JP5157781B2 - 全固体リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極層中の高抵抗層の形成を抑制することにより、リチウムイオン伝導に対する抵抗を小さくして出力を向上させた全固体リチウム二次電池に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。
これに対し、液体電解質を固体電解質に変えて、電池を全固体化した全固体型リチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
このような全固体リチウム二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される電解質とが備えられ、電解質は、固体によって構成される。従って、正極活物質のみを用いて粉末成形により正極層を構成する場合、電解質が固体であるため、電解質が正極層の内部へ浸透しにくく、正極活物質と電解質との界面が低減し、電池性能が低下してしまう。それゆえ、正極活物質の粉末と固体電解質の粉末とを混合した混合粉末を含有する正極合剤を用いて正極層とすることにより、界面の面積を増大させている。
しかしながら、正極合剤を用いて粉末成形により正極層を構成した場合、正極活物質と電解質との界面をリチウムイオンが移動する際の界面抵抗(以下、単に、界面抵抗と称する場合がある。)が増大しやすい。これは、正極活物質と固体電解質とが反応することにより、正極活物質の表面に高抵抗層が形成されるためであると言われている(非特許文献1)。従って、界面抵抗を低減することにより全固体リチウム二次電池の性能を向上させることを目的とした技術が、これまでに開示されてきている。例えば、非特許文献1には、コバルト酸リチウムの表面がニオブ酸リチウムによって被覆された形態の正極活物質が開示されている。これは、酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料との界面部に生じる高抵抗層の形成を抑制して、界面抵抗を低減することができるものである。
しかしながら、硫化物系固体電解質材料中の硫黄とニオブ酸リチウム中の酸素とが反応して、高抵抗層が形成されてしまうため、界面抵抗を充分に低減することができないという問題が依然としてあった。また、ニオブ酸リチウムは、水に溶けないため、アルコキシドを介した合成が必要であり、材料費が高く、工程が煩雑になるという問題があった。また、ニオブ源のアルコキシドとリチウム源のアルコキシドを用いて合成したような場合に、組成がずれるなどしてニオブ酸リチウム以外の不純物が形成されるという問題もあった。
N.Ohta et al.,「LiNbO3−coated LiCoO2 as cathode material for all solid−state lithium secondary batteries」,Electrochemistry Communications.,(2007),vol9, p1486−1490 特開2006−73482号公報 特開2001−52733号公報 特開2004−348972号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、正極層中の高抵抗層の形成を抑制することにより、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、正極層、固体電解質層、および負極層を有する全固体リチウム二次電池であって、上記正極層が、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と、硫化物系固体電解質材料とを含有することを特徴とする全固体リチウム二次電池を提供する。
本発明によれば、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されているため、正極層において、硫化物系固体電解質材料中の硫黄と酸化物中の酸素との反応による高抵抗層の形成を抑制することが可能となる。これにより、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができる。
上記発明においては、上記Li含有硫酸塩がLiSOであることが好ましい。Li伝導度が高く、さらに出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができるからである。また、Liのみからなる硫酸塩であるため、酸化物系正極活物質および硫化物系固体電解質材料と副反応を起こさず、副反応による抵抗層の形成等を抑制することが可能となり、より確実にリチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができるからである。
本発明においては、正極層中の高抵抗層の形成を抑制することにより、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池を得ることができるという効果を奏する。
本発明の全固体リチウム二次電池について、以下詳細に説明する。
本発明の全固体リチウム二次電池は、正極層、固体電解質層、および負極層を有する全固体リチウム二次電池であって、上記正極層が、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と、硫化物系固体電解質材料とを含有することを特徴とするものである。
上述した、従来の酸化物被覆材料(ニオブ酸リチウム)によって被覆された酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを含有する正極層においては、硫化物系固体電解質材料中の硫黄と酸化物被覆材料中の酸素とが反応して、高抵抗層が形成されてしまうため、界面抵抗を充分に低減することができない。これに対して、本発明においては、酸化物系正極活物質表面に酸化物被覆材料ではなく、Li含有硫酸塩が形成されている。そのため、従来の酸化物被覆材料によって被覆された酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを含有する正極層の場合と比較して、硫黄と酸素との反応による高抵抗層の形成が抑制され、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れたものとなる。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池について、図を用いて説明する。
図1は、本発明における全固体リチウム二次電池の一例を模式的に示す概略断面図である。図1に示される全固体リチウム二次電池は、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と、硫化物系固体電解質材料とを含有する正極層1、正極層1上に形成された固体電解質層2、固体電解質層2を正極層1と挟持するように設置された負極層3、を有するものである。通常、これらを挟持するように正極層1上に正極集電体4と、負極層3上に負極集電体5とが設けられており、さらに、これら全体を覆うように電池ケース6が配されている。
このような本発明の全固体リチウム二次電池においては、少なくとも、上記正極層、上記固体電解質層、および上記負極層を有するものであれば特に限定されるものではない。通常は、上述したように、正極集電体、負極集電体、電池ケース等を有する。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池について、構成ごとに詳細に説明する。
1.正極層
まず、本発明における正極層について説明する。上記正極層は、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と、硫化物系固体電解質材料とを含有するものである。上記正極層においては、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されている。これにより、上述したような硫黄と酸素との反応による高抵抗層の形成を抑制することが可能となる。本発明においては、このような正極層を有しているため、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができるのである。
以下、本発明に用いられる正極層について、構成ごとに説明する。
(1)Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質
上記Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質は、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたものである。
本発明におけるLi含有硫酸塩としては、少なくともLiを含有する硫酸塩であれば特に限定されるものではなく、必要に応じてLiF、LiCl、LiCO等のその他元素を有していても良い。本発明においては、中でも、LiSOであることが好ましい。Li伝導度が高く、さらに出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができるからである。また、Liのみからなる硫酸塩であるため、その他元素と酸化物系正極活物質や硫化物系固体電解質材料との副反応が抑制され、このような反応による抵抗層の形成等を抑制することが可能となり、より確実にリチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができるからである。
上記酸化物系正極活物質表面に形成されるLi含有硫酸塩の被覆の程度としては、上述したように、高抵抗層の形成を抑制して、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池を得ることができる程度であれば部分的に被覆されたものであっても良いが、本発明においては上記酸化物系正極活物質表面の全面に被覆されていることが好ましい。さらに、上記高抵抗層の形成を抑制することができるからである。
また、上記酸化物系正極活物質表面に形成されるLi含有硫酸塩の膜厚としては、上記高抵抗層の形成を抑制して、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池を得ることができる程度であれば特に限定されるものではない。具体的には20nm以下であることが好ましい。Li含有硫酸塩の膜厚をより薄くすることにより、リチウムイオン伝導に対する抵抗をより小さくすることができるからである。
本発明において、上記酸化物系正極活物質表面に形成されるLi含有硫酸塩の被覆の程度、被覆量、および上記Li含有硫酸塩の膜厚については、電子顕微鏡、およびXPS(X線光電子分光)により評価・測定することができる。
次に、本発明に用いられる酸化物系正極活物質について説明する。上記酸化物系正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出することができる酸化物であれば特に限定されるものではない。例えば一般式LiMOで表されるものを用いることができる。ここで、式中のMは、主として遷移金属からなり、Co、Mn、Ni、V、Feの少なくとも一種を含む。また、式中のx、yの値の範囲はx=0.02〜2.2、y=1.4〜3である。中でもMは、Co、Ni、Mnの少なくとも一種を含むものが好ましい。
上記酸化物系正極活物質の形状としては、上記Li含有硫酸塩を被覆することができ、リチウムイオンを吸蔵放出することができるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、微粒子状であり、その形状が例えば球状、楕円球等であることが好ましい。上記正極活物質が微粒子である場合の平均粒径としては、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
本実施態様において、上記正極活物質の形状、平均粒径は電子顕微鏡を用いた画像解析に基づいて測定された値を用いることができる。
上記Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質の製造方法としては、上記酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩を形成することができる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、Li含有硫酸塩を水に溶解させて水溶液を得る。次に、この水溶液を、転動流動層を用いたコート装置により、酸化物系正極活物質表面に塗布する。次に、温風で乾燥させて粉末を得る。さらに、この粉末を大気中で熱処理することにより、Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質を得ることができる。
(2)硫化物系固体電解質材料
本発明に用いられる硫化物系固体電解質材料としては、具体的にはLi、A、Sからなる硫化物系固体電解質材料(Li−A−S)を挙げることができる。上記硫化物系固体電解質材料Li−A−S中のAは、P、Ge、B、Si、およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種である。このような硫化物系固体電解質材料Li−A−Sとしては、具体的にはLi11、70LiS−30P、LiGe0.250.75、80LiS−20P、LiS−SiS等を挙げることができ、イオン伝導度が高いことから、特にLi11が好ましい。
本発明に用いられる硫化物系固体電解質材料の製造方法としては、所望の硫化物系固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、特開2005−228570号公報に記載された方法等を挙げることができる。
(3)その他
本発明に用いられる正極層は、必要に応じて、その他の材料を含有していても良い。例えば、導電性を向上させるために、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の導電助剤を含有していても良い。
上記正極層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる正極層の厚さと同様の厚さとすることができる。
2.固体電解質層
上記固体電解質層に用いられる固体電解質材料としては、一般的な全固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば硫化物系固体電解質、チオリシコン、酸化物系固体電解質、塩化物系固体電解質、フッ化物系固体電解質等を挙げることができる。
上記固体電解質層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質層の厚さと同様の厚さのものを用いることができる。
3.負極層
上記負極層に用いられる負極材料としては、一般的な全固体リチウム二次電池に用いられる材料と同様のものを使用することができる。例えば、負極としての機能を有する金属箔等の負極材料のみからなるもの、負極活物質と固体電解質材料とを混合して負極用合剤としたもの等を挙げることができる。また、必要に応じて、導電性を向上させるために、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の導電助剤を含有していても良い。
上記負極層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる負極層の厚さと同様の厚さのものを用いることができる。
4.その他の構成
上記全固体リチウム二次電池において、上述した正極層、固体電解質層、および負極層以外の構成、例えば正極集電体、負極集電体および電池ケース等その他の構成について、以下詳細に説明する。
(1)正極集電体
本発明に用いられる正極集電体は、上記正極層の集電を行うものである。上記正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタン、およびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。さらに、上記正極集電体は、緻密質集電体であっても良く、多孔質集電体であっても良い。
(2)負極集電体
本発明に用いられる負極集電体は、上記負極層の集電を行うものである。上記負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、銅、ニッケル、およびカーボン等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。さらに、上記負極集電体は、緻密質集電体であっても良く、多孔質集電体であっても良い。
(3)その他の構成
上述した部材以外のその他の構成、例えば、電池ケース、コイン型電池ケース等の封止に用いられる樹脂等について説明する。
上記電池ケース、上記樹脂等に関しては、特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム二次電池と同様のものを用いることができる。
具体的には、上記電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、上記電池ケースの代わりに絶縁リング等を用いても良い。また、上記電池ケースは、集電体の機能を兼ね備えたものであっても良い。具体的には、SUS(ステンレス鋼)製の電池ケースを用意し、その一部を集電体として用いる場合等を挙げることができる。また、上記樹脂としては、吸水率の低い樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂等が挙げられる。
5.その他
(1)全固体リチウム二次電池の製造方法
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法としては、上記の全固体リチウム二次電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、まず、固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程を行う。次に、負極集電体上に負極材料を圧着等して負極層を形成して負極層形成工程を行う。
次に、上記Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを混合して正極形成用材料を得る正極形成用材料形成工程を行う。ここで、上記正極形成用材料形成工程は、少なくとも上記Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを均一に混合することができる工程であれば、特に限定されるものではないが、通常、上記Li含有硫酸塩が、上記酸化物系正極活物質表面に被覆された状態を維持可能な程度に混合を行うことが好ましい。
次に、正極集電体上に、上記Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と硫化物系固体電解質材料とを混合して得られた上記正極形成用材料を設置した後プレス成形して正極層を形成する正極層形成工程を行う。次に、上記固体電解質層上に、上記負極層を設置し、さらに、上記固体電解質層を上記負極層と挟持するように上記正極層を設置する。さらに、これを例えばコイン型の電池ケース中に設置した後、樹脂パッキンにより封止することにより電池セルを形成する電池セル形成工程を行うことにより、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得る方法等を挙げることができる。
なお、上記固体電解質層形成工程、上記負極層形成工程、上記正極形成用材料形成工程、上記正極層形成工程、上記電池セル形成工程は、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得ることができれば、各工程を同時に行ったり、各工程の順番を変更したりするなどしても良い。また、上述した所望の全固体リチウム二次電池を得ることができれば、上述した工程以外のその他工程を有していても良い。
(2)用途
本発明の全固体リチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の全固体リチウム二次電池等として、用いることができる。
(3)形状
本発明の全固体リチウム二次電池の形状は、コイン型、ラミネート型、円筒型、角型等を挙げることができ、中でも角型、ラミネート型が好ましく、特にラミネート型が好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質形成)
LiSOを水に溶解させて、LiSO水溶液を調製した。次に、LiSO水溶液を、転動流動層を用いたコート装置により、酸化物系正極活物質(LiCoO)表面に、LiSOの量が酸化物系正極活物質の量の0.29wt%となるように塗布し、給気温度75℃の温風で乾燥させて、粉末を得た。次に、この粉末を大気中、500℃で、10時間熱処理することにより、Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質(LiSO被覆LiCoO)を得た。
(電池セル形成)
Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質形成で得られたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と特開2005−228570号公報に記載された方法と同様の方法で形成した硫化物系固体電解質Li11とを、重量比でLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質:硫化物系固体電解質Li11=7:3となるように混合し正極用形成用材料とした。
この正極形成用材料を、成形冶具中に挿入して、プレス成形して、正極層を形成した。
次に、硫化物系固体電解質Li11粉末を、成形冶具中に挿入して、プレス成形して、硫化物系固体電解質層を形成した。
次に、硫化物系固体電解質層を正極層と、In箔負極層とで挟持して電池セルとした。
[実施例2]
LiSOの量を、酸化物系正極活物質の量の1.2wt%とした以外は、実施例1と同様にして電池セルを形成した。
[比較例1]
LiSOによる被覆を行わず、LiCoOを用いて正極層を形成した以外は、実施例1と同様にして電池セルを形成した。
[評価]
(SEM写真観察)
実施例1および比較例と同様の方法で形成したLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質をSEMにより観察した。得られたSEM写真を図2(実施例1)および図3(比較例)に示す。
(XPS分析)
XPSを用いて、実施例1、実施例2および比較例と同様の方法で形成したLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質の表面の元素分析を行った。図4に、実施例2のS(硫黄)元素量を100とした場合のS元素比をLiSOの量に対してプロットしたグラフを示す。
(界面抵抗測定)
実施例1、実施例2および比較例で得られた電池セルを用いて、充電し、インピーダンス測定により、正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の界面抵抗を求めた。実施例1、実施例2、および比較例の界面抵抗をLi含有硫酸塩のコート厚に対してプロットしたグラフを図5に示す。なお、Li含有硫酸塩のコート厚は、酸化物系正極活物質の比表面積、Li含有硫酸塩の量、およびLi含有硫酸塩の密度から導出した。
図2のSEM写真に示されるように、実施例1においては、酸化物系正極活物質表面にLiSOが形成されていた。一方、図3のSEM写真に示されるように、比較例においては、酸化物系正極活物質表面に、LiSOが形成されていないことが確認された。また、図4に示すように、LiSOの量を増加させるにつれて、Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質の表面のS元素比は増加した。これらのことから、実施例においては、酸化物系正極活物質の表面をLiSOで被覆できていることが確認された。
また、図5に示すように、界面抵抗は、比較例において1500Ω程度と最も高く、実施例1および実施例2においては500〜700Ω程度と比較例に比べて低い値となり、LiSOを酸化物系正極活物質表面に被覆することにより、界面抵抗を低減することができた。また、実施例1よりもLiSOのコート厚さを厚くした実施例2の界面抵抗は、実施例1よりも上昇するが、比較例に比べて充分小さい値であった。
以上の結果から、実施例においては、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されているため、正極層において、硫化物系固体電解質材料中の硫黄と酸化物中の酸素との反応による高抵抗層の形成を抑制することが可能となり、リチウムイオン伝導に対する抵抗が小さく、出力に優れた全固体リチウム二次電池とすることができた。
本発明の全固体リチウム二次電池の一例を模式的に示す概略断面図である。 実施例1と同様の方法で形成したLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質のSEM写真である。 比較例と同様の方法で形成したLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質のSEM写真である。 Li含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質の表面のS元素比をLiSOの量に対してプロットしたグラフである。 正極活物質/硫化物系固体電解質材料間の界面抵抗をLiSOのコート厚に対してプロットしたグラフである。
符号の説明
1 … 正極層
2 … 固体電解質層
3 … 負極層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース

Claims (2)

  1. 正極層、固体電解質層、および負極層を有する全固体リチウム二次電池であって、前記正極層が、酸化物系正極活物質表面にLi含有硫酸塩が形成されたLi含有硫酸塩被覆酸化物系正極活物質と、硫化物系固体電解質材料とを含有することを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 前記Li含有硫酸塩がLiSOであることを特徴とする請求項1に記載の全固体リチウム二次電池。
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