JP3494431B2 - セラミック電子部品の製造方法およびセラミック電子部品 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法およびセラミック電子部品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば積層コンデ
ンサやセラミック・インダクタなどのセラミック電子部
品に関し、より詳細には、セラミック素体の外表面に形
成された端子電極の構造が改良されたセラミック電子部
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック電子部品の端子電極の
形成に際しては、導電ペーストの塗布・焼付け法、湿式
メッキ法、蒸着もしくはスパッタリングなどの薄膜形成
法など、様々な方法が用いられている。また、セラミッ
ク電子部品のプリント回路基板などへの表面実装を可能
とするために、端子電極の最外側表面に半田付け性に優
れた金属層を形成することが多い。
【0003】従来のセラミック電子部品の一例として、
に積層コンデンサを示す。積層コンデンサ51は、
誘電体セラミックスよりなるセラミック焼結体52を有
する。セラミック焼結体52内には、内部電極53a〜
53fがセラミック層を介して重なり合うように配置さ
れている。内部電極53a,53c,53eが、セラミ
ック焼結体52の端面52aに引き出されており、内部
電極53b,53d,53fが、端面52bに引き出さ
れている。端面52a,52bを覆うように、端子電極
54,55が形成されている。
【0004】ここでは、端子電極54,55が、それぞ
れ、第1の電極層54a,55a、第2の電極層54
b,55b及び第3の電極層54c,55cを積層した
構造を有する。第1の電極層54a,55aは、Ag、
Pd、Ag−Pd、CUなどの金属粉末を主体とする導
電ペーストの塗布・焼付けにより形成されており、内部
電極53a,53c、53eまたは内部電極53b,5
3d,53fとの電気的接続の信頼性において優れてい
る。また、第3の電極層54c,55cは、半田付け性
を高めるために形成されており、SnまたはSn合金を
メッキすることにより形成されている。中間の第2の電
極層54b,55bは、Agの第1の電極層54a,5
5aが半田付け時に半田中に拡散することを防止すると
共に、第3の電極層54c,55cや半田付けに際し使
用される半田中に含まれているSnの、第1の電極層5
4a,55aやセラミック焼結体52内への拡散を防止
するあるいは拡散速度を遅くするために設けられてい
る。Snが、端子電極54,55とセラミック焼結体5
2との界面にまで拡散すると、端子電極54,55の密
着性が損なわれ、所望の電気的特性を得ることができな
くなる。
【0005】これは、端子電極54,55とセラミック
焼結体52との密着性は、端子電極54,55を構成し
ている金属とセラミックとの酸素結合に依存するのに対
し、Snが存在すると、上記電極構成金属とセラミック
スとの酸素結合が解かれ、密着力が低下するためであ
る。
【0006】従って、積層コンデンサ51では、上記S
nの拡散を防止するあるいは拡散速度を遅くするため
に、第2の電極層54b,55bが設けられている。第
2の電極層54b,55bは、Ni、Ti、Crまたは
Moなどの金属もしくはこれらの合金からなるメッキ膜
により構成されている。
【0007】上記のような3層構造の端子電極は、積層
コンデンサ51だけでなく、積層バリスタ、積層圧電部
品などの積層セラミック電子部品、並びに積層型ではな
い単板型のセラミックコンデンサ、セラミックサーミス
タなど、様々なセラミック電子部品において用いられて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ti、
Ni、CrまたはMoなどの金属またはこれらの金属を
主成分とする合金のメッキ膜からなる電極層54b,5
5bは、Snの第1の電極層54a,55a側への拡散
は防止するものの、メッキに際し、そのメッキ液がセラ
ミック焼結体52に侵入することがあった。そのため、
セラミック焼結体52を構成しているセラミックスと内
部電極53a〜53fとの界面が還元され、層剥離やク
ラックなどの不良が発生したり、所望とする静電容量な
どの電気的特性を得ることができないことがあった。ま
た、特に、比較的高い電圧下、すなわち中高圧領域で使
用されるセラミック電子部品では、上記Ti、Cr、M
oなどの酸素との結合性が高い金属からなる単一膜を形
成すると、セラミックス素体の端面52aにおいてセラ
ミックスから酸素を奪いセラミックスの還元に伴う電気
的特性の低下や導電性の低下が顕著に現れがちであっ
た。また、Niは、Snの第1の電極層54a,55a
側への拡散を防止する効果としては、Ti、Cr、Mo
などに比べ、十分とは言えなかった。
【0009】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、半田中に含まれているSnのセラミック素体
内への拡散を抑制することができ、かつセラミックスの
還元が生じ難く、従って、所望とする電気的特性を確実
に発揮させ得る端子電極を備えたセラミック電子部品を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック素
体と、セラミック素体の外表面に形成されており、複数
の電極層からなり、Snを含む半田により接合される端
子電極とを有するセラミック電子部品の製造方法におい
て、セラミック素体表面に、Cu、Ag、Pd、Au、
Niまたはこれらを主成分とする合金からなる主成分金
属と、Snよりも酸素との結合性が高く、主成分金属の
0.1〜20重量%の割合で存在している金属とを含む
電極層を、薄膜形成法により形成したことを特徴とす
る。
【0011】 また、セラミック電子部品の製造方法に
係る本発明は、セラミック素体と、セラミック素体の外
表面に形成されており、複数の電極層からなり、Snを
含む半田により接合される端子電極とを有するセラミッ
ク電子部品の製造方法において、セラミック素体表面
に、Cu、Ag、Pd、Au、Niまたはこれらを主成
分とする合金からなる主成分金属を金属膜として薄膜形
成法により形成し、この金属膜上に、Snよりも酸素と
の結合性が高い金属を金属膜として薄膜形成法により形
成し、主成分金属の金属膜にSnよりも酸素との結合性
が高い金属を、主成分金属の0.1〜20重量%の割合
で存在するように熱拡散させたことを特徴とする。
【0012】 また、セラミック電子部品に係る本発明
は、上記製造方法により得られたものであり、セラミッ
ク素体と、セラミック素体の外表面に形成された複数層
の電極層からなる端子電極とを有し、複数層の電極層の
うち、セラミック素体表面に密着している電極層が、導
電性に優れた主成分金属と、主成分金属の0.1〜20
重量%の割合で存在するSnよりも酸素との結合性が高
い金属とを含むことを特徴とする。
【0013】 本発明に係るセラミック電子部品の端子
電極においては、Snよりも酸素との結合性が高い金属
は、端子電極中に混合されていてもよく、端子電極を構
成している主成分となる金属と合金化されていてもよ
い。すなわち、Snよりも酸素との結合性が高い金属は
様々な形態で端子電極中に存在させ得る。また、上記S
nよりも酸素との結合性が高い金属としては、Ti、M
o、W及びVからなる群から選択した少なくとも一種を
好適に用いることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例を
挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明のセラミック電子部品の第
1の実施例としての積層コンデンサを示す縦断面図であ
る。積層コンデンサ1は、チタン酸バリウム系セラミッ
クのような誘電体セラミックスよりなるセラミック焼結
体2を有する。セラミック焼結体2内には、セラミック
層を介して厚み方向に重なり合うように、複数の内部電
極3a〜3fが形成されている。
【0016】内部電極3a,3c、3eは、端面2aに
引き出されている。内部電極3b,3d,3fは、端面
2aとは反対側の端面2bに引き出されている。内部電
極3a〜3fは、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Ni、
Cuなどの適宜の金属材料を用いて構成される。
【0017】端面2a,2bを覆うように、端子電極
4,5が形成されている。端子電極4,5は、セラミッ
ク焼結体2の端面2a,2bに近い側から第1の電極層
4a,5a、第2の電極層4b,5b及び第3の電極層
4c,5cを積層した構造を有する。
【0018】本実施例の特徴は、第1の電極層4a,5
aが、導電性に優れた主成分金属と、Snよりも酸素と
の結合性が高い金属との合金膜により構成されているこ
とにある。上記主成分金属としては、特に限定されるわ
けではないが、従来から電極材料として用いられている
導電性に優れた金属、例えばCu、Ag、Pd、Au、
Niまたはこれらを主成分とする合金が用いられる。な
お、上記主成分金属にNiまたはNiを主成分とする金
属を用いる場合、Cu、Ag、Pd、AUなどに比べ幾
分導電性が低下するが、Sn拡散に対する効果は同様に
得られる。Snよりも酸素との結合性が高い金属として
は、例えば、Ti、Mo、W、Vなどを挙げることがで
きる。
【0019】本実施例では、上記Snよりも酸素との結
合性が高い金属は、導電性に優れた主成分金属100重
量%に対し、0.1〜20重量%の割合で合金化されて
いる。Snよりも酸素との結合性が高い金属の割合が
0.1重量%未満の場合には、Snよりも酸素との結合
性が高い金属を添加した効果が十分に得られず、第1の
電極層4a,5aの密着性が低下し、電気的特性の劣化
が生じることがある。Snよりも酸素との結合性が高い
金属の割合が20重量%を超えると、第1の電極層4
a,5aの導電性の低下やセラミックスの還元などが起
こり、好ましくない。
【0020】上記第1の電極層4a,5aは、蒸着・メ
ッキもしくはスパッタリングなどの薄膜形成法により形
される
【0021】第1の電極層4a,5a上に形成されてい
る第2の電極層4b,5bは、本実施例では、半田耐熱
性に優れたNiを主成分として構成されている。また、
第3の電極層4c,5cは、半田濡れ性を高めるため
に、SnまたはSn合金をメッキすることにより形成さ
れている。
【0022】に、上記端子電極4,5により所望の電
気的特性が確実に得られることを説明する。
【0023】薄膜電極の密着力は、セラミック焼結体2
と端子電極4,5との界面における酸素結合に大きく依
存する。積層コンデンサにおいて、半田に含まれるSn
が端子電極内に拡散し、端子電極とセラミック焼結体と
の界面に到達すると、Snが、セラミックスと酸素結合
している電極金属から酸素を奪うことになる。その結
果、電極層を構成している電極金属とセラミックとの結
合が解かれ、セラミック焼結体に対する密着力が低下す
る。特に、中高圧用途のように、電子部品が発熱し、比
較的高温下におかれる場合、上記のような密着力の低下
が顕著に現れ、所望とする電気的特性を得ることができ
なくなる。
【0024】これに対して、本実施例では、第1の電極
層4a、5aに、Snよりも酸素との結合性が高い金属
が含まれているので、すなわち第1の電極層4a,5a
とセラミック焼結体2との界面に、Snよりも酸素との
結合性が高い金属が存在するので、半田中のSnが拡散
してきたとしても、Snよりも酸素との結合性が高い金
属を介したセラミックスとの酸素結合がほとんど解かれ
ない。従って、Snが拡散してきたとしても、第1の電
極層4a,5aとセラミック焼結体2との密着強度が低
下せず、かつSnのセラミック焼結体2内への拡散も生
じ難い。よって、積層コンデンサ1は、その電気的特性
を維持し得る。
【0025】また、第1の電極層4a,5aの主成分は
導電性に優れた金属であるため、端子電極4,5におけ
る損失及び発熱量の低減を果たすことができ、例えば中
高圧用途に用いられるセラミック電子部品における低損
失かつ低発熱という要求性能を満足させ得る。
【0026】よって、本実施例の積層コンデンサ1によ
れば、半田中に含まれているSnの拡散による電気的特
性の劣化を抑制することができ、特に、中高圧用途に用
いられるのに適した積層コンデンサ1を提供することが
できる。
【0027】図2〜図4を参照して、本発明の第2の実
施例として、Snよりも酸素との結合性が高い金属が端
子電極中において合金化されずに存在している構造を説
明する。
【0028】セラミック焼結体2の端面2b上に、蒸
着、メッキもしくはスパッタリングなどの薄膜形成法に
より第1の電極層を構成するために、導電性に優れた金
属膜14を形成する。導電性に優れた金属としては、第
1の実施例と同様に、Cu、Ag、Pd、AuまたはN
i及び、これらを主成分とする合金などを用いることが
できる。
【0029】次に、図3に示すように、金属膜14上
に、Snよりも酸素との結合性が高い金属膜14aを製
膜する。金属膜14aは、薄膜形成法により形成するこ
とができ、上記金属膜14よりも薄く製膜される。金属
膜14aの製膜時の熱エネルギーにより、あるいは金属
膜14aを形成した後加熱することにより、酸素との結
合性が高い金属が金属膜14中に熱拡散される。
【0030】その結果、図4に示すように、Snよりも
酸素との結合性が高い金属が金属膜14中に拡散され
て、第1の電極層14bが形成される。第1の電極層1
4bでは、主成分金属からなる金属膜に、Snよりも酸
素との結合性が高い金属が拡散されて単一の電極層とさ
れており、Snよりも酸素との結合性が高い金属が合金
化されないで存在している。このように、Snよりも酸
素との結合性が高い金属が合金化されておらず、第1の
電極層14b中に拡散されている場合であっても、Sn
よりも酸素との結合性が高い金属が、セラミック焼結体
2の端面2bと電極層14bとの界面に至るように拡散
されている限り、第1の実施例の第1の電極層4a,5
aと同様に、Snが拡散されてきたとしても、端子電極
の密着強度が低下し難く、電気的特性の劣化が生じ難
い。また、拡散させる際に、酸素との結合性が高い金属
が、第1の電極層14b中で合金化してしまった場合に
も、第1の実施例の第1の電極層4a,5aと同様に、
Snが拡散されてきたとしても、端子電極の密着強度が
低下し難く、電気的特性の劣化が生じ難い。
【0031】なお、Snよりも酸素との結合性が高い金
属を熱拡散させる方法については、特に限定されず、前
述したように、熱拡散させ得る条件で金属膜14aを製
膜してもよく、金属膜14aを製膜した後加熱すること
により、Snよりも酸素との結合性が高い金属を金属膜
14中に拡散させてもよい。もっとも、Snよりも酸素
との結合性が高い金属からなる金属膜14aが単一の金
属層として存在しないように、該金属を確実に熱拡散さ
せるように構成することが必要である。従って、金属膜
14aの厚み及び熱拡散させるための熱量等は、このよ
うな条件を満たすように選択することが必要である。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】図5は、本発明が適用されるセラミック電
子部品の他の例を説明するための断面図である。本実施
例のセラミック電子部品は、単板型のセラミックコンデ
ンサである。
【0039】セラミックコンデンサ31は、チタン酸バ
リウムのような誘電体セラミックスよりなる板状のセラ
ミック素体32を有する。セラミック素体32の両面に
端子電極33,34が形成されている。端子電極33,
34は、それぞれ、第1〜第3の電極層33a,34a
〜33c,34cを有する。第1〜第3の電極層33
a,34a〜33c,34cは、第1の実施例の第1〜
第3の電極層4a,5a〜4c,5cと同様に構成され
ている。端子電極33,34には、リード端子35,3
6が半田37により接合されている。なお、38は外装
樹脂を示す。
【0040】本実施例においても、高温下で使用された
場合に、リード端子35,36を半田付けするのに用い
られてる半田中のSnが端子電極33,34側に拡散し
てきたとしても、第1の電極層33a,34aと、セラ
ミック素体32との界面に、Snよりも酸素との結合性
が高い金属が存在するため、端子電極33,34のセラ
ミック素体32に対する密着強度が低下し難い。従っ
て、第1の実施例と同様に、Snの拡散に起因する電気
的特性の劣化が生じ難い。
【0041】また、本発明は、半田中に含まれているS
nの拡散による端子電極とセラミック焼結体との密着性
の低下に伴う電気的特性の劣化を防止するものであるた
め、積層コンデンサ1やコンデンサ31以外の他のセラ
ミック電子部品、例えば積層バリスタ、積層インダク
タ、積層セラミック圧電部品などの様々な積層セラミッ
ク電子部品、あるいは単板型のセラミックサーミスタな
どの積層型以外の様々なセラミック電子部品に適用する
ことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明に係るセラミック電子部品では、
端子電極のセラミック素体表面に密着している部分が、
主成分金属と、Snよりも酸素との結合性が高い金属と
を含むので、例えば高温下において半田などに含まれて
いるSnが拡散してきたとしても、Snよりも酸素との
結合性が高い金属とセラミックスとの酸素結合が損なわ
れ難い。従って、端子電極の密着強度が低下し難いの
で、所望とする初期の電気的特性を確実に発揮し得るセ
ラミック電子部品を提供することができる。
【0043】よって、本発明に係るセラミック電子部品
は、例えば中高圧用途のセラミック電子部品のように実
使用下において発熱するセラミック電子部品のように、
Snが端子電極とセラミック素体との界面への拡散が生
じ易いセラミック電子部品に好適に用いることができ、
このような中高圧用途に用いられるセラミック電子部品
における電気的特性の劣化を抑制することができる。
【0044】本発明において、端子電極を構成している
主成分金属と、Snよりも酸素との結合性が高い金属と
が合金化されている場合には、合金化の割合を制御する
ことにより、端子電極とセラミック素体表面との界面
に、Snよりも酸素との結合性が高い金属を所望とする
割合で確実に存在させることができる。
【0045】また、端子電極が複数の電極層を有する
、セラミック素体に密着している層がSnよりも酸素
との結合性が高い金属を含むように構成することによ
り、Snの拡散による電気的特性の劣化を確実に抑制す
ることができる。
【0046】さらに、Snよりも酸素との結合性が高い
金属として、Ti、Mo、W及びVからなる群から選択
した少なくとも一種を用いることにより、上記Snの拡
散による端子電極密着強度の低下、ひいては電気的特性
の劣化を効果的に防止することができる。
【0047】また、Snよりも酸素との結合性が高い金
属が、端子電極のセラミック素体と密着している面にお
いて、主成分金属の0.1〜20重量%の割合で存在す
るように構成されているので、Snよりも酸素との結合
性が高い金属の存在により確実に電気的特性の劣化を抑
制することができると共に、十分な導電性を発揮させる
ことができ、例えば中高圧用途に用いた場合、端子電極
における損失及び発熱量の低減を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック電子部品の第1の実施例と
しての積層コンデンサを示す縦断面図。
【図2】本発明の第2の実施例の積層コンデンサにおい
て、端子電極を形成する工程を説明するための部分切欠
断面図。
【図3】図2に示した積層コンデンサの金属膜上にSn
よりも酸素との結合性が高い金属膜を形成した状態を示
す部分切欠断面図。
【図4】図3の工程に引き続いて、Snよりも酸素との
結合性が高い金属が最初の金属膜中に拡散されて形成さ
れた端子電極を説明するための部分切欠断面図。
【図5】本発明が適用されるセラミック電子部品の他の
例を説明するための断面図。
【図6】従来の積層コンデンサを示す縦断面図。
【符号の説明】
1…積層コンデンサ 2…セラミック焼結体 3a〜3f…内部電極 4,5…端子電極 4a,5a…第1の電極層 4b,5b…第2の電極層 4c,5c…第3の電極層 14…金属膜 14a…Snよりも酸素との結合性が高い金属からなる
金属膜 14b…端子電極 31…セラミックコンデンサ 32…セラミック素体 33,34…端子電極 33a,34a…第1の電極層 33b,34b…第2の電極層 33c,34c…第3の電極層 35,36…リード端子 38…外装樹脂

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック素体と、セラミック素体の外表
    面に形成されており、複数の電極層からなり、Snを含
    む半田により接合される端子電極とを有するセラミック
    電子部品の製造方法において、 前記セラミック素体表面に、Cu、Ag、Pd、Au、
    Niまたはこれらを主成分とする合金からなる主成分金
    属と、Snよりも酸素との結合性が高く、主成分金属の
    0.1〜20重量%の割合で存在している金属とを含む
    電極層を、薄膜形成法により形成したことを特徴とす
    る、セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】セラミック素体と、セラミック素体の外表
    面に形成されており、複数の電極層からなり、Snを含
    む半田により接合される端子電極とを有するセラミック
    電子部品の製造方法において、 前記セラミック素体表面に、Cu、Ag、Pd、Au、
    Niまたはこれらを主成分とする合金からなる主成分金
    属を金属膜として薄膜形成法により形成し、 この金属膜上に、Snよりも酸素との結合性が高い金属
    を金属膜として薄膜形成法により形成し、 前記主成分金属の金属膜に、Snよりも酸素との結合性
    が高い金属を、主成分金属の0.1〜20重量%の割合
    で存在するように熱拡散させたことを特徴とする、セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のセラミッ
    ク電子部品の製造方法により得られるセラミック電子部
    品であって、セラミック素体と、前記セラミック素体の
    外表面に形成された複数層の電極層からなる端子電極と
    を有し、前記複数層の電極層のうち、セラミック素体表
    面に密着している電極層が、導電性に優れた主成分金属
    と、主成分金属の0.1〜20重量%の割合で存在する
    Snよりも酸素との結合性が高い金属とを含むことを特
    徴とする、セラミック電子部品。
  4. 【請求項4】前記導電性に優れた主成分金属と、前記S
    nよりも酸素との結合性が高い金属とが、合金化されて
    いる、請求項3に記載のセラミック電子部品。
  5. 【請求項5】前記Snよりも酸素との結合性が高い金属
    が、Ti、Mo、W、及びVからなる群から選択した少
    なくとも一種である、請求項3または4に記載のセラミ
    ック電子部品。
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