JP4796345B2 - 透明フィルム検出装置 - Google Patents

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本発明は、透明フィルム検出装置に係り、更に詳しくは、反射光に基づいて透明フィルムを判別する装置、例えば、食料品収容箱が透明フィルムにより包装されているか否かを検査するための装置に関する。
透明フィルムの検出を行うためには、対象物の光沢度を検出する必要がある。従来の光沢度検出装置としては、CCD等の撮像素子を用いて対象物を撮影し、得られた2次元画像について画像処理を行って、輝度分布等を解析することにより、対象物の光沢を判別する装置が知られている(例えば、特許文献1)。しかしながら、このような画像処理は演算負荷が大きいことから、検出装置が高価となり、あるいは、検出時間が長くなってしまうという問題があった。
また、従来の光学式センサ装置としては、対象物からの反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dを測定し、これらの差分D−Dを光沢度として利用し、透明フィルムを検出する装置が知られている(例えば、特許文献2)。
特開平4−369468号公報 特開平8−327544号公報
後述する発明者の実験によれば、P偏光成分及びS偏光成分の差分D−Dは、同一の透明フィルムを測定した場合であっても測定結果のばらつきが大きい。このため、偏光成分の差分D−Dに基づいて、透明フィルムを判別することは容易ではないという問題があった。すなわち、反射光に含まれる偏光成分の差分D−Dを判別閾値と比較して透明フィルムを判別しようとしても、判別閾値を決定することが容易ではなかった。さらに、フィルムの種類などの諸条件によっては、適切な判別閾値が存在していない場合もある。このような事情から、光電センサを用いた透明フィルムの判別は、実用的な精度を確保することができず、この種の透明フィルム検出装置は、未だ実用化されていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、透明フィルムの判別を行うことができる透明フィルム検出装置を提供することを目的とする。特に、透明フィルムの配置方向にかかわらず、判別を行うことができる透明フィルム検出装置を提供することを目的とする。また、透明フィルムの判別を行うことができる透明フィルム検出装置を安価に提供することを目的とする。さらに、ユーザが判別基準を容易に設定することができる透明フィルム検出装置を提供することを目的とする。
第1の本発明による透明フィルム検出装置は、第1偏光を主成分とする照射光を検出エリアへ照射する投光部と、上記検出エリアからの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、上記受光部の測定結果から評価式(D +kD を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較することにより、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、上記検出エリア内に配置された透明フィルムについて、上記照射光の偏光面に対する該透明フィルムの配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果から得られる第1偏光成分D に対する第2偏光成分D の変化率に基づいて、上記係数kを決定する評価式決定手段とを備え、第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であるように構成される。
この様な構成により、配置方向の異なる透明フィルムを測定した2以上の測定結果が得られ、これらの測定結果に基づいて、透明フィルムの判別に用いられる評価式を決定することができる。従って、透明フィルムの配置方向が反射光に含まれる各偏光成分に与える影響を考慮した透明フィルムの判別を行うことができ、高い判別精度で透明フィルムを判別することができる。また、評価式(D1+kD2)によって求められる評価値について、透明フィルムの配置方向による影響を補償し、あるいは、抑制することができる係数kが得られる。従って、透明フィルムの配置方向にかかわらず、透明フィルムを精度良く判別することができる。
第2の本発明による透明フィルム検出装置は、第1偏光を主成分とする照射光を検出エリアへ照射する投光部と、上記検出エリアからの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、上記受光部による測定結果及び予め定められた係数kを用いた評価式(D+kD)を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、上記検出エリア内に配置された透明フィルムについて、上記照射光の偏光面に対する該透明フィルムの配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定する閾値決定手段とを備え、第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であるように構成される。
この様な構成により、配置方向の異なる透明フィルムを測定した2以上の測定結果が得られ、これらの測定結果に基づいて、透明フィルムの判別に用いられる判別閾値を決定することができる。従って、透明フィルムの配置方向が反射光に含まれる各偏光成分に与える影響を考慮した透明フィルムの判別を行うことができ、高い判別精度で透明フィルムを判別することができる。
第3の本発明による透明フィルム検出装置は、上記構成に加えて、上記閾値決定手段が、上記透明フィルムの測定結果のうち、第2偏光成分D2が最大となる測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定するように構成される。この様な構成により、2以上の測定結果のうち、より誤判別が発生しやすい測定結果に基づいて、判別閾値を決定することができ、高い判別精度で透明フィルムを判別することができる。
第4の本発明による透明フィルム検出装置は、第1偏光を主成分とする照射光を対象物へ照射する投光部と、上記対象物からの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、上記受光部による測定結果及び予め定められた係数kを用いた評価式(D+kD)を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、透明フィルムを有しない対象物を測定した少なくとも1つの測定結果、及び、透明フィルムを有する対象物の上記照射光の偏光面に対する配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定する閾値決定手段とを備え、第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であるように構成される。
第5の本発明による透明フィルム検出装置は、上記構成に加えて、上記閾値決定手段が、上記透明フィルムを有しない対象物の上記照射光の偏光面に対する配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定するように構成される。
この様な構成により、透明フィルムを有する対象物と、透明フィルムを有しない対象物のいずれについても、配置方向を異ならせて測定した2以上の測定結果が得られ、これらの4以上の測定結果のうち、より誤判別が発生しやすい測定結果に基づいて、判別閾値を決定することができ、高い判別精度で透明フィルムを判別することができる。
第6の本発明による透明フィルム検出装置は、上記構成に加えて、上記予め定められた係数kが0であって、上記フィルム判別手段が、上記評価式(D)を用いて求められる上記評価値及び上記判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するように構成される。この様な構成により、高い判別精度で透明フィルムを判別する透明フィルム検出装置を安価に提供することができる。また、判別速度を向上させることができる。

本発明によれば、透明フィルムの判別を行うことができる透明フィルム検出装置を提供することができる。特に、透明フィルムの配置方向にかかわらず、判別を行うことができる透明フィルム検出装置を提供することができる。また、透明フィルムの判別を行うことができる透明フィルム検出装置を安価に提供することができる。さらに、ユーザが判別基準を容易に設定することができる透明フィルム検出装置を提供することができる。
実施の形態1.
[装置構成]
図1は、本発明の実施の形態1による透明フィルム検出装置10の一構成例を示したブロック図である。この透明フィルム検出装置10は、対象物20へ光を照射する投光部1と、対象物からの反射光を受光する受光部2と、透明フィルムの有無を判別するフィルム判別部3と、透明フィルムの判別基準を決定する判別基準決定部4と、動作モードを指定する動作モード制御部5によって構成される。
この透明フィルム検出装置10は、対象物20からの反射光に基づいて対象物20の光沢を示す評価値Hを求め、この評価値Hを判別閾値Hthと比較することによって、透明フィルムの有無を判別するセンサ装置である。例えば、工場の生産ライン等に設置して、生産ライン上を搬送される対象物20が検出エリアに到達した場合に、投光部1から光を照射し、その反射光を受光部2で受光することにより、対象物20が透明フィルムにより包装されているか否かを検査することができる。
投光部1は、偏光面を一致させた照射光を生成して対象物20へ照射している。照射光の偏光面は、周知の偏光フィルタを通過させることによって揃えることができる。この例では、LEDやレーザからの光路上に偏光フィルタを配置し、P偏光を主成分とする照射光を生成しているものとする。
受光部2は、反射光に含まれるP偏光成分Dを測定するP偏光測定部21と、S偏光成分Dを測定するS偏光測定部22により構成される。P偏光及びS偏光は、偏光面が互いに直交する偏光であり、上記P偏光成分D及びS偏光成分Dは、各偏光ごとの受光量である。ここでは、P偏光測定部21及びS偏光検出部22が、偏光フィルタ及び光電素子によって構成され、スプリッタによって分光された反射光の光路上にそれぞれ配置されているものとする。
フィルム判別部3は、受光部2から出力される偏光成分D,Dに基づいて、透明フィルムの有無を判別し、判別結果として出力する。このフィルム判別部3は、評価値算出部31及び比較判別部32からなる。
評価値算出部31は、予め与えられる評価式に従って、光沢度を示す評価値Hを求めている。この評価式は、受光部2からのP偏光成分D及びS偏光成分Dと、予め与えられた係数kとを用いた次式(1)で与えられる。つまり、評価値Hは、係数kによって重み付けされたP偏光成分D及びS偏光成分Dの和として与えられる。
H=D+kD (1)
比較判別部32は、上式(1)によって求められた評価値Hを予め与えられた判別閾値Hthと比較し、透明フィルムの有無を判別している。つまり、評価値Hが判別閾値Hthを越えている場合には、透明フィルムであると判断し、判別閾値Hth以下である場合には、透明フィルムではないと判断する。
判別基準決定部4は、評価式決定部41及び閾値決定部42により構成される。評価式決定部41は、評価値算出部31で用いられる評価式を決定している。ここでは、評価式決定部41において、上式(1)における係数kが決定される。閾値決定部42は、比較判別部32で用いられる判別閾値Hthを決定している。
動作モード制御部5は、ユーザ操作に基づいて、透明フィルム検出装置10の動作モードを切り替えている。ここでは、動作モード制御部5が「判別モード」及び「ティーチングモード」のいずれかを選択して指定するものとする。判別モードとは、未知の対象物に光を照射して、透明フィルムの有無を判別する動作モードであり、透明フィルム検出装置10としての本来の動作モードである。一方、ティーチングモードとは、既知の対象物に光を照射して、判別基準としての係数k及び判別閾値Hthを決定する動作モードであり、判別モードの実行前に実行されるパラメータ設定のための動作モードである。従って、受光部2の出力D,Dは、判別モード時にはフィルム判別部3に入力され、ティーチングモード時には判別基準決定部4に入力される。
上記ティーチングモードは、さらに検出ティーチングモードと、非検出ティーチングモードとに区分される。検出ティーチングモードは、既知の対象物として、透明フィルムを有する対象物を用いて行われるティーチングモードであり、非検出ティーチングモードは、透明フィルムを有しない対象物を用いて行われるティーチングモードである。
判別モードは、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードの両方を予め実行し、評価式の係数k及び判別閾値Hthを決定した後でなければ実行することはできない。検出ティーチングモードでは、対象物20の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリング(反射光の測定)を行って、評価式の係数kが求められる。このため、透明フィルムの素材、厚さ、表面状態、あるいは、測定環境などに応じた評価式が得られ、フィルム判別部3における判別精度を飛躍的に向上させることができる。一方、非検出ティーチングモードでは少なくとも1回のサンプリングが行われればよい。
[動作原理]
次に、本発明による透明フィルム検出装置10の動作原理、つまり、透明フィルムであるか否かを判別する方法について説明する。
図2は、対象物20の配置方向を変化させて、反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dを測定した実験結果を示した図である。この実験では、異なる2つの製品20A及び20Bのそれぞれについて、透明延伸フィルムで包装した物と未包装の物とを準備し、これらの4種類の対象物20について、それぞれ配置方向を変化させながら、反射光に含まれる各偏光成分D,Dを測定した。
図3は、対象物20の配置方向を変化させる際の様子を示した説明図である。対象物20の配置方向を変化させる際には、照射光を反射する測定面20Fの位置を変化させないように、対象物20を回転させている。つまり、同一の製品については、照射光の光軸に対する角度や、投光部1及び受光部2からの距離、その他の測定環境がそれぞれ同一となる条件下で実験が行われた。なお、後述するティーチングモードにおける対象物20についての配置方向の変化も同様にして行われる。
このような実験の結果が、S偏光成分Dを横軸、P及びS偏光成分の差分D−Dを縦軸として図2に示されており、包装済みの製品20Aが○印、未包装の製品20Aが□印、包装済みの製品20Bが△印、未包装の製品20Bが×印でプロットされている。
この実験結果によれば、製品20Aについては、偏光成分の差分D−Dに基づいて、包装済みの物(○印)と未包装の物(□印)を識別することは不可能であることが読み取れる。また、製品20Bについては、適切な判別閾値を予め与えることができるならば、偏光成分の差分D−Dに基づいて、包装済みの物(△印)と未包装の物(×印)とを識別可能であるが、両者の縦軸方向における間隔が狭く、適切な判別閾値をユーザが設定するのは容易でないことが読み取れる。
本願発明者は、様々な対象物について同様の実験を行った。その結果、偏光成分の差分D−Dに基づいて、対象物が包装済みか未包装かを判別することが不可能となる場合があることが明らかになった。また、辛うじて判別可能ではあるが、偏光成分の差分D−D上における間隔が狭い場合が少なくなく、この様な場合には、従来のようなティーチング動作を行ったとしても、判別のための閾値を適切に決定することはできないことが明らかになった。
また、本願発明者は、このような実験結果から、透明フィルムからの反射光を測定した場合に、その配置方向によってP偏光成分D及びS偏光成分Dが大きく変化し、更に当該変化は直線的であることを発見した。なお、反射面が透明フィルムでない場合には、配置方向による変化は比較的小さいことがわかる。
さらに、本願発明者は、透明フィルムの配置方向に応じた特性変化は、その傾きが透明フィルムによって異なることを発見した。この傾きは、透明フィルムの素材、厚さ、製造方法などに依存すると考えられる。
一般に、光沢を有する反射面では、入射角と反射角が等しい正反射が生じ、光沢を有しない反射面では、反射角が入射角とは無関係となる散乱反射が生ずることが知られている。また、正反射の場合には、入射光の偏光面が反射光においても維持されるが、散乱反射の場合には、反射時に偏光面がランダムに変化することが知られている。つまり、入射光がP偏光であれば、正反射面からの反射光はP偏光となるが、散乱反射面からの反射光はP偏光成分及びS偏光成分が等しくなっている。
一方、透明フィルムに光を照射した場合には、複屈折が生じることが知られている。つまり、透明フィルム内外の密度差に起因して、入射光はフィルム内において位相の異なる光成分に分離され、これらの光成分が相互に干渉することによって、入射光の偏光面は反射時に回転し、入射光がP偏光であった場合、反射光には、P偏光成分及びS偏光成分が所定の比率で含まれることになる。この比率は、素材、厚さなどの透明フィルムの諸特性や入射角に依存する。
これに加えて、図2の実験結果によれば、包装済みの対象物は、その配置方向によって、P偏光成分及びS偏光成分の比率が大きく変化しており、透明フィルムにおける複屈折現象は異方性を有することが読み取れる。このような異方性は、透明フィルムの製造工程や、対象物の包装工程などに起因して発生すると考えられる。特に、圧延フィルムの場合、製造工程における延伸方向と照射光の入射方向との関係に依存して、反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dの比率が変化し、D,D−D平面上において直線状の特性を示すことが実験により明らかとなった。また、この特性の傾きが、透明フィルムの種類によって異なることも明らかになった。
図4は、本発明の実施の形態1による評価式及び判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。図中の20wは包装済みの対象物の特性、20nは未包装の対象物の特性、42Lは判別ラインを示している。また、図中の(a)及び(b)は、同じデータを座標軸を異ならせて示した図であり、横軸はともにDであるが、縦軸は(a)がD−D、(b)がD+kDとなっている。
サンプリング点Sw1及びSw2は、透明フィルムで包装された既知の対象物を測定する検出ティーチングモードにおいて、対象物の配置方向を異ならせて測定された測定データである。これらのサンプリング点Sw1,Sw2から、包装済みの特性20wの傾きを求めることができる。
サンプリング点Snは、未包装の既知の対象物を測定する非検出ティーチングモードにおいて測定された測定データである。判別ライン42Lは、特性20wに平行、かつ、2つのサンプリング点Sw1,Snを結ぶ中点を通る直線からなる。このような判別ライン42Lは、3つのサンプリング点Sw1,Sw2,Snのみに基づいて決定することができ、当該判別ライン42Lを用いれば、包装済みの対象物と、未包装の対象物とを精度良く判別することができる。
図中の(b)は、判別ライン42Lが横軸に平行となるように、図中の(a)を座標変換して示したものである。つまり、(a)における特性20wの傾きがaであれば、k=−a−1とすればよい。この様にして求められた(b)の縦軸D+kDは、評価値算出部31において用いられる評価式に相当し、横軸に平行な判別ライン42Lの値は、比較判別部32において用いられる判別閾値Hthに相当する。
図5は、図4に示した本発明の実施の形態1に対する比較例を示した説明図である。この図では、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードにおいて、それぞれ1つのサンプリング点Sw,Snの測定を行って、これらのサンプリング点Sw,Snを結ぶ中点を通る横軸に平行な直線を判別ライン42L’として採用した例である。つまり、評価式としてD−Dを採用し、2つのサンプリング点Sw,Snの中央を判別閾値Hthとしている。この場合、判別ライン42L’が特性20wと交差しているため、誤判別が発生してしまう。
なお、図5の場合でも、検出ティーチングモードにおいて得られたサンプリング点Sw1が、偶然、特性20w上における更に右寄りの位置であった場合には、判別モードにおいて正しく判別することが可能となる。つまり、ユーザは、検出ティーチングを行うたびに、誤判別が発生しないかを検証する操作を繰り返せば、このような特性20w,20nの場合であれば、適切な判別閾値Hthを得ることができる。ただし、図2に示した製品20Aのように、特性20wと20nが横軸方向に重なっている場合には、誤判別を生じさせない判別閾値Hthが存在せず、この様な試行錯誤によって適切な判別閾値Hthが得られることはない。
[動作説明]
次に、本発明の実施の形態1による透明フィルム検出装置10の動作について説明する。
図6のステップS101〜S110は、図1の透明フィルム検出装置10における動作の一例を示したフローチャートである。まず、ユーザによって、ティーチングモード又は判別モードのいずれかが選択される(ステップS101)。ティーチングモードが選択された場合には、ステップS102へ進み、判別モードが選択された場合には、ステップS107へ進む。ただし、評価式の係数k又は判別閾値Hthがまだ決定されていない場合には、強制的にティーチングモードへ進む。
ティーチングモード時は、ユーザが準備した既知の対象物について測定が行われる。ここでは、検出ティーチングモードが実行された後に、非検出ティーチングモードが実行される例について説明するが、両ティーチングモードの実行の順序は重要でなく、また、必要に応じて一方のティーチングモードのみを実行することもできる。
検出ティーチングモードでは、透明フィルムを有する対象物の配置方向を変化させながら、2回以上のサンプリングが行われる(ステップS102)。このサンプリング処理は、判別モードの場合と同様、反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dを測定する処理であり、検出ティーチングモードが終了するまで繰り返される(ステップS103)。サンプリング処理は、ユーザ操作をトリガーとして行ってもよいが、所定時間ごとにサンプリング処理が繰り返し実行されるようにしておくことが望ましい。また、検出ティーチングモードの終了は、ユーザ操作によって行ってもよいが、サンプリング数が予め定められた終了回数に達し、あるいは、予め定められたサンプリング時間が経過したことを検出ティーチング処理の終了条件とすることもできる。
検出ティーチングモードが終了すれば、検出ティーチングモードにおいて得られた2つのサンプリング点Sw1,Sw2の傾きから評価式の係数kが算出される(ステップS104)。例えば、サンプリング点Sw1のP,S偏光成分をDPw1,DSw1とし、サンプリング点Sw2のP,S偏光成分がDPw2,DSw2とし、これらのサンプリング点Sw1,Sw2がDSw1<DSw2の関係にある場合、係数kは次式(2)によって求めることができる。つまり、係数kは、S偏光成分Dに対するP偏光成分Dの変化率の符号を反転させた値となる。
Figure 0004796345
なお、検出ティーチングモードにおいて3以上のサンプリング点が得られた場合には、互いに最も離れている2個のサンプリング点をSw1,Sw2とすれば、上式(2)から係数kを求めることができる。一般に、サンプリング数が多くなるほど、より離れた2個のサンプリング点が得られることから、より望ましい係数kを求めることができる。
次に、非検出ティーチングモードに移行する。非検出ティーチングモードでは、透明フィルムを有しない対象物について少なくとも1回のサンプリングが行われる(ステップS105)。このサンプリング処理も、判別モード時と同様、反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dを測定する処理である。
検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードが終了すれば、両ティーチングモードで得られた測定データから判別閾値Hthが算出される(ステップS106)。すなわち、ステップS104で求められた係数kを含む評価式を用いて、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードで測定された各1個のサンプリング点Sw,Snに関する評価値Hw,Hsがそれぞれ求められる。判別閾値Hthは、少なくともこれらの評価値の間の値として決定される。ここでは、評価値Hw,Hsの中央値(Hw+Hs)/2を判別閾値Hthとしている。
ステップS101で判別モードが選択された場合、あるいは、ステップS102〜S106において評価式の係数k及び判別閾値Hthが決定された場合には、判別モードに移行する。判別モードでは、透明フィルムを有するか否かが未知の対象物についてサンプリングが行われる(ステップS107)。このサンプリング処理により、未知の対象物からの反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dが測定される。
この測定結果に基づいて、ステップS104で求められた評価式D+kDを用いて、評価値Hが算出される(ステップS108)。算出された評価値Hは、ステップS106で求められた判別閾値Hthと比較され、その比較結果が判別結果として出力される。つまり、評価値Hが判別閾値Hthを越えていれば、透明フィルムを有する対象物であると判別され、判別閾値Hth以下であれば、透明フィルムを有しない対象物であると判別される。
本実施の形態による透明フィルム検出装置は、透明フィルムを有する既知の対象物についてP及びS偏光成分D,Dを測定する検出ティーチングモードにおいて、対象物の配置方向を異ならせて2回以上の測定を行って、評価式D+kDの係数kを決定している。従って、未知の対象物について測定されたP及びS偏光成分D,Dを上記評価式を用いて評価値Hに変換し、この評価値Hに基づいて透明フィルムを判別すれば、対象物の配置方向に依存しない透明フィルムの判別処理を行うことができる。
従って、P及びS偏光成分の差分D−Dに基づく従来の判別方法では判別不可能であった透明フィルムであっても判別することができる。また、従来の判別方法でも判別ができるが、判別閾値を決定することが困難な透明フィルムの場合であっても、容易に判別閾値を決定することができる。さらに、いずれの場合にも、ユーザは検出ティーチングモード時に対象物を回転させるだけでよく、透明フィルムの異方性の影響について深く理解することなく、高精度の判別を行うことができる。
なお、本実施の形態では、照射光としてP偏光を用いる透明フィルム検出装置の例について説明したが、本発明はこのような場合には限定されない。例えば、照射光としてS偏光を用いることもできる。この場合、フィルム判別部3及び判別基準決定部4では、受光部2からのP偏光成分及びS偏光成分を入れ替えて取り扱う必要があることは言うまでもない。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、検出ティーチングモード時に、対象物の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリングを行う透明フィルム検出装置の例について説明した。本実施の形態では、更に、非検出ティーチングモード時についても、対象物の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリングを行う透明フィルム検出装置について説明する。
図7は、本発明の実施の形態2による評価式及び判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。図中の20wは包装済みの対象物の特性、20nは未包装の対象物の特性、42Lは判別ラインを示している。また、図中の(a)及び(b)は、同じデータを座標軸を異ならせて示した図であり、横軸はともにDであるが、縦軸は(a)がD−D、(b)がD+kDとなっている。
サンプリング点Sw1及びSw2は、透明フィルムで包装された既知の対象物を測定する検出ティーチングモードにおいて、対象物の配置方向を異ならせて測定された測定データである。これらのサンプリング点Sw1,Sw2から、包装済みの特性20wの傾きを求めることができる。
サンプリング点Sn1,Sn2は、未包装の既知の対象物を測定する非検出ティーチングモードにおいて測定された測定データである。本実施の形態では、非検出ティーチングモードにおいても、対象物の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリングが行われており、これらのサンプリング点Sn1,Sn2から、未包装の特性20nの傾きを求めることができる。
判別ライン42Lの傾きは、特性20w及び特性20nの傾きの間の値となるように決定される。ここでは、特性20w,20nの傾きの平均値を判別ライン42Lの傾きとしている。また、判別ライン42Lは、特性20w上の任意のサンプリング点Sw1と、20n上の任意のサンプリング点Sn1の中点を通る直線として決定される。
図2の実験結果に示した通り、特性20nについても、特性20wに比べて変化量は小さいが、対象物の配置方向に応じて変化していることが読み取れる。しかも、特性20w及び20nの傾きは異なっていることから、両特性20w及び20nの傾きを考慮して、判別ライン42Lの傾きを決定すれば、両特性20w及び20nの距離が近い場合であっても精度よく判別することが可能となる。
図中の(b)は判別ライン42Lが横軸に平行となるように、図中の(a)を座標変換して示したものである。つまり、(a)における特性20wの傾きがa、特性20nの傾きがbであれば、k=−(a+b)/2−1にすればよい。この様にして求められた(b)の縦軸D+kDは、評価値算出部31において用いられる評価式に相当し、判別ライン42Lの値は、比較判別部32において用いられる判別閾値Hthに相当する。
図8のステップS201〜S211は、本発明の実施の形態2による動作の一例を示したフローチャートである。図6のフローチャートと比較すれば、ステップS205(非検出ティーチングモードの終了)が追加されるとともに、ステップS206(係数算出)が非検出ティーチングモードの終了後に実行される点で異なる。
非検出ティーチングモードでは、透明フィルムを有しない既知の対象物の配置方向を変化させながら、2回以上のサンプリングが行われる(ステップS204)。このサンプリング処理は、非検出ティーチングモードが終了するまで繰り返される(ステップS205)。サンプリング処理は、ユーザ操作をトリガーとして行ってもよいが、所定時間ごとにサンプリング処理が繰り返し実行されるようにしておくことが望ましい。また、非検出ティーチングモードの終了は、ユーザ操作によって指定してもよいが、サンプリング数が予め定められた終了回数に達し、あるいは、予め定められたサンプリング時間が経過したことを検出ティーチング処理の終了条件とすることもできる。
非検出ティーチングモードが終了すれば、検出ティーチングモードで得られた2つのサンプリング点Sw1,Sw2から特性20wの傾きaが求められるとともに、非検出ティーチングモードで得られた2つのサンプリング点Sn1,Sn2の傾きから特性20nの傾きbが得られる。これらの傾きa,bから評価式の係数kが算出される(ステップS206)。例えば、サンプリング点Swi(i=1,2)のP,S偏光成分をDPwi,DSwiとし,サンプリング点Sni(i=1,2)のP,S偏光成分をDPni,DSniとし、これらのサンプリング点がDSw1<DSw2,DSn1<DSn2の関係にあるとすれば、係数kは次式(3)によって求めることができる。つまり、係数kは、検出ティーチングモード及び検出ティーチングモードについて、S偏光成分Dに対するP偏光成分Dの変化率をそれぞれ求め、これらの平均値の符号を反転させた値となる。
Figure 0004796345
なお、非検出ティーチングモードにおいて3以上のサンプリング点が得られた場合には、互いに最も離れている2個のサンプリング点をSn1,Sn2とすれば、上式(3)から係数kを求めることができる。一般に、サンプリング数が多くなるほど、より離れた2個のサンプリング点が得られることから、より望ましい係数kを求めることができる。
本実施の形態による透明フィルム検出装置は、検出ティーチングモードだけでなく、非検出ティーチングモードにおいても、対象物の配置方向を異ならせて2回以上の測定を行って、評価式D+kDの係数kを決定している。つまり、透明フィルムを有する対象物の特性20wの傾きだけでなく、透明フィルムを有しない対象物の特性20nの傾きも考慮した評価値を用いて判別することができる。従って、特性20w及び20nが近接しており、その最短距離が短い場合であっても、誤判別が発生しにくくなり、判別閾値Hthの決定も容易になる。
実施の形態3.
実施の形態1及び2では、評価式の係数kを決定するために、ティーチングモード時に対象物の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリングを行う透明フィルム検出装置の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、評価式の係数kは予め定められる一方、判別閾値Hthを決定するために、ティーチングモード時に対象物の配置方向を異ならせて2回以上のサンプリングを行って透明フィルム検出装置について説明する。
図9は、本発明の実施の形態3による透明フィルム検出装置10の一構成例を示したブロック図である。図1に示したブロック図と比較すれば、評価式決定部41を備えていない点で異なる。
本実施の形態では、評価値算出部31が、予め定められた係数kを用いて評価値Hを求めている。例えば−1<k<1の範囲内であって、製造時に決定されている値、あるいは、ユーザが任意に指定した値を係数kとして使用する。ここで、k=0とすれば、評価値HはP偏光成分Dに等しくなる。つまり、P偏光測定部21の出力Dを評価値Hとして使用することができるので、評価値算出部31を省略することができ、装置構成を簡略化することができるとともに、判別処理の速度を向上させることができる。
閾値決定部42は、検出ティーチングモードにおいて2以上のサンプリング点Sw1,Sw2,…が得られた場合には、S偏光成分Dがより大きいサンプリング点を選択する。同様にして、非検出ティーチングモードにおいて2つのサンプリング点Sn1,Sn2,…が得られた場合には、S偏光成分Dがより大きいサンプリング点を選択する。このようにして選択された2個のサンプリング点に基づいて、判別閾値Hthを決定する。
図10は、本発明の実施の形態3による判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。図中の20wは包装済みの対象物の特性、20nは未包装の対象物の特性、42Lは判別ラインを示している。また、図中の(a)及び(b)は、同じデータを座標軸を異ならせて示した図であり、横軸はともにDであるが、縦軸は(a)がD−D,(b)がD+kDとなっている。
また、サンプリング点Sw1及びSw2は、透明フィルムで包装された既知の対象物を測定する検出ティーチングモードにおいて、対象物の配置方向を異ならせて測定された測定データである。また、サンプリング点Sn1,Sn2は、未包装の既知の対象物を測定する非検出ティーチングモードにおいて測定された測定データである。
本実施の形態では係数kが予め定められていることから、判別ライン42Lの傾き−k−1)は予め定められている。この判別ライン42Lは、判別が最も難しい特性20w上のサンプリング点と、判別が最も難しい特性20n上のサンプリング点との間を通るように決定される。ここでは、両サンプリング点を結ぶ中点を通る様に決定されるものとする。
図中の(a)において、特性20wは右下がりの特性を有し、特性20nは特性20wよりも下方に位置し、水平又はやや右肩上がりの特性を示す。このため、両特性20w,20nは、図中で右へ行くほど互いの距離が近くなると考えられる。このため、特性20w,20nのそれぞれについて、S偏光成分Dが最大となるサンプリング点を選択すれば、判別が最も難しいサンプリング点の組み合わせが得られる。
図中の(b)は判別ライン42Lが横軸に平行となるように、図中の(a)を座標変換して示したものである。(b)における判別ライン42Lの縦軸の値は、比較判別部32において用いられる判別閾値Hthに相当する。
図11のステップS301〜S310は、本発明の実施の形態3による動作の一例を示したフローチャートである。図8のフローチャートと比較すれば、ステップS206(係数算出)が行われない点で異なる。
ステップS306では、S偏光成分Dに基づいて、検出ティーチングモードで得られた1個のサンプリング点と、非検出ティーチングモードで得られた1個のサンプリング点が選択され、これらの2個のサンプリング点に基づいて判別閾値Hthが決定される。すなわち、閾値決定部42により選択された特性20w上のサンプリング点SwのP,S偏光成分をDPw,DSwとし、特性20n上のサンプリング点SnのP,S偏光成分をDPn,DSnとすれば、判別閾値Hthは、次式(4)によって求めることができる。
Figure 0004796345
なお、ティーチングモードにけるサンプリング数が多くなるほど、判別がより難しいサンプリング点Sw,Snの組み合わせが得られると考えられ、より望ましい判別閾値Hthを求めることができる。
本実施の形態による透明フィルム検出装置は、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードのそれぞれにおいて、対象物の配置方向を異ならせて2回以上の測定を行って、判別閾値Hthを決定している。従って、透明フィルムを有する対象物の特性20wと、透明フィルムを有しない対象物の特性20nが近接し、その最短距離が短い場合であっても、適切な判別閾値Hthが得られ、誤判別が発生しにくくなる。
なお、本実施の形態では、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードのそれぞれについて2回以上のサンプリングを行う例について説明したが、本発明は、このような場合に限定されない。すなわち、検出ティーチングモード及び非検出ティーチングモードの少なくとも一方について2回以上のサンプリングが行われ、判別が最も難しいサンプリング点が選択されたならば、一定の効果が得られる。特に、対象物の配置方向によって特性が大きく変化する検出ティーチングモードについて、2回以上のサンプリングが行われることが望ましい。
また、上記実施の形態1〜3に記載された各構成は、適宜に組み合わせて採用することができる。例えば、実施の形態2における評価式の係数kの決定方法と、実施の形態3における判別閾値Hthの決定方法をともに採用した透明フィルム検出装置を実現することもできる。
また、上記実施の形態1〜3では、透明フィルムで包装された対象物と、未包装の対象物を判別する場合の例について説明したが、本発明は、透明フィルムによる包装の有無を検出するための装置には限定されない。すなわち、本発明による透明フィルム検出装置は、反射面が透明フィルムからなるか否かを検出することができる装置であり、対象物を包装している透明フィルムの判別処理には限定されない。例えば、対象物の一部が透明フィルムで構成される場合に、当該透明フィルム部の判別処理にも利用することができる。
また、上記実施の形態1〜3では、対象物に付随する透明フィルムの検出を行う場合の例について説明したが、本発明はこのような場合には限定されない。すなわち、対象物が透明フィルムそれ自体であり、透明フィルムを検出することによって、対象物を検出する装置として利用することもできる。例えば、製造ライン上を透明フィルムのみが搬送されている場合に、その有無を検出する装置として利用することもできる。
さらに、上記実施の形態1〜3では、ティーチングモード及び判別モードが、順に実行される場合の例について説明したが、本発明による透明フィルム検出装置はこのようなものに限定されない。例えば、ティーチングモード及び判別モードが並列実行されるものであってもよい。
本発明の実施の形態1による透明フィルム検出装置10の一構成例を示したブロック図である。 対象物20の配置方向を変化させて、反射光に含まれるP偏光成分D及びS偏光成分Dを測定した実験結果を示した図である。 対象物20の配置方向を変化させる様子を示した説明図である。 本発明の実施の形態1による評価式及び判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。 図4に示した本発明の実施の形態1に対する比較例を示した説明図である。 図1の透明フィルム検出装置10における動作の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2による評価式及び判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。 本発明の実施の形態2による動作の一例を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態3による透明フィルム検出装置10の一構成例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態3による判別閾値Hthの決定方法についての説明図である。 本発明の実施の形態3による動作の一例を示したフローチャートである。
符号の説明
1 投光部
2 受光部
21 P偏光測定部
22 S偏光測定部
3 フィルム判別部
31 評価値算出部
32 比較判別部
4 判別基準決定部
41 評価式決定部
42 閾値決定部
42L 判別ライン
5 動作モード制御部
10 透明フィルム検出装置
20 対象物
20n 未包装の対象物の特性
20w 包装済みの対象物の特性
P偏光成分
S偏光成分
H,Hs,Hw 評価値
Hth 判別閾値
k 係数
Sn,Sn1,Sn2 非検出ティーチングモードでのサンプリング点
Sw,Sw1,Sw2 検出ティーチングモードでのサンプリング点

Claims (6)

  1. 第1偏光を主成分とする照射光を検出エリアへ照射する投光部と、
    上記検出エリアからの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、
    上記受光部の測定結果から評価式(D +kD を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較することにより、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、
    上記検出エリア内に配置された透明フィルムについて、上記照射光の偏光面に対する該透明フィルムの配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果から得られる第1偏光成分D に対する第2偏光成分D の変化率に基づいて、上記係数kを決定する評価式決定手段とを備え、
    第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であることを特徴とする透明フィルム検出装置。
  2. 第1偏光を主成分とする照射光を検出エリアへ照射する投光部と、
    上記検出エリアからの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、
    上記受光部による測定結果及び予め定められた係数kを用いた評価式(D+kD)を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、
    上記検出エリア内に配置された透明フィルムについて、上記照射光の偏光面に対する該透明フィルムの配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定する閾値決定手段とを備え、
    第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であることを特徴とする透明フィルム検出装置。
  3. 上記閾値決定手段は、上記透明フィルムの測定結果のうち、第2偏光成分Dが最大となる測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定することを特徴とする請求項2に記載の透明フィルム検出装置。
  4. 第1偏光を主成分とする照射光を対象物へ照射する投光部と、
    上記対象物からの反射光に含まれる偏光面の異なる第1偏光成分D及び第2偏光成分Dを測定する受光部と、
    上記受光部による測定結果及び予め定められた係数kを用いた評価式(D+kD)を用いて求められる評価値及び判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別するフィルム判別手段と、
    透明フィルムを有しない対象物を測定した少なくとも1つの測定結果、及び、透明フィルムを有する対象物の上記照射光の偏光面に対する配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定する閾値決定手段とを備え、
    第1偏光成分D及び第2偏光成分Dのうち、一方がP偏光成分であり、他方がS偏光成分であることを特徴とする透明フィルム検出装置。
  5. 上記閾値決定手段は、上記透明フィルムを有しない対象物の上記照射光の偏光面に対する配置方向を該照射光の光軸周りに異ならせて測定した2以上の測定結果に基づいて、上記判別閾値を決定することを特徴とする請求項4に記載の透明フィルム検出装置。
  6. 上記予め定められた係数kが0であって、
    上記フィルム判別手段は、上記評価式(D)を用いて求められる上記評価値及び上記判別閾値を比較し、上記反射光が透明フィルムによる反射光であるか否かを判別することを特徴とする請求項4に記載の透明フィルム検出装置。
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