JPH09260186A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品およびその製造方法

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JPH09260186A
JPH09260186A JP8072331A JP7233196A JPH09260186A JP H09260186 A JPH09260186 A JP H09260186A JP 8072331 A JP8072331 A JP 8072331A JP 7233196 A JP7233196 A JP 7233196A JP H09260186 A JPH09260186 A JP H09260186A
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JP
Japan
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external electrode
ceramic
glass
melting point
laminate
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Application number
JP8072331A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Yoneda
康信 米田
Kunihiko Hamada
邦彦 浜田
Yukio Sanada
幸雄 眞田
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密で接合強度の高い外部電極が積層体の外
表面に形成された積層セラミックコンデンサのような積
層セラミック電子部品を得る。 【解決手段】 好ましくは、セラミックの焼成温度より
低くかつ焼成温度より50℃低い温度以上の融点を有す
る高融点ガラスを、0.5〜10 vol%の含有率で外部
電極6,7に添加しておき、外部電極6,7を付与した
後、積層体5を外部電極6,7とともに焼成する。ある
いは、積層体5に含まれる少なくとも最外層のセラミッ
ク層2a,2bに上述の高融点ガラスを好ましくは0.
5〜2.0vol%の含有率で添加し、この積層体5を外
部電極6,7とともに焼成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば積層セ
ラミックコンデンサ、積層バリスタ、積層インダクタの
ような積層セラミック電子部品およびその製造方法に関
するもので、特に、外部電極の形成方法が改良された積
層セラミック電子部品の製造方法およびこの方法により
得られた積層セラミック電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味あるたとえば積層
セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品
は、積層された複数のセラミック層およびこれらセラミ
ック層の界面に沿いかつ当該界面のいずれかの端縁にま
で延びるように形成された内部電極を含む、積層体と、
内部電極に接続されるように積層体の外表面上に形成さ
れた外部電極とを備えている。
【0003】このような積層セラミック電子部品を製造
するとき、通常、積層体を焼成した後、外部電極をこの
積層体の外表面上に形成することが行なわれている。外
部電極は、ガラスフリットを含有するペーストを積層体
上に付与し、このペーストを焼き付けることにより形成
される。
【0004】また、外部電極上には、半田付け性を良好
なものとするため、錫または半田のめっき膜が形成され
るが、外部電極が銀を含む場合、半田付け時の銀の半田
中への拡散を抑制するため、この錫または半田膜の下に
は、ニッケル膜が形成されるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、積層体
を焼成した後、外部電極を焼付けにより形成する場合、
外部電極の焼付け時においては、外部電極ペーストに含
有されるガラス成分が積層体中にしみ込み、焼付け後の
外部電極中のガラス含有量を低下させる。その結果、積
層体に対する外部電極の接合強度が低下するという問題
に遭遇する。
【0006】また、ガラス含有量の低下は、外部電極の
緻密さを低下させる。上述したように外部電極の接合強
度が低下した場合、あるいは、この接合強度の低下に加
えて、外部電極の緻密さが低下した場合、上述したニッ
ケル膜、および錫または半田膜を外部電極上にめっきに
より形成するに際して、めっき液が、外部電極と積層体
との界面を通ったり、外部電極中を通ったりして、積層
体の内部にまで至ることがある。その結果、このめっき
液の作用により、積層体にデラミネーションが生じやす
くなったり、めっき液の残留により、耐湿性の劣化を招
いたりすることがある。
【0007】なお、上述した焼付け時のガラス含有量の
低下を見越して、外部電極中にガラスフリットをより多
く含有させておくことも考えられるが、この場合には、
めっき性の低下の問題、すなわち、外部電極上にめっき
膜が析出しにくいという問題に遭遇する。
【0008】そこで、この発明の目的は、積層体に対す
る外部電極の接合強度、さらに外部電極の緻密さをも高
められた、積層セラミック電子部品およびその製造方法
を提供しようとすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、まず、積層
セラミック電子部品の製造方法に向けられる。この発明
に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、積層され
た複数のセラミック層およびこれらセラミック層の界面
に沿いかつ当該界面のいずれかの端縁にまで延びるよう
に形成された内部電極を含む、積層体を用意する工程
と、この積層体に含まれる少なくとも最外層のセラミッ
ク層および内部電極に接するように積層体の外表面上に
ガラス成分を含有する外部電極を付与する工程とを備え
ており、上述した技術的課題を解決するため、外部電極
と積層体に含まれる少なくとも最外層のセラミック層と
の少なくとも一方は、少なくともセラミック層の焼成温
度において溶融する高融点ガラスを含有し、積層体は、
外部電極を付与した後、当該外部電極とともに焼成され
ることを特徴としている。
【0010】上述の積層セラミック電子部品の製造方法
において、好ましくは、高融点ガラスは、セラミック層
の焼成温度より低くかつ焼成温度より100℃低い温度
以上の融点、さらに好ましくは焼成温度より50℃低い
温度以上の融点を有するものとされる。
【0011】また、好ましくは、高融点ガラスの含有率
は、外部電極に含有されるとき、0.5〜10 vol%に
選ばれ、最外層のセラミック層に含有されるとき、0.
5〜2.0 vol%に選ばれる。
【0012】この発明は、また、上述のような製造方法
によって得られる積層セラミック電子部品の構造にも向
けられる。この発明に係る積層セラミック電子部品は、
積層された複数のセラミック層およびこれらセラミック
層の界面に沿いかつ当該界面のいずれかの端縁にまで延
びるように形成された内部電極を含む、積層体と、この
積層体に含まれる少なくとも最外層のセラミック層およ
び内部電極に接するように積層体の外表面上に形成され
たガラス成分を含有する外部電極とを備えるものであっ
て、外部電極と積層体に含まれる少なくとも最外層のセ
ラミック層との少なくとも一方は、少なくともセラミッ
ク層の焼成温度において溶融する高融点ガラスを含有
し、外部電極は銀を含み、外部電極上には錫または半田
膜のみが形成されている
【0013】
【発明の効果】この発明に係る積層セラミック電子部品
の製造方法によれば、積層体と外部電極とを同時に焼成
するようにしているので、外部電極の焼成開始段階で
は、積層体がポーラスな状態ではないので、外部電極に
含まれるガラス成分が積層体中にしみ込むことを抑制で
きる。したがって、積層体に対する外部電極の接合強度
を所望のごとく維持することができ、また、外部電極の
緻密さも所望のごとく維持することができる。また、外
部電極と積層体に含まれる少なくとも最外層のセラミッ
ク層との少なくとも一方には、少なくともセラミック層
の焼成温度において溶融する高融点ガラスが含有されて
いるので、積層体と外部電極との同時焼成の結果、この
高融点ガラスが積層体に対する外部電極の接合強度の向
上に有利に寄与する。
【0014】したがって、得られた積層セラミック電子
部品において、積層体中にめっき液がしみ込むことを防
止でき、このようなめっき液による積層体の劣化、たと
えば、積層体にデラミネーションが生じたり、耐湿性を
劣化させたりすることを防止できる。また、外部電極の
接合強度を高めるために外部電極に含有されるガラス成
分を増加させる必要がないので、外部電極上でのめっき
性が阻害されることはない。
【0015】また、積層体と外部電極とを同時に焼成す
るので、これらを別の段階で焼成する場合に比べて、工
程数を削減することができる。
【0016】前述したように、高融点ガラスとしては、
セラミック層の焼成温度より低くかつ焼成温度より10
0℃低い温度以上の融点を有するものが用いられるのが
好ましい。焼成温度より100℃低い温度未満の融点を
有する高融点ガラスが用いられると、この高融点ガラス
がセラミックと反応し、積層セラミック電子部品の特性
に悪影響を及ぼすことがあるからである。この点におい
て、さらに好ましくは、焼成温度より50℃低い温度以
上の融点を有する高融点ガラスが用いられる。
【0017】また、前述したように、高融点ガラスの含
有率は、外部電極に含有されるとき、0.5〜10 vol
%に選ばれ、最外層のセラミック層に含有されるとき、
0.5〜2.0 vol%に選ばれるのが好ましい。これら
の数値範囲の下限を下回るとき、外部電極の十分な接合
強度が得られないことがあるからである。他方、高融点
ガラスが外部電極に含有されるとき、その含有率が10
vol%を超えると、めっき性が著しく低下し、高融点ガ
ラスが最外層のセラミック層に含有されるとき、その含
有率が2.0 vol%を超えると、焼成中のガラスの拡散
により積層セラミック電子部品の特性に悪影響を及ぼす
ことがある。
【0018】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法を適用すれば、緻密な外部電極を有する
積層セラミック電子部品を得ることができるので、外部
電極に銀を含んでいても、半田付け時において、この銀
の半田中への拡散を遅らせることができる。したがっ
て、外部電極上に、銀の拡散を抑制するためのニッケル
膜を形成することなく、半田付け性を向上させるための
錫または半田膜のみを形成した、積層セラミック電子部
品を実用に供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【0020】積層セラミックコンデンサ1は、積層され
た複数のセラミック層2ならびにセラミック層2の界面
に沿って延びる複数組の内部電極3および4を含む積層
体5と、この積層体5の両端部の各外表面上にそれぞれ
付与されるガラス成分を含有する外部電極6および7と
を備える。内部電極3および4は、金属成分として、た
とえば、銀・パラジウム合金、パラジウム、銅、または
ニッケル等を含有し、外部電極6および7も、金属成分
として、たとえば、銀・パラジウム合金、パラジウム、
銅、またはニッケル等を含有する。なお、内部電極3お
よび4の金属成分と外部電極6および7の金属成分と
は、互いに同じ場合、または一部が共通する場合の他、
まったく異なる場合もある。
【0021】第1グループの内部電極3と第2グループ
の内部電極4とは、セラミック層2の界面の互いに逆側
の端縁にまで延びるように形成され、第1グループの内
部電極3は一方の外部電極6に電気的に接続されるよう
に接し、第2グループの内部電極4は他方の外部電極7
に電気的に接続されるように接している。また、外部電
極6および7は、それぞれ、前述したように積層体5の
端部の外表面上に形成されているので、積層体5に含ま
れる最外層のセラミック層2aおよび2bにも接してい
る。
【0022】このような積層セラミックコンデンサ1に
おいて、外部電極6および7には、少なくともセラミッ
ク層2の焼成温度において溶融する高融点ガラスが含有
されている。この高融点ガラスとしては、セラミック層
2の焼成温度より低くかつ焼成温度より100℃低い温
度以上の融点を有するものが用いられるのが好ましく、
さらに好ましくは、焼成温度より50℃低い温度以上の
融点を有する高融点ガラスが用いられる。また、この高
融点ガラスの含有率は、0.5〜10 vol%に選ばれる
のが好ましい。
【0023】この積層セラミックコンデンサ1を製造す
るとき、積層体5は、外部電極6および7を付与した
後、これら外部電極6および7とともに焼成される。し
たがって、外部電極6および7の焼成開始段階では、積
層体5がポーラスな状態ではないので、外部電極6およ
び7に含まれるガラス成分が積層体5中にしみ込むこと
を抑制でき、積層体5に対する外部電極6および7の接
合強度を所望のごとく維持することができ、また、外部
電極6および7の緻密さも所望のごとく維持することが
できる。また、このように、少なくともセラミック層2
の焼成温度において溶融する高融点ガラスは、積層体5
と外部電極6および7との同時焼成の結果、積層体5に
対する外部電極6および7の接合強度の向上に有利に寄
与する。
【0024】したがって、得られた積層セラミックコン
デンサ1において、積層体5中にめっき液がしみ込むこ
とを防止でき、このようなめっき液によって積層体5が
劣化することを防止できる。また、外部電極6および7
の接合強度を高めるために、ここに含有されるガラス成
分を増加させる必要がないので、外部電極6および7上
でのめっき性が阻害されることはない。
【0025】また、積層体5と外部電極6および7とを
同時に焼成するので、これらを別の段階で焼成する場合
に比べて、工程数を削減することができる。
【0026】また、上述したように、緻密な外部電極6
および7が形成されれば、外部電極6および7にたとえ
銀を含んでいても、半田付け時において、この銀の半田
中への拡散を遅らせることができる。したがって、外部
電極6および7上に、銀の拡散を抑制するためのニッケ
ル膜を形成することなく、図1に示すように、半田付け
性を向上させるための錫または半田膜8のみを形成する
だけで、実用に供し得る積層セラミックコンデンサ1を
実現することもできる。
【0027】以上説明した実施形態では、外部電極6お
よび7に高融点ガラスが含有されていたが、これに代え
て、積層体5に含まれる少なくとも最外層のセラミック
層2aおよび2bに高融点ガラスが含有されていてもよ
い。この場合には、高融点ガラスの含有率は、0.5〜
2.0 vol%に選ばれるのが好ましい。このように、最
外層のセラミック層2aおよび2bに高融点ガラスが含
有されていても、これら最外層のセラミック層2aおよ
び2bは外部電極6および7に接しているので、積層体
5に対する外部電極6および7の接合強度が高められ、
前述した実施形態の場合と同様の効果を奏することがで
きる。
【0028】なお、外部電極6および7と最外層のセラ
ミック層2aおよび2bとの双方に、高融点ガラスが含
有されていてもよい。この場合には、高融点ガラスのそ
れぞれでの含有率は、外部電極6および7のみに含有さ
れる場合または最外層のセラミック層2aおよび2bの
みに含有される場合に比べて、トータルでの含有量を考
慮しながら若干少なくされることもある。
【0029】以上、この発明を積層セラミックコンデン
サに関連して説明したが、この発明は、積層セラミック
コンデンサに限らず、その他、積層インダクタ、積層バ
リスタ、セラミック多層回路基板等を含む積層セラミッ
ク電子部品全般に適用することができる。
【0030】
【実施例】以下に、積層セラミックコンデンサに関連し
て実施した実施例について説明する。
【0031】(実施例1)Pb複合ペロブスカイト系の
セラミック材料を用いて作製したセラミックグリーンシ
ート上に、Ag/Pd(Ag75/Pd25)を含有す
る内部電極を印刷し、これらセラミックグリーンシート
を積層してマザー積層体とした後、これをカットし、個
々の積層セラミックコンデンサのためのチップ状の積層
体を得た。次いで、これら積層体に、外部電極の付与を
行なった。
【0032】付与した外部電極には、金属成分として、
Ag/Pd(Ag75/Pd25)を含有させるととも
に、ガラス成分として、以下の表1に示すように、いく
つかの融点を有するものをいくつかの添加量をもって含
有させた。
【0033】次に、外部電極を付与した積層体を900
℃の温度で焼成し、その後、外部電極上に、Sn膜を形
成すべくめっきを施した。
【0034】このようにして得られた各試料につき、外
部電極の接合強度、Snめっき膜の厚みおよび静電容量
を測定するとともに、耐湿負荷試験(85℃、85%R
H、2000時間)を実施した。この結果が、表1に示
されている。表1において、「耐湿負荷」は、耐湿負荷
試験において、短絡等の特性劣化が生じずに残存した試
料の比率を示している。
【0035】なお、表1において、「従来」と表示され
た試料は、従来の方法に従って、積層体の焼成後にAg
を含有する外部電極を付与することによって得られたも
のを示している。
【0036】
【表1】
【0037】表1において、試料番号に「*」を付した
もの、すなわち、外部電極に含有されるガラスとして、
900℃の焼成温度より低くかつこの焼成温度より50
℃低い温度以上の融点(850℃)を有するものを用い
ながら、その含有率を0.5〜10 vol%に選んだ、試
料4〜6が特に好ましい。
【0038】850℃の融点を有するガラスを外部電極
に含有させながらも、その含有率が0.2 vol%と低い
試料3では、外部電極の接合強度が劣っていた。他方、
850℃の融点を有するガラスを外部電極に含有させな
がらも、その含有率が15 vol%と高い試料7では、め
っき性の劣化が見られた。
【0039】900℃の焼成温度より100℃低い温度
未満の融点(750℃)を有するガラスを用いた試料1
では、ガラスとセラミックとの反応により、静電容量の
低下を招き、また、緻密な外部電極を形成することがで
きず、めっき液の影響により、耐湿負荷特性の劣化を招
いた。
【0040】900℃の焼成温度より50℃低い温度未
満ではあるが、100℃低い温度以上の融点(800
℃)を有するガラスを用いた試料2は、試料4〜6に比
べると劣るものの、静電容量に関しては、試料1より優
れた結果を示し、耐湿負荷特性に関しては、試料1だけ
でなく従来方法による試料に比べても優れた結果を示し
た。
【0041】このように、この実施例1によれば、外部
電極と積層体とを同時焼成することにより、適量の高融
点ガラスを外部電極に含有させるだけで、めっき性が阻
害されずに接合強度が高くかつ緻密な外部電極を有する
積層セラミックコンデンサが製造され得ることがわか
る。
【0042】(実施例2)Pb複合ペロブスカイト系の
セラミック材料を用いて作製したセラミックグリーンシ
ート上に、Ag/Pd(Ag75/Pd25)を含有す
る内部電極を印刷し、これらセラミックグリーンシート
を積層してマザー積層体とした。このとき、最外層とな
るセラミックグリーンシートには、融点850℃のガラ
ス成分を以下の表2に示す添加量をもって含有させてお
いた。その後、このマザー積層体をカットし、個々の積
層セラミックコンデンサのためのチップ状の積層体を得
た。次いで、これら積層体に、外部電極の付与を行なっ
た。
【0043】付与した外部電極には、金属成分として、
Ag/Pd(Ag75/Pd25)を74.6wt%含有
させるとともに、ガラス成分として、融点850℃のも
のを0.4wt%(1 vol%)の添加量をもって含有さ
せ、さらにビヒクルを25wt%含有させた。
【0044】次に、外部電極を付与した積層体を900
℃の温度で焼成し、その後、外部電極上に、Sn膜を形
成すべくめっきを施した。
【0045】このようにして得られた各試料につき、外
部電極の接合強度、Snめっき膜の厚みおよび静電容量
を測定するとともに、耐湿負荷試験(85℃、85%R
H、1000時間)を実施した。この結果が、表2に示
されている。
【0046】
【表2】
【0047】表2において、試料番号に「*」を付した
もの、すなわち、外部電極に含有されるガラスの含有率
を0.5〜2.0 vol%に選んだ、試料2〜5が特に好
ましい。
【0048】ガラスの含有率が0.2 vol%と低い試料
1では、外部電極の接合強度が劣っていた。他方、ガラ
スの含有率が2.5 vol%と高い試料7では、焼成中の
ガラスの拡散により静電容量の低下を招いた。
【0049】このように、この実施例2によれば、外部
電極と積層体とを同時焼成することにより、適量の高融
点ガラスを最外層のセラミック層に含有させるだけで、
めっき性が阻害されず、接合強度が高くかつ緻密な外部
電極を有する積層セラミックコンデンサが製造され得る
ことがわかる。
【0050】(実施例3)チタン酸バリウム系のセラミ
ック材料を用いて作製したセラミックグリーンシート上
に、Niを含有する内部電極を印刷し、これらセラミッ
クグリーンシートを積層してマザー積層体とした後、こ
れをカットし、個々の積層セラミックコンデンサのため
のチップ状の積層体を得た。次いで、これら積層体に、
外部電極の付与を行なった。
【0051】付与した外部電極には、金属成分として、
Niを含有させるとともに、ガラス成分として、以下の
表3に示すように、いくつかの融点を有するものをいく
つかの添加量をもって含有させた。
【0052】次に、外部電極を付与した積層体を130
0℃の温度で焼成し、その後、外部電極上に、Sn膜を
形成すべくめっきを施した。
【0053】このようにして得られた各試料につき、外
部電極の接合強度、Snめっき膜の厚みおよび静電容量
を測定するとともに、耐湿負荷試験(85℃、85%R
H、2000時間)を実施した。この結果が、表3に示
されている。
【0054】なお、表3において、「従来」と表示され
た試料は、従来の方法に従って、積層体の焼成後にCu
を含有する外部電極を付与することによって得られたも
のを示している。
【0055】
【表3】
【0056】表3において、試料番号に「*」を付した
もの、すなわち、外部電極に含有されるガラスとして、
1300℃の焼成温度より低くかつこの焼成温度より5
0℃低い温度以上の融点(1250℃)を有するものを
用いながら、その含有率を0.5〜10 vol%に選ん
だ、試料4〜6が特に好ましい。
【0057】1250℃の融点を有するガラスを外部電
極に含有させながらも、その含有率が0.2 vol%と低
い試料3では、外部電極の接合強度が劣っていた。他
方、1250℃の融点を有するガラスを外部電極に含有
させながらも、その含有率が15 vol%と高い試料7で
は、めっき性の劣化が見られた。
【0058】1300℃の焼成温度より100℃低い温
度未満の融点(1150℃)を有するガラスを用いた試
料1では、ガラスとセラミックとの反応により、静電容
量の低下を招き、また、緻密な外部電極を形成すること
ができず、めっき液の影響により、耐湿負荷特性の劣化
を招いた。
【0059】1300℃の焼成温度より50℃低い温度
未満ではあるが、100℃低い温度以上の融点(120
0℃)を有するガラスを用いた試料2は、試料4〜6に
比べると劣るものの、静電容量に関しては、試料1より
優れた結果を示し、耐湿負荷特性に関しては、試料1だ
けでなく従来方法による試料に比べても優れた結果を示
した。
【0060】このように、この実施例3によれば、外部
電極がNiを含有する場合であっても、外部電極と積層
体とを同時焼成することにより、適量の高融点ガラスを
外部電極に含有させるだけで、めっき性が阻害されずに
接合強度が高くかつ緻密な外部電極を有する積層セラミ
ックコンデンサが製造され得ることがわかる。
【0061】(実施例4)チタン酸バリウム系のセラミ
ック材料を用いて作製したセラミックグリーンシート上
に、Niを含有する内部電極を印刷し、これらセラミッ
クグリーンシートを積層してマザー積層体とした。この
とき、最外層となるセラミックグリーンシートには、融
点1250℃のガラス成分を以下の表4に示す添加量を
もって含有させておいた。その後、このマザー積層体を
カットし、個々の積層セラミックコンデンサのためのチ
ップ状の積層体を得た。次いで、これら積層体に、外部
電極の付与を行なった。
【0062】付与した外部電極には、金属成分として、
Niを70wt%含有させるとともに、ガラス成分とし
て、融点1250℃のものを2wt%(5 vol%)の添加
量をもって含有させ、さらにビヒクルを28wt%含有さ
せた。
【0063】次に、外部電極を付与した積層体を130
0℃の温度で焼成し、その後、外部電極上に、Sn膜を
形成すべくめっきを施した。
【0064】このようにして得られた各試料につき、外
部電極の接合強度、Snめっき膜の厚みおよび静電容量
を測定するとともに、耐湿負荷試験(85℃、85%R
H、1000時間)を実施した。この結果が、表4に示
されている。
【0065】
【表4】
【0066】表4において、試料番号に「*」を付した
もの、すなわち、外部電極に含有されるガラスの含有率
を0.5〜2.0 vol%に選んだ、試料2〜5が特に好
ましい。
【0067】ガラスの含有率が0.2 vol%と低い試料
1では、外部電極の接合強度が劣っていた。他方、ガラ
スの含有率が2.5 vol%と高い試料7では、焼成中の
ガラスの拡散により静電容量の低下を招いた。
【0068】このように、この実施例4によれば、外部
電極がNiを含有する場合であっても、外部電極と積層
体とを同時焼成することにより、適量の高融点ガラスを
最外層のセラミック層に含有させるだけで、めっき性が
阻害されず、接合強度が高くかつ緻密な外部電極を有す
る積層セラミックコンデンサが製造され得ることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による積層セラミックコ
ンデンサ1を示す断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ 2 セラミック層 2a,2b 最外層のセラミック層 5 積層体 6,7 外部電極 8 錫または半田膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された複数のセラミック層および前
    記セラミック層の界面に沿いかつ当該界面のいずれかの
    端縁にまで延びるように形成された内部電極を含む、積
    層体を用意する工程と、前記積層体に含まれる少なくと
    も最外層の前記セラミック層および前記内部電極に接す
    るように前記積層体の外表面上にガラス成分を含有する
    外部電極を付与する工程とを備える、積層セラミック電
    子部品の製造方法であって、 前記外部電極と前記積層体に含まれる少なくとも最外層
    の前記セラミック層との少なくとも一方には、少なくと
    も前記セラミック層の焼成温度において溶融する高融点
    ガラスを含有させ、 前記積層体は、前記外部電極を付与した後、当該外部電
    極とともに焼成されることを特徴とする、積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高融点ガラスは、前記セラミック層
    の焼成温度より低くかつ焼成温度より100℃低い温度
    以上の融点を有する、請求項1に記載の積層セラミック
    電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記高融点ガラスの含有率は、前記外部
    電極に含有されるとき、0.5〜10 vol%に選ばれ、
    前記最外層のセラミック層に含有されるとき、0.5〜
    2.0 vol%に選ばれる、請求項1または2に記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 積層された複数のセラミック層および前
    記セラミック層の界面に沿いかつ当該界面のいずれかの
    端縁にまで延びるように形成された内部電極を含む、積
    層体と、前記積層体に含まれる少なくとも最外層の前記
    セラミック層および前記内部電極に接するように前記積
    層体の外表面上に形成されたガラス成分を含有する外部
    電極とを備える、積層セラミック電子部品において、 前記外部電極と前記積層体に含まれる少なくとも最外層
    の前記セラミック層との少なくとも一方は、少なくとも
    前記セラミック層の焼成温度において溶融する高融点ガ
    ラスを含有し、 前記外部電極は銀を含み、前記外部電極上には錫または
    半田膜のみが形成されていることを特徴とする、積層セ
    ラミック電子部品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019179874A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 Jx金属株式会社 セラミック積層体の外部電極
CN111480259A (zh) * 2018-02-26 2020-07-31 株式会社村田制作所 全固体电池

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