JP3311550B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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Description
に関するものである。
高性能化が望まれており、これらの要求に応じる高エネ
ルギー電池として負極活物質材料にリチウムを用い、電
解質として非水電解液、固体電解質または高分子マトリ
ックスに非水電解液を含有させたものを用いたリチウム
二次電池が提案されている。この種のリチウム二次電池
は一般的に図5に示すように正極集電体101の片面上
に形成された正極活物質層102と、負極集電体103
の片面上に形成された負極活物質層104とが電解質層
105を介して積層された構造を有している。しかしな
がらリチウム二次電池では、電池の充電時に負極活物質
材料であるリチウムが負極活物質の表面に均一に析出し
ないため、電池に充放電が繰り返されると負極活物質表
面から樹枝状のデンドライトが成長する。この成長した
デンドライトが脱落すると負極活物質を充放電に十分に
利用できなくなる上、デンドライトが正極活物質まで成
長すると極板間短絡が発生して電池機能が喪失するとい
う問題が生じる。また、このように極板間に短絡が発生
すると過大な電流が電池内に流れて電池温度が異常に上
昇し、有機電解液が揮発する。その結果、電池の内圧が
上昇して、最悪の場合には、電池の破裂、爆発を起こ
す。特に電池が破裂すると化学的に活性なリチウムが空
気中の水分と反応して、Li+H2 O→LiOH+1
/2H2 の反応式により水素ガスと反応熱が発生する
ため、安全性に大きな問題が生じる。
としてリチウム−アルミニウム(Li−Al)のリチウ
ム合金を用いることが提案された。負極活物質としてL
i−Al合金を用いると電池の充電時にLiの合金化反
応が起こり、デンドライトの成長が抑制される。
ム−アルミニウム合金は、固くて脆いため、電池の充放
電により、負極活物質層内におけるリチウムの吸蔵、放
出が繰り返されると、負極活物質が微細化する。そのた
め、セパレータに非水電解液が含有された電解質層を用
いたリチウム二次電池では、電池の充放電により負極活
物質が微細化して負極活物質材料が容易に負極活物質層
から脱落する。リチウム二次電池は負極の寿命により、
電池の寿命が決定される。したがって、このような電池
では、サイクル寿命が短くなるという問題があった。
いた電池では、非水電解液に比べてイオン伝導度が小さ
い(1/100程度)ので、大きな電流で電池を放電す
ると著しく容量が低下するという問題があった。
容量が低下するのを抑えることができ、しかもサイクル
寿命が短くなるのを防ぐことができる、Li−Al合金
を負極活物質として用いるリチウム二次電池を提供する
ことにある。
有する複合酸化物を主成分とする正極活物質層とリチウ
ム−アルミニウム合金からなる負極活物質層とが電解質
層を介して積層されてなるリチウム二次電池を対象とす
る。本発明では、セパレータに非水電解液が含有されて
なる主電解質層と、該主電解質層と負極活物質層との間
に配置された高分子固体電解質を主成分とする補助電解
質層とから電解質層を構成する。
合金を最初から用いてもよく、アルミニウムを用いて電
池を組み立てた後に電気化学的にアルミニウムをリチウ
ム−アルミニウム合金にしてもよい。また正極活物質層
に用いるリチウムを含有する複合酸化物としては、Li
x CoO2 、Lix Mn2 O4 、LixV
2 O5 、Lix V2 O5 ・nH2 O、Li
x V3 O8 、Lix FeO2 、Lix Ti
O2 等を用いることができる。
ポリフォスファゼンからなる高分子固体電解質にリチウ
ム塩を含有させて構成し、その厚みは4.7〜50%と
する。補助電解質層の厚みが4.7%を下回ると、電池
の充放電により微細化した負極活物質が脱落するのを十
分に防止できない。補助電解質層の厚みが50%を上回
るとイオン伝導度が低下して大きな電流を流せなくな
る。
質層と、該主電解質層と負極活物質層との間に配置され
た高分子固体電解質を主成分とする負極側補助電解質層
とから電解質層を形成することができる。無機化合物固
体電解質は固いため、電解質層全体を無機化合物固体電
解質により形成すると、負極活物質層内におけるリチウ
ムの吸蔵、放出の繰り返しに伴う負極活物質層の膨脹、
収縮に電解質層は追随できず、電池の充放電で微細化し
た負極活物質が負極活物質層から脱落する。そこで高分
子固体電解質を主成分とする負極側補助電解質層を配置
すると電池の充放電により微細化した負極活物質が脱落
するのを防止できる。
質層との間に高分子固体電解質を主成分とする正極側補
助電解質層を配置するのが好ましい。このようにする
と、正極活物質の正極集電体からの脱落を防ぐことがで
きる。また負極側補助電解質層と正極側補助電解質層と
を併せた厚みは、電解質層の厚みの9〜67%とするの
が好ましい。補助電解質層を併せた厚みが9%を下回る
と電池の充放電により微細化した負極活物質が脱落する
のを十分に防止できない。補助電解質層を併せた厚みが
67%を上回るとイオン伝導度が低下して大きな電流を
流せなくなる。
照して詳細に説明する。
した本発明の実施例の断面図である。本実施例の電池は
正極集電体1の片面上に形成された正極活物質層2と、
負極集電体3の片面上に形成された負極活物質層4とが
電解質層5を介して積層された構造を有している。正極
集電体1は厚み20μmの電解ニッケル箔により形成さ
れている。正極活物質層2は、LiCoO2 からなる
活物質材料とグラファイトとポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)との混合物により形成されており200
μmの厚みを有している。この正極活物質層2は、まず
LiCoO2 と、平均粒径3μmのグラファイトとポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)とを重量比で1
5:5:2となるように混合してからこれを混練した。
そしてこれをロールプレスによりシート状に成形してか
ら、適当な大きさに切断した後に、正極集電体1に貼り
付けて形成した。負極集電体3は厚み20μmのステン
レス箔である。負極活物質層4は厚み30μmのアルミ
ニウム箔である。 電解質層5は主電解質層5aと、主
電解質層5aと負極活物質層4との間に配置された補助
電解質層5bとから形成されている。主電解質層5aは
ポリエチレン微多孔膜からなるセパレータに電解液が含
浸されて構成されており50μmの厚みを有している。
電解液は炭酸プロピレンに該炭酸プロピレンに対して1
モル/lのLiBF4 を溶解させたものである。主電
解質層5aは正極活物質層2の上にセパレータを載置し
た後に電解液をセパレータに含浸させて形成した。これ
により、電解液はセパレータと正極活物質の双方に含浸
される。補助電解質層5bはメトキシオリゴエチレンポ
リフォスファゼン(MEP)からなる高分子固体電解質
にLiBF4 からなるリチウム塩が含有されて構成さ
れており、50μmの厚みを有している。補助電解質層
5bは次のようにして形成した。最初にメトキシオリゴ
エチレンオキシポリホスファゼン(MEP)と該MEP
に対して7重量%のLiBF4 とからなるMEP−L
iBF4 混合体を1,2−ジメトキシエタン(DM
E)からなる溶媒に20重量%の割合で溶解して20重
量%MEP/DME溶液を作った。次に20重量%ME
P/DME溶液(但しMEP中には7重量%のLiBF
4 が含まれる)を負極活物質層4上に塗布した後にD
MEを揮発除去して補助電解質層5bを形成した。本実
施例では、補助電解質層5bの厚みは電解質層5の厚み
の50%になっている。
周縁部に封止材6を配置してから、主電解質層5aと補
助電解質層5bとが互いに接合するように正極集電体1
と負極集電体3と重ねた。そして、封止材6を正極集電
体1及び負極集電体3の周縁部に加熱圧着させて未充電
のリチウム二次電池を完成した。次に、アルミニウム箔
からなる負極活物質層4に電気化学的にLiが吸蔵する
ように電池を初充電して本実施例のリチウム二次電池を
完成した。リチウム−アルミニウム合金よりアルミニウ
ムは安価なため、本実施例のように、アルミニウムを用
いて電池を組み立てた後に電気化学的にアルミニウムを
リチウム−アルミニウム合金にすれば、負極活物質を安
価に形成できる。またリチウム合金は水、窒素、酸素等
との反応性が高いため、リチウム合金を用いて負極活物
質層を形成する場合には、不活性な乾燥環境で形成しな
ければならないが、本実施例では、アルミニウムを用い
て負極活物質層を形成するので、このような環境にする
必要がないという利点がある。
電池は正極集電体21の片面上に形成された正極活物質
層22と、負極集電体23の片面上に形成された負極活
物質層24とが電解質層25を介して積層された構造を
有している。正極集電体21は厚み20μmの電解ニッ
ケル箔により形成されている。正極活物質層22は、電
気化学的にリチウムイオンが吸蔵されたLix V2
O5 キセロゲル膜(Lix V2 O5 ・nH2
O)により形成されている。正極活物質層22は次のよ
うにして形成した。まず、非晶質V2 O5 が2〜3
重量%の水溶液を正極集電体21に塗布した後に乾燥
し、V2 O5 キセロゲル膜を形成した。次にこのV
2 O5 キセロゲル膜を形成した正極集電体21とリ
チウムからなる対極とをプロピレンカーボネートに該プ
ロピレンカーボネートに対して1モル/lのLiBF
4 を溶解させた電解液中に浸漬した。そして正極集電
体21のV2 O5 キセロゲル膜をアノード電解し、
V2 O5 キセロゲル膜中にリチウムイオンを吸蔵さ
せた。なお電解の条件は、温度25℃において、0.5
mA/cm2 の電流密度で、V2 O5 がLiV2 O
5 になる電解量(147 mAh/g)で行った。その後、
テトラヒドロフラン(THF)等の溶媒でキセロゲル膜
表面を洗浄した後に乾燥して正極活物質層22を形成し
た。負極集電体23は厚み20μmのステンレス箔であ
る。負極活物質層24は厚み30μmのアルミニウム箔
である。
解質層25aと負極活物質層24との間に配置された負
極側補助電解質層25bと、主電解質層25aと正極活
物質層22との間に配置された正極側補助電解質層25
cとから形成されている。主電解質層25aはLi
3.6 Si0.6 P0.4 O4 からなる無機化
合物により形成されており50μmの厚みを有してい
る。負極側補助電解質層25b及び正極側補助電解質層
25cは、いずれもメトキシオリゴエチレンポリフォス
ファゼン(MEP)からなる高分子固体電解質にLiB
F4 からなるリチウム塩が含有されて構成されてお
り、それぞれ50μmの厚みを有している。電解質層2
5は次のようにして形成した。最初にメトキシオリゴエ
チレンオキシポリホスファゼン(MEP)と該MEPに
対して7重量%のLiBF4 とからなるMEP−Li
BF4 混合体を1,2−ジメトキシエタン(DME)
からなる溶媒に20重量%の割合で溶解して20重量%
MEP/DME溶液を作った。次に20重量%MEP/
DME溶液(但しMEP中には7重量%のLiBF4
が含まれる)を負極活物質層24及び正極活物質層22
上にそれぞれ塗布した後にDMEを揮発除去して負極側
補助電解質層25b及び正極側補助電解質層25cを形
成した。次に負極側補助電解質層25b及び正極側補助
電解質層25cの上にLi4 SiO4 とLi3 P
O4 との混合物を高周波でスパッタリングして主電解
質層25aの半部をそれぞれ形成した。次に、正極集電
体21または負極集電体23の周縁部に封止材26を配
置してから、各主電解質層25aの半部が互いに接合す
るように正極集電体21と負極集電体23と重ねた。そ
して、封止材26を正極集電体21及び負極集電体23
の周縁部に加熱圧着させて、未充電のリチウム二次電池
を完成すると共に高分子固体電解質層25を形成した。
本実施例では、負極側補助電解質層25bと正極側補助
電解質層25cとを併せた厚みは、電解質層25の厚み
の67%になっている。
質層24に電気化学的にLiが吸蔵するように電池を初
充電して本実施例のリチウム二次電池を完成した。
解液が含浸された主電解質層と同じ構造で電解質層全体
を形成し、その他は実施例1の電池と同じようにして製
造したものである。
0.5mA(40μA/cm2 )で放電した後に4.0V
(0.5mA規制)で定電圧充電を行う充放電を繰り返し
た。そして各電池のサイクル寿命特性を調べた。図3は
実施例1と比較例との測定結果を示している。図4は実
施例2と比較例との測定結果を示している。両図におい
て、横軸はサイクル数であり、縦軸は初回の放電容量を
100とした場合の各電池の容量保持率(%)である。
両図より、実施例1及び2の電池は、充放電を繰り返し
ても、わずかにしか容量が低下しないのが分る。これに
対して比較例の電池は約70サイクルで初期の70%程
度まで容量が低下するの分る。サイクル寿命試験後に比
較例の電池を解体して負極活物質を観察したところ、粉
が堆積したような状態で負極活物質がセパレータに付着
しているのが認められた。これより、容量低下の原因
は、リチウムの吸蔵、放出の繰り返しにより負極活物質
材料が微細化し、負極活物質層から脱落して活物質とし
ての機能を果たさなくなったものと考えられる。
び正極活物質層の双方側に補助電解質層を形成したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、負極活物質層
側にのみ補助電解質層を形成しても構わない。
いくつかの発明についてその構成を示す。
極活物質層とリチウム−アルミニウム合金からなる負極
活物質層とが電解質層を介して積層されてなるリチウム
二次電池において、前記電解質層は、ポリエチレン微多
孔膜からなるセパレータにLiBF4 を含む非水電解
液が含有されてなる主電解質層と、前記主電解質層と前
記負極活物質層との間に配置された補助電解質層とから
なり、前記補助電解質層はメトキシオリゴエチレンポリ
フォスファゼンにLiBF4が含有されてなることを特
徴とするリチウム二次電池。
電解質層の厚みの4.7〜50%であることを特徴とす
る上記(1)に記載のリチウム二次電池。
ル膜からなる正極活物質層とリチウム−アルミニウム合
金からなる負極活物質層とが電解質層を介して積層され
てなるリチウム二次電池において、前記電解質層は、L
i3.6 Si0.6 P0.4 O4 からなる主電
解質層と、前記主電解質層と前記負極活物質層との間に
配置されたメトキシオリゴエチレンポリフォスファゼン
にLiBF4 が含有された負極側補助電解質層と、前
記主電解質層と前記正極活物質層との間に配置されたメ
トキシオリゴエチレンポリフォスファゼンにLiBF
4 が含有された正極側補助電解質層とからなることを
特徴とするリチウム二次電池。
極側補助電解質層とを併せた厚みは、前記電解質層の厚
みの9〜67%であることを特徴とする上記(3)に記
載のリチウム二次電池。
ので、本発明のように主電解質層と負極活物質層との間
に高分子固体電解質を主成分とする補助電解質層を配置
すると、電池に充放電が繰り返されて、リチウムの吸
蔵、放出による負極活物質層の膨脹、収縮が生じても、
高分子固体電解質(補助電解質層)の柔軟な性質によ
り、微細化した負極活物質が脱落するのを防ぐことがで
きる。そのため、本発明によれば、電池のサイクル寿命
を延ばすことができる。また本発明では、主電解質層と
して、セパレータに非水電解液が含有されたものを用い
るので、大きな電流で放電できる利点がある。
である。
面図である。
図である。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 リチウムを含有する複合酸化物を主成分
とする正極活物質層とリチウム−アルミニウム合金から
なる負極活物質層とが電解質層を介して積層されてなる
リチウム二次電池において、 前記電解質層は、セパレータに非水電解液が含有されて
なる主電解質層と、 前記主電解質層と前記負極活物質層との間に配置された
柔軟性を有する高分子固体電解質を主成分とする負極側
補助電解質層とを有し、 前記補助電解質層は、メトキシオリゴエチレンポリフォ
スファゼンからなる高分子固体電解質にリチウム塩が含
有されて構成されており、その厚みは4.7〜50%で
ある ことを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項2】 リチウムを含有する複合酸化物を主成分
とする正極活物質層とリチウム−アルミニウム合金から
なる負極活物質層とが電解質層を介して積層されてなる
リチウム二次電池において、 前記電解質層は、無機化合物固体電解質からなる主電解
質層と、 前記主電解質層と前記負極活物質層との間に配置された
高分子固体電解質を主成分とする負極側補助電解質層と
からなることを特徴とする リチウム二次電池。 - 【請求項3】 前記主電解質層と前記正極活物質層との
間に高分子固体電解質を主成分とする正極側補助電解質
層が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の
リチウム二次電池。 - 【請求項4】 前記負極側補助電解質層と前記正極側補
助電解質層とを併せた厚みは、前記電解質層の厚みの9
〜67%であることを特徴とする請求項3に記載のリチ
ウム二次電池。
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JP22007595A JP3311550B2 (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | リチウム二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22007595A JP3311550B2 (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | リチウム二次電池 |
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JPH0963646A JPH0963646A (ja) | 1997-03-07 |
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ID=16745554
Family Applications (1)
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JP22007595A Expired - Fee Related JP3311550B2 (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | リチウム二次電池 |
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Families Citing this family (2)
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KR101990617B1 (ko) * | 2016-09-30 | 2019-06-18 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 이차전지 |
-
1995
- 1995-08-29 JP JP22007595A patent/JP3311550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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