JP6014821B2 - リチウムマンガン複合酸化物、及びその炭素複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムマンガン複合酸化物、該複合酸化物と炭素の複合体、及びそれらの製造方法に関する。
近年の多様な機器やシステムの発展により、動力源としての蓄電池の高性能化の要求がますます高くなってきている。中でもリチウムイオン二次電池は、携帯通信機器、ノート型パソコン等の電子機器の電源を担う二次電池として広く普及が進んでおり、また環境負荷低減の観点から自動車のモーター駆動用バッテリーとしても期待されている。このため、リチウムイオン二次電池は今後一層の需要増加が予想され、またこれら機器の高性能化に対応した高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池の開発が求められている。
現行のリチウムイオン二次電池においては、正極材料として主にリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)が用いられているが、希少金属であるコバルトを多量に含むため、リチウムイオン二次電池の素材コストを上昇させる要因の一つになっている。今後、車載用等への用途拡大や電池の大型化に伴う需要増加に対して、LiCoO2から成る正極材料のみでは対応することは困難であると考えられる。
LiCoO2に代替し得る正極材料としては、より安価で資源的に制約の少ない元素から成る材料としてリチウムニッケル酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)等が研究開発され、一部代替材料として実用化されている。しかしながら、LiNiO2は充電時に電池の安全性を低下させるという問題があり、一方LiMn2O4は高温(約60℃)充放電時に3価のマンガンが電解液中に溶出し、それが電池性能を著しく劣化させるという問題があるため、これら材料への代替はあまり進んでいない。
一方、リチウムマンガン酸化物の中では、Li2MnO3という正極材料も提案されており、高容量を示すことから近年盛んに研究開発が行われており、資源的に豊富で安価な鉄やチタンを含有するリチウムマンガン酸化物(鉄含有Li2MnO3およびチタン含有Li2MnO3)が高容量を示し、特に特定の化学組成、遷移金属イオン分布を持つ場合、室温において高電流密度下で優れた放電特性を示すことや低温で優れた放電特性を示すことが報告されている(下記特許文献1−6参照)。
また、従来からリチウム二次電池正極材料としての活用が困難とされていた立方晶岩塩型結晶構造を有するリチウムチタン酸化物(鉄含有Li2TiO3や鉄およびニッケル含有Li2TiO3)が、リチウムイオン二次電池用正極材料として活用可能なことも報告されている(下記特許文献7−8)。
以上の通り、LiCoO2系正極材料に代替しうるリチウムマンガン系正極材料について種々の報告がなされているが、より一層の充放電特性の改善および材料の低コスト化のためには、結晶構造の制御を含む正極材料の化学組成や製造条件についての更なる最適化が望まれている。
また、従来のリチウムマンガン酸化物は、共沈−水熱−焼成法を中心とする多段の複雑なプロセスで作製される場合が多く、原料の素材コストを低く抑えられても製造コストが全体のコストを押し上げる懸念がある。このため、実用の生産プロセスとしての観点からは、作製法をより簡便化して、優れた性能を有する正極材料を作製することが求められている。
特開2002−68748号公報 特開2002−121026号公報 特開2005−154256号公報 特開2008−63211号公報 特開2009−179501号公報 特開2009−274940号公報 特開2003−48717号公報 特開2003−306322号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、LiCoO2系正極材料に代わりうる優れた充放電特性を有する正極材料であって、安価で資源的に制約の少ない元素を用いて、簡単な製造方法で作製できるリチウムマンガン系正極材料を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、酸化リチウムと酸化マンガンを原料として、メカニカルミリング法で複合酸化物を製造する方法によれば、一工程の簡単な処理方法によって、立方晶岩塩型結晶構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物を製造できることを見出した。そして、この方法で得られた複合酸化物は、単斜晶層状岩塩型構造を含むリチウムマンガン酸化物や、立方晶岩塩型結晶構造のみから成るチタン含有リチウムマンガン酸化物と比較して、優れた充放電特性を有するものであり、特に、平均放電電圧が高く、放電容量が大きくなることを見出した。更に、このリチウムマンガン複合酸化物を炭素材料と共に導電性容器内に充填し、非酸化性雰囲気下において、加圧下に直流パルス電流を通電して加熱反応させる方法によれば、該リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料が強固に結合した複合体を得ることができ、得られた複合体はリチウムイオン二次電池用正極材料とした場合に、より高い放電容量を有する材料となることを見出した。
本発明は、これらの知見にも基づいて更に研究を重ねた結果、完成されたものである。
即ち、本発明は、下記のリチウムマンガン複合酸化物、該複合酸化物と炭素材料の複合体、これらの製造方法、リチウムイオン二次電池用正極材料、及びリチウムイオン二次電池を提供するものである。
項1. 組成式Li1+xMn1-xO2(-1/3<x<1/3)で表され、立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなる、リチウムマンガン複合酸化物。
項2. 上記項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料が互いに接合した複合体であって、
(1)炭素材料の量が、リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の合計量を基準として0.01〜30重量%であり、
(2)該複合体のタップ密度が、原料として用いたリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の混合物のタップ密度と比較して30%以上大きい値であり、
(3)100mLビーカーに該複合体0.5gと水50mLを入れて、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5 分間撹拌してもリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料との接合が剥離しないことにより定義される接合強度を有する、
ことを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体。
項3. 炭素材料がアセチレンブラック、ケッチェンブラック又は気相成長炭素繊維である上記項2に記載の複合体。
項4. 酸化リチウム及び酸化マンガンを原料として、メカニカルミリング法により該原料を混合粉砕することを特徴とする、上記項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
項5. 上記項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の混合物を導電性を有する容器に充填し、非酸化性雰囲気下において、該混合物を加圧した状態で、直流パルス電流を通電して焼結させることを特徴とする、上記項2又は3に記載のリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体の製造方法。
項6. 上記項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極材料。
項7. 上記項2又は3に記載のリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体を含むリチウム二次電池用正極材料。
項8. 上記項6又は7に記載の正極材料を構成要素とするリチウムイオン二次電池。
以下、本発明について詳細に説明する。
リチウムマンガン複合酸化物及びその製造方法
本発明のリチウムマンガン複合酸化物は、組成式Li1+xMn1-xO2(-1/3<x<1/3)で表される立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなる複合酸化物である。上記組成式で表される立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなる複合酸化物は、従来知られていない新規な酸化物であり、リチウムイオン二次電池用正極材料とした場合に、優れた充放電性能を有する材料である。
本発明のリチウムマンガン複合酸化物は、原料として酸化リチウムと酸化マンガンを用い、メカニカルミリング法によって、原料を十分に粉砕混合することによって得ることができる。原料として用いる酸化リチウムと酸化マンガンは、LiとMnのモル比が、目的とする複合酸化物におけるLiとMnのモル比と同一となるように混合すればよい。
メカニカルミリング法は、機械的エネルギーを付与しながら原料を摩砕混合する方法であり、この方法によれば、原料に機械的な衝撃や摩擦を与えて摩砕混合することによって、原料に含まれる各酸化物粒子が激しく接触して微細化され、物性、形態などを変化させることができる。
メカニカルミリング装置としては、例えば、ボールミル、振動ミル、ターボミル、ディスクミル等を用いることができ、中でも振動ミルが好ましい。ポットと振動子の材質については特に限定的ではないが、例えば、ジルコニア製、メノウ製、ステンレス製などのポットを用いることができる。振動子の粒径についても特に限定はないが、例えば、直径10〜60mmのものを使用することができる。
メカニカルミリングの各種条件は、所望の複合酸化物を得ることができるように設定すればよい。例えば、振動ミルにより複合体を作製する場合には、ポット内に原料混合物と粉砕用振動子を加え、所定の回転数及び時間でメカニカルミリング処理を行えばよい。処理条件の一例として、回転数は、100rpm〜1000rpmの範囲内、中でも200rpm〜600rpmの範囲内であることが好ましい。また、振動ミルを行う際の処理時間は、例えば1時間〜100時間の範囲内、中でも2時間〜10時間の範囲内であることが好ましい。メカニカルミリングは、通常、室温近傍の温度で行えばよい。
メカニカルミリングを行う際の雰囲気については特に限定的ではないが、大気中の水分や炭酸ガスと原料との反応を抑制するために、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
上記した方法によれば、メカニカルミリング処理によって、原料として用いる酸化リチウムと酸化マンガンとが摩砕混合され、互いに反応して、組成式Li1+xMn1-xO2(-1/3<x<1/3)で表されるリチウムマンガン複合酸化物が形成される。この方法で得られる上記組成式で表されるリチウムマンガン複合酸化物は、空間群
Figure 0006014821
の立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるものであり、従来知られていない新規な酸化物である。
該複合酸化物は、単斜晶層状岩塩型構造を含むリチウムマンガン酸化物や、立方晶岩塩型結晶構造のみからなるチタン含有リチウムマンガン酸化物と比較して、平均放電電圧が高く、放電容量が高く、充放電効率も良好である。
リチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体及びその製造方法
本発明では、上記した方法で得られる立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物を、炭素材料との複合体とすることによって、導電性を向上させることができ、より優れた充放電性能、特に、高い放電容量を有する正極材料とすることができる。
リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料との複合体は、上記した組成式Li1+xMn1-xO2(-1/3<x<1/3)で表される立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料からなる原料を十分に混合した後、導電性を有する容器内に充填し、非酸化性雰囲気下において、直流パルス電流を通電して加熱反応させる方法によって得ることができる。
この方法で原料とするリチウムマンガン複合酸化物の粒径については、特に限定はないが、通常、平均粒径1〜50μm程度の粉末状のものを用いることが好ましい。尚、本願明細書では、平均粒径とは、乾式のレーザー回折・散乱式による粒度分布測定で、累積度数分布が50%となる粒径である。
炭素材料についても特に限定されず、例えば、アセチレンを高温で熱分解させて得られる粉末、いわゆる爆発法によって得られる粉末など公知のアセチレンブラック粉末、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)などを用いることができる。
炭素材料の平均粒径についても特に限定はないが、通常0.005〜10μm程度、好ましくは0.01〜1μm程度の粉末状又は針状のものを用いることが好ましい。
リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料との複合体を製造するには、まず、原料として用いるリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料を十分に混合した後、電子伝導性を有する容器に充填し、非酸化性雰囲気下において、該混合物を加圧した状態で、放電プラズマ焼結法、パルス通電焼結法、プラズマ活性化焼結法等と呼ばれる直流パルス電流を通電する通電焼結法によって原料混合物を焼結させる。これによって、目的とするリチウムマンガン系複合酸化物−炭素複合体を得ることができる。
具体的には、電子伝導性を有する容器に原料とする複合酸化物と炭素材料の混合物を充填し、非酸化性雰囲気下において加圧しながらパルス状のON−OFF直流電流を通電することによって、通電焼結を行うことができる。
通電焼結は、非酸化性雰囲気下、例えば、Ar、Nなどの不活性ガス雰囲気下、Hなどの還元性雰囲気下等で行う。また、酸素濃度が十分に低い減圧状態、例えば、酸素分圧が、20Pa程度以下の減圧状態としてもよい。
電子伝導性を有する容器として十分な密閉状態を確保できる容器を用いる場合には、該容器内を非酸化性雰囲気とすればよい。また、電子伝導性を有する容器は完全な密閉状態でなくてもよく、不完全な密閉状態の容器を用いる場合には、該容器を反応室内に収容して、該反応室内を不活性ガス雰囲気、還元性雰囲気などの非酸化性雰囲気とすればよい。これにより、リチウムマンガン複合酸化物と炭素粉末との反応を非酸化性雰囲気下で行うことが可能となる。この場合、例えば、反応室内を0.1MPa程度以上の不活性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気などとすることが好ましい。
リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の混合比は、両者の合計量を基準として、炭素材料の量を0.001〜30重量%程度とすればよく、特に0.01〜20重量%程度とすることが好ましい。炭素粉末の量が0.001重量%未満では、リチウムマンガン複合酸化物の電子伝導性の向上が不十分となり、複合体とすることよる効果を十分に得られないおそれがある。一方、30重量%以上では、形成される複合体中に占める複合酸化物の重量比率及び体積比率の低下に伴って、正極活物質として用いた場合に電池の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度が低下するため好ましくない。
電子伝導性を有する容器としては、電子伝導性を有するものであれば特に限定されず、炭素、鉄、酸化鉄、銅、アルミニウム、タングステンカーバイド、炭素及び/又は酸化鉄に窒化珪素を混合した混合物等から形成されているものを好適に使用できる。
このような電子伝導性容器に上記複合酸化物と炭素材料の混合粉末を充填した状態で直流パルス電流を印加することにより、充填された混合粉末の粒子間隙に生じる放電現象を利用して、放電プラズマ、放電衝撃圧力等による粒子表面の浄化活性化作用、電場により生じる電界拡散効果、ジュール熱による熱拡散効果、加圧による塑性変形圧力等が粒子接合の駆動力となって複合酸化物同士が炭素材料を介して接合される。
通電焼結を行う装置としては、リチウムマンガン系複合酸化物および炭素粉末の混合粉末を加熱、冷却、加圧等することが可能であり、放電に必要な電流を印加できるものであれば特に限定されない。例えば、市販の通電焼結装置(放電プラズマ焼結装置)を使用できる。このような通電焼結装置及びその原理は、例えば、特開平10−251070号公報等に開示されている。
以下に通電焼結装置の模式図を示した図1を参考にしながら、本発明のリチウムマンガン系複合酸化物−炭素複合体の製造方法の具体例を説明する。
通電焼結装置1は、試料2が装填されるダイ(電子伝導性容器)3と上下一対のパンチ4および5とを有する。パンチ4および5は、それぞれパンチ電極6および7に支持されており、このパンチ電極6および7を介して、ダイ3に装填された試料2に必要に応じて加圧しながらパルス電流を供給することができる。ダイ3の素材は限定されず、例えば、黒鉛等の炭素材料が挙げられる。
図1に示す装置では、上記した電子伝導性を有する容器3、通電用パンチ4,5、パンチ電極6,7を含む通電部は、水冷真空チャンバー8に収容されており、チャンバー内は、雰囲気制御機構15による所定の雰囲気に調整できる。従って、雰囲気制御機構15を利用して、チャンバー内を非酸化性雰囲気に調整すればよい。
制御装置12は、加圧機構13、パルス電源11、雰囲気制御機構15、水冷却機構16、10、及び温度計測装置17を駆動制御するものである。制御装置12は加圧機構13を駆動し、パンチ電極6、7が所定の圧力で原料混合物を加圧するよう構成されている。
通電処理の条件については、後述する条件を満足する高密度化された複合体が形成される条件とすればよい。
具体的な通電処理時のダイ(電子伝導性容器)3の温度(加熱温度)は、リチウムマンガン複合酸化物および炭素材料の種類およびその粒径等に応じて適宜選択することができるが、通常200〜700℃程度とすればよく、好ましくは300〜600℃程度とすればよい。加熱温度が200℃未満では炭素材料との接合が不十分となる場合がある。一方、加熱温度が700℃を上回ると、立方晶岩塩型構造のLi1+xMn1-xO2が還元分解して斜方晶LiMnO2が不純物として生成するため好ましくない。従って、300〜600℃程度の加熱温度が好適である。
加熱のために印加するパルス電流は、例えばパルス幅2〜3ミリ秒程度で、周期は3Hz〜300Hz程度のパルス状ON−OFF直流電流を用いることができる。具体的な電流値は電子伝導性容器の種類、大きさ等により異なるが、上記した温度範囲となるように、具体的な電流値を決めればよい。例えば内径15mmの黒鉛型材を用いた場合には200〜1000A程度、内径100mmの型材を用いた場合には1000〜8000A程度が好適である。処理時は、型材温度をモニターしながら電流値を増減させ、所定の温度を管理できるように電流値を制御すればよい。
通電焼結は、リチウムマンガン複合酸化物および炭素材料からなる原料粉末を加圧した状態で行うことが好ましい。具体的な方法としては、例えば、上記した電子伝導性容器3に充填した原料粉末をパンチ電極6,7を介して加圧すればよい。原料粉末を加圧する際の圧力としては、例えば、5〜60MPa程度、好ましくは10〜50MPa程度とすればよい。5MPa未満の加圧力ではリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の接合が不十分となり、60MPaを超える圧力ではリチウムマンガン複合酸化物の分解等が促進されるために好ましくない。通常、10〜50MPa程度の圧力が好適である。
通電焼結による焼結時間については、使用する原料の量、焼結温度などによって異なるので、一概に規定できないが、通常、上記した加熱温度範囲に到達するまで加熱すれば良く、上記した温度範囲に到達すれば直ちに放冷しても良く、或いは、例えば2時間程度までこの温度範囲に保持してもよい。
上記した方法で所定の温度で通電焼結処理を行った後、電子伝導性容器を冷却し、形成された複合体を容器から取り出し、必要に応じて乳鉢等で軽く粉砕することにより、目的とするリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体を回収することができる。多量の通電焼結処理を行う場合には、大きな型材を用い、上記のプロセスをスケールアップすればよい。
本発明のリチウムマンガン複合酸化物と炭素との複合体は、リチウムマンガン複合酸化物同士が導電材である炭素材料を介して強固に接合されて高密度化されたものであり、単に、リチウムマンガン複合酸化物と炭素粉末が混合された状態ではなく、該複合酸化物の表面の一部又は全体に炭素が付着した状態において強固に接合した状態となり、原料混合物と比較して密度が大きく増加している。具体的には、原料として用いたリチウムマンガン複合酸化物粉末と炭素材料の混合物のタップ密度と比較して、該複合体のタップ密度は30%以上大きい値となる。尚、タップ密度の増大の上限については特に限定的ではなく、加圧通電焼結の際の温度、圧力などによって異なるが、通常、原料混合物のタップ密度と比較して、80%程度までの増大となる。
尚、本願明細書におけるタップ密度は、露点-70℃以下のアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で試料を乳鉢で10分間以上粉砕した後、約0.5gを採取して、容量10mLのメスシリンダーに投入し、100回タップした後、密度を測定した値である。
この際の複合体の接合状態は、100mlビーカーに該複合体0.5g及び水50mlを入れて、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5分間撹拌しても炭素材料が分離しないことにより定義される。この点において、該複合酸化物と炭素粉末との混合物と明確に区別されるものである。
リチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体の用途
上記した方法で得られるリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体は、上記した優れた充放電特性を有するリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料とが密接に接合したものであり、密度が高く、電子伝導性が向上した状態となる。このため該複合体をリチウムイオン二次電池用の正極材料として用いることによって、平均放電電圧が高く、放電容量が高く、充放電効率が良好なリチウムイオン二次電池を得ることができる。
該複合体を正極活物質として用いるリチウムイオン二次電池は、公知の手法により製造することができる。すなわち、正極活物質として、本発明方法で得られた複合体を使用する他は、負極材料として、公知の金属リチウム、炭素系材料(活性炭、黒鉛)などを使用し、電解液として、公知のエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの溶媒に過塩素酸リチウム、LiPF6などのリチウム塩を溶解させた溶液を使用し、さらにその他の公知の電池構成要素を使用して、常法に従って、リチウムイオン二次電池を組立てればよい。
本発明のリチウムマンガン複合酸化物は、立方晶岩塩型結晶構造の結晶相のみからなる新規な材料であり、リチウムイオン二次電池用正極材料として、優れた充放電性能を有する物質であり、特に平均放電電圧が高く、放電容量が大きい物質である。本発明の製造方法によれば、メカニカルミリング法という比較的簡単な方法によって、この様な優れた性能を有する新規な複合酸化物を一工程の簡単な方法で得ることができる。
また、該リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料を通電焼結して得られる複合体は、導電性が向上した材料であり、より高い放電容量を有する正極材料として有効に利用できる。
このため、本発明のリチウムマンガン複合酸化物、及び該複合酸化物と炭素材料との複合体は、いずれもリチウムイオン二次電池の正極活物質として有用性の高い物質である。
また、本発明の製造方法によれば、この様な優れた性能を有する、複合酸化物と複合体を、比較的容易に製造できる。
通電焼結装置の一例の概略図。 実施例1及び実施例2で得られた試料のX線回折図である。 実施例1及び実施例2で得られた試料を正極活物質とするリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。 実施例3及び実施例4で得られた試料のX線回折図である。 実施例3及び実施例4で得られた試料を正極活物質とするリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。 比較例1で得られた試料のX線回折図である。 比較例1で得られた試料を正極活物質とするリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。 比較例2で得られた試料のX線回折図である。 比較例2で得られた試料を正極活物質とするリチウムイオン二次電池の充放電特性を示すグラフである。
1 通電焼結装置
2 試料
3 ダイ(導電性容器)
4、5 パンチ
6,7 パンチ電極
8 水冷真空チャンバー
9 冷却水路
10、16 水冷却機構
11 焼結用電源
12 制御装置
13 加圧機構
14 位置計測機構
15 雰囲気制御機構
17 温度計測装置
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例1
市販のLi2O及びMnO2をモル比1:1(原子比Li/Mn=2)で秤量し、これをアルゴンガス雰囲気下でジルコニア製ポットに入れ、伊藤製作所製振動カップミル(型式MC-4A)を用い、メカニカルミリング法により2時間処理した。
得られた試料のX線回折パターンを図2に示す。図2から明らかな通り、Li2MnO3に帰属されるピークのみから成り、X線リートベルト解析から、この試料は立方晶岩塩型結晶相
Figure 0006014821
のみで解析できることが判った。また解析から得られたMn/(Li+Mn)比は、約0.337(4)であり、ほぼ初期の目的組成であるLi2MnO3の組成で表されるものであった。
この試料を正極活物質として、下記の条件で充放電試験した時の充放電曲線を図3に示す。
充放電試験条件
正極:活物質10mg+AB5mg+PTFE0.5mgを混合しAlメッシュ上に圧着。
負極:金属リチウム。
電解液:LiPF6をEC+DMC溶媒中に溶解させたもの。
試験温度:30℃。
電流密度(活物質あたり):23mA/g
電位範囲:1.5-4.8V
上記した放電試験の結果、放電容量は約210mAh/g、平均放電電圧は約3.0Vであり、後述する比較例1に記載の立方晶岩塩型構造のみからなるチタン含有Li2MnO3の値(放電容量約120mAh/g、平均放電電圧約2.2V)、および比較例2に記載の単斜晶層状岩塩型構造を含むLi2MnO3の値(放電容量約100mAh/g、平均放電電圧約1.9V)に比べ優れた放電特性を示した。
実施例2
実施例1で作製したLi2MnO3(平均粒径約7μm)をアセチレンブラック(AB)(平均一次粒子径約0.04μm)と重量比でLi2MnO3:AB=98:2となるよう混合し、これをジルコニア製ポットに入れ、遊星ボールミルにより200rpmで30分間混合した。これを内径15mmの黒鉛容器に充填し、通電焼結機SPS-3.20MK-IV(富士電波工機(株)製)のチャンバー内にセット後、チャンバー内を約20Pa程度まで減圧した。
その後、チャンバー内をアルゴンガスで大気圧まで充填し、黒鉛容器内に充填した原料粉末を約30MPaで加圧した。更に黒鉛治具に約400Aの直流のパルス電流(パルス幅2.5ミリ秒、周期30Hz)を印加し、試料近傍を約10℃/分で昇温させた。温度が400℃に到達後、その温度で5分間保持した後、印加電流および加圧を停止し、黒鉛容器を自然放冷させた。
室温近傍に冷却後、黒鉛容器から試料を取り出し、アルゴンガス雰囲気下で乳鉢で粉砕してリチウムマンガン複合酸化物とアセチレンブラックの複合体を得た。
図2に得られた試料のXRDパターンを示す。図2に示す通り、Li2MnO3及び炭素に帰属されるピークのみからなり、不純物相は認められなかった。X線リートベルト解析から、Li2MnO3は立方晶岩塩型結晶相
Figure 0006014821
のみで解析でき、Mn/(Li+Mn)比は約0.346(2)であり、通電焼結処理前とほぼ同程度であることから、分解等を起こさずに、Li2MnO3-C複合体を作製することが出来たことが確認できた。
得られた複合体を露点約-90℃のアルゴンガス雰囲気のグローブボックス内で粉砕した後、約0.5gを採取して、容量10mLのメスシリンダーに投入し、100回タップした後、密度を測定した。その結果、タップ密度は1.4g/cm3であり、通電焼結処理前の値(約0.9g/cm3)に比べ40%以上増大しており、Li2MnO3とアセチレンブラックが強固に接合していることが確認できた。更に、通電処理後の試料0.5gを大気中に取り出し、水50mLとともに100mLビーカーに入れ、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5分間攪拌し静置したところ、試料粉は全て沈殿し、炭素粉等の浮遊物は確認されなかった。このことから、上記した方法で得られた複合体は、Li2MnO3がアセチレンブラックと強固に接合していることが確認できた。
得られたLi2MnO3-C複合体を正極活物質として、実施例1と同様にして充放電試験をした時の充放電曲線を図3に示す。放電容量は約280mAh/g、平均放電電圧は約2.7Vであり、後述する比較例1に記載の立方晶岩塩型構造のみからなるチタン含有Li2MnO3の値(放電容量約120mAh/g、平均放電電圧約2.2V)、および比較例2に記載の単斜晶層状岩塩型構造を含むLi2MnO3の値(放電容量約100mAh/g、平均放電電圧約1.9V)に比べ優れた放電特性を示した。また、実施例1で得られたリチウムマンガン複合体を正極活物質とする場合と比較して、放電容量が大きくなったことが確認できた。
実施例3
市販のLi2O及びMnO2をモル比1.2:1(原子比Li/Mn=2.4)で秤量し、実施例1と同様にしてアルゴンガス雰囲気下でこれをジルコニア製ポットに入れ、メカニカルミリング法により2時間処理した。得られた試料のX線回折パターンは、図4に示す通り、Li2MnO3に帰属されるピークのみからなるものであり、1段のプロセスによりLi2MnO3単相が得られたことが確認できた。X線リートベルト解析から、この試料は立方晶岩塩型結晶相
Figure 0006014821
のみで解析できることが分かった。また解析から得られるMn/(Li+Mn)比は約0.324(2)であり、ほぼ初期の目的組成であるLi2MnO3の組成で表されるものであった。
この試料を正極活物質として、実施例1と同一条件で充放電試験した時の充放電曲線を図5に示す。放電容量は約200mAh/g、平均放電電圧は約3.0Vであり、後述する比較例1に記載の立方晶岩塩型構造のみからなるチタン含有Li2MnO3の値(放電容量約120mAh/g、平均放電電圧約2.2V)、および比較例2に記載の単斜晶層状岩塩型構造を含むLi2MnO3の値(放電容量約100mAh/g、平均放電電圧約1.9V)に比べ優れた放電特性を示した。
実施例4
上記実施例3で作製したLi2MnO3(平均粒径約7μm)をアセチレンブラック(AB)(平均一次粒子径約0.04μm)と重量比でLi2MnO3:AB=98:2となるよう混合し、実施例2と同様の方法で400℃、5分間通電焼結処理を行った。
得られた試料のXRDパターンは、図4に示す通りであり、Li2MnO3及び炭素に帰属されるピークのみからなり、不純物相は認められなかった。X線リートベルト解析から、Li2MnO3は立方晶岩塩型結晶相
Figure 0006014821
のみで解析でき、Mn/(Li+Mn)比は約0.345(2)であり、通電焼結処理前とほぼ同程度であった。また、実施例2と同じ方法で測定したタップ密度は約1.4g/cm3であり、通電処理前の値(約0.9g/cm3)に比べ40%以上増大しており、Li2MnO3とABが強固に接合していることが確認できた。更に、通電処理後の試料0.5gを水50mLとともに100mLビーカーに入れ、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5分間攪拌し静置したところ、試料粉は全て沈殿し、炭素粉等の浮遊物は確認されなかった。このことから、上記した通電焼結処理により、Li2MnO3がアセチレンブラックと強固に接合していることが確認できた。以上により、上記方法により、分解等を起こさずに、Li2MnO3-C複合体を作製することが出来た。
得られたLi2MnO3-C複合体を正極活物質として、実施例1と同一条件で充放電試験した時の充放電曲線を図5に示す。放電容量は約200mAh/g、平均放電電圧約は3.0Vであり、後述する比較例1に記載の立方晶岩塩型構造のみからなるチタン含有Li2MnO3の値(放電容量約120mAh/g、平均放電電圧約2.2V)、および比較例2に記載の単斜晶層状岩塩型構造を含むLi2MnO3の値(放電容量約100mAh/g、平均放電電圧約1.9V)に比べ優れた放電特性を示した。
比較例1
市販のLi2O、MnO2、およびTiO2を、モル比1:0.5:0.5で秤量し、実施例1と同様に、アルゴンガス雰囲気下でこれをジルコニア製ポットに入れ、メカニカルミリング法により2時間処理した。得られた試料のX線回折パターンは、図6に示す通りであり、Li1+x(Mn1-yTiy)1-xO2帰属されるピークのみからなり、1段のプロセスにより、Li1+x(Mn1-yTiy)1-xO2単相が得られたことが確認できた。X線リートベルト解析から、この試料は立方晶岩塩型結晶相
Figure 0006014821
のみで解析でき、その格子定数はa = 4.1087(5)Åであり、実施例1のLi2MnO3試料(a = 4.0712(5)Å)より増大していた。また解析から得られる(Mn+Ti)/(Li+Mn+Ti)比は、約0.312(3)であり、当初の目的であるTi含有Li2MnO3が作製できたことが確認できた。
このTi含有Li2MnO3試料を正極活物質として、実施例1と同一条件で充放電試験した時の充放電曲線を図7に示す。放電容量は約120mAh/g、平均放電電圧は約2.2Vであり、実施例1及び2で測定した値よりも低い値であった。
比較例2
LiOHおよびMnO2をモル比1:2で秤量し、これを混合後、通常の電気炉で700℃、3時間熱処理した。得られた試料は、図8に示す通り、単斜晶層状岩塩型構造の結晶相
Figure 0006014821
と立方晶岩塩型構造の結晶相
Figure 0006014821
に由来するピークが認められ、X線リートベルト解析から、両者の比率は約70:30であった。
このLi2MnO3を正極活物質として、実施例1と同一条件で充放電試験した時の充放電曲線を図9示す。放電容量は約100mAh/g、平均放電電圧は約1.9Vであり、実施例1及び2で得られた値に比べて低い値であった。
比較例3
実施例1で作製したLi2MnO3をアセチレンブラック(AB)と重量比でLi2MnO3:AB=98:2となるよう混合した。この混合粉について、実施例2と同様にして測定したタップ密度は約0.9g/cm3であり、実施例2で作製した複合体の値(約1.4g/cm3)に比べて低かった。また、この混合粉0.5gを水50mLとともに100mLビーカーに入れ、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5分間攪拌し静置したところ、試料粉は一部沈殿するものの、水中に浮遊する微粒の粉末が確認され、また水面には浮遊炭素粉が確認された。このことから、混合のみではLi2MnO3とABを強固に接合できないことが分かった。

Claims (7)

  1. 組成式Li 1+x Mn 1-x O 2 (-1/3<x<1/3)で表され、立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料が互いに接合した複合体であって、
    (1)炭素材料の量が、リチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の合計量を基準として0.01〜30重量%であり、
    (2)該複合体のタップ密度が、原料として用いたリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の混合物のタップ密度と比較して30%以上大きい値であり、
    (3)100mLビーカーに該複合体0.5gと水50mLを入れて、長さ3cm、中心部断面直径5mmの回転子を毎分200回転させて5 分間撹拌してもリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料との接合が剥離しないことにより定義される接合強度を有する、
    ことを特徴とするリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体。
  2. 炭素材料がアセチレンブラック、ケッチェンブラック又は気相成長炭素繊維である請求項に記載の複合体。
  3. 酸化リチウム及び酸化マンガンを原料として、メカニカルミリング法により該原料を混合粉砕することを特徴とする、組成式Li 1+x Mn 1-x O 2 (-1/3<x<1/3)で表され、立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  4. 組成式Li 1+x Mn 1-x O 2 (-1/3<x<1/3)で表され、立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物と炭素材料の混合物を導電性を有する容器に充填し、非酸化性雰囲気下において、該混合物を加圧した状態で、直流パルス電流を通電して焼結させることを特徴とする、請求項又はに記載のリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体の製造方法。
  5. 組成式Li 1+x Mn 1-x O 2 (-1/3<x<1/3)で表され、立方晶岩塩型構造の結晶相のみからなるリチウムマンガン複合酸化物を含むリチウムイオン二次電池用正極材料。
  6. 請求項又はに記載のリチウムマンガン複合酸化物−炭素複合体を含むリチウム二次電池用正極材料。
  7. 請求項又はに記載の正極材料を構成要素とするリチウムイオン二次電池。
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