIとLi3 NとLiOHとの混合物を
用い、上記の実施例1の場合と同じ条件でスパッタリン
グを行い、アモルファス構造になったLiI−Li3
−LiOHからなる無機固体電解質層を形成するように
した。
【0073】そして、実施例19においては、ポリマー
電解質と接触する正極と負極とのそれぞれの面にアモル
ファス構造になったLiI−Li3 N−LiOHからな
る無機固体電解質層を形成し、図1に示すように、正極
1とポリマー電解質3との間及び負極2とポリマー電解
質3との間にそれぞれアモルファス構造の無機固体電解
質層1a,2aが設けられた扁平型のポリマー電解質電
池を得た。
【0074】また、実施例20においては、ポリマー電
解質と接触する正極の面にだけ上記のアモルファス構造
になったLiI−Li3 N−LiOHからなる無機固体
電解質層を形成し、図2に示すように、正極1とポリマ
ー電解質3との間にだけアモルファス構造の無機固体電
解質層1aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池を
得た。
【0075】また、実施例21においては、ポリマー電
解質と接触する負極の面にだけ上記のアモルファス構造
になったLiI−Li3 N−LiOHからなる無機固体
電解質層を形成し、図3に示すように、負極2とポリマ
ー電解質3との間にだけアモルファス構造の無機固体電
解質層2aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池を
得た。
【0076】そして、これらの実施例19〜21の各ポ
リマー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場
合と同様にして、1サイクル目と100サイクル目とに
おける放電容量を測定し、これらの結果を下記の表8に
示した。
【0077】
【表8】
【0078】この結果から明らかなように、正極材料に
LiMn24 を用い、ポリマー電解質と接触する正極
と負極の少なくとも一方の面にアモルファス構造になっ
たLiI−Li3 N−LiOHからなる無機固体電解質
層を形成した実施例19〜21の各ポリマー電解質電池
においても、正極と負極とをそれぞれポリマー電解質を
直接接触させた上記の比較例2のポリマー電解質電池に
比べて、100サイクル時における放電容量の低下が少
なくなり、充放電サイクル特性が著しく向上していた。
【0079】(実施例22〜24)実施例22〜24に
おいては、上記の実施例1におけるポリマー電解質電池
において、使用するポリマー電解質だけを変更させるよ
うにした。
【0080】ここで、実施例22においては、数平均分
子量Mnが約10万のポリエチレンオキシドをアセトニ
トリルに溶解させ、この溶液を用いてキャスト法により
膜厚が約25μmのポリエチレンオキシド膜を作製し
た。そして、エチレンカーホネートとジエチルカーボネ
ートとを50:50の体積比で混合させた混合溶媒にL
iClO4 を1mol/lの濃度で溶解させた非水電解
液中に、上記のポリエチレンオキシド膜を浸漬させてゲ
ル状になったポリマー電解質を得た。次いで、このゲル
状になったポリマー電解質を、正極に設けたアモルファ
ス構造になったLiTi2 (PO43 からなる無機固
体電解質層の上に設けた。
【0081】また、実施例23においては、数平均分子
量Mnが約20万のポリエチレンイミンをアセトニトリ
ルに溶解させ、この溶液を用いてキャスト法により膜厚
が約25μmのポリエチレンイミン膜を作製した。そし
て、エチレンカーホネートとジエチルカーボネートとを
50:50の体積比で混合させた混合溶媒にLiClO
4 を1mol/lの濃度で溶解させた非水電解液中に、
上記のポリエチレンイミン膜を浸漬させてゲル状になっ
たポリマー電解質を得た。次いで、このゲル状になった
ポリマー電解質を、正極に設けたアモルファス構造にな
ったLiTi2(PO43 からなる無機固体電解質層
の上に設けた。
【0082】また、実施例24においては、数平均分子
量Mnが約20万のポリフッ化ビニリデンをNMPに溶
解させ、この溶液を用いてキャスト法により膜厚が約2
5μmのポリフッ化ビニリデン膜を作製した。そして、
エチレンカーホネートとジエチルカーボネートとを5
0:50の体積比で混合させた混合溶媒にLiClO4
を1mol/lの濃度で溶解させた非水電解液中に、上
記のポリフッ化ビニリデン膜を浸漬させてゲル状になっ
たポリマー電解質を得た。次いで、このゲル状になった
ポリマー電解質を、正極に設けたアモルファス構造にな
ったLiTi2 (PO43 からなる無機固体電解質層
の上に設けた。
【0083】そして、実施例22〜24においては、上
記のようにして作製したポリマー電解質を用いる以外は
実施例1の場合と同様にし、図1に示すように、正極1
とポリマー電解質3との間及び負極2とポリマー電解質
3との間にそれぞれアモルファス構造の無機固体電解質
層1a,2aが設けられた扁平型のポリマー電解質電池
を得た。
【0084】また、これらの実施例22〜24の各ポリ
マー電解質電池についても、上記の実施例1〜3の場合
と同様にして、1サイクル目と100サイクル目とにお
ける放電容量を測定し、これらの結果を上記の実施例1
のポリマー電解質電池の結果と合わせて下記の表9に示
した。
【0085】
【表9】
【0086】この結果から明らかなように、実施例22
〜24の各ポリマー電解質電池のように、ポリマー電解
質に用いるポリマーの種類を異ならせた場合において
も、ポリマー電解質と接触する正極や負極の面にアモル
ファス構造になったLiTi2(PO43 からなる無
機固体電解質層を設けると、正極と負極とをそれぞれポ
リマー電解質を直接接触させた上記の比較例1のポリマ
ー電解質電池に比べて、100サイクル時における放電
容量の低下が少なくなり、充放電サイクル特性が著しく
向上した。特に、ポリマー電解質におけるポリマーに、
ポリエチレングリコール,ポリエチレンオキシド,ポリ
エチレンイミンのようなポリエチレンオキシド類やポリ
エチレンイミン類を用いた実施例1,22,23のポリ
マー電解質電池においては、それ以外のポリマーを用い
た実施例24のポリマー電解質電池に比べ、100サイ
クル時における放電容量の低下がさらに抑制され、充放
電サイクル特性が一層向上していた。
【0087】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
ポリマー電解質電池においては、正極と負極とポリマー
電解質とを備えたポリマー電解質電池において、上記の
ポリマー電解質と接触する正極と負極の少なくとも一方
の面にアモルファス構造の無機固体電解質層を設けたた
め、このアモルファス構造の無機固体電解質層により正
極や負極とポリマー電解質との密着性が向上し、またこ
の無機固体電解質層自体がイオン伝導性を有しているた
め、正極や負極とポリマー電解質との界面における抵抗
が低下して界面におけるイオン伝導度が高くなり、ポリ
マー電解質電池における充放電サイクル特性が向上され
るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るポリマー電解質電池に
おいて、正極とポリマー電解質との間及び負極とポリマ
ー電解質との間にそれぞれアモルファス構造になった無
機固体電解質層を設けたポリマー電解質電池の内部構造
を示した断面説明図である。
【図2】この発明の実施例に係るポリマー電解質電池に
おいて、正極とポリマー電解質との間にだけアモルファ
ス構造になった無機固体電解質層を設けたポリマー電解
質電池の内部構造を示した断面説明図である。
【図3】この発明の実施例に係るポリマー電解質電池に
おいて、負極とポリマー電解質との間にだけアモルファ
ス構造になった無機固体電解質層を設けたポリマー電解
質電池の内部構造を示した断面説明図である。
【図4】ポリマー電解質と接触する正極及び負極の面に
それぞれアモルファス構造になった無機固体電解質層を
設けていない比較例のポリマー電解質電池の内部構造を
示した断面説明図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 ポリマー電解質 1a,2a 無機固体電解質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 能間 俊之 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK03 AL02 AL06 AL07 AL08 AL12 AM03 AM04 AM07 AM12 AM16 BJ04 DJ18 HJ02 HJ04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極と負極とポリマー電解質とを備えた
    ポリマー電解質電池において、上記のポリマー電解質と
    接触する正極と負極の少なくとも一方の面にアモルファ
    ス構造の無機固体電解質層が設けられていることを特徴
    とするポリマー電解質電池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したポリマー電解質電池
    において、上記の無機固体電解質層が、Li3 N,Li
    Ti2 (PO43 ,Li−βAl23 ,LiI,L
    iI−Li2 S−P25 ,LiI−Li2 S−B2
    3 ,LiI−Li3 N−LiOH,Li2 O−B2
    3 ,Li2 O−V23 −SiO2 ,LiTaO3 から
    選択される少なくとも一種の物質を含むことを特徴とす
    るポリマー電解質電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載したポリマー電解
    質電池において、上記の無機固体電解質層の厚みが10
    μm以下であることを特徴とするポリマー電解質電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載したポ
    リマー電解質電池において、上記のポリマー電解質にお
    けるポリマーがポリエチレンオキシド類とポリエチレン
    イミン類とから選択される少なくとも一種の材料で構成
    されていることを特徴とするポリマー電解質電池。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載した
    ポリマー電解質電池において、上記の負極における負極
    材料に炭素材料を用い、この負極のポリマー電解質と接
    触する面に上記のアモルファス構造の無機固体電解質層
    を設けていることを特徴とするポリマー電解質電池。
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