JP2013062235A - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エネルギー密度が高い二次電池およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 酸化物焼結体からなる正極1に設けた第1固体電解質層2Pと、酸化物焼結体からなる負極3に設けた第2固体電解質層2Nとを、窒化リチウム層2Mを介して接合することにより、固体電解質層2の厚みを薄くして、発電要素8そのものを薄くしたり、同一体積の二次電池と比較して電極の厚みを厚くすることができ、活物質の充填率が増加してエネルギー密度が高い二次電池となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質を用いた二次電池およびその製造方法に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノートPCだけでなく、電気自動車用バッテリーとしてもその用途を広げている。
従来における二次電池の電解質としては、一般に非水系の電解液をセパレータと呼ばれる多孔質膜に含浸させた電解質が使用されていたが、近年、安全性の観点から可燃性物質である電解液に替えて、難燃性あるいは不燃性の固体電解質を用いた二次電池が提案されている。
固体電解質を用いた二次電池としては、例えば、焼成した第一の固体電解質と正極および負極とを、接着用の第2の固体電解質層を介して接合してなる二次電池が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2009−181872号公報
しかしながら、特許文献1に記載の二次電池では、第1の固体電解質と正極および負極との間に、高分子材料を含む第2の固体電解質シートを接着用として重ね合わせ積層体を作製するものであり、第1の固体電解質として厚さが数百μmの焼成した固体電解質を用いるため、発電要素の薄層化や活物質充填率の向上、すなわちエネルギー密度の向上が難しいという課題がある。
したがって、本発明は、エネルギー密度が高い二次電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の二次電池は、酸化物焼結体からなる正極に設けた第1固体電解質層と、酸化物焼結体からなる負極に設けた第2固体電解質層とが、窒化リチウム層を介して接合されていることを特徴とする。
本発明の二次電池の製造方法は、酸化物焼結体からなる正極上に第1固体電解質層を形成する工程と、酸化物焼結体からなる負極上に第2固体電解質層を形成する工程と、前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層の少なくとも一方の表面に金属リチウム層を形成する工程と、前記第1固体電解質層と前記第2固体電解質層とを前記金属リチウム層を介して、加圧して接合する工程と、前記金属リチウム層を窒化処理して窒化リチウム層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、固体電解質層の厚みを薄くすることができ、エネルギー密度が高い二次電池およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である二次電池を示す断面図である。 図1の二次電池の発電要素を示す拡大図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態である二次電池を示す断面図であり、図2は図1の二次電池の発電要素を示す拡大図である。
本実施形態の二次電池は、円形状の固体電解質層2の一方の表面に酸化物焼結体からなる円形状の正極1を、固体電解質層2の他方の表面に酸化物焼結体からなる円形状の負極3を形成した発電要素8が、正極側電池ケース5と負極側電池ケース7とによって形成された電池ケース内の空間に収納されている。正極側電池ケース5と負極側電池ケース7とはガスケット6を介してかしめられており、電池ケース内の空間が気密に保たれている。
また、正極側電池ケース5と負極側電池ケース7との接触を良好に行うために正極1の正極側電池ケース5と対峙する面には正極側集電層4Pが、負極3の負極側電池ケース7と対峙する面には負極側集電層4Nがそれぞれ形成されており、電池ケースと発電要素8との接触抵抗の低減を図っている。
固体電解質層2は、正極1上に設けられた正極側の第1固体電解質層2Pと、負極3上に設けられた負極側の第2固体電解質2Nと、第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nの間に配置された窒化リチウム層2Mとの積層体となっている。
固体電解質層2には、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止することが求められる。そのため、イオンの通り道として移動距離を短くするために固体電解質層2の厚みは薄ければ薄いほどよく、具体的には、固体電解質層2全体の厚みを10μm以下とすることが好ましく、さらには3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。固体電解質層2の厚みが薄いと固体電解質に起因する内部抵抗が減少し、出力特性などの電池性能が向上する。また、固体電解質層2の厚みを薄くすることができれば同一体積の二次電池と比較して電極の厚みを厚くすることができ、活物質をより多く詰め込めるため、高容量化が進み、結果としてエネルギー密度向上にも寄与する。ただし、ショートを防止するために絶縁破壊やピンホールによるショートを起こさない必要最低限の厚みを確保する必要がある。
酸化物焼結体からなる正極1および負極3の表面にそれぞれ第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nを形成する方法としては、液相合成法または気相合成法を用いることができ、特に気相合成法は、薄く均一で緻密な膜を形成し易く、界面抵抗を小さくできるために好適である。
第1および第2の固体電解質層2P、2Nとしては、イオン伝導パスがランダムに存在することで電極の体積変化に伴う界面の形態変化に追従し界面抵抗の増加を抑制することができると考えられるリチウムを含むガラス系固体電解質が好ましく、例えばLi1+xZrSi3−x12、Li1+xZr2−x/3Si3−x12−2x/3(1.5<x<2.2)、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y、またはLa、0<x<2)、Li0.5−3x0.5+xTiO(M=La、Pr、Nd、またはSm、0<x<1/6)、LiSO、LiSiO、LiPO、LiGeO、LiVO、LiMoO、LiZrO、LiCO、LiO、LiPON、SiO、ZrO、V、P、B、Al
、TiO、ZnGeO、LiS、SiS、LiSe、SiSe、B、P、GeS、LiI、LiW、LiNbO等が挙げられる。なかでもリン酸リチウムオキシナイトライド(以下、LIPONともいう)は室温で1×10−6S/cm程度の高いイオン伝導度を持ち、電気化学的に広い電位範囲にわたって安定であることが知られており好適である。
LIPONは、リン酸リチウム(LiPO)の酸素の一部が窒素に置換されたもの
で、成膜は窒素雰囲気中でターゲットにリン酸リチウムを用いた反応性高周波スパッタリング法により形成することができる。また、LIPONは、非酸化雰囲気、特に窒素雰囲気中であれば加熱しても安定であり、イオン伝導性も変化しない。そのため、非酸化雰囲気であれば固体電解質同士の接合時のLIPONの変質を抑制することができる。
第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nの間に配置された窒化リチウム層2Mは、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nのうち少なくとも一方の表面上に蒸着法によって形成された金属リチウムを介して第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nを接合した後、窒素雰囲気下にて窒化処理することで形成できる。
第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nの表面上への金属リチウム層の蒸着は、金属リチウム層が水分と反応して変質することを防ぐため、水分を除去したアルゴンガスで満たされたグローブボックス内や露点−60℃程度に管理されたドライルーム内にセットされた、市販のリチウム蒸着装置などによって行うことができる。
第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nの表面上に形成された金属リチウム層同士、もしくは金属リチウム層と第1または第2固体電解質層との接合は、同じく露点が管理されたグローブボックスやドライルーム内でプレス機などを使用して行うことができる。その際、室温で接合しても良いが、金属リチウムの融点よりも低い温度範囲で加熱することで金属リチウムを軟化させ、より密着性に優れた接合が可能となる。
第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nの間に配置された金属リチウム層の窒化処理は、露点管理された窒素ガス雰囲気下に放置することで可能であるが、処理時間を短縮するために加熱しても良い。加熱する場合の温度は、金属リチウム層が融解・流出しない温度、すなわち金属リチウムの融点(181℃)を超えない温度であればよい。なお、金属リチウム層を介した第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nとの接合を窒素雰囲気下にて行うことにより、接合工程と金属リチウム層の窒化工程を一括して行うこともできる。このように、本実施形態によれば、窒化リチウム層を介することで第1電解質層2Pと第2固体電解質層2Nとを低温で接合できるため、たとえ加熱により変質しやすい材料を第1および第2固体電解質層2P、2Nとして使用しても、第1および第2固体電解質層2P、2Nの変質により電池特性が劣化する懸念が少ない。
また、窒化リチウム層2Mは、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと同様に、薄ければ薄いほどよく、具体的には3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。ただし、必要最低限の接合強度を確保し、欠陥なく接合するために、少なくとも0.1μm以上の厚みを有することが好ましい。
金属リチウムにはイオン伝導性はなく、窒化リチウム(LiN)となって初めて室温で10−3S/cmオーダーの高いイオン伝導性を発現する。そのため金属リチウムから窒化リチウムへの変化の割合を示す窒化率は高ければ高いほどよい。なお、窒化リチウムは熱的に安定であり、使用環境において高温にさらされても高分子材料のように変質せず、良好な電池特性を維持するため長寿命の二次電池を形成できる。窒化状態については、色調の変化やX線回折法による窒化リチウム結晶相の回折ピークの有無等から窒化リチウ
ムの生成を確認したり、熱分析(DSC)により金属リチウムの溶融反応の有無を測定するなどして確認できる。
なお、窒化リチウム層2Mは、水酸化リチウム(LiOH)および炭酸リチウム(LiCO)のうち少なくともいずれか一方を含有していることが好ましい。窒化リチウム層2Mがこれらを含有する場合、窒化リチウム層2M中に含まれるLiOHとLiCOの体積比率が合計で60体積%以下である、または窒化リチウム層2MのX線回折(XRD)パターンにおける回折ピーク強度比(I+I)/(I+I+I)が0.6以下であることが好ましい。なお、I、IおよびIはそれぞれ、LiN、LiOHおよびLiCOのメインピーク強度である。窒化リチウム層2Mにおける水酸化リチウム(LiOH)や炭酸リチウム(LiCO)の含有量をこのような範囲とすることで、窒化リチウムが有するイオン伝導性を大きく損なうことなく、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと、窒化リチウム層2Mとの接着性を高めることができる。
金属リチウムは、窒化して窒化リチウムを形成する際に体積収縮し、その収縮率は約30体積%にもなるため、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと、窒化リチウム層2Mとの界面に、隙間や亀裂などの欠陥が生じたり、さらには剥がれてしまう場合がある。一方、金属リチウムから水酸化リチウムや炭酸リチウムが形成される際は、体積膨張が生じ、その膨張率は水酸化リチウムで約26体積%、炭酸リチウムの場合は約35体積%である。金属リチウムを窒化して窒化リチウムを形成する際に、水酸化リチウムや炭酸リチウムを同時に形成することにより、金属リチウムの窒化に伴う体積収縮が、水酸化リチウムや炭酸リチウムの形成による体積膨張により緩和され、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと、窒化リチウム層2Mとの界面における欠陥生成を抑えることができ、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと、窒化リチウム層2Mとの接着性を高めることができる。
また、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムはいずれもイオン伝導性を有さず、固体電解質としての機能は持たないが、その窒化リチウム層2Mにおける含有量を合計で60体積%以下、または回折ピーク強度比(I+I)/(I+I+I)を0.6以下とすることで、窒化リチウムが有するイオン伝導性を大きく損なうことなく、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2N間においてイオン伝導の経路が維持でき、イオン伝導性の良好な窒化リチウム層2Mを形成できる。
水酸化リチウムや炭酸リチウムを含む窒化リチウム層2Mを形成するには、金属リチウムを窒化する際に用いる窒素ガスの露点や窒素ガス中の二酸化炭素の含有量を適宜調節すればよい。
なお、窒化リチウム層2Mに含まれる水酸化リチウムや炭酸リチウムの体積比率は、窒化リチウム層2MのX線回折(XRD)測定で得られる回折パターンをリートベルト解析することにより確認できる。また、LiN、LiOHおよびLiCOの回折ピーク強度を比較する場合、各メインピークはJCPDSカードを用いて確認すればよい。
本実施形態の二次電池に用いる電極は、正極1および負極3とも緻密な酸化物焼結体を用いる。緻密な酸化物焼結体とは、実質的に酸化物系の活物質のみからなり、気孔率が15%以下の焼結体である。電極を活物質のみの緻密体とすることで、発電に直接かかわらない導電助剤や結着材、固体電解質などによる容量低下を抑制できるだけでなく、活物質同士の接合面積を大幅に増加でき、酸化物系の活物質が持つ本来の電子伝導性やイオン伝導性を有効に活用することができ、高容量、高エネルギー密度で出力特性に優れた二次電池を得ることができる。
また、正極1および負極3を緻密な焼結体とすることで、対峙する固体電解質層2P、2Nとの接合面積を大きくすることができる。すなわち、ボイドなどの欠陥の多い電極では欠陥部分には固体電解質が形成されないため、イオンの通り道が減少し内部抵抗が増加して電池性能が低下することになる。理想的には酸化物焼結体の気孔率は0%が望ましいが、許容できる気孔率として15%以下とすることが好ましく、さらには10%以下が好ましい。
電極に用いる活物質は、緻密な酸化物焼結体ができれば特に限定されるものではないが、正極1を形成する酸化物焼結体に用いる活物質としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、酸化バナジウムなどが挙げられる。特にニッケルマンガン酸リチウムであるリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNiMn (x=0.1〜0.5、y=1.5〜1.9))は、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいことから二次電池の高容量
化、高エネルギー密度化には特に適した活物質である。
また、負極3を形成する酸化物焼結体に用いる活物質としては、例えば、チタン酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、バナジウム酸化物、鉄酸化物等とこれら酸化物とリチウムからなるリチウム複合酸化物を用いることができる。特にチタン酸リチウムであるリチウムチタン複合酸化物(LiTiおよびその類縁活物質)は、酸化物の中では充放電電位が低く、充放電容量が大きいことから負極3の活物質として用いると電圧の高い二次電池を構成できる。
以上のように、酸化物焼結体からなる正極1に設けた第1固体電解質層2Pと酸化物焼結体からなる負極3に設けた第2固体電解質層2Nとを、窒化リチウム層2Mを介して接合することで、固体電解質層2の厚みを薄くすることができ、高容量、高エネルギー密度で電池特性に優れるともに、長寿命の発電要素8を得ることができる。
また、正極側電池ケース5および負極側電池ケース7を形成する材質としては、アルミニウム、チタン、ステンレスなどの金属や、アルミニウム箔と樹脂とからなるラミネートフィルムやプラスチックなどを用いることができる。
さらに、正極集電層4Pおよび負極集電層4Nには、カーボン材料をフィラーとした導電性カーボンインクや、アルミニウム、金、白金などをフィラーとした導電性金属インクや、ITOガラス、酸化すずなどの酸化物をフィラーとした導電性酸化物インクなどを塗布し、乾燥させたものを用いることができる。また、白金やアルミニウム、チタンなどの金属を蒸着して形成したものを用いることもできる。
以上、本実施形態の二次電池について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々変更したものにも適用することができる。
(1)正極材料の作製工程
正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5とバインダーであるブチラールを、トルエンを溶媒としてボールミルで混合し、正極用のスラリーを調整した。そして、正極用スラリーをポリエリレンテレフタレートフィルム上に塗工し乾燥させて厚みが125μmの正極用のグリーンシートを作製した。しかるのち、正極用のグリーンシートを直径18mmに打ち抜き、1000℃で焼成したあと、700℃の温度で10時間熱処理を与えることで、厚み100μm、直径15mm、気孔率10%の緻密なLiNi0.5Mn1.
からなる酸化物焼結体の正極を作製した。
(2)負極材料の作製工程
負極活物質であるLiTiとバインダーであるブチラールを、トルエンを溶媒としてボールミルで混合し、負極用スラリーを調整した。そして、負極用スラリーをポリエリレンテレフタレートフィルム上に塗工し乾燥させて厚みが125μmの負極用のグリーンシートを作製した。しかるのち、負極用のグリーンシートを直径18mmに打ち抜き、1100℃で焼成することで、厚み100μm、直径15mm、気孔率10%の緻密なLiTiからなる酸化物焼結体の負極を作製した。
(3)各電極への固体電解質層の形成工程
正極と負極をそれぞれ高周波マグネトロンスパッタ装置のサンプルホルダーに装着し、リン酸リチウム焼結体ターゲットを装填して窒素雰囲気(圧力:5mtorr)で5時間成膜を行い、厚み0.5μmの固体電解質層を正極および負極の表面にそれぞれ形成した。
(4)各固体電解質層への金属リチウム層の形成工程
工程(3)で作製した正極側の固体電解質層と負極側の固体電解質層の両方の表面上に、アルゴンガスを満たしたグローブボックス内に設置した金属リチウム蒸着装置を用いて、蒸着法により厚さ1μmの金属リチウム層を形成した。
(5)固体電解質層同士の接合工程
固体電解質層の表面上に金属リチウム層を蒸着した正極と負極とを互いの金属リチウム層が向かい合うように、窒素ガスで満たしたグローブボックス内に設置したプレスジグにセットし、10MPaの圧力で加圧することにより、金属リチウム層を介して、正極と負極とに形成された固体電解質層同士を接合した。
(6)金属リチウム層の窒化工程
窒素ガスで満たされたグローブボックス内に接合体を24時間放置して金属リチウム層の窒化処理を行い、発電要素を作製した。なお、グローブボックス内はいずれの工程においても露点を−60℃より低露点に管理した。
(7)正負極集電層の形成工程
得られた発電要素の両面に白金蒸着装置により白金からなる集電層を蒸着した。その際、白金が発電要素の側面に回りこみ、正極と負極がショートするのを防ぐため、発電要素に直径14mmの開口部を持ったステンレス製マスクを載せて蒸着した。
(8)電池組立工程
直径20mm、厚み1.6mmのコイン型電池を作製するためのステンレス製の正極側電池ケースと負極側電池ケースとの間に集電層を形成した発電要素を収納し、両電池ケースの周囲をガスケットを介してかしめることでリチウム二次電池を製作した。
(9)二次電池の評価試験
(1)〜(8)の工程によって得られたリチウム二次電池の性能を充放電試験により確認した。試験条件は以下の通りとした。
充放電電圧範囲:上限3.7V、下限1.5V
充放電電流値:10μA(定電流充放電)
測定温度:30℃
充放電試験の結果、平均放電電圧3.0Vで充放電が繰り返し可能であることを確認した。
さらに、(6)の工程で窒素ガスの露点および二酸化炭素ガスの含有量を調節することにより、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムを含む窒化リチウム層を形成し、発電要素を作製した。この窒化リチウム層のX線回折(XRD)測定を行い、得られた回折パターンから算出した回折ピーク強度比(I+I)/(I+I+I)は0.23であった。この発電要素について、上記と同様の条件で二次電池としての性能を評価し、平均放電電圧3.0Vで充放電が繰り返し可能であることを確認した。
1・・・正極
2・・・固体電解質層
2P・・正極側の第1の固体電解質層
2N・・負極側の第2の固体電解質層
2M・・窒化リチウム層
3・・・負極
4P・・正極側集電層
4N・・負極側集電層
5・・・正極側電池ケース
6・・・ガスケット
7・・・負極側電池ケース
8・・・発電要素

Claims (11)

  1. 酸化物焼結体からなる正極に設けた第1固体電解質層と、酸化物焼結体からなる負極に設けた第2固体電解質層とが、窒化リチウム層を介して接合されていることを特徴とする二次電池。
  2. 前記第1固体電解質層、前記窒化リチウム層および前記第2固体電解質層の合計厚みが、10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層が、リチウムを含むガラス系固体電解質からなることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記リチウムを含むガラス系固体電解質が、リン酸リチウムオキシナイトライドガラスであることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記正極を形成する前記酸化物焼結体の活物質が、リチウムニッケルマンガン複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 前記負極を形成する前記酸化物焼結体の活物質が、リチウムチタン複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二次電池。
  7. 前記窒化リチウム層が、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムのうち少なくともいずれか一方を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の二次電池。
  8. 酸化物焼結体からなる正極上に第1固体電解質層を形成する工程と、
    酸化物焼結体からなる負極上に第2固体電解質層を形成する工程と、
    前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層の少なくとも一方の表面に金属リチウム層を形成する工程と、
    前記第1固体電解質層と前記第2固体電解質層とを前記金属リチウム層を介して、加圧して接合する工程と、
    前記金属リチウム層を窒化処理して窒化リチウム層を形成する工程と、を有することを特徴とする二次電池の製造方法。
  9. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層としてリチウムを含むガラス系固体電解質を用いることを特徴とする請求項8に記載の二次電池の製造方法。
  10. 前記リチウムを含むガラス系固体電解質としてリン酸リチウムオキシナイトライドガラスを用いることを特徴とする請求項9に記載の二次電池の製造方法。
  11. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層を気相合成法によって前記正極および前記負極上に形成することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
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