JP3358099B2 - 光学式センサ装置 - Google Patents
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Description
体からの反射光または物体の透過光の偏光状態は,物体
の表面状態,物体の材質等によって影響を受けることが
知られている。
する装置が実開昭63−19246 号公報に記載されている。
この装置は物体表面に光を照射し,その反射光を偏光フ
ィルタを通して検出するものである。偏光フィルタを通
すことによって,反射光の特定の偏光成分のみを取出す
ことができる。
プ検出装置では,粘着テープが貼付された紙面からの反
射光を偏光素子(可変偏光器)を通して受光するもので
ある。可変偏光器はうすいガラス製のセル内に液晶を封
入し,セルの両面に透明電極を形成したものである。
器にしても一方向の偏光方向をもつ光成分しか取出すこ
とができない。互いに直交する方向の2つの偏光成分を
取出すために,実開昭63−19246 号公報では偏光フィル
タをその面内で90度回転させている。この構成では偏光
フィルタの回転機構が必要でありかつ測定に時間がかか
る。この文献にはまた互いに直交する方向の2枚の偏光
フィルタを横に並べた構成が記載されている。物体表面
からの反射光の光束の一部が一方の偏光フィルタを通
り,他の部分が他方の偏光フィルタを通る。物体表面か
らの反射光はその光束の部分によって偏光成分の構成が
変わることがあるので,この構成では物体表面の性状を
正確に検出することはできない。
えることにより偏光方向が変わる。電圧を印加する必要
があり,そのために可変電圧の発生回路が必要であると
ともに,印加電圧を変えながら測定を行なわなければな
らない。
し,比較的簡単な構成で,同一の光束から,同時に互い
に直交する2方向の偏光成分を取出しかつその強度を測
定し,物体に関する正確な判別を行なえる光学式センサ
装置を提供することを目的とする。
状態,物体の材質,一時的に物体に付着したり空気等の
媒質中に浮遊する光散乱体の有無の検出に広く適用しう
る光学的センサ装置を提供するものである。
収束角,センサ装置に入射する光のもつ入射角度のばら
つき,被検出物体の位置が変動することによるセンサ装
置に入射する光の入射角度の変動等に悪影響されること
のない安定な動作を行う光学的センサ装置を提供する。
源のもつ発光波長分布,光源自体のばらつきによる発光
波長のばらつき等にも悪影響されることのない安定なセ
ンサ装置の動作を確保するものである。
出物体に向けて光を投射する投光光学系と,被検出物体
からの反射光,透過光または散乱光が入射する受光光学
系とを含む。投光光学系は少なくとも投射光を出力する
発光素子を含む。受光光学系は,被検出物体からの反射
光,透過光または散乱光をその入射面についてのS偏光
成分を主とする第1の光束とP偏光成分を主とする第2
の光束とに分離する偏光ビーム・スプリッタ,上記第1
の光束を受光する第1の受光素子,および上記第2の光
束を受光する第2の受光素子を含む。
づいて,被検出物体の有無,表面状態または材質に関す
る信号を出力する判別手段がさらに設けられる。第1お
よび第2の受光素子の出力に基づく判別のための演算に
は,判別すべき物体の材質,表面状態等に応じたものを
採用すればよい。
ム・スプリッタを用いているので,この偏光ビーム・ス
プリッタにより,その入射面を基準として定義される互
いに直交するS偏光成分を主に含む第1の光束とP偏光
成分を主に含む第2の光束とに分離することができる。
このようにして分離された2つの光束はそれぞれ受光素
子で受光され,その出力信号に基づいて被検出物体の有
無,表面状態または材質に関する情報が得られることに
なる。
光束としてその中に含まれる互いに直交する2つの偏光
成分に分けているので,物体の材質,表面状態について
の情報を部分的に分けることがなく全体として受光信号
に反映させることができ,正確な判別が可能となる。ま
た,上述した文献に記載の装置のように回転機構や可変
印加電圧発生回路は不要となり,構成が簡素化される。
被検出物体からの反射光,透過光または散乱光をその入
射面についてのS偏光成分を主とする第1の光束とP偏
光成分を主とする第2の光束とに分離し,その光分離特
性が使用入射角範囲内において実質的に一定である偏光
ビーム・スプリッタが用いられる。
リッタは,上記発光素子からの投射光の波長の広がりの
範囲内において,使用入射角範囲内において実質的に一
定である上記光分離特性を保つものである。
物体からの反射光,透過光または散乱光をその入射面に
ついてのS偏光成分を主とする第1の光束とP偏光成分
を主とする第2の光束とに分離し,その光分離特性が上
記発光素子からの投射光の波長の広がりの範囲内におい
て実質的に一定である偏光ビーム・スプリッタが用いら
れる。
リッタに入射するS偏光成分の光量に対する上記第1の
光束に含まれるS偏光成分の光量の比によって表わされ
る第1の比率,上記偏光ビーム・スプリッタに入射する
P偏光成分の光量に対する上記第2の光束に含まれるP
偏光成分の光量の比によって表わされる第2の比率,ま
たは,上記第1の比率と上記第2の比率との比によって
表わされる。そして,上記第1の比率および上記第2の
比率のうちの少なくともいずれか一方,または上記比が
実質的に一定に保たれる。
は,上記発光素子の発光スペクトルおよび上記受光素子
の分光感度特性を乗じて波長について積分した値によっ
て表わされるものが含まれる。
もののみならず発散するもの,収束するものも含まれ
る。したがって,被検出物体からの反射光の方向はある
角度範囲をもつ。散乱光であればより広い角度範囲をも
つものが受光光学系に入射する。偏光ビーム・スプリッ
タにはさまざまな方向を持つ光が入射することになる。
光ビーム・スプリッタは受光レンズによる収束光の光路
におかれる。この場合に,偏光ビーム・スプリッタに入
射する光の入射角度もある範囲内の値をもつことにな
る。
距離が変動した場合にも,偏光ビーム・スプリッタへの
入射光の入射角は変化する。
いて,このような入射角の広がりの範囲内において偏光
ビーム・スプリッタの光分離特性は実質的に一定に保た
れるので,安定しかつ正確な物体についての判別が可能
となる。
ードや半導体レーザが用いられるが,発光ダイオードを
用いることが種々の観点から好ましい。発光ダイオード
は半導体レーザに比べてその発光スペクトル幅が広い。
また,発光ダイオードはその製造のばらつきにより,発
光スペクトルの中心波長は一定していない。発光中心波
長は温度変化や経年変化によってもシフトする。
このような発光素子の発光波長の変動や広がりの範囲内
で実質的に一定に保つことにより,安定した正確な判別
が可能となる。
ある。反射型においては,上記投光光学系が被検出物体
の表面に斜めまたはほぼ垂直に投射光を投射するように
配置され,上記受光光学系が被検出物体の表面からの反
射光または散乱光が斜めまたはほぼ垂直に入射するよう
に配置される。透過型においては,上記投光光学系と上
記受光光学系が間隔をおいて互いに対向するように配置
される。
れ,投射光が投光レンズによって収束,発散または平行
化されて投射される。
を直線偏光の投射光に変換する偏光手段がさらに設けら
れる。直線偏光の投射光が投射されるので,被検出物体
による光の偏光状態に対する作用が顕著に現われる。こ
れにより,被検出物体によってはより正確な検知が可能
となる。
した光が投光用光ファイバに導かれ,この光ファイバの
端面から出射した光が投光される。光学式センサ装置の
ヘッドの構成が簡素化される。
する光を収束する受光レンズがさらに設けられる。この
場合に,上記受光レンズによる収束光の光路に上記偏光
ビーム・スプリッタが配置される。
第2の光束がそれぞれ受光用光ファイバによって上記第
1および第2の受光素子に導かれる。センサ・ヘッドの
小型化が図られる。
前面に設けられたS偏光の通過を許す第1の検光手段,
および上記第2の受光素子の前面に設けられたP偏光の
通過を許す第2の検光手段の少なくともいずれか一方が
設けられる。これにより,第1の受光素子にはS偏光の
光のみが入射し,第2の受光素子にはP偏光の光のみが
入射する。一層正確な判別が可能となるとともに,偏光
ビーム・スプリッタとしてS偏光成分とP偏光成分とに
完全には分離できないものでも充分に使用できることと
なる。
リッタの上記第1または第2の光束の出射側面に対面し
て反射体が設けられる。これにより,第1の受光素子と
第2の受光素子とを偏光ビーム・スプリッタに対して同
じ側に配置できるようになる。
に入射光を制限する開口が形成されている。この開口に
より,被検出物体からの正反射光を受光光学系に入射さ
せることができる。また散乱光の入射を排除できる。散
乱光は入射角によっては偏光ビーム・スプリッタに入射
することなく受光素子に直接に入ることがありうるの
で,このような事態を防止できる。
利用した多くの装置および方法を提供している。その代
表的なものを例示しておく。
配置され,上記光学式センサ装置の出力信号に基づいて
搬送されている物体を識別する物体識別装置。
上に配置され,上記光学式センサ装置の出力信号に基づ
いて印刷媒体のエッジまたは位置づれを検出する印刷装
置。
に動くように保持されている印刷装置。
サ装置の出力に基づいて印刷媒体の種類を判別する判別
手段と,上記判別手段による判別結果に基づいて印刷条
件を制御する制御手段とを備えた印刷装置。
するように配置された上記光学式センサ装置と,上記光
学式センサ装置の出力に基づいて空調運転条件を制御す
る制御手段とを備えた空調装置。
別する上記光学式センサ装置と,上記光学式センサ装置
の出力に基づいて運転条件を制御する制御装置とを備え
た温度または湿度制御装置。
ように配置された上記光学式センサ装置と,上記窓ガラ
スの曇りを除去する手段と,上記光学式センサ装置の出
力に基づいて上記曇り除去手段を制御する制御手段とを
備えた車両。
るように配置された上記光学式センサ装置と,上記窓ガ
ラスの外側表面を清浄するウィンドウ・ワイパ装置と,
上記光学式センサ装置の出力に基づいて上記ウィンドウ
・ワイパ装置の動作を制御する制御手段とを備えた車
両。
光学式センサ装置と,車両の運転操作の状態を検出する
手段と,上記光学式センサ装置による路面状態判別結果
および上記運転操作状態検出手段による運転状態検出結
果に基づいて,上記運転操作に関連するアクチュエータ
の駆動を制御する手段とを備えた車両。
に配置構成された上記光学式センサ装置と,運転者への
警告手段と,上記センサ装置の出力に基づいて警告手段
を制御する制御手段とを備えた車両。
れを検出する上記光学式センサ装置と,上記光学式セン
サ装置からのずれ検出信号に基づいて操舵制御する手段
とを備えた走行体。
置と,上記センサ装置の出力に基づいて装置の動作を制
御する制御手段とを備えた紙幣取扱い装置。
し水を供給する湿し水供給手段と,印刷原板の表面を検
出する上記光学式センサ装置と,上記センサ装置の出力
に基づいて湿し水供給手段を制御する制御手段とを備え
たオフセット印刷装置。
別するように配置された上記光学式センサ装置と,搬送
される物品の搬送方向を変更する方向変更手段と,上記
光学式センサ装置の判別結果に基づいて上記方向変更手
段を制御する手段を備えた検査装置。
を搬送される物品の表面状態を判別し,この判別結果に
基づいて物品の搬送方向を制御する検査方法。
は,基本的には基板上に誘電体または金属の薄膜を多層
に,相対的に高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜とを交互
に,積層することにより形成される。
ーム(偏光ビーム・スプリッタの入射面に直角に入射す
るものを除く)を,P偏光成分を主に含む光ビームと,
S偏光成分を主に含む光ビームとに分離するものであ
る。後述するように,ある波長帯域で,偏光ビーム・ス
プリッタの透過光がP偏光成分を主に含み,反射光(正
反射光)がS偏光成分を主に含む。
トルの振動方向が入射面[試料面の法線と波面法線(光
の進行方向)を含む面]内に含まれる直線偏光をいい,
S偏光とは試料面へ入射する光の電気ベクトルの振動方
向が入射面に垂直な直線偏光をいう(日置隆一編「光用
語辞典」株式会社オーム社,1989年による)。
はその一面(いずれか一方の面)をいう。後述するよう
にP偏光およびS偏光は被検出物体(光学式センサ装置
によって検出される物体)においても定義される。この
場合には,上記試料面は被検出物体の表面(光学式セン
サ装置から投射された光が入射する面)となる。
折率),各層の厚さ,層数等)の特性を計算する方法
は,たとえばH. A. Macleod 著,小倉繁太郎,中島右
智,矢部孝,吉田国雄訳「光学薄膜(THIN-FILM OPTICA
L FILTERS )」日刊工業新聞社,1989年や,藤原史郎
編,石黒浩三,池田英生,横田英嗣著「光学薄膜」第2
版,共立出版株式会社,1986年に記載されている。構造
を与えてその特性を計算し,その結果をみて構造を修正
する作業をコンピュータを用いて繰返すことにより,所
望の特性を得ることができる。
・スプリッタは,光学式センサ装置の構造およびその使
用条件によって定まる光の入射角の範囲内で光の分離特
性が実質的に一定であるという特徴をもつ(光の分離特
性の入射角依存性が一定の入射角範囲内で小さい)。
度は,光源(発光素子)からの投射光が角度において広
がりをもっていること,収束される光の中に偏光ビーム
・スプリッタが置かれること,被検出物体とセンサ装置
との間の距離が変動すること等の影響を受ける。そのた
めに偏光ビーム・スプリッタに入射する光の入射角は広
がりをもっている。これが光学式センサ装置の構造およ
びその使用条件によって定まる光の入射角の範囲であ
る。
特性はP偏光成分もしくはS偏光成分,それらの比,そ
れらの差,またはその他の演算(詳しくは後述する)に
よって表わされる。光源(発光素子)の発光特性や受光
素子の受光感度特性も必要に応じて考慮される。
光学式センサ装置として所与の検出感度(または検出能
力)が得られる,という意味である(具体例については
後述する)。
は,光学式センサ装置の光源が発生する光の波長の広が
りの範囲内で,光の分離特性を実質的に一定に保つこと
である。
もつ発光スペクトルによって定まる波長帯域,および光
源の製造におけるばらつき,温度変化,経年変化等に起
因する発光波長の変動のいずれか一方または両方による
広がりを意味する。
は上述した特徴の両方を備える。すなわち,偏光ビーム
・スプリッタは,光学式センサ装置の光源が発光する光
の波長の広がりの範囲内において,所与の入射角範囲に
わたって光の分離特性の入射角依存性が小さい。
れか一方を備えるだけでも実用上は充分である。この場
合には,望ましくは,光学式センサ装置の他の構成要素
が特定の構造をもつように構成される。たとえば,光の
分離特性が実質的に一定に保たれる入射角範囲が狭い場
合には,平行光が用いられる。光の分離特性が実質的に
一定に保たれる波長範囲が狭い場合には,発光スペクト
ル幅の狭い半導体レーザが光源として用いられる。
スプリッタの具体例について説明する。
・スプリッタ(PBS)を示す。
(これを偏光ビーム・スプリッタAという)の構造を示
す。ガラス等の平板からなる基板上に誘電体多層膜が形
成されている。
基板(屈折率n=1.51)/0.465 L,0.268 H,1.072
L,0.584 H,0.965 L,0.822 H,(0.795 L,0.98
2 H)4,1.097 L,0.526 H,1.014 L,1.549 H,
0.640 L,0.646 H,1.176L,(0.937 H,0.828
L)4,1.094 H,2.039 L,0.950 H/空気(n=
1)。
薄膜および低屈折率の薄膜を意味する。高屈折率の薄膜
は屈折率が2.26のTiO2 により,低屈折率の薄膜は屈
折率が1.46のSiO2 によりそれぞれ構成されている。
光学的膜厚を表わし,波長λ=610nm のときのλ/4を
1.000 としている。
と0.982 H層の組合せが4回繰返されていることを示
す。(0.937 H,0.828 L)4も同じである。このよう
な繰返し層を周期層と呼ぶ。
スプリッタAの透過率特性を示すものである。この特性
は上述した文献に記載の方法により計算(シミュレーシ
ョン)で求めたものである。このことは,順次説明する
他の構造の偏光ビーム・スプリッタについても同じであ
る。
である。偏光ビーム・スプリッタAに入射する光のP偏
光成分(図2にPで示す)とS偏光成分(図2にSで示
す)とについてそれぞれ示されている。また,3つの異
なる入射角(45度,55度および65度)について透過率特
性が示されている。反射率は1から透過率を減算した値
となる。
よびS偏光成分とも透過率(反射率)がほぼ一定に保た
れる波長範囲(600nm 〜750nm 程度)があり,その波長
範囲は150nm またはそれ以上にわたっている。この波長
範囲において透過率(分離特性)は波長依存性が殆んど
無い。
がS偏光成分の透過率よりもかなり大きい。偏光ビーム
・スプリッタAはP偏光成分を透過させ,S偏光成分を
反射させる分離特性をもっていることが分る。すなわ
ち,偏光ビーム・スプリッタAの透過光は主にP偏光成
分を含み,反射光はS偏光成分を多く含む。
リッタにおいても,P偏光成分を主に透過させ,S偏光
成分を主に反射させるという光の分離特性が示される。
ても,S偏光成分においても,入射角が異なると透過率
(反射率)も異なる。PまたはS偏光成分それぞれ単独
でみると,偏光ビーム・スプリッタAの光分離特性は,
入射角依存性を持っている。
タAの光分離特性を,S偏光成分の反射率Rs とP偏光
成分の透過率Tp との比(以下これを単にRs /Tp で
表わす)で表わすと,入射角依存性が殆んどない。
成分の反射率Rs とP偏光成分の透過率Tp の入射角依
存性を示すものである。このグラフにおいて横軸は偏光
ビーム・スプリッタAへの光の入射角である。縦軸は積
分値である(これについては次に詳しく説明する)。
率Tp (いずれも積分値)は光の入射角が変化するにつ
れてほぼ直線的に変化している。しかしながら,反射率
Rsの変化率(入射角の変化に対する)と透過率Tp の
変化率はほぼ同じである。すなわち,Rs /Tp は,入
射角の変化にかかわらずほぼ一定に保たれる(45度から
65度の範囲で)。
性をRs /Tp (Tp /Rs でも同じ)の観点から捉え
る限り,入射角のある範囲内で,入射角依存性を殆んど
持たないことが分る(Rs /Tp がほぼ一定に保たれ
る)。
で表現されるその光分離特性が,使用する波長範囲で波
長依存性を殆んど持たず(図2),使用する入射角の範
囲で入射角依存性を殆んど持たないように設計されたも
のである。
学式センサ装置においては,偏光ビーム・スプリッタの
反射光(S偏光成分)と透過光(P偏光成分)がそれぞ
れ受光素子によって検出される。偏光ビーム・スプリッ
タの反射光の光量をS(R),透過光の光量をP(T)
でそれぞれ表わすと,S(R)/P(T)が使用する波
長範囲および入射角範囲でほぼ一定に保たれるから,こ
の値S(R)/P(T)を用いて被検出物体の高精度の
検出が可能となる。被検出物体の検出のためには,S
(R)/P(T)のみならず,S(R)−P(T),
[S(R)−P(T)]/[S(R)+P(T)],S
(R)−kP(T)等の値を用いることも可能である
(kは定数)。このことは,後に説明する他のすべての
偏光ビーム・スプリッタについて言える。
(発光素子)を備え,この光源の光を被検出物体に投射
する。被検出物体からの反射光(反射型の場合),また
は被検出物体の透過光もしくは散乱光(透過型の場合)
を受光する。受光素子は2個(2分割されたものを含
む)設けられる。被検出物体からの反射光または透過光
が偏光ビーム・スプリッタで分割され,2個の受光素子
にそれぞれ受光される。
s発光ダイオードの発光スペクトルを示している。この
発光スペクトルは波長約680nm の位置にピークがあり,
約20nm程度の半値幅をもっている。半導体レーザに比べ
てその発光スペクトルは広い波長範囲にわたっている。
素子を用いた場合に,その発光波長帯域の殆んど全域に
わたる波長範囲について,波長依存性のない光分離特性
が偏光ビーム・スプリッタに要求される。
おける特性のばらつきが比較的大きい。発光スペクトル
でいうと,発光強度のピークを示す波長に±10〜±20nm
程度のばらつきがある。発光波長が+10nmおよび−10nm
シフトした発光スペクトルが図4に破線で示されてい
る。
・スプリッタにはこのような発光素子の発光波長のばら
つきの範囲をもカバーしうる(すなわち,ばらつきの波
長範囲にわたっても一定に保たれる)光分離特性が要求
される。
ッタは,発光ダイオードの発光波長の広がりおよびその
ばらつきの範囲にわたって光分離特性(Rs もしくはT
p の値,またはRs /Tp もしくはTp /Rs の値)が
ほぼ一定に保たれる(図2と図4とを比較せよ),最も
好ましい特性を有するものである。
スプリッタを用いた光学式センサ装置では光源として半
導体レーザではなく発光ダイオードを用いることができ
るという利点がある。半導体レーザのレーザ光は光エネ
ルギ密度が高いので人体等に対する危険性を考慮しなけ
ればならないからである。また,半導体レーザは高価で
あり,組立時の取扱いに細心の注意が必要である。
フォトダイオードの分光感度特性を示している。このよ
うに受光素子は入射する光の波長によって感度が異な
る。
(出力信号)に基づいて信号処理(演算等)を行ない,
最終的に被検出物体についてのセンス情報を出力する。
受光素子に入射する光は分光感度特性にしたがって電気
信号に変換される。受光素子から出力される受光信号は
入射した光のもつ全波長について入射光量を分光感度特
性にしたがって光電変換して得られた値の総和を表わし
ている。入射する光は図4に示すような発光スペクトル
をもつ。したがって偏光ビーム・スプリッタの光分離特
性を考えるにあたっては,発光素子の発光スペクトルお
よび受光素子の分光感度を考慮することが好ましい。
す発光スペクトルと,図2に示す透過率(反射率)と,
図5に示す分光感度とを全波長帯域(結局,発光スペク
トルの波長帯域で決定されてしまう)にわたって積分し
て得られた値を示している。
説明する。以下に説明する4種類を偏光ビーム・スプリ
ッタB,C,DおよびEとする。これらの偏光ビーム・
スプリッタは,特に,S偏光成分の反射率Rs の入射角
依存性をなくするように(入射角の変化にかかわらずR
s がほぼ一定値を保つように)設計されたものである。
示している。この図において,光学的膜厚は波長λ=59
0nm のとき,λ/4を1.000 として表わされている。
特性を,P偏光成分およびS偏光成分のそれぞれについ
て,入射角をパラメータとして示すものである。このグ
ラフにおいて,PおよびS偏光成分の透過率は波長の変
化に対して波打って変化しているが,図8に示す積分値
においては発光素子の発光スペクトルおよび受光素子の
分光感度が積分されるので,この波打つ変化の影響は殆
んどなくなっている。
S偏光成分の反射率Rs とP偏光成分の透過率Tp の入
射角依存性を示すものである。入射角の45度〜65度の範
囲にわたって,S偏光成分の反射率Rs (積分値)がほ
ぼ一定に保たれていることが分る。
に,その透過率特性が図10に,入射角依存性を示すグラ
フが図11にそれぞれ示されている。光学的膜厚はλ=68
0nm のときのλ/4を1.000 としたものである。中心入
射角は65度に設定され,反射率Rs および透過率Tp が
非常に高い値に保たれている。S偏光成分の反射率Rs
は55度〜75度の入射角範囲にわたってほぼ一定に保たれ
ていることが分る。
に,その透過率特性が図13に,入射角依存性を示すグラ
フが図14にそれぞれ示されている。
に,その透過率特性が図16に,入射角依存性を示すグラ
フが図17にそれぞれ示されている。
て,その光学的膜厚はλ=610nm のときのλ/4を1.00
0 としたものである。中心入射角は50度で,その前後に
6度の変化許容幅が設定されている。
造においては,図12に示す偏光ビーム・スプリッタの構
造と比較して,低屈折率薄膜として2種類のものが用い
られている。その一つは,Lで示されたSiO2 であ
り,他の一つはLo で示されたMgF2 (屈折率n=1.
38)である。一層低屈折率の薄膜MgF2 を用いること
により,S偏光成分の反射率Rs が高められていること
が分る(図14と図17を比較せよ)。
Eにおいても,44度〜56度の入射角範囲内において,S
偏光成分の反射率Rs がほぼ一定に保たれている。
Bにそれぞれ対応し,これらよりも入射角依存性が少し
劣った偏光ビーム・スプリッタFおよびGについて説明
する。これらの偏光ビーム・スプリッタFおよびGも,
もちろん,後述するところから分るように,光学式セン
サ装置に充分使用しうるものである。
に,その透過率特性が図19に,入射角依存性を示すグラ
フが図20にそれぞれ示されている。
に,その透過率特性が図22に,入射角依存性を示すグラ
フが図23にそれぞれ示されている。
=610nm のときのλ/4を1.000 として表現されてい
る。
s /Tp で表現される光分離特性において,偏光ビーム
・スプリッタAの特性(図3)よりも少し劣るとして
も,入射角の45度から65度の範囲内でその変化は比較的
小さい。同じように,図23に示す偏光ビーム・スプリッ
タGのRs で表わされる光分離特性において,偏光ビー
ム・スプリッタの特性(図8)よりも少し劣るとして
も,入射角の45度から65度の範囲で,その変化は比較的
小さい。これらの程度の入射角依存性をもつ偏光ビーム
・スプリッタは充分に実用に耐えうるものである。
As発光ダイオードの発光スペクトルを示すものであ
る。このような発光スペクトルをもつ発光ダイオードが
光源(発光素子)として用いられた光学式センサ装置に
おいて好適に利用できる偏光ビーム・スプリッタの例に
ついて説明する。
を,図26はその透過率特性を示すものである。
を,図28はその透過率特性を示すものである。
Iはそれぞれ,上述した偏光ビーム・スプリッタDおよ
びEと表面的に同じ構造をもつ(図25と図12とを,図27
と図15とをそれぞれ比較せよ)。しかし,図12および図
15では光学的膜厚をλ=610nm のときのλ/4を1.000
として表わしているのに対して,図25および図27では光
学的膜厚をλ=860nm のときのλ/4を1.000 として表
現しているので,実際の薄膜の厚さは異なる。
スプリッタにおいて,図24に示す発光スペクトルを用い
算出されたS偏光成分の透過率Ts (反射率Rs =1−
Ts)およびP偏光成分の透過率Tp を示している。特
にS偏光成分の透過率Ts (反射率Rs )が使用される
入射角範囲にわたってほぼ一定に保たれている。
ードは製造のばらつき,環境の変化(温度変化を含
む),経年変化等により,その発光スペクトルが変動す
る。製造のばらつきによる発光スペクトルのばらつきが
最も大きく,それは±10〜±20nm程度である。したがっ
て,発光ダイオードの発光中心波長が変化(ばらつき)
しても,Rs またはRs /Tp が入射角が変化してもほ
ぼ一定に保たれるという,上述した偏光ビーム・スプリ
ッタの光分離特性が維持されることが望ましい。
10nmシフトしたとき,および+10nmシフトしたときに,
入射角依存性がほとんど変化しないことを,上述した偏
光ビーム・スプリッタA,B,C,DおよびE,ならび
にFおよびGについて定量的に説明する。
範囲(45度〜65度)において,入射角の変化にかかわら
ずRs /Tp がほぼ一定値を保つように設計されたもの
である。
て,入射角45度,50度,55度,60度および65度における
Rs /Tp の値はそれぞれ67/66,71/70,75/75,79
/80,および83/87である。これらのうちで最大値は67
/66(入射角45度),最小値は83/87(入射角65度)で
ある。最大値/最小値=1.064 で約6%となる。これを
ΔRs /Tp (%)と呼ぶ。
発光中心波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトした
ときの偏光ビーム・スプリッタAにおける入射角依存性
を示すグラフである。これらにおいて,上述と同じよう
にΔRs /Tp (%)を求めると,それらは約8%とな
る。
範囲において,入射角の変化にかかわらずRs がほぼ一
定値に保たれるように設計されたものである。
て,Rs の最大値(87:入射角65度)と最小値(85:入
射角45度)の差は2である。これをΔRs (%)と呼
ぶ。
発光中心波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトした
ときの偏光ビーム・スプリッタBにおける入射角依存性
を示すグラフである。これらにおいて,ΔRs (%)は
それぞれ2および3となる。
リッタCについて,図33(A) および(B) は,偏光ビーム
・スプリッタDについて,図34(A) および(B) は,偏光
ビーム・スプリッタEについて,それぞれ発光中心波長
が−10nmおよび+10nmシフトしたときの入射角依存性を
示す。
よびEも,入射角の変化にかかわらずRs がほぼ一定値
に保たれるように設計されたものである。図11,14およ
び17,ならびに上記の図32(A) ,(B) ,図33(A) ,(B)
および図34(A) ,(B) から,偏光ビーム・スプリッタ
C,DおよびEについてそれぞれΔRs (%)を求める
ことができる。
が,図35である。
用入射角範囲において,発光素子の発光波長のシフトを
考慮してもΔRs /Tp は約8%未満,偏光ビーム・ス
プリッタB,C,DおよびEにおいてはΔRs が5%以
下である。ΔRs /Tp が10%以下,またはΔRs が5
%以下であれば,入射角変化および波長シフトに対して
非常に良い光分離特性をもっているといえる。
した偏光ビーム・スプリッタAおよびBにそれぞれ対応
し,それらよりも入射角依存性が少し劣ったものとして
設計されている。
ッタFについて、図37(A) および(B) は偏光ビーム・ス
プリッタGについて,それぞれ発光中心波長が−10nmお
よび+10nmシフトしたときの入射角依存性を示すグラフ
である。
(A) ,(B) は図37(A) ,(B) を参照して,偏光ビーム・
スプリッタFについてΔRs /Tp を,偏光ビーム・ス
プリッタGについてΔRs をそれぞれ求めた結果が図38
に示されている。
の使用入射角範囲において,発光素子の発光波長のシフ
トを考慮してもΔRs /Tp は約18%以下,偏光ビーム
・スプリッタGにおいてはΔRs が9%以下である。Δ
Rs /Tp が20%以下,またはΔRs が10%以下であれ
ば,入射角変化および波長シフトがあっても,光学式セ
ンサ装置において充分に使用可能な偏光ビーム・スプリ
ッタであるといえる。
本動作 物体に光を入射させたとき,その光の物体からの反射光
または物体の透過光の偏光の状態は,物体の表面の状
態,物体の材質等によって影響を受ける。その重要な態
様には次のものがある。
状態が反射光に保存される。
入射面を基準としてP偏光とS偏光を定義することがで
きる。鏡面に入射する光がP偏光のものであればその反
射光もP偏光であり,S偏光であれば鏡面からの反射光
はS偏光である。
は,入射光の偏光状態(円偏光であろうと,直線偏光で
あろうと)にかかわらず,その反射光はランダム偏光
(無偏光)またはそれに近い状態となる。
では,S偏光の光の反射率の方がP偏光の反射率よりも
大きいので,透明物体の表面に斜めに光が入射したとき
には,その反射光にはP偏光成分よりもS偏光成分の方
がより多く含まれる。透明物体の透過光にはS偏光成分
よりもP偏光成分の方が多く含まれることになる。
の反射率が零(透過率が1または100 %)になる。入射
光のS偏光成分のみが反射されることになる。
射する(または透過する)S偏光成分とP偏光成分の割
合が変わる。
に,直線偏光の光を入射させると,入射光の偏光方向が
複屈折の方向と異なれば,入射光が物体を透過する過程
で入射光の偏光方向に対して垂直な偏光方向をもつ成分
が現われる。
中に光を散乱する粒子や水滴,霜等が存在すると,どの
ような偏光をもつ光でも(直線,円,楕円偏光であって
も),反射光または透過光はほとんどランダム偏光とな
る。
した光の偏光に関する性質を利用して,物体(特に透明
物体)の有無,物体の表面状態,物体の材質,一時的ま
たは恒久的に物体表面に付着した粒子,水滴,霜等の存
在,または空気中に浮遊する光散乱体の有無等を検知す
るものである。
の構成と動作を説明する。
ヘッドの光学的構成を示すものである。センサ・ヘッド
は発光素子10および投光レンズ50から構成される投光光
学系と,受光レンズ60,偏光ビーム・スプリッタ40およ
び2つの受光素子20,30から構成される受光光学系とか
ら構成されている。
り(たとえば図4または図24の発光スペクトルを持
つ),ランダム偏光の光を発光する。投光レンズ50は,
発光素子10の出射光を用途に応じてやや広がった光束,
平行な光束または収束する光束に変換して,被検出物体
1の表面に斜めに投光する。投光レンズ50は必ずしも設
けなくてもよい。
ズ50の前方に,偏光フィルタ(または偏光ビーム・スプ
リッタ)を配置し,特定方向の偏光をもつ直線偏光の光
を投射することもある。レンズ付きの発光ダイオードを
用いることもできる。後に示すように,発光素子として
半導体レーザを用いることもある。
ッタとしては,発光素子10の発光スペクトルおよび用途
に応じて,上述した偏光ビーム・スプリッタA〜Iのう
ちいずれか,または他の特性をもつものが用いられる。
投光光学系によって投射された光のうち被検出物体1で
反射した光(正反射光を含む)が受光レンズ60で収束さ
れる。この収束光の光路上に偏光ビーム・スプリッタが
その主軸に対して斜めに(上述した使用入射角範囲の中
心角付近の角度で)配置される。偏光ビーム・スプリッ
タ40で反射した光が受光素子20によって,偏光ビーム・
スプリッタ40を透過した光が受光素子30によってそれぞ
れ受光されるように,これらの受光素子20,30が配置さ
れる。受光レンズ60は必ずしも設けなくてもよい。
び30の前面にそれぞれ偏光フィルタ(たとえば偏光ビー
ム・スプリッタ40からのS偏光の反射光およびP偏光の
透過光を通過させる)が設けられることがある。さらに
必要であれば,受光レンズ60の前に,外乱光の入射を阻
止する(たとえば,赤外光の投射光が用いられている場
合には,可視光を遮断し赤外光の通過を許す)光学フィ
ルタが設けられる。前面にレンズが一体的にモールドさ
れた受光素子を用いることもできる。
合には,その反射光にはP偏光成分よりもS偏光成分が
より多く含まれる。なお,被検出物体1が不透明体,そ
の表面が拡散反射面である,またはその表面に水滴や霜
が付着している場合には反射光はランダム偏光となる。
ッタ40はその入射光を,主にS偏光成分を含む反射光
と,主にP偏光成分を含む透過光とに分離する。
おいて定義されるS,P偏光の方向と,偏光ビーム・ス
プリッタ40において定義されるS,P偏光の方向とはそ
れぞれ一致している。
ルをS,受光素子30の出力信号のレベルをP(簡単のた
めにSとPの符号を使用する)とすれば,上述したよう
に,S/P,(S−P)/(S+P),S−P,S−k
Pの値を演算し,この演算結果を適当なしきい値で弁別
することにより,被検出物体が透明体かどうか,拡散反
射面を持つか,表面に水滴等が付着しているかどうかを
判別することができる。すなわち,透明体の場合には上
記の演算結果が高い値を示し,不透明体の場合には相対
的に低い値となる。
タ40が収束光の光路内に置かれた場合には,入射光の入
射角は場所によって異なる。また,被検出物体1とセン
サ・ヘッドとの間の距離が変動した場合にも,偏光ビー
ム・スプリッタ40への入射角は変化する。上述した偏光
ビーム・スプリッタA〜Iは,このような使用入射角の
範囲において光分離特性(Rs /Tp またはRs )がほ
ぼ一定に保たれる。したがって,検出結果が入射角の広
がり,変化等に依存して変わることによって誤検知する
おそれがなくなり,検出精度が高まる。特に偏光ビーム
・スプリッタAおよびFはRs /Tp がほぼ一定に保た
れるから,S/Pの演算をする構成において,検出の安
定性が高められる。
〜Iは発光ダイオードの発光スペクトルの広がりを考慮
して,かつその波長シフトを考慮しても,光分離特性の
入射角依存性が小さいので,発光素子として発光ダイオ
ードを用いることが可能となる。
)における反射率および透過率の入射角依存性を示し
ている。Rs ,Rp はそれぞれS偏光成分,P偏光成分
の反射率を,Ts ,Tp はそれぞれS偏光成分,P偏光
成分の透過率を示す。
る。S偏光成分の反射率Rs の方がP偏光成分の反射率
Rp よりも大きく,その比Rs /Rp は入射角が50度か
ら60度付近において最も大きくなる。
度のとき,P偏光成分の反射率Rpは零になる。この入
射角をブリュースタ角θB という。
センサ・ヘッドからの投射光を被検出物体に投射する構
成とすることにより,被検出物体が透明体の場合には,
S偏光成分の反射光が多くなり,検出精度を高めること
ができる。ガラス基板等に多層薄膜を形成することによ
り構成される偏光ビーム・スプリッタにおいても,その
入射角がブリュースタ角の近傍になるように配置すれ
ば,S偏光成分とP偏光成分とを効果的に分離すること
ができる。
ンサ・ヘッドの他の構成例を示している。図39に示すセ
ンサ・ヘッドでは投射光を被検出物体に斜めに投射し,
斜めに反射された光を受光するように構成されている。
これに対して図41に示すセンサ・ヘッド70は被検出物体
の表面に対してほぼ垂直に光を投射し,ほぼ垂直に反射
して戻ってくる光を受光するように構成されたものであ
る。
ズ50との間に偏光フィルタ51が設けられている。この偏
光フィルタ51は,受光光学系の偏光ビーム・スプリッタ
40において定義されるS偏光の光を透過させるものであ
る。他の構成要素は図39に示すものと同じである。
粗面(光拡散面)をもつ物体とを識別するために好適に
用いられる。上述したように,鏡面は入射光の偏光状態
を保存する。したがって,S偏光の光が鏡面に入射する
と,その正反射光はほとんどS偏光の光である。これに
対して粗面はランダム偏光を生じさせるから,S偏光の
光が入射してもその反射光にはS偏光成分とP偏光成分
とがほぼ等しい割合で含まれる。
受光光学系の偏光ビーム・スプリッタ40によって,S偏
光成分を主に含む光とP偏光成分を主に含む光とに分離
して,これらを受光素子20,30によってそれぞれ受光
し,S−P,S−kP,(S−P)/(S+P),S/
P等を演算し,この演算結果をしきい値と比較すれば,
被検出物体2が鏡面をもつか粗面を持つかを判別するこ
とができる。投射光をP偏光の光としてもよい。
のプラスチック・レンズの場合には,図42に示すよう
に,投光レンズ50によって平行化された投射光の光路に
偏光フィルタ51を配置する方がよい。
タに代えて偏光ビーム・スプリッタ52が用いられてい
る。偏光ビーム・スプリッタ52には,発光素子10の投射
光の発散光路中にその光軸に対して斜めに配置されてい
る。図44の(A) は投光光学系の平面図,(B) は側面図で
ある。これから分るように,投光光学系の偏光ビーム・
スプリッタ52と受光光学系の偏光ビーム・スプリッタ40
とは配置角度がほぼ直交している。
域に発光スペクトル(図24に示すような)をもつ発光ダ
イオードが用いられる場合には,赤外域の偏光フィルタ
を用いなければならない。赤外域の偏光フィルタは高価
であるので,図43に示すように偏光ビーム・スプリッタ
52を用いることが好ましい。
ドにおいても,偏光フィルタまたは偏光ビーム・スプリ
ッタを用いて,投射光をS偏光またはP偏光の光とする
ことができる。
示す構成を斜め入射タイプ,図41または図43に示す構成
を垂直入射タイプと呼ぶ。
ランダム偏光またはS偏光を用いることができる。ラン
ダム偏光の投射光を用いたときには,透明体と不透明体
とを識別することができる。S偏光の投射光を用いたと
きには透明体と不透明体の識別のみならず,鏡面と粗面
の識別を行うことができる。
S偏光またはP偏光を用いることができ,いずれの場合
にも鏡面と粗面を識別することができる。
づいて被検出物体の識別または判別を行う回路の例につ
いて図45から図48を参照して説明する。
別を行う回路を示している。受光素子30,20の受光信号
P,Sは増幅器101 ,102 でそれぞれ増幅されたのち,
割算回路103 に入力する。割算回路でS/Pの演算が行
なわれ,この演算結果は判別回路104 に与えられる。判
別回路104 は最も簡単には比較器により構成される。割
算結果S/Pが判別回路104 にあらかじめ設定された1
または複数の異なるしきい値と比較され,その比較結果
そのもの,またはそれをデコードした値が判別回路104
から出力される。好ましくは,しきい値は可変である。
をCPU105 に与え,CPU105 でしきい値を決定まは
修正させるようにしてもよい。また,CPU105 を介し
て入力装置106 からしきい値をユーザが入力または修正
してもよい。
きな差を生じさせる被検出物体の判別に適している。こ
の場合に,発光素子の出力変動,被検出物体の位置の変
動等に起因して受光素子の入射光に光量変動が多少あっ
たとしても,判別結果に誤りが生じることはない。
い,その結果に基づいて判別する回路を示している。減
算器107 および加算器108 においてそれぞれS−P,S
+Pの演算が行なわれ,この演算結果が割算回路103 に
与えられる。
光量変動の影響を受けやすいので,この差を全光量で規
格化することにより,光量変動に強いものとなる。
果に基づいて判別する回路を示しており,特に,図41と
図43の構成(投射光にS偏光の光を用いるもの)に適し
ている。
出物体からの正反射光のS偏光成分と拡散反射光のS偏
光成分が主に入射する。受光素子30には被検出物体から
の拡散反射光のP偏光成分が主に入射する。検出したい
ものは正反射光成分である。拡散反射光のS偏光成分と
P偏光成分とはほぼ等しい。したがって,S−Pの演算
を行なえばよい。この演算は減算回路107 で行なわれ,
その演算結果は判別回路104 に入力する。
(kは任意の定数)としてもよい。この場合には,減算
回路107 において,S−kPの演算が行なわれる。この
補正は,受光素子の前面に偏光フィルタを配置したり,
偏光ビーム・スプリッタのS偏光反射率とP偏光透過率
が異なる場合に有効である。
投射する構成において,反射光のP偏光成分の割合を検
出することにより,被検出物体を識別または判別するた
めの回路である。すなわち,被検出物体による拡散反射
成分の割合を算出することにより,被検出物体表面の光
沢の度合いをセンシングするものである。
割算回路103 においてP/(P+S)が算出される。こ
の結果判別回路104 に入力する。全光量P+Sで規格化
しているので光量変動による影響を受けにくい。
より,最終的な判別結果を得ることもできる。たとえ
ば,図45に示す回路においてS/Pを算出し,この値で
判断ができない(複数の異なる物体についてS/Pの値
の差が小さい)場合に,図47に示す回路でS−Pを算出
して判別を試みる等である。一の回路の判別結果を他の
回路の判別結果で確認するようにすることもできる。
例をあげて説明する。
示している。図39に示すものと同一物には同一符号を付
し,説明を省略する。投光レンズと受光レンズは設けら
れていない。受光素子としてはレンズ付きのものが示さ
れている。発光素子10は発光ダイオードである。
た偏光ビーム・スプリッタAが用いられている。
ート紙(上質紙)および光沢紙である。光沢紙とはコー
ト紙よりも光沢があり,一例として写真の印刷等に用い
られる紙である。
射光の入射光θはブリュースタ角に非常に近い55度を標
準とする。普通紙は拡散反射物体と考えられるので,そ
の反射光はランダム偏光であり,S偏光成分とP偏光成
分の比率はほぼ1対1である。コート紙の表面にはコー
ト材(誘電体)が設けられているので,その正反射光は
S偏光である。もちろんコート紙の反射光には散乱光が
含まれるのでP偏光成分もあるが,S偏光成分の方が多
くなる。光沢紙からの反射光におけるS偏光成分の割合
はコート紙よりも多くなる。
比をS/Pで表わし,普通紙ではS/P=1,コート紙
ではS/P=1.5 ,光沢紙ではS/P=2とする。
±d変動するものとする。このとき,被検出物体1から
センサ・ヘッドの受光光学系に向う正反射光の反射角
(偏光ビーム・スプリッタ40への入射角)は±Δθ変動
する。
または30との間の光軸上の距離をLとすると,Δθは図
49において幾何学的に次式で求まる。
とすればΔθは約±4度となる。ビーム径を考慮してΔ
θ=±5度とする。
回路を用いて演算結果S/Pに基づいて識別するものと
する。ここでのS/Pは(受光素子20の受光量)/(受
光素子30の受光量)である。これを受光量比と呼ぶ。
とができる。
におけるS偏光成分の反射率,TsはS偏光成分の透過
率(=1−Rs ),Rp はP偏光成分の反射率(=1−
Tp),Tp はP偏光成分の透過率である。また,hは
被検出物体のS/Pの値(すなわち,h=1,1.5 およ
び2)である。
することに伴い,偏光ビーム・スプリッタ40への入射角
が±5度変動したときの受光量比を,3種類の被検出物
体について示すものである。
い状態)において,発光ダイオード10の発光中心波長が
±10nmシフトしたときの受光量比を,3種類の被検出物
体について示すものである。
−10nmシフトしたときに,受光量比が入射角の変動に伴
ってどのように変化するかを示している。
が+10nmシフトしたときの,受光量比が入射角の変動に
伴ってどのように変化するかを示している。
ても,2つのしきい値をTH1 =1.10,TH2 =1.31に
設定すれば,S/Pに基づいて3種類の被検出物体を識
別することができることが分る。
の間の距離変動に起因する偏光ビーム・スプリッタへの
入射角の変動,発光ダイオードのばらつきによる発光波
長の変動があったとしても,普通紙とコート紙と光沢紙
との識別が可能である。
ム・スプリッタを収束光の光路に配置した場合でも,上
記と同じ結果が得られる。
ドを示している。このセンサ・ヘッドにおいて,発光素
子からの光は投光用光ファイバ11によって導かれ,その
端面から出射する。この出射光は投光用レンズ50によっ
て集光される。この収束光路上にS偏光成分のみを透過
させる偏光フィルタ51が設けられている。被検出物体1
からの正反射光は偏光ビーム・スプリッタ40に入射す
る。その反射光は受光用光ファイバ21の端面から光ファ
イバ21内に入り,受光素子(受光素子20に対応するも
の)に導かれる。偏光ビーム・スプリッタ40の透過光は
受光用光ファイバ31の端面から光ファイバ31内に入り,
受光素子(受光素子30に対応するもの)に導かれ受光さ
れる。
ージまたはボックスである。パッケージの表面も光沢が
ある。包装用フィルムは透明体であるから,パッケージ
がこのフィルムで包装されている場合には正反射光に含
まれるS偏光成分はフィルム包装がない場合に比べて高
くなる。
度で被検出物体1に入射した場合に,その反射光におけ
るS偏光成分とP偏光成分の比S/Pは,パッケージの
光沢表面の場合(フィルム包装がない)3,フィルム包
装がある場合に7となる。
おけるフィルム包装の有無を検出するものである。
が10mm±3mm,被検出物体1の角度ずれが±3度である
とする。これは,被検出物体1であるパッケージは搬送
路上を搬送される過程でフィルム包装の有無が検査され
るためである。被検出物体1は搬送の過程で位置がずれ
たり,揺れたりする。
=10mm±4mm,角度ずれ=±4度とする。
光の光軸は図55に示すように,±8度傾くことになる。
この傾きがあっても反射光が光ファイバ21および31に確
実に入射する位置に光ファイバ21および31を配置する必
要がある。
直径を1.25mmとしたときに,被検出物体1と光ファイバ
21,31の受光端面との間の光軸上の距離Lは約25mmとな
る。
4mm,θ=20度としたときに,Δθは+5.5 度〜−6.5
度となる。実際上は光ビーム径等を考慮する必要がある
ので,Δθ=±7.5 度で考える。
したがって,受光量比がしきい値と比較される。
特性のやや劣る上述した偏光ビーム・スプリッタFを用
いた場合の受光量比を示しており,横軸は偏光ビーム・
スプリッタへの入射角である。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときにお
ける受光量比を,入射角(または検出距離)を横軸とし
て示すものである。
光波長に±10nmの波長シフトがあっても,入射角範囲55
度±10度の範囲にわたり,フィルム包装の有無を判別で
きることが分る。受光量比を判別するしきい値THは,
たとえば2.3 のところに設定される。
した偏光ビーム・スプリッタGを用いた場合の特性を示
している。また,受光光学系の受光素子の前に,偏光分
離比を上げるために,偏光フィルタを配置した構成をと
っている。偏光ビーム・スプリッタの反射光を受光する
受光素子(受光素子20に相当)の前にはS偏光フィルタ
が,透過光を受光する受光素子(受光素子30に相当)の
前にはP偏光フィルタがそれぞれ設けられる。
偏光ビーム・スプリッタのS偏光反射光の受光量(Rs
に比例)からP偏光透過光の受光量(Tp に比例)を差
し引いた値(これを受光量差と呼ぶ:任意目盛)がしき
い値と比較される。
れぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの受光量差を
表わしている。図59から図61において横軸は偏光ビーム
・スプリッタ40への入射角(または検出距離)である。
5 に設定することにより,発光素子の発光波長に±10nm
の変動があっても,少なくとも55度±7.5 度の入射角範
囲において,フィルム包装の有無の判別が可能であるこ
とが分る。
よびGを用いた光学式センサ装置が,いずれも発光素子
の発光波長のばらつきや入射角の広がりにもかかわら
ず,充分な偏光分離能力をもち,これによって被検出物
体の正確な検出が可能であることが分る。
エーションについて述べる。
ドと基本的に同じ構成である。異なる点は,投光用レン
ズ50が投射光を集光して被検出物体1に投射する点であ
る。受光用レンズ60は被検出物体1からの反射光を集光
する。
に目で見ることができる。また,投光効率が高まる。と
くに,微小な間隔(たとえば透明ラベルの継ぎ目など)
の検知が可能となる。
光レンズ50の前面に偏光フィルタ51が設けられている。
この偏光フィルタ51はP偏光の光を通過させるものであ
る。
く)または鏡面をもつものの場合には正反射光にはS偏
光の光は含まれない。被検出物体1が複屈折をもつ物質
の場合には,その複屈折方向とP偏光とが異なっていれ
ばS偏光成分が発生し,これが受光光学系の受光素子20
で受光される。したがって,図63のセンサ・ヘッドは複
屈折物質を検知することができる。
ファイバ11から投射光が出射し,被検出物体1に斜めに
投射されている。受光光学系において,偏光ビーム・ス
プリッタ40の反射光と透過光は光ファイバ21,31を通し
て受光素子に導かれる。このセンサ・ヘッドは小型化を
図ることができる。投光用レンズを設けて投射光を集光
してもよい。
めたセンサ・ヘッドのケース80に,被検出物体1からの
反射光を制限するための開口81が形成されている。この
開口81は,被検出物体1が標準位置にあるときに,被検
出物体1からの散乱光などが入射するのを制限し,主に
正反射光を偏光ビーム・スプリッタ40に入射される位置
と大きさに形成されている。またこの開口は,被検出物
体1からの反射光の一部が偏光ビーム・スプリッタ40で
反射しないまま受光素子20に入射したり,偏光ビーム・
スプリッタ40を透過しないまま受光素子30に入射するの
を防止する。上述した普通紙,コート紙,光沢紙の判別
は非常に微妙である。この開口81により被検出物体1か
らの正反射光を効率よく偏光ビーム・スプリッタ40を経
て受光素子に導き,正確な判別ができるようになる。
である。開口81に加えて,散乱光等の入射を制限するた
めの突起82が設けられている。
フィルタ51が設けられる。また,開口81に可視光を遮断
する光学フィルタ61が取付けられる(発光ダイオード10
が赤外光を発光するものの場合)。
・スプリッタ40からの反射光を受光する受光素子20を他
の受光素子30よりも開口81に近い位置に配置することに
より,センサ・ヘッドを小さくすることができる。
受光素子20と30を反対にした配置を示している。被検出
物体からの正反射光および拡散光をすべて偏光ビーム・
スプリッタに導くために,図67(A) ではa,b,および
cの位置に開口の縁またはケースの壁の一部(突起等)
を位置させればよいが,図67(B) ではd,eおよびfの
位置にもってこなければならない。図67(A) と図67(B)
において,受光素子の視野角を同一とした場合には,図
67(B) の配置によるとケースが大型化することは避けら
れない。また,光路も長くなるので光の利用効率が低下
する。
ケース80を,図68(B) および(C) は開口81の形を示して
いる。開口81の形状は,被検出物体1で反射した正反射
光ビームの断面形状にほぼ合致させることにより,より
多くの正反射光を取入れることができる。被検出物体1
がセンサ・ヘッド1に近づいたとき(破線で示す)の方
が正反射光の断面形状は小さいので,開口81は小さい方
の断面形状にあわせるのがよい。
83をもつケース80を示し,図69(B)および(C) は開口83
の形状を示すものである。投射光は斜め上方に投射され
るので,発光素子10から遠ざかるほど広がる。そこで,
被検出物体1表面での光の照射幅をほぼ一定にするため
に,開口83の発光素子10から遠い部分ほどその幅を狭く
している。
ル・レンズ53を投射口に設け,受光口には反射光の広が
った長さ方向の光を集光するシリンドリカル・レンズ63
を設けたケース80を示している。
プのバリエーションについて説明する。
図43に示すものと比較して,受光光学系において,偏光
ビーム・スプリッタ40の反射光と透過光をそれぞれ光フ
ァイバ21,31で受け,受光素子20,30に導いている点で
異なる。センサ・ヘッド70を小型化することが可能であ
る。発光素子10はレンズ付きのものである。
構成された光学系を示している。投射光はレンズ50によ
ってわずかに広げられて,被検出物体1に垂直に近い角
度で投射される。被検出物体1からの正反射光が受光レ
ンズ60によって集光される。投光レンズ50の前面にはS
偏光成分を透過させる偏光フィルタ51が設けられてい
る。被検出物体1からの正反射光に含まれるS偏光成分
の量によって被検出物体1の表面の光沢の程度が検出さ
れる。
して被検出物体1に投射する光学系を示している。
ない。受光光学系には,被検出物体1からの正反射光を
取入れるための開口板またはスリット64が設けられてい
る。開口を通過した正反射光は偏光ビーム・スプリッタ
40に入射する。受光レンズも設けられていない。
光学系を示している。投光レンズ50によって投射光は集
光される。受光レンズ60も設けられている。
ぞれについて受光用レンズ65,66を設けたものである。
偏光ビーム・スプリッタ40の反射光および透過光はそれ
ぞれ受光レンズ65,66を通して光ファイバ21,31に入射
する。
をミラー67で反射させ,レンズ66を通して光ファイバ31
に導くようにした構成を示している。
型の受光光学系を示している。
る。
投光ヘッド70Aと受光ヘッド70Bとから構成され,これ
らのヘッド70A,70Bは距離をおいて互いに対向するよ
うに配置される。これらの両ヘッド70Aと70Bの間にあ
る物体1が検知される。
ズ50とが設けられる。投光レンズ50によって投射光が平
行化されて,受光ヘッド70Bに向けて投射される。投光
レンズ50によって投射光をわずかに広げてもよいし,収
束させてもよい。
ム・スプリッタ40および2つの受光素子20,30を含み,
上述した受光光学系と同じ構成である。
に斜めに存在する透明体1が検知される。透明体は上述
したように,斜めに入射する光について,P偏光成分の
透過率の方がS偏光成分の透過率よりも高い。したがっ
て,受光素子20と30の出力の比S/P(またはP/S,
もしくはP−S/P+S,P−kS,P−S等でもよ
い)を算出しこの比をしきい値と比較することにより,
被検出物体が透明体がどうかが判別される。
光フィルタ51が設けられている。この偏光フィルタ51
は,受光ヘッド70Bの偏光ビーム・スプリッタ40におい
て定義されるP偏光成分(またはS偏光成分)の光を通
過させる。このように,直線偏光の投射光を用いると,
特に反射型センサ・ヘッドにおいて説明したように,複
屈折を有する物体を検知することができる。たとえば,
図81に示すように,複屈折をもつペット・ボトル3を検
出することができる。
スプリッタ52を用いて直線偏光の光を発生する投光ヘッ
ドを示している。直線偏光の投射光はまた,光を散乱さ
せる物体(雨,水,霧,雪,その他の小さな粒子,表面
の粗い透明体など)を検知するのに用いられる。投射光
は図に示すように少し広がらせてもよい,またはその方
が好ましい。
ム偏光となる。したがって,S偏光またはP偏光の投射
光を用いると,散乱物体が存在すればそれと直交する方
向の偏光成分が現われる。したがって,2つの受光素子
20,30の出力信号の差,比,その他の演算(上述したS
−P/S+Pなど)を行い,その演算結果をしきい値と
比較することにより散乱物体の存在が検知できる。
ム・スプリッタの反射光および透過光を光ファイバ21,
31を用いて受光素子20,30に導く構成を示している。
オード(半導体レーザ)12が用いられている。レーザ・
ダイオードの出射光は直線偏光であるので,偏光フィル
タを用いる必要がない。また,遠方まで光が届くので,
長い距離範囲にわたる検知に有用である。
ンズ54で集光し,偏光フィルタ51を通して偏波面保存光
ファイバ55の一端に入射させ,適所に導かれた光ファイ
バ55の他端から直線偏光の光を投射するようにしたもの
である。
30に代えて2分割フォトダイオード20Aが用いられてい
る。
と受光素子30との間に,P偏光成分を通過させる偏光フ
ィルタ32を配置した構成が示されている。偏光ビーム・
スプリッタ40の透過光にS偏光成分が含まれてしまうも
のにおいては,それを除去することによって偏光分離特
性を向上させることができる。
光フィルタ32とを貼付けて一体化した構成を示してい
る。
光素子20との間にS偏光成分を通過させる偏光フィルタ
22が配置された構成を示している。偏光ビーム・スプリ
ッタ40の反射光にP偏光成分が含まれる場合に有効であ
る。
過光を偏波面保存光ファイバ33で受光素子30に導く構成
を示している。偏光ビーム・スプリッタ40の反射光を同
様に偏波面保存光ファイバで受光素子20に導いてもよ
い。
る。
背面に反射体41が接着されている。この反射体41は鏡
面,多層膜,全反射を利用すること等により実現するこ
とができる。
ビーム・スプリッタ40に入射した光のうち,反射光は受
光素子20に入射し,透過光は反射体41で反射して受光素
子30に入射する。2つの受光素子20,30を偏光ビーム・
スプリッタ40の前方のほぼ同じ位置に配置することがで
きる。
用した構成を示している。くさび形基体43の一面に偏光
分離機能をもつ誘電体多層膜40Bを形成し,他面に反射
面を形成する。図87(A) では2つの受光素子20と30を離
して配置することができ,図87(B) では2つの受光素子
20と30に代えて2分割フォトダイオードが用いられてい
る。
る。図88(A) において,両面に偏光分離機能をもつ誘電
体多層膜40Bと反射膜41Aが形成された基板40Aがプリ
ズム44の斜面に接着されている。図88(B) においては,
受光レンズ60もプリズム44に接着されている。また,光
ファイバ21,31を用いて反射光と透過光を受光素子に導
く構成となっている。
いて,ほぼ円形断面の投射光は被検出物体に斜めに入射
し,かつ斜めに反射して受光光学系に入射する。投射光
が広がっているかまたは収束している場合,センサ・ヘ
ッドと被検出物体との間の距離が変化すると,偏光ビー
ム・スプリッタを経て受光素子に入射する光の単位面積
当りの強度は変動する。このような被検出物体の距離変
動による反射光量変動の補正を行う構成について説明す
る。
・ヘッドから離れたりセンサ・ヘッドに近づいたりする
と,受光用光ファイバ21または31に入射する反射光の角
度が変化する(図89(A) および次に述べる図89(B) ,
(C) では簡単のために偏光ビーム・スプリッタの図示が
省略されている)。そこで,光量の少ない反射光の入射
角にあわせて光ファイバ21または31を配置し,光量の少
ない反射光が最も多く光ファイバ21または31の端面に入
射するようにする。
入射端面を斜めにカットした場合を示している。この場
合にも,カットした端面を光量の少ない反射光に向ける
ように光ファイバ21,31を配置する。
を示す。バンドル・ファイバの被覆を変形し,光量の少
ない反射光が入射する箇所で光ファイバの数を多くする
形とする。
過率Tp または反射率Rs を図90(B) に示すように入射
角に応じて変化させ,光量の少ない反射光の入射角で透
過率Tp または反射率Rs が増大するようにしている。
例を示している。投光レンズ50に収差をもたせ,受光用
ヘッドの位置で光強度分布がほぼ均一になるようにした
ものである。
投射光が斜めに投射される方向に長いバンドル・ファイ
バ11Aを投光用光ファイバとして用いている。
(LCF)68を受光光学系の前面に配置した例を示して
いる。ライト・コントロール・フィルムは入射角によっ
て透過率が異なるものである。ルーバ角度が0度のライ
ト・コントロール・フィルム68が用いられ,このフィル
ム68が,検出距離が最も長い位置にある被検出物体(鎖
線で示す)1からの反射光(光量が最も少ない)のフィ
ルム68への入射角0度となるように配置されている。
光学式センサ装置を利用した代表的な装置の例について
説明する。
または用紙の種類(上述した普通紙,コート紙,光沢紙
など)を判別するものである。
られる。反射型斜め入射タイプのセンサ・ヘッド70は台
板90の上方に位置し,下方に向けて投射光を投射する。
センサ・ヘッド70において投射光には直線偏光(たとえ
ばSまたはP偏光)の光が用いられる。鏡面体は入射光
の偏波面を保存するので,反射光も投射光と同じ直線偏
光をもつ。用紙5が普通紙であれば入射光は拡散される
ので,反射光はランダム偏光に近くなる。また,用紙5
がコート紙や光沢紙でも散乱される光が存在する。した
がって,投射光の偏光方向と直交する偏光方向の成分が
現われ,この偏光方向成分は用紙の種類によって変化す
るので,用紙の存在と判断が可能である。
にセンサ・ヘッド70を設けた例を示している。折り返し
搬送のための円筒ローラ91も鏡面をもつ。
5を置いた場合を示している。センサ・ヘッド70からの
投射光はランダム偏光をもつものである。ランダム偏光
の光が誘電体に入射すると,その反射光にはS偏光成分
が多く含まれる。一方,用紙(普通紙)5からの反射光
ではS偏光成分とP偏光成分とがほぼ等しい。したがっ
て,用紙5の存在,場合によってはその種類(反射光に
含まれるS偏光成分の割合による)の判別が可能とな
る。
93の表面に塗料層94が塗布されている。塗料層94におい
ても,S偏光成分の反射率がP偏光成分のそれよりも高
い。
5の存在およびその種類を検知するものである。検出原
理は上述したものと同じである。
おいて(その他ワードプロセッサ,プロッタ,ファック
ス,レコーダ等でもよい),用紙トレイ95に収納された
印刷対象物5が紙であるのか,OHPフィルムであるの
か(すなわち,透明体または不透明物質であるか否か)
を検出したり,または紙の種類(普通紙,感熱紙,コー
ト紙)を検出するために利用される。
配置され,印刷対象物の判別を行い,その判別結果を印
刷制御装置(図示略)に出力する。印刷制御装置は,こ
の判別結果に応じて,印刷処理に際し,搬送経路の機械
的パラメータ,印字方式,印刷濃度等のパラメータの調
整,設定を行う。
経路中に配置し,印刷対象物の判別を行い,上に述べた
パラメータの調整,設定を行えるようにすることもでき
る。
するワードプロセッサの印字装置である。センサ・ヘッ
ド70は給紙部,搬送路等に設けられている。
ミリ装置であり,センサ・ヘッド70は給紙搬送路99にの
ぞむように配置されている。
部を示し,センサ・ヘッド70は給紙搬送路111 にのぞむ
ように配置されている。
出力信号は用紙判別装置に与えられる。用紙判別装置が
判別した用紙の種類に応じて,最適なインク量や感光ド
ラムへの帯電量などの調整が行なわれる。
ついて図100 から図102 を参照して説明する。
構成の一部を示す。印刷部115 に搬送される過程で用紙
5の存在とその種類が判別される。用紙の種類は先に説
明した普通紙,コート紙および光沢紙である。
に設けられている。センサ・ヘッド70からの受光信号は
判別回路112 に送られる(この判別回路112 の構成につ
いては後述するが,これは図45〜図48に示す判別回路10
4 よりは広い概念である)。用紙の種類の判別結果は制
御回路113 に与えられる。制御回路113 はCPU,メモ
リ等を含む。インクジェット・ヘッド114 におけるイン
ク噴出量が制御回路113 により制御される。
46に示すものと同一物には同一符号を付し説明を省略す
る。一定周波数のパルスがパルス発生回路117 から発生
し,駆動回路118 により発光素子10がパルス駆動され
る。受光素子20,30のパルス状出力信号は増幅器119 で
増幅されたのち,復調回路120 でそれぞれ復調され,直
流信号に変換される。復調回路120 はサンプル・ホール
ド回路である。
に与えられる。比較回路121 ,122にはしきい値レベル
α,βがそれぞれ設定されている。このしきい値レベル
α,βは上述したしきい値TH1 ,TH2 に対応するも
のである。比較回路121 ,122 は入力信号のレベルがし
きい値レベルα,β(0<α<β<1)よりも小さいと
きに1の信号をそれぞれ出力する。比較回路121 ,122
の出力は論理回路123に与えられる。この論理回路123
が上記の判別回路104 に相当する。
力がしきい値レベルα未満のときは出力信号aが1にな
り,αとβの間のときは出力bが1,βを超えるときに
は出力cが1となる。この判別信号a,bおよびcは制
御回路113 に入力する。
インクジェット・ヘッド114 におけるインク噴出量を制
御する。初期化処理(ステップ401 )ののち,判別信号
a,bまたはcを取込む(ステップ402 )。信号a,b
およびcはそれぞれ用紙5が普通紙,コート紙および光
沢紙であることをそれぞれ表わしている。これらの判別
結果を表示装置(図示略)に表示し(ステップ403 ,40
4 ),インク噴出量を設定する(ステップ405 )。
光沢紙の順に多くなる。用紙の種類に応じた噴出量デー
タはあらかじめメモリに記憶されているので,判別結果
に応じて噴出量をメモリから読出して,これに応じてイ
ンクジェット・ヘッド114 におけるインク噴出量を制御
する(たとえば圧電素子に加える電圧を制御する)(ス
テップ406 )。
される用紙の種類を判別することにより,複数の印字ユ
ニットのうちの判別結果に適したものを選択して駆動す
る印刷装置の一部を示している。
る印字ヘッド130 と,インク・ジェット印字ヘッド131
とが案内シャフト124 に移動自在に設けられている。こ
れらの印字ヘッド130 ,131 はモータ126 によって駆動
されるタイミング・ベルト125 に連結され,任意の位置
に移送される。用紙5は送りモータ128 によって回転駆
動されるプラテン・ローラ127 に巻回されて送られる。
よって検出され,その種類が判別される。判別された用
紙の種類に応じて,いずれか一方の印字ヘッド130 また
は131 が選択的に駆動される。感光ドラム方式,感熱方
式,その他の方式の印字ヘッドを設けることもできる。
緒にセンサ・ヘッド70を移動させる構成とすることもで
きる。
動自在に支持され,かつスクリュ133 を回転させること
により任意の位置に移送される。支持ブロック134 には
印字ヘッド135 とセンサ・ヘッド70とが取付けられてい
る。
たときに印字を停止し,用紙送りを行う。再び印字ヘッ
ド135 を移送しながら印字を行い,センサ・ヘッド70が
用紙の側縁を検出したときに印字を停止し,用紙送りに
移る。
て用紙の種類を判別し,それに応じて上述したインク噴
出量の制御を行ってもよい。
を検出する構成を示している。基準位置はマイクロスイ
ッチ136 によって定められる。マイクロスイッチ136 が
支持ブロック134 を検出した位置からどれだけ移送した
ときにセンサ・ヘッド70が用紙5の側縁を検出したかに
よって,ずれ量δが計測される。
け,センサ・ヘッド70によって用紙の前端縁,後端縁,
両側縁を検出するようにすることもできる。
表している。暖房運転時には,冷媒は,四方弁141 ,室
内熱交換機142 ,絞り装置143 ,室外熱交換機144 の経
路で流れる。冷房運転時には冷媒は,四方弁141 ,室外
熱交換機144 ,絞り装置143,室内熱交換機142 の経路
で流れる。冷媒は圧縮機140 で圧縮される。
として作用し,室外ファン144 aにより外気を取り込
み,外気より吸熱する。この熱が冷媒を介して室内熱交
換機142 に伝達され,室内熱交換機142 はこの熱を室内
ファン142 aにより室内に放出する。
室内ファン142 aを利用して取り込まれた熱が,冷媒を
介して室外熱交換機144 に供給され,そこで室外ファン
144aを介して室外に放出される。
(または結露)状態を検知し,その検知結果を制御回路
146 に出力する。制御回路146 は,検知装置145 の検知
出力に対応して,四方弁141 を制御し,冷媒の流れる方
向を切り換える。
いる。そのセンサ・ヘッド70は,図107(A)に示すよう
に,室外熱交換機のスパイラル・フィン147 に光を照射
し,その反射光を受光する。これにより着霜,結露が検
知される。または,図107(B)に示すように,投光ヘッド
70Aと受光ヘッド70Bが設けられ,着霜,結露を検知す
るために,投光ヘッド70Aの投射光が室外熱交換機のプ
レート・フィン148 の間を通って受光ヘッド70Bにより
受光される。これらに代えてセンサ・ヘッド70は,図10
7(C)に示されるように,室外熱交換機のコルゲート・フ
ィン149 の適所における着霜,結露状態を検知するよう
に配置される。
いる。この回路において,図45に示すものと同一物には
同一符号を付し,説明を省略する。微分回路151 は割算
回路103 の出力の変化を検出する。これにより,判別回
路150 は着霜,結露の有無と,その速度を検出する。
す除霜処理を行う。
外熱交換機144 に露(霜)が生じ,成長してくると,そ
の表面状態が検知装置145 により検知される(ステップ
411)。制御回路146 は,霜の付着を検知したとき,四
方弁141 を制御し,冷媒の流れる方向を冷房運転方向に
切換え,室外熱交換機144 の除霜を開始させる(ステッ
プ142 )。
換機144 の霜が除去されたとき(ステップ143 ,144
),制御回路146 は四方弁141 を再び切り換え,暖房
運転を再開させる(ステップ145 )。
142 aの風量や圧縮機140 の運転が制御される。
検知に応用した例を示す。空調機152 のフィルタ153 に
投射光を投射するようにセンサ・ヘッド70が設けられ
る。フィルタ153 は樹脂製であるからその反射光にはS
偏光成分が多く含まれる。フィルタ153 にほこりが付着
すると反射光はランダム偏光に近づくのでS偏光成分は
減少する。これによりフィルタ153 へのほこりの付着が
検知される。この検知信号により警報表示等を行わせ
る。
155 のくもり(または霜)検知に応用したものである。
透過型のセンサ装置が用いられ,投光ヘッド70Aと受光
ヘッド70Bがケース154 の内側前部に設けられる。投光
ヘッド70Aの出射光はガラス155 に入射し,反射して受
光ヘッド70Bに入射する。くもりの検出原理はほこりの
場合と同じである。
くにフロント・ガラスの内面に生じたくもりを除去する
装置(除曇装置)に光学式センサ装置を応用した例を示
している。
ウィンドウ156 の上部に設けられたバックミラー157 の
背面にセンサ・ヘッド70が取付けられている。このセン
サ・ヘッド70はダッシュ・ボード158 の上に配置するこ
ともできる。
いる。この構成は既に説明した通りである。ケース80内
において,発光素子10が下部に,受光素子20,30が上部
に配置されている。このように配置することにより,自
然光(特に太陽光)が受光素子20,30に入射することに
よって生じる誤検知がなくなる。
ウ156 の内面で反射した光のみが受光光学系に入射する
ように,ケース80の特定の位置に開口81があけられてい
る。この開口に赤外フィルタを設けて投射光(赤外光の
場合)のみが受光光学系に入射するようにすると検出精
度が一層高まる。
受光信号は判別回路159 に入力し,くもりの有無および
その程度が検出される。この検出結果に基づいて制御回
路160 によってデフロスタ161 が制御される。
る。図101 に示す判別回路と基本的に同じである。異な
る点は3つの比較回路162 ,163 ,164 が設けられてい
ること,それに伴って論理回路123 Aの構成が異なる点
である。
光の投射光が投射される。フロント・ウィンドウ156 の
内面にくもりが無いときには,反射光はS偏光の光であ
る。くもりが生じてくるとランダム偏光に近づくので反
射光に含まれるP偏光成分が増大する。したがって,
(S−P)/(S+P)の値がくもりが無いときに最大
値を示し,くもりの程度が増大するにつれて小さくな
る。
い値レベルはα>β>γの関係にあり,入力信号のレベ
ルがα,β,γよりもそれぞれ大きいときに1の出力を
それぞれ発生する。論理回路123 Aからは,くもり無,
くもり弱,くもり中,くもり強の4段階の判別信号が出
力され,制御回路160 に与えられる。
ってデフロスタ161 を制御する。すなわち,くもりが検
知されると(ステップ421 ,422 ),その程度に応じて
デフロスタ161 を駆動し,くもりを除去する(ステップ
423 )。くもりがなくなれば除曇動作は終る(ステップ
424 ,425 )。くもりの程度に応じてデフロスタ161か
ら送られる熱風の温度と風の強さが制御されよう。
の左側および右側の下部近傍にセンサ・ヘッド70を配置
することもできる。リアウィンドウの左,右側下部の位
置は,リアウィンドウ165 を熱線ヒータ166 で加熱して
も,リアウィンドウ165 に付着したくもりが最後まで残
る場所である。そこにおけるくもりを検出することによ
り,リアウィンドウ165 のくもり状態を確実に検出する
ことが可能となる。
示している。イグニッション・スイッチ(または所定の
手動スイッチ)174 をオンすると,バッテリ(電源)17
3 の電力が,パルス発生回路175 と制御回路172 に供給
される。パルス変調回路175は,イグニッション・スイ
ッチ174 がオンされたとき,発光素子10をパルスを駆動
し,点滅させる。
の内面で反射して偏光ビーム・スプリッタを介して受光
素子20,30に受光される。判別回路171 は図115 に示す
ものと同じである。制御回路172 は判別されたくもりの
程度に応じた電流を熱線ヒータ166 に流す。
駆動されたタイミングにおいてのみ,演算回路171 で演
算を行うようにすることができ,外乱光による影響を抑
制することが可能となる。
ガラスの外面に付着する雨滴を検知し,ワイパを制御す
る応用例である。
背面に取付けられている。フロント・ガラス156 の前面
(外面)に付着した雨滴を検知するために,ガラス156
の外面からの反射光を受光するように,センサ・ヘッド
70のケース80に開口81があけられている。センサ・ヘッ
ド70はガラス156 の内面に固定してもよい。
説明したくもり検知の場合と同じである(図115 参
照)。
示す手順でワイパ駆動装置179 を制御してワイパ183 を
駆動する。
検出すると(ステップ431 ,432 ),検出した雨滴量に
応じたワイパ速度を設定して,ワイパ183 を駆動する
(ステップ433 ,434 )。一般には雨滴量が多いほどワ
イパ速度を速くする。雨滴が検知されなくなるまで上記
動作を繰返し(ステップ435 ),検知されなくなればワ
イパ183 を停止する(ステップ436 )。
ード回路を示す。図115 に示すものと同一物には同一符
号を付し説明を省略する。
する。カウンタ180 の計数値が所定値に達した時点から
少し遅延した時点でタイマ181 はサンプル・パルスを発
生し,かつリセットされる。サンプル・ホールド回路18
2 はサンプル・パルスが入力した時点の割算回路103 の
出力をサンプルして,次のサンプル・パルスが入力する
まで保持する。サンプル・ホールド回路182 の出力は比
較回路162 〜164 に送られる。新たな判別結果にしたが
ってワイパ183 がワイパ駆動装置179 により駆動される
ことになる。制御回路178 Aは判別結果にしたがってワ
イパ速度を決定し,ワイパ駆動装置179 に与える。
動する間はワイパは同じ速度で駆動される。これにより
運転者に不快感(ワイパ速度が頻繁に切替ることによ
る)を与えることがなくなる。
動車のアンチロック・ブレーキ・システムに応用した例
を示している。
に下方に向けてセンサ・ヘッド70が取付けられる。
路面に向けてS偏光の光が投射される。路面が乾燥して
いるときには路面は凹凸面であるからその反射光はラン
ダム偏光またはそれに近い状態となる。路面が水で濡れ
たり,路面に水がたまったりしたときには正反射光成分
が多くなるため反射光にS偏光成分が増大する。
が1よりも大きくなると路面が濡れており,増大するに
したがい湿潤度が高くなる。判別回路184 はS/Pの値
を湿潤度に変換して制御回路185 に与える。
制御処理を行う。判別回路184 から湿潤度信号を取込
み,湿潤度に応じた制動力Ps を算出する(ステップ44
1 ,442 )。湿潤度と最適制動力との対応表をメモリに
記憶しておいて最適制動力を求めてもよい。
号がブレーキ186 から与えられたときには(ステップ44
3 ),ブレーキを踏む力が急激に増大したかどうかによ
り急ブレーキであるかどうかが判断される(ステップ44
4 )。急ブレーキの場合には先に求めた制動力Ps で制
動するようにブレーキ186 を制御し(ステップ445 ),
急ブレーキでない場合には運転者が踏む力に応じてブレ
ーキを制御する(ステップ446 )。これにより,湿潤状
態において,急ブレーキを踏んだときに生じるスリップ
を軽減することができる。
偏光の光であってもS/Pにより湿潤度を求めることが
できる。
路を示している。既に説明した回路の重複説明は避け
る。
をCPU190 に与える。CPU190はS/Pを湿潤度に
変換する。
出される。この力Qと所定のしきい値K1とが比較回路
194 で比較される。踏む力Qの微分値dQ/dtが微分
回路192 で算出され,この微分値が比較回路193 で所定
のしきい値K2と比較される。
tがK2よりも大きいときに急ブレーキであると判定さ
れ,急ブレーキ信号がAND回路195 からCPU190 に
与えられる。
に応じた制動力をタイヤに与えるようにブレーキ駆動装
置191 を制御する。
いねむり検知に応用した例を示している。
て白線または黄線がある。この装置は,一定時間以内に
この白線または黄線を所定回数以上検知したときに運転
者がいねむり状態にあるとして警報を出力するものであ
る。
分が多く含まれる。図126 において,センサ・ヘッド70
からの受光信号に基づいて判別回路196 はS/Pの値が
所定値以上のときに白線または黄線の検知と判定し,そ
の結果を制御回路197 に与える。
たがう処理を一定時間ごとに(たとえば1秒ごとに)実
行する。
の一定時間をnとする。白線または黄線を検知した回数
を計数するカウンタをPとする。この計数値Pのしきい
値をKとする。
2 ),カウンタPがインクレメントされ(ステップ453
),カウンタPの新たな値がしきい値Kに達したかど
うかが判定される(ステップ454 )。
ければ,カウンタtをインクレメントする(ステップ45
6 )。
警報器198 から警報が発生する。警報は,ブザー,合成
音声による注意,表示灯の点滅等により実現される。
がクリアされる(ステップ457 )。
路を示している。
でしきい値K3と比較され,しきい値K3を超えていれ
ば比較回路201 から出力が発生する。
1個のパルスを発生する。このパルスが発生したときに
比較回路201 の出力はAND回路202 を通してカウンタ
205に与えられる。カウンタ205 の計数値は比較回路206
で警報しきい値Kと比較され,Kを超えていれば警報
器198 から警報が発生する。
るもので,入力パルスをn分周する。分周回路204 の出
力によりカウンタ205 がリセットされる。
の操舵制御に関する応用例である。
(光沢のある塗料または金属線)が引かれている。無人
車の車体の下面には2つのセンサ・ヘッド70a,70bが
取付けられ,無人車が正しく走行しているときには,こ
れらのセンサ・ヘッドからの投射光スポットSPa,S
Pbが,白線210 を等しい面積で照射する(図130 )。
70a,70bからの受光信号に基づいてS/P等を表わす
信号Pa,Pbを出力する。この信号Pa,Pbは制御
装置212 に与えられる。
3 に対して図131 に示す操舵制御を行う。
いるか,または異常であるから走行を停止させる(ステ
ップ161 )。
のでそのまま直進させる(ステップ462 ,464 )。Pa
>Pbのときには右側にずれているので左へ操舵させ,
逆のときには右へ操舵させる(ステップ463 ,465 ,46
6 )。
テープを検出するものであり,たとえば預金支払機等の
紙幣取扱装置内に設けられる。
り,ここに搬送路の両側にセンサ・ヘッド70a,70bが
設けられている。搬送される紙幣の向きは定まってい
ず,また粘着テープが紙幣のどの面にあるかどうか分ら
ないので搬送路の両側にセンサ・ヘッド70a,70bが設
けられる。センサ・ヘッド70a,70bからの投射光は搬
送される紙幣の面に投射される。
・ヘッド70a,70bの受光信号に基づいてS−P,S/
Pまたは(S−P)/(S+P)を算出する。図133 に
示すように,紙幣6にテープ6aが付着していると,こ
れらの値は高い値となる。判別回路 215a, 215bはこ
れらの値がしきい値を超えるとテープ検出信号を出力す
る。
7 にOR回路216 を経て与えられる。制御回路217 は図
134 に示す処理を行う。
幣を一枚ずつセンシング部へ送る(ステップ471 ,472
)。判別回路 215aまたは 215bからテープ検出信号
が入力すると(ステップ473 ,474 ),搬送制御装置21
9 によりその紙幣を投入口または返却口に送り返すか,
または紙幣回収箱に送る(ステップ475 )とともに表示
装置218 にその旨を表示する。
ものである。
ンキの供給量のバランスはオフセット印刷の品質に大き
な影響を与える。良好な印刷状態を保つために湿し水量
は印刷物の条件,紙の種類,インキの種類等に応じて変
化させる必要がある。湿し水量の調整のためには版胴の
版面上の水膜厚を計測する必要がある。
ド70によって検出される。センサ・ヘッド70の投射光は
版面上に投射される。判別回路221 はS/Pや(S−
P)/(S+P)を算出する。これらの値が大きければ
水膜厚は大きい。
御装置222 に与えられる。制御装置222 は,そのときの
印刷条件を考慮して,S/P等の値に基づいて,適切な
水膜厚となるように水供給ローラ224 の回転速度を水供
給ローラ駆動装置223 を介して制御する。
査装置を示している。この例は製品7の表面に適切に塗
料が塗られているかどうかを検査するものである。上述
したように包装フィルムの有無等を検査するラインにも
光学式センサ装置を応用できる。
くる。検査位置において,搬送されている製品の表面に
向けて投射光を投射するようにセンサ・ヘッド70が配置
されている。
4 に送られ,判別回路234 で,たとえばS/Pの値が算
出される。製品の表面に塗料が正しく塗られていればこ
の値はしきい値よりも大きい。塗られていなければこの
値はしきい値よりも小さい。
に示す処理を実行する。
数するカウンタを初期化する(ステップ481 )。
ップ482 ),判別回路234 からの信号に基づいて製品7
の良,不良を判定する(ステップ483 )。良品であれば
カウンタRがインクレメントされる(ステップ484 )。
不良品の場合には,プッシャ232 が駆動され,不良品は
不良品搬送路231 に送られる(ステップ486 )。またカ
ウンタFがインクレメントされる(ステップ487 )。以
上ののち,カウンタTがインクレメントされる(ステッ
プ485 )。
るのではなく,S/Pの値に基づいて次の工程における
塗装の制御を行うようにしてもよい。
送られてくる透明フィルム(シート)8の有無をセンサ
・ヘッド70の出力信号に基づいて検知することもでき
る。
グラフである。
率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフで
ある。
を示す。
示す。
グラフである。
率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフで
ある。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
示す。
すグラフである。
すグラフである。
射率とP偏光成分の透過率の入射角依存性を示すグラフ
である。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタAにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタBにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタCにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタDにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタEにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
についてのΔRs /Tp およびΔRs をまとめて示すも
のである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタFにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
波長がそれぞれ−10nmおよび+10nmシフトしたときの偏
光ビーム・スプリッタGにおける入射角依存性を示すグ
ラフである。
Rs /Tp およびΔRs をまとめて示すものである。
光学的構成を示す。
依存性を示す。
他の構成例を示す。
(A) は平面図,(B) は側面図である。
すブロック図である。
すブロック図である。
すブロック図である。
すブロック図である。
フである。
トしたときの受光量比を示すグラフである。
トしたときに,受光量比が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
トしたときに,受光量比が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
範囲を示す。
フである。
トしたときに,受光量比が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
トしたときに,受光量比が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
フである。
トしたときに,受光量差が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
トしたときに,受光量差が入射角の変動に伴ってどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
対に配置したときの構成をそれぞれ示す。
よび(C) は開口の形状を示す。
よび(C) は開口の形状を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
ドの構成例を示す。
を示す。
学系のさらに他の例を示す。
す。
す。
動にかかわらず入射光量を一定に保つための構成例を示
す。
射光量を一定に保つための構成例を示し,(B) は入射角
の変化に対するRs またはTp の変化を示すグラフであ
る。
を一定に保つための構成例を示す。
を一定に保つための構成例を示し,(A) は正面図,(B)
は平面図,(C) はバンドル・ファイバの拡大図である。
を一定に保つための構成例を示す。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
る。
示し,印刷装置の構成を示すブロック図である。
示し,判別回路の構成を示すブロック図である。
示し,インクの噴出量制御処理手順を示すフローチャー
トである。
機の構成を示す。
配置を示す斜視図である。
る。
用した例を示す空調機の斜視図である。
の前部の斜視図である。
置の構成を示すブロック図である。
である。
の後部の斜視図である。
置の構成を示すブロック図である。
る。
である。
動車の前部の斜視図である。
ク図である。
トである。
る。
ある。
トである。
る。
である。
ートである。
る。
センス信号を示す。
である。
である。
ク図である。
ローチャートである。
Claims (13)
- 【請求項1】 被検出物体に向けて光を投射する投光光
学系, 被検出物体からの反射光,透過光または散乱光をその入
射面についてのS偏光成分を主とする第1の光束とP偏
光成分を主とする第2の光束とに分離し,S偏光成分の
反射率をRs,P偏光成分の透過率をTpとしたとき,
Rs/Tpが,使用入射角範囲内において実質的に一定
である偏光ビーム・スプリッタ,上記第1の光束を受光
する第1の受光素子,および上記第2の光束を受光する
第2の受光素子を含む受光光学系,ならびにS偏光成分
の光量を表わす上記第1の受光素子の出力信号レベルを
S,P偏光成分の光量を表わす上記第2の受光素子の出
力信号レベルをPとしたとき,S/P,S−P,(S−
P)/(S+P),S−kP(kは定数)およびP/
(S+P)のうち少なくとも一つの演算によって得られ
る値に基づいて,被検出物体の有無,表面状態または材
質を判定する手段を備えた, 光学式センサ装置。 - 【請求項2】 発光素子を含み,被検出物体に向けて光
を投射する投光光学系, 被検出物体からの反射光,透過光または散乱光をその入
射面についてのS偏光成分を主とする第1の光束とP偏
光成分を主とする第2の光束とに分離し,S偏光成分の
反射率をRs,P偏光成分の透過率をTpとしたとき,
Rs/Tpが,上記発光素子からの投射光の波長の広が
りの範囲内において実質的に一定である偏光ビーム・ス
プリッタ,上記第1の光束を受光する第1の受光素子,
および上記第2の光束を受光する第2の受光素子を含む
受光光学系,ならびにS偏光成分の光量を表わす上記第
1の受光素子の出力信号レベルをS,P偏光成分の光量
を表わす上記第2の受光素子の出力信号レベルをPとし
たとき,S/P,S−P,(S−P)/(S+P),S
−kP(kは定数)およびP/(S+P)のうち少なく
とも一つの演算によって得られる値に基づいて,被検出
物体の有無,表面状態または材質を判定する手段を備え
た, 光学式センサ装置。 - 【請求項3】 投射光を被検出物体に向けて投射し, S偏光成分の反射率とP偏光成分の透過率の比が使用入
射角範囲内において実質的に一定である偏光ビーム・ス
プリッタを用い, 被検出物体からの反射光,透過光または散乱光を上記偏
光ビーム・スプリッタの入射面についてのS偏光成分を
主とする第1の光束と,P偏光成分を主とする第2の光
束とに分離し, これらの分離された第1の光束の光量に含まれるS偏光
成分の光量S(R)と第2の光束の光量に含まれるP偏
光成分の光量P(T)から算出されるS(R)/P
(T),S(R)−P(T),[S(R)−P(T)]
/[S(R)+P(T)],S(R)−kP(T)(k
は定数)およびP(T)/[S(R)+P(T)]のう
ち少なくとも一つの値に基づいて被検出物体の有無,表
面状態または材質に関する信号を出力する, センシング方法。 - 【請求項4】 投射光を被検出物体に向けて投射し, S偏光成分の反射率とP偏光成分の透過率の比が投射光
の波長の広がりの範囲内において実質的に一定である偏
光ビーム・スプリッタを用い, 被検出物体からの反射光,透過光または散乱光を上記偏
光ビーム・スプリッタの入射面についてのS偏光成分を
主とする第1の光束と,P偏光成分を主とする第2の光
束とに分離し, これらの分離された第1の光束の光量に含まれるS偏光
成分の光量S(R)と第2の光束の光量に含まれるP偏
光成分の光量P(T)から算出されるS(R)/P
(T),S(R)−P(T),[S(R)−P(T)]
/[S(R)+P(T)],S(R)−kP(T)(k
は定数)およびP(T)/[S(R)+P(T)]のう
ち少なくとも一つの値に基づいて被検出物体の有無,表
面状態または材質に関する信号を出力する, センシング方法。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載の光学式センサ
装置が物体の搬送路上に配置され,上記光学式センサ装
置の出力信号に基づいて搬送されている物体を識別する
物体識別装置。 - 【請求項6】 請求項1または2に記載の光学式センサ
装置と, 上記光学式センサ装置の出力に基づいて印刷媒体の種類
を判別する判別手段と, 上記判別手段による判別結果に基づいて印刷条件を制御
する制御手段と, を備えた印刷装置。 - 【請求項7】 結露媒体または着霜媒体の表面状態を判
別するように配置された,請求項1または2に記載の光
学式センサ装置と, 上記光学式センサ装置の出力に基づいて空調運転条件を
制御する制御手段と, を備えた空調装置。 - 【請求項8】 熱交換器と, 上記熱交換器の表面状態を判別する請求項1または2に
記載の光学式センサ装置と, 上記光学式センサ装置の出力に基づいて運転条件を制御
する制御装置と, を備えた温度または湿度制御装置。 - 【請求項9】 車両の窓ガラスの外側表面の状態を判別
するように配置された請求項1または2に記載の光学式
センサ装置と, 上記窓ガラスの外側表面を清浄するウィンドウ・ワイパ
装置と, 上記光学式センサ装置の出力に基づいて上記ウィンドウ
・ワイパ装置の動作を制御する制御手段と, を備えた車両。 - 【請求項10】 路面状態を判別するように配置された
請求項1または2に記載の光学式センサ装置と, 車両の運転操作の状態を検出する手段と, 上記光学式センサ装置による路面状態判別結果および上
記運転操作状態検出手段による運転状態検出結果に基づ
いて,上記運転操作に関連するアクチュエータの駆動を
制御する手段と, を備えた車両。 - 【請求項11】 紙幣の表面を検出する上記請求項1ま
たは2に記載の光学式センサ装置と, 上記センサ装置の出力に基づいて装置の動作を制御する
制御手段と, を備えた紙幣取扱い装置。 - 【請求項12】 印刷原板を固定する版銅と, 印刷原板に湿し水を供給する湿し水供給手段と, 印刷原板の表面を検出する請求項1または2に記載の光
学式センサ装置と, 上記センサ装置の出力に基づいて湿し水供給手段を制御
する制御手段と, を備えたオフセット印刷装置。 - 【請求項13】 請求項1または2に記載の光学式セン
サ装置によって,搬送路上を搬送される物品の表面状態
を判別し, この判別結果に基づいて物品の搬送方向を制御する,検
査方法。
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