JP5952161B2 - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質を用いた二次電池およびその製造方法に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノートPCだけでなく、電気自動車用バッテリーとしてもその用途を広げている。
従来における二次電池の電解質としては、一般に非水系の電解液をセパレータと呼ばれる多孔質膜に含浸させた電解質が使用されていたが、近年、安全性の観点から可燃性物質である電解液に替えて、難燃性あるいは不燃性の固体電解質を用いた二次電池が提案されている。
固体電解質を用いた二次電池としては、例えば、焼成した第一の固体電解質と正極および負極とを、接着用の第2の固体電解質層を介して接合してなる二次電池が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2009−181872号公報
しかしながら、特許文献1に記載の二次電池では、第1の固体電解質と正極および負極との間に、高分子材料を含む第2の固体電解質シートを接着用として重ね合わせ積層体を作製するものであり、第1の固体電解質として厚さが数百μmの焼成した固体電解質を用いるため、発電要素の薄層化や活物質充填率の向上、すなわちエネルギー密度の向上が難しいという課題がある。
したがって、本発明は、エネルギー密度が高い二次電池およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の二次電池は、酸化物焼結体からなる正極に設けた第1固体電解質層と、酸化物焼結体からなる負極に設けた第2固体電解質層とが、固体電解質の粒子と窒化リチウムとを含む第3固体電解質層を介して接合され、前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層が窒化リチウムを含まないことを特徴とする。
本発明の二次電池の製造方法は、酸化物焼結体からなる正極上に第1固体電解質層を形成する工程と、酸化物焼結体からなる負極上に第2固体電解質層を形成する工程と、前記第1固体電解質層と前記第2固体電解質層とを固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介して、加圧して接合する工程と、前記金属リチウムを窒化処理して固体電解質の粒子と窒化リチウムとを含む第3固体電解質層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、固体電解質層の厚みを薄くすることができ、エネルギー密度が高い二次電池およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である二次電池を示す断面図である。 図1の二次電池の発電要素を示す拡大図である。 図2の発電要素の固体電解質層部分を示す拡大図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態である二次電池を示す断面図であり、図2は図1の二次電池の発電要素を示す拡大図である。図3はさらに発電要素の固体電解質層部分の詳細を示す拡大図である。
本実施形態の二次電池は、円板状の固体電解質層2の一方の表面に酸化物焼結体からなる円板状の正極1を、固体電解質層2の他方の表面に酸化物焼結体からなる円板状の負極3を形成した発電要素7が、正極側電池ケース5Pと負極側電池ケース5Nとによって形成された電池ケース内の空間に収納されている。正極側電池ケース5Pと負極側電池ケース5Nとはガスケット6を介してかしめられており、電池ケース内の空間が気密に保たれている。
また、正極側電池ケース5Pと負極側電池ケース5Nとの接触を良好に行うために正極1の正極側電池ケース5Pと対峙する面には正極側集電層4Pが、負極3の負極側電池ケース5Nと対峙する面には負極側集電層4Nがそれぞれ形成されており、電池ケースと発電要素7との接触抵抗の低減を図っている。
固体電解質層2は、正極1上に設けられた正極側の第1固体電解質層2Pと、負極3上に設けられた負極側の第2固体電解質2Nと、第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nの間に配置された第3固体電解質層2Mとの積層体となっている。第3固体電解質層2Mは、固体電解質の粒子8と窒化リチウム9とから構成されている。
固体電解質層2には、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止することが求められる。そのため、イオンの通り道として移動距離を短くするために固体電解質層2の厚みは薄ければ薄いほどよく、具体的には、固体電解質層2全体の厚みを10μm以下とすることが好ましく、さらには3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。固体電解質層2の厚みが薄いと固体電解質に起因する内部抵抗が減少し、出力特性などの電池性能が向上する。また、固体電解質層2の厚みを薄くすることができれば同一体積の二次電池と比較して電極の厚みを厚くすることができ、活物質をより多く詰め込めるため、高容量化が進み、結果としてエネルギー密度向上にも寄与する。ただし、ショートを防止するために絶縁破壊やピンホールによるショートを起こさない必要最低限の厚みを確保する必要がある。
酸化物焼結体からなる正極1および負極3の表面にそれぞれ第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nを形成する方法としては、液相合成法または気相合成法を用いることができ、特に気相合成法は、薄く均一で緻密な膜を形成し易く、界面抵抗を小さくできるために好適である。
第1および第2固体電解質層2P、2Nとしては、イオン伝導パスがランダムに存在することで電極の体積変化に伴う界面の形態変化に追従し界面抵抗の増加を抑制することができると考えられるリチウムを含むガラス系固体電解質が好ましく、例えばLi1+xZrSi3−x12、Li1+xZr2−x/3Si3−x12−2x/3(1.5<x<2.2)、Li1+xTi2−x(PO(M=Al、Sc、Y
、またはLa、0<x<2)、Li0.5−3x0.5+xTiO(M=La、Pr、Nd、またはSm、0<x<1/6)、LiSO、LiSiO、LiPO、LiGeO、LiVO、LiMoO、LiZrO、LiCO、LiO、LiPON、SiO、ZrO、V、P、B、Al、TiO、ZnGeO、LiS、SiS、LiSe、SiSe、B、P、GeS、LiI、LiW、LiNbO等が挙げられる。なかでもリン酸リチウムオキシナイトライド(以下、LIPONともいう)は室温で1×10−6S/cm程度の高いイオン伝導度を持ち、電気化学的に広い電位範囲にわたって安定であることが知られており好適である。
LIPONは、リン酸リチウム(LiPO)の酸素の一部が窒素に置換されたもの
で、成膜は窒素雰囲気中でターゲットにリン酸リチウムを用いた反応性高周波スパッタリング法により形成することができる。また、LIPONは、非酸化雰囲気、特に窒素雰囲気中であれば加熱しても安定であり、イオン伝導性も変化しない。そのため、非酸化雰囲気であれば固体電解質同士を接合する際のLIPONの変質を抑制することができる。
第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nの間に配置された第3固体電解質層2Mは、第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nとを、固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介して、加圧して接合した後、窒素雰囲気下にて金属リチウムを窒化処理することで形成できる。
固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物は、金属リチウムが水分と反応して変質することを防ぐため、水分を除去したアルゴンガスで満たされたグローブボックス内や露点−60℃程度に管理されたドライルーム内で、予め乾燥された固体電解質の粒子を金属リチウム箔に練り込んだり、金属リチウムと反応しない容器、例えば高純度アルミナ容器内で金属リチウムを溶解し、そこに固体電解質の粒子を投入、混合した後、冷却して得ることができる。
このようにして得られた固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介した、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nとの接合は、同じく露点が管理されたグローブボックスやドライルーム内でプレス機などを使用して行うことができる。その際、室温で接合しても良いが、金属リチウムの融点よりも低い温度範囲で加熱することで金属リチウムを軟化させ、より密着性に優れた接合が可能となる。
第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nの間に配置された金属リチウムの窒化処理は、露点管理された窒素ガス雰囲気下に放置することで可能であるが、処理時間を短縮するために加熱しても良い。加熱する場合の温度は、金属リチウムが融解・流出しない温度、すなわち金属リチウムの融点(181℃)を超えない温度であればよい。なお、固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介した第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nとの接合を窒素雰囲気下にて行うことにより、接合工程と金属リチウムの窒化工程を一括して行うこともできる。このように、本実施形態によれば、固体電解質の粒子8と窒化リチウム9とを含む第3固体電解質層2Mを介することにより、第1固体電解質層2Pと第2固体電解質層2Nとを低温で接合できるため、たとえ加熱により変質しやすい材料を第1および第2固体電解質層2P、2Nとして使用しても、第1および第2固体電解質層2P、2Nの変質により電池特性が劣化する懸念が少ない。
また、第3固体電解質層2Mの厚みは、第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nと同様に、薄ければ薄いほどよく、具体的には3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。ただし、必要最低限の接合強度を確保し、欠陥なく接合するために、少なくとも0.1μm以上の厚みを有することが好ましい。また、固体電解質の粒子8は
、第3固体電解質層2Mの厚みに見合った粒子サイズであればよいが、具体的には固体電解質の粒子8の粒子径を3μm以下、より好ましくは1μm以下とするのがよい。
金属リチウムにはイオン伝導性はなく、窒化リチウムとなって初めて室温で10−3S/cmオーダーの高いイオン伝導性を発現する。そのため金属リチウムから窒化リチウムへの変化の割合を示す窒化率は高ければ高いほどよい。なお、窒化リチウムは熱的に安定であり、使用環境において高温にさらされても高分子材料のように変質せず、良好な電池特性を維持するため長寿命の二次電池を形成できる。窒化状態については、色調の変化やX線回折法による窒化リチウム結晶相の回折ピークの有無等から窒化リチウムの生成を確認したり、熱分析(DSC)により金属リチウムの溶融反応の有無を測定するなどして確認できる。
窒化リチウムはリチウム基準の0.44Vの電位で分解すると言われており、たとえば負極として用いられるリチウムチタン酸リチウムはリチウム基準で1〜2V、正極として用いられるリチウムニッケルマンガン複合酸化物は同じく4〜5Vの作動電位を持っているため、これらと直接触れると窒化リチウムは分解してしまい形態や機能の維持ができなくなる懸念がある。そのため、低電位や高電位でも安定な固体電解質層2P、2Nで焼結体電極の表面を覆い、窒化リチウム9が直接正極1や負極3に触れないようにする必要がある。
なお、第1および第2固体電解質層2P、2Nは必ずしも同じ材質である必要はなく、負極側は低電位(還元)に対して、正極側は高電位(酸化)に対して抵抗力があるものであれば問題ない。
なお、第3固体電解質層2Mは、固体電解質の粒子8を10〜70体積%含んでいることが好ましい。このように固体電解質の粒子8を適度な体積比率で含有することで、金属リチウムの窒化に伴う第3固体電解質層2Mの体積収縮を緩和でき、良好な接合界面を構築できる。
金属リチウムは、窒化に伴い約30%という大きな体積収縮が生じることが知られている。そのため、金属リチウムのみで接合し窒化した場合は、窒化による金属リチウムの体積収縮によって金属リチウムと第1固体電解質層2Pおよび第2固体電解質層2Nとの接合界面にクラックが生じたり、剥がれてしまう場合があった。これに対し、固体電解質の粒子8は窒素雰囲気下で体積変化が生じないため、固体電解質の粒子8を適度な体積比率で含有する金属リチウムを介して接合した場合は、第3固体電解質層2Mの体積収縮が抑えられ、剥がれはもちろん、クラックの発生も抑制することができる。
このような固体電解質の粒子8の材料としては、たとえばLi1+xAlTi2−x(PO(ただし、0<x<2)、Li0.5−3xLa0.5+xTiO(ただし、0<x<1.6)、LiLaZr12、LiLa12(ただし、MはTa、Nb)、LiMO(ただし、MはSi、Ge、Ti)、LiMO(ただし、MはAl、Ga、Fe)、LiSOなどが挙げられるが、特にLi1+xAlTi2−x(PO(ただし、0<x<2)、Li0.5−3xLa0.5+xTiO(ただし、0<x<1.6)およびLiLaZr12から選ばれる少なくとも1種の結晶であることが好ましい。なぜならば、Li1+xAlTi2−x(PO(ただし、0<x<2)、Li0.5−3xLa0.5+xTiO(ただし、0<x<1.6)およびLiLaZr12は、他の固体電解質材料に比して特に高いイオン伝導性を有しているからである。
なお、窒化による金属リチウムの体積収縮を抑え、接合界面のクラックや剥がれを抑制
するだけの目的であれば、必ずしも固体電解質の粒子8ではなく、イオン伝導性をもたないアルミナ粒子やシリカ粒子、ジルコニア粒子、さらにはガラス粒子やプラスチック粒子などでも適用可能であるが、第3固体電解質層2Mにイオン伝導性がない粒子が含まれると、第3固体電解質層2Mのイオン伝導性が損なわれて電池の内部抵抗が上昇し、出力特性などの電池特性が低下する懸念がある。
本実施形態の二次電池に用いる電極は、正極1および負極3のいずれにも緻密な酸化物焼結体を用いる。緻密な酸化物焼結体とは、実質的に酸化物系の活物質のみからなり、気孔率が15%以下の焼結体である。電極を活物質のみの緻密体とすることで、発電に直接かかわらない導電助剤や結着材、固体電解質などによる容量低下を抑制できるだけでなく、活物質同士の接合面積を大幅に増加でき、酸化物系の活物質が持つ本来の電子伝導性やイオン伝導性を有効に活用することができ、高容量、高エネルギー密度で出力特性に優れた二次電池を得ることができる。
また、正極1および負極3を緻密な焼結体とすることで、対峙する固体電解質層2P、2Nとの接合面積を大きくすることができる。すなわち、ボイドなどの欠陥の多い電極では欠陥部分には固体電解質が形成されないため、イオンの通り道が減少し内部抵抗が増加して電池性能が低下することになる。理想的には酸化物焼結体の気孔率は0%が望ましいが、許容できる気孔率として15%以下とすることが好ましく、さらには10%以下が好ましい。
電極に用いる活物質は、緻密な酸化物焼結体ができれば特に限定されるものではないが、正極1を形成する酸化物焼結体に用いる活物質としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、リチウムニッケルマンガン複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、酸化バナジウムなどが挙げられる。特にニッケルマンガン酸リチウムであるリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNiMn (x=0.1〜0.5、y=1.5〜1.9))は、充放電電圧が高く
、充放電容量も大きいことから二次電池の高容量化、高エネルギー密度化には特に適した活物質である。
また、負極3を形成する酸化物焼結体に用いる活物質としては、例えば、チタン酸化物、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、ニオブ酸化物、バナジウム酸化物、鉄酸化物等とこれら酸化物とリチウムからなるリチウム複合酸化物を用いることができる。特にチタン酸リチウムであるリチウムチタン複合酸化物(LiTiおよびその類縁活物質)は、酸化物の中では充放電電位が低く、充放電容量が大きいことから負極3の活物質として用いると電圧の高い二次電池を構成できる。
以上のように、酸化物焼結体からなる正極1に設けた第1固体電解質層2Pと酸化物焼結体からなる負極3に設けた第2固体電解質層2Nとを、固体電解質の粒子8と窒化リチウム9とを含む第3固体電解質層2Mを介して接合することで、固体電解質層2の厚みを薄くすることができ、高容量、高エネルギー密度で電池特性に優れるともに、長寿命の発電要素7を得ることができる。
また、正極側電池ケース5Pおよび負極側電池ケース5Nを形成する材質としては、アルミニウム、チタン、ステンレスなどの金属や、アルミニウム箔と樹脂とからなるラミネートフィルムやプラスチックなどを用いることができる。
さらに、正極集電層4Pおよび負極集電層4Nには、カーボン材料をフィラーとした導電性カーボンインクや、アルミニウム、金、白金などをフィラーとした導電性金属インク
や、ITOガラス、酸化すずなどの酸化物をフィラーとした導電性酸化物インクなどを塗布し、乾燥させたものを用いることができる。また、白金やアルミニウム、チタンなどの金属を蒸着して形成したものを用いることもできる。
以上、本実施形態の二次電池について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々変更したものにも適用することができる。
(1)正極材料の作製工程
正極活物質であるLiNi0.5Mn1.5とバインダーであるブチラールを、トルエンを溶媒としてボールミルで混合し、正極用のスラリーを調整した。そして、正極用スラリーをポリエリレンテレフタレートフィルム上に塗工し乾燥させて厚みが125μmの正極用のグリーンシートを作製した。しかるのち、正極用のグリーンシートを直径18mmに打ち抜き、1000℃で焼成したあと、700℃の温度で10時間熱処理を与えることで、厚み100μm、直径15mm、気孔率10%の緻密なLiNi0.5Mn1.5からなる酸化物焼結体の正極を作製した。
(2)負極材料の作製工程
負極活物質であるLiTiとバインダーであるブチラールを、トルエンを溶媒としてボールミルで混合し、負極用スラリーを調整した。そして、負極用スラリーをポリエリレンテレフタレートフィルム上に塗工し乾燥させて厚みが125μmの負極用のグリーンシートを作製した。しかるのち、負極用のグリーンシートを直径18mmに打ち抜き、1100℃で焼成することで、厚み100μm、直径15mm、気孔率10%の緻密なLiTiからなる酸化物焼結体の負極を作製した。
(3)各電極への固体電解質層の形成工程
正極と負極をそれぞれ高周波マグネトロンスパッタ装置のサンプルホルダーに装着し、リン酸リチウム焼結体ターゲットを装填して窒素雰囲気(圧力:5mtorr)で5時間成膜を行い、厚み0.5μmの固体電解質層を正極および負極の表面にそれぞれ形成した。
(4)固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物の作製
厚み100μm、幅25mm、長さ25mmの金属リチウム箔と平均粒径0.7μmのLi1.3Al0.3Ti1.7(PO(以下、LATPともいう)結晶粒子を準備し、LATP結晶粒子が全体の35体積%になるようLATP結晶粒子を秤量した。次にLATP結晶粒子を金属リチウム箔上に載せ、金属リチウム箔で包み込んだものを、ポリエチレンテレフタレートフィルムに挟んで油圧プレスでプレスした。プレスにより伸びた箔を一塊にまとめ、さらにプレスするという作業を15回繰り返し、固体電解質の粒子であるLATP結晶粒子と金属リチウムの混合物を得た。
(5)固体電解質同士の接合工程
アルゴンガスを満たしたグローブボックス内において、工程(3)で作製した正極側の固体電解質層と負極側の固体電解質層の間に、工程(4)で作製した厚み10μm、直径15mmの箔状に加工した固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を挟み、プレス治具にセットした後、油圧プレスで加圧することにより、固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介して、正極と負極とに形成された固体電解質層同士を接合し、接合体を得た。
(6)金属リチウムの窒化工程
窒素ガスで満たされたグローブボックス内に工程(5)で得られた接合体を24時間放置して金属リチウムの窒化処理を行い、発電要素を作製した。なお、グローブボックス内
はいずれの工程においても露点を−60℃より低露点に管理した。
(7)正負極集電層の形成工程
得られた発電要素の両面に白金蒸着装置により白金からなる集電層を蒸着した。その際、白金が発電要素の側面に回りこみ、正極と負極がショートするのを防ぐため、発電要素に直径14mmの開口部を持ったステンレス製マスクを載せて蒸着した。
(8)電池組立工程
直径20mm、厚み1.6mmのコイン型電池を作製するためのステンレス製の正極側電池ケースと負極側電池ケースとの間に集電層を形成した発電要素を収納し、両電池ケースの周囲をガスケットを介してかしめることで二次電池を製作した。
(9)二次電池の評価試験
(1)〜(8)の工程によって得られた二次電池の性能を充放電試験により確認した。試験条件は以下の通りとした。
充放電電圧範囲:上限3.7V、下限1.5V
充放電電流値 :10μA(定電流充放電)
測定温度 :30℃
充放電試験の結果、平均放電電圧3.0Vで充放電が繰り返し可能であることを確認した。
比較例として、実施例の工程(4)でLATP粒子に代えて平均粒径0.7μmのアルミナ粒子を用い、それ以外は実施例と同様にして二次電池を作製し、その性能を実施例と同じ条件の充放電試験により確認した。
充放電試験の結果、比較例の二次電池は、充放電はできたものの内部抵抗が高いために充電電圧と放電電圧の開きが実施例の二次電池に比べて大きく、平均放電電圧は約2.5Vにまで低下し、放電容量は3分の1以下の値しか得られなかった。
1・・・正極
2・・・固体電解質層
2P・・正極側の第1固体電解質層
2N・・負極側の第2固体電解質層
2M・・第3固体電解質層
3・・・負極
4P・・正極側集電層
4N・・負極側集電層
5P・・正極側電池ケース
5N・・負極側電池ケース
6・・・ガスケット
7・・・発電要素
8・・・固体電解質の粒子
9・・・窒化リチウム

Claims (11)

  1. 酸化物焼結体からなる正極に設けた第1固体電解質層と、酸化物焼結体からなる負極に設けた第2固体電解質層とが、固体電解質の粒子と窒化リチウムとを含む第3固体電解質層を介して接合され、前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層が窒化リチウムを含まないことを特徴とする二次電池。
  2. 前記固体電解質の粒子が、Li1+xAlTi2−x(PO(ただし、0<x<2)、Li0.5−3xLa0.5+xTiO(ただし、0<x<1.6)およびLiLaZr12から選ばれる少なくとも1種の結晶であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層が、リチウムを含むガラス系固体電解質からなることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記リチウムを含むガラス系固体電解質が、リン酸リチウムオキシナイトライドガラスであることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記正極を形成する前記酸化物焼結体の活物質が、リチウムニッケルマンガン複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池。
  6. 前記負極を形成する前記酸化物焼結体の活物質が、リチウムチタン複合酸化物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の二次電池。
  7. 酸化物焼結体からなる正極上に第1固体電解質層を形成する工程と、
    酸化物焼結体からなる負極上に第2固体電解質層を形成する工程と、
    前記第1固体電解質層と前記第2固体電解質層とを、固体電解質の粒子と金属リチウムの混合物を介して、加圧して接合する工程と、
    前記金属リチウムを窒化処理して前記固体電解質の粒子と窒化リチウムとを含む第3固体電解質層を形成する工程と、を有することを特徴とする二次電池の製造方法。
  8. 前記固体電解質の粒子として、Li1+xAlTi2−x(PO(ただし、0<x<2)、Li0.5−3xLa0.5+xTiO(ただし、0<x<1.6)およびLiLaZr12から選ばれる少なくとも1種の結晶を用いることを特徴とす
    る請求項7に記載の二次電池の製造方法。
  9. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層として、リチウムを含むガラス系固体電解質を用いることを特徴とする請求項7または8に記載の二次電池の製造方法。
  10. 前記リチウムを含むガラス系固体電解質として、リン酸リチウムオキシナイトライドガラスを用いることを特徴とする請求項9に記載の二次電池の製造方法。
  11. 前記第1固体電解質層および前記第2固体電解質層を、気相合成法によって前記正極および前記負極上に形成することを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
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