JP4104363B2 - 密閉型電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極と、負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータと、電解液とを外装缶内に備え、該外装缶の開口を封口体により密閉した密閉型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子・通信機器等の電源として、小型軽量でかつ高容量な密閉型電池が用いられるようになった。このような密閉型電池としては、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な黒鉛を負極活物質として用い、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有マンガン酸化物(LiMn2O4)等のリチウム含有遷移金属酸化物を正極活物質として用い、有機溶媒に溶質としてリチウム塩を溶解した電解液を用いて構成される非水電解質二次電池がよく用いられるが、アルカリ蓄電池、鉛蓄電池なども用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような密閉型電池においては、充放電サイクルを繰り返したり、高温で放置した場合に電池内にガスが発生し、充放電サイクル特性が低下したり、電池膨れが発生するという問題が生じた。これは、充放電サイクルを繰り返した場合、水素ガスや炭酸ガスなどの発生ガスが電池内に蓄積されて、この蓄積したガスが極板間に滞留するようになって、電池反応を阻害するように作用するためである。
【0004】
一方、非水電解質二次電池などの密閉型電池を高温で放置した場合には、電解液が分解されて水素ガスが大量に発生するようになる。このために電池膨れが生じたものと推測される。特に、この電池膨れの問題は、高エネルギー密度を実現するために、外装缶の厚みを薄くした角形電池において顕著になる。そして、電池膨れが生じると、この電池を収納している電池ケース(保護回路や複数の電池が収納された電池パックのケース)も膨れて、電池ケースを装着する電子機器との嵌合が悪くなる等の不具合を引き起こすようになる。
【0005】
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであって、電池内で発生した水素ガスを電池外に排出できるようにして、電池膨れが生じることなく、かつサイクル特性が向上した密閉型電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の密閉型電池は、外装缶の一部あるいは封口体の一部に電池内で発生した水素ガスを排気する排気部を備え、この排気部内に水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜を備えるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
ここで、水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜を排気部内に備えるようにすると、電池内で発生した水素ガスはこの水素選択透過性合金膜を通して電池外に排出されることとなる。これにより、高温で電池を放置しても水素ガスによる電池膨れを抑制できるようになる。また、水素ガスが電池内に蓄積されなくなるため、水素ガスによる電池反応の阻害が減少するため、サイクル特性が向上した密閉型電池が得られるようになる。
【0008】
この場合、水素選択透過性合金が電解液と接触して溶解し、溶解した物質が電池内に入り込んで電池反応に悪影響を及ぼす恐れがある。このため、水素選択透過性合金膜が電解液と接触しないように、気体透過性薄膜(電解液の透過は阻止される)の上に水素選択透過性合金膜を形成するようにして、この気体透過性薄膜を電池内部に向けて配置するようにすればよい。
【0009】
また、このような水素選択透過性合金膜は薄膜で強度が弱いため、この膜を直接電池内部と電池外部に隔離する部分に配置すると、電池内の圧力が急激に上昇した場合に破壊される恐れがある。このため、電池内部と電池外部との間で圧力を緩和する空間部を設けるようにし、この空間部内に水素選択透過性合金膜を配置するようにするのが望ましい。
【0010】
そして、このような電池内部と電池外部との間で圧力を緩和する空間部を設けるためには、水素選択透過性合金膜を形成した気体透過性薄膜の上部に、電池内部と電池外部を隔離する膜を配置するようにすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は渦巻状電極体を備えた角形非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図であり、図1(a)はB−B断面を示す図であり、図1(b)はA−A断面を示す図である。図2は図1の封口体に排気部を設け、この排気部内に水素選択透過性合金膜を配置した実施例1の排気部を示す断面図である。図3は実施例2の排気部を示す断面図である。図4は実施例3の排気部を示す断面図である。図5は高温で放置した電池の放置時間と電池内圧との関係を示す図である。図6及び図7は高温で放置した電池の放置時間あるいは放置日数と電池膨張率との関係を示す図である。
【0012】
1.負極の作製
まず、(002)面の面間隔(d002)が0.336nmで、c軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が200nmで平均粒径が20μmの塊状黒鉛(2950℃で焼成した人造黒鉛)の粉末を用意した。ついで、この黒鉛粉末と、結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とのディスパージョン(固形分は48質量%)を水に分散させた後、増粘剤となるカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加、混合して負極スラリーを調製した。なお、塊状黒鉛とSBRとCMCとの乾燥後の質量組成比が塊状黒鉛:SBR:CMC=95:3:2となるように調製した。
【0013】
ついで、銅箔からなる負極集電体を用意し、上述のように作製した負極スラリーをこの負極集電体の両面に、負極集電体の単位面積当たり100g/m2をドクターブレード法により塗布して、負極活物質層を形成した。この後、100℃で2時間真空乾燥させた後、黒鉛材料の充填密度が1.6g/cm3になるように圧延し、所定の形状に切断して帯状の負極板11を作製した。なお、負極板11の一端部から延出して負極集電タブ11aが形成されている。
【0014】
2.正極の作製
平均粒径5μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末と導電剤としての人造黒鉛粉末を質量比で9:1の割合で混合して正極合剤を調製した。この正極合剤と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)にポリフッ化ビニリデン(PVdF)を5質量%溶解した結着剤溶液とを固形分の質量比で95:5となるように混練して、正極スラリーを調製した。
【0015】
ついで、アルミニウム箔からなる正極集電体を用意し、上述のように作製した正極スラリーを正極集電体の両面に、正極集電体の単位面積当たり240g/m2をドクターブレード法により塗布して、正極合剤層を形成した。この後、150℃で2時間真空乾燥させた後、正極合剤の充填密度が3.2g/cm3になるように圧延し、所定の形状に切断して帯状の正極板12を作製した。なお、正極板12においては、巻回時に最外周に配置される部分には正極スラリーを塗布せず、アルミニウム箔を切り起こして正極リード(図示せず)を形成している。
【0016】
3.非水電解液二次電池の作製
ついで、上述のようにして作製した負極板11と正極板12とを用意し、これらの間にポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて重ね合わせて渦巻状に巻回した。ついで、これを扁平になるように押しつぶして角柱状の電極群を作製した後、この角柱状の電極群を外装缶14の開口部より挿入した。ついで、電極群の上部にスペーサ16を配置した後、電極群の負極板11より延出する負極集電タブ11aを封口体15に設けられた端子板15cの内底部に溶接した。一方、電極群の正極板12より延出する正極リードを外装缶14と封口体15との間に挟み込むようにして、封口体15を外装缶14の開口部に配置した。ついで、外装缶14の開口部の周壁と封口体15との間をレーザ溶接した。
【0017】
そして、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)からなる混合溶媒(EC:MEC=30:70:体積比)にLiPF6を1モル/リットル溶解して有機電解液を調製した。このように調製した有機電解液を各端子板15cに設けられた透孔を通して、外装缶14内に注入した後、各負極端子15aを各端子板15cに溶接して封止した。これにより、設計容量が700mAhで角形(厚み:5mm、幅:30mm、高さ:48mm)の非水電解質二次電池Aを作製した。なお、この封口体15には、図示しない安全弁が設けられていて、電池内にガスが発生して内圧が上昇すると、発生したガスを電池外に放出するようになされている。
【0018】
4.排気部の作製
(1)実施例1
ここで、図2に示すように、封口体15の一部に排気口15eを設け、この排気口15eの周壁に上部環状溝15fと下部環状溝15gとを設けた。そして、この上部環状溝15fに気体透過性を有する樹脂シート(例えば、ポリエチレン(PE)シート)21を固着して電池外部と遮断するようにしている。また、水素ガスを選択的に透過するジルコニウム(Zr)とニッケル(Ni)の合金からなるアモルファス合金(例えば、36Zr−64Ni合金)膜23を用意するとともに、この合金膜23の周囲を上記樹脂シート21と同様な材質の樹脂シート22に固着して複合膜とした。そして、この複合膜を下部環状溝15gに固着した。
【0019】
この場合、合金膜23の周囲と樹脂シート22とは、圧着、熱溶着、接着等の適宜の手段を用いて固着するようにすればよい。また、上部環状溝15fと樹脂シート21との固着、および下部環状溝15gと複合膜との固着は、これらの膜を各環状溝15f,15gに挿入した後、これらの挿入部に接着剤を充填して接着すればよい。これにより、合金膜23と樹脂シート22からなる複合膜と樹脂シート21との間で空間部が形成され、電池内部と電池外部との圧力差を緩和する気圧調整室20aが形成された排気部20が構成されることとなる。
【0020】
このような気圧調整室20aを設けることにより、例えば、急激に電池内の圧力が上昇しても、合金膜23と樹脂シート22からなる複合膜を通して徐々に水素ガスが気圧調整室20a内に流入するようになる。このため、気圧調整室20a内は急激に圧力が上昇することが防止でき、この気圧調整室20a内の圧力が所定値に達すると電池外部にガスが放出されることとなる。これにより、機械的強度が弱いアモルファス合金膜23が圧力差により破れることが防止できるようになる。
【0021】
また、アモルファス合金膜23が非水電解液と接触した場合に、このアモルファス合金を構成するニッケル(Ni)分が電解液に溶出して、電池内に流入して、電池反応に悪影響を及ぼす恐れがある。しかしながら、本発明においては、アモルファス合金膜23の周囲は樹脂シート22に固着された複合膜となされている。このため、この気体透過性で液が不透過性の樹脂シート22により電解液は遮断されて、アモルファス合金膜23は非水電解液と接触することはない。
そして、このように気圧調整室20aを備えた排気口15e形成した封口体15を用いて、図1に示すような設計容量が700mAhで角形の非水電解質二次電池を作製し、これを非水電解質二次電池Bとした。
【0022】
(2)実施例2
本実施例2の排気部30は、図3に示すように、封口体15の一部に設けられた排気口15eの上部と下部に、上部取付部15hと下部取付部15iとを設けた、この上部取付部15hに実施例1の樹脂シート21と同様な樹脂シート31を固着して、電池外部と遮断するようにしている。また、下部取付部15iに実施例1のアモルファス合金膜23と同様なアモルファス合金膜33を用い、この合金膜33の周囲を上記樹脂シート31と同様な材質の樹脂シート32に固着して複合膜を固着するようにしている。
【0023】
ここで、実施例1と同様に、合金膜33の周囲と樹脂シート32とは、圧着、熱溶着、接着等の適宜の手段を用いて固着するようにすればよい。また、上部取付部15hと樹脂シート31との固着、および下部取付部15iと複合膜との固着も、圧着、熱溶着、接着等の適宜の手段を用いて固着するようにすればよい。これにより、合金膜33と樹脂シート32からなる複合膜と樹脂シート31との間で空間部が形成されて、電池内部と電池外部との圧力差を緩和する気圧調整室30aが形成された排気部30が構成されることとなる。
【0024】
この場合、封口体15の一部に設けられた排気口15eの周壁に、実施例1のような上下の環状溝15f,15gを形成する必要がなくなるので、排気口15eの加工が容易になる。また、排気口15eの上部と下部に設けられた上下の取付部15h,15iに、樹脂シート31や合金膜33と樹脂シート32からなる複合膜を圧着、熱溶着、接着等の適宜の手段で固着すればよいので、これらの固着工程が簡単、容易になる。
【0025】
(3)実施例3
本実施例3の排気部40は、図4に示すように、封口体15の一部に排気口15eを設け、この排気口15eの周壁に上部環状溝15jと下部環状溝15kとを設けた。そして、この上部環状溝15jに気体透過性を有する樹脂シート(例えば、ポリエチレン(PE)シート)41を固着して電池外部と遮断するようにしている。また、実施例1のアモルファス合金膜23と同様なアモルファス合金膜43を複数枚用意し、これらの複数の合金膜43の周囲を実施例1の樹脂シート21と同様な材質の樹脂シート42に固着して複合膜とした。そして、この複合膜を下部環状溝15kに固着した。
【0026】
この場合、複数枚のアモルファス合金膜43を用いているので、これらのアモルファス合金膜43の強度が増大する。これは、このようなアモルファス合金膜は、一般的には、急冷法により作製されるために、厚みが30〜50μmで強度が弱い薄膜しか製造することができず、強度が強いアモルファス合金膜を作製することが困難である。しかしながら、本実施例3のように、複数枚のアモルファス合金膜43を積層して用いるようにすれば強度が増大するので好ましい。
【0027】
5.高温保存特性試験
ついで、高温保存特性について検討した。ここで、上述のようにして作製した非水電解質二次電池A,Bを室温(約25℃)で、700mAの充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が20mAに達するまで定電圧充電して、これらの非水電解質二次電池A,Bを満充電状態にした。この後、非水電解質二次電池A,Bを70℃に加熱された恒温槽中に配置して3時間だけ放置した。このとき、1時間経過する毎に電池内圧を測定すると、図5に示すような結果が得られた。
【0028】
また、1時間経過する毎に非水電解質二次電池A,Bの厚みを測定して、作製直後の非水電解質二次電池A,Bの厚み対する比率を電池膨張率(%)として求めると、図6に示すような結果が得られた。さらに、満充電状態の非水電解質二次電池A,Bを70℃に加熱された恒温槽中に配置して10日間だけ放置した。このとき、5日間経過する毎に非水電解質二次電池A,Bの厚みを測定して、作製直後の電池厚み対する比率を電池膨張率として求めると、図7に示すような結果が得られた。
【0029】
これらの図5、図6および図7の結果から明らかなように、水素ガスを選択的に透過するアモルファス合金膜23(この場合、実験結果を示していないが、アモルファス合金膜33を用いた排気部30、あるいはアモルファス合金膜43を用いた排気部40でも同様である)を設けた電池Bは、電池Aに比較して電池内圧の上昇が小さく、かつ電池の膨張率も小さいことが分かる。これは、満充電状態の電池Aあるいは満充電状態の電池Bを高温の雰囲気(70℃)に放置(保存)すると、保存中に非水電解液が分解されて水素ガスが発生する。
【0030】
この場合、電池Bにおいては、気圧調整室20a内に水素ガスを選択的に透過するアモルファス合金膜23を設けているので、発生した水素ガスの濃度が一定値以上に増大すると電池外に排出するようになる。この結果、電池内圧の上昇を抑制できるようになるとともに、電池の膨張率も抑制できるようになる。これに対して、電池Aにおいては、アモルファス合金膜23が設けられていないため、保存中に非水電解液が分解されて発生した水素ガスを電池外部に放出することができないため、電池内圧が上昇し、かつ電池膨張率も上昇したためと考えられる。
【0031】
6.サイクル特性試験
ついで、電池A,Bを、室温(約25℃)で、700mAの充電電流で、電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電し、4.2Vの定電圧で電流値が20mAに達するまで定電圧充電した。この後、700mAの放電電流で、電池電圧が2.75Vに達するまで放電させるという充放電サイクルを300サイクル繰り返して行って、300サイクル後の放電容量(mAh)を求めた。ついで、初期の放電容量と300サイクル後の放電容量との比率を求めて、サイクル特性として求めた。すると、電池Aのサイクル特性を100とすると、電池Bのサイクル特性は120で、20%向上していることが分かった。
【0032】
これは、電池Aにおいては、充放電サイクルが進行するに伴って電池内で発した水素ガスが極板間に留まるようになり、この極板間に留ったガスが電池反応を阻害するようになって、放電容量が減少したと考えられる。一方、電池Bにおいては、電池内で発した水素ガスは、水素ガスを選択的に透過するアモルファス合金膜23を通して電池外に放出されるために、充放電サイクルが進行しても、水素ガスにより電池反応が阻害されることが抑制されて、放電容量が向上したと考えられる。
【0033】
【発明の効果】
上述したように、本発明の非水電解液二次電池においては、外装缶の開口部を密閉する封口体の一部に電池内で発生した水素ガスを排気する排気部20(30,40)を備え、この排気部20(30,40)内に水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜23(33,43)を備えるようにしているので、電池内で発生した水素ガスはこの水素選択透過性合金膜23(33,43)を通して電池外に排出されることとなる。これにより、高温で電池を放置しても水素ガスによる電池膨れを抑制できるようになる。また、水素ガスが電池内に蓄積されなくなるため、水素ガスによる電池反応の阻害が減少するようになって、サイクル特性が向上した非水電解液二次電池が得られるようになる。
【0034】
なお、上述した実施の形態においては、本発明の水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜を外装缶の開口部を密閉する封口体に設ける例について説明したが、水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜を外装缶の適宜の場所に設けるようにしてもよい。
【0035】
また、上述した実施の形態においては、水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜として、ジルコニウム(Zr)とニッケル(Ni)の合金からなるアモルファス合金(例えば、36Zr−64Ni合金)膜を用いる例について説明したが、これ以外に、パラジウム(Pd)や、ランタン−ニッケル(LaNi)等を用いるようにしてもよい。
【0036】
さらに、上述した実施の形態においては、本発明を非水電解液二次電池に適用する例についてのみ説明したが、本発明はこれに限らず、アルカリ蓄電池、鉛蓄電池などのように、水素ガスを発生する電池系に適用できることは明らかである。この場合においても、水素選択透過性合金膜を封口体や外装缶の適宜の場所に設けるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 渦巻状電極体を備えた角形非水電解質二次電池の概略構成を示す断面図であり、図1(a)はB−B断面を示す図であり、図1(b)はA−A断面を示す図である。
【図2】 図1の封口体に排気部を設け、この排気部内に水素選択透過性合金膜を配置した実施例1の排気部を示す断面図である。
【図3】 実施例2の排気部を示す断面図である。
【図4】 実施例3の排気部を示す断面図である。
【図5】 高温で放置した電池の放置時間と電池内圧との関係を示す図である。
【図6】 高温で放置した電池の放置時間と電池膨張率との関係を示す図である。
【図7】 高温で放置した電池の放置日数と電池膨張率との関係を示す図である。
【符号の説明】
10…非水電解液二次電池、11…負極板、11a…負極集電タブ、12…正極板、13…セパレータ、14…外装缶、15…封口体、15a…負極端子、15c…端子板、15e…排気口、15f,15j…上部環状溝、15g,15k…下部環状溝、15h…上部取付部、15i…下部取付部、16…スペーサ、20,30,40…排気部、21,31,41…樹脂シート、22,32,42…樹脂シート、23,33,43…アモルファス合金膜
Claims (2)
- 正極と、負極と、これらの正極と負極を隔離するセパレータと、電解液とを外装缶内に備え、該外装缶の開口を封口体により密閉した密閉型電池であって、
前記外装缶の一部あるいは前記封口体の一部に電池内で発生した水素ガスを排気する排気部を備え、
前記排気部内に水素ガスを選択的に透過する水素選択透過性合金膜を備え、
前記水素選択透過性合金膜の電池内部側には、気体透過性でありかつ電解液の透過を阻止する薄膜を形成したことを特徴とする密閉型電池。 - 前記水素選択透過性合金膜の上部に、電池内部と電池外部を隔離する膜が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型電池。
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