JP3345801B2 - トイレのドア装置 - Google Patents

トイレのドア装置

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JP3345801B2
JP3345801B2 JP23294997A JP23294997A JP3345801B2 JP 3345801 B2 JP3345801 B2 JP 3345801B2 JP 23294997 A JP23294997 A JP 23294997A JP 23294997 A JP23294997 A JP 23294997A JP 3345801 B2 JP3345801 B2 JP 3345801B2
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孝実 森
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トイレ内の空間の
広さを、トイレの「空き」状態の時よりも、「使用中」
状態の時の方が広くなるようにしたトイレのドア装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トイレの前方開口部を覆いうる円
弧状のドアを、ドアの突出面が前方となって、トイレの
前方開口部を覆う「使用中」状態と、ドアの突出面がこ
れと逆向きで、トイレの後壁と対向する「空き」状態と
の間を移動可能としたものが、例えば、特開平5−44
348号公報、特公平8−6474号公報、及び特公平
8−6475号公報に開示されている。
【0003】これらの装置では、トイレ内の空間の広さ
が、トイレの「空き」状態の時よりも、「使用中」状態
の時の方が広くなり、各トイレが、「空き」状態の時に
は、各トイレの前方の通路空間が広くとれ、トイレが
「使用中」状態の時には、トイレ内の空間がトイレの使
用に支障がないように広くとれるため、より狭い空間に
もトイレの設置が可能となり、トイレ室全体での空間の
利用効率が向上するという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の装置で
は、トイレが「空き」状態の時に、ドアの突出面が閉止
位置と逆向きのトイレの後壁と対向する位置となり、ト
イレの前方開口部を閉じるため、トイレの内部が見え
ず、トイレ内の汚れの状況や、トイレットペーパーの減
り具合が外部からは判断できず、トイレ内の清掃やメン
テナンスがやりにくいという問題があった。また、トイ
レが「空き」状態の時に、トイレの内部が見えないため
に、防犯上の不安や、トイレの使い方が分かりにくいと
いう問題もある。
【0005】さらに、上述の従来の装置は、円弧状のド
アの円弧の中心を吊支するという大がかりな構造であ
り、必然的にコスト高なものとなるという問題があっ
た。
【0006】本発明は、このような問題点を解決するた
めに、トイレ内の空間の広さを、トイレの「空き」状態
の時よりも、「使用中」状態の時の方が広くなるように
するとともに、トイレが「空き」状態の時には、トイレ
の前方開口部を広く開放して、トイレの内部を見えるよ
うにし、しかもドアの案内及び支持を、強固に取り付け
られた簡単なレール構造で確実に行うようにすることを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。(1) トイレの一方
の側壁の上部に、前後方向を向き、かつ下面の中央が開
口するチャンネル形断面の収納用レールを配設するとと
もに、該収納用レールの前端から、トイレの前方開口部
の上部にかけて、前方に円弧状に突出し、かつ収納用レ
ールと同一断面の円弧状の開閉案内レールを延設し、少
なくとも前記前方開口部を閉塞する閉止位置では、前記
開閉案内レールの曲率とほぼ同一の曲率となる板状のド
アを、その上部の複数箇所で、前記開閉案内レールの下
面の開口の両脇に対向する肩部上に走行可能に装架した
対をなす走行車輪を有する走行装置により吊支し、走行
装置の下部に、各レールの両肩部の対向面と当接して水
平方向に転動可能なガイドローラを設け、さらに、収納
用レール及び開閉案内レールの開放端部側のレール内に
緩衝材を設けるとともに、ドアの上端または走行装置
に、前記緩衝材と当接する当接体を設け、かつ側壁側の
前面板の下部に、戸当たりストッパを設けるとともに、
ドアの前端に、戸当たりストッパの先端及びその前面側
にかけて当接する弾性当接部を設けてなり、この弾性当
接部は、2つの山形の盛り上がり部分を備え、その中間
の谷部に戸当たりストッパが当接するような形状であっ
て、しかも、ドアの前部となる盛り上がり部分の方を、
後方の盛り上がり部分よりも高くしてある。
【0008】(2) 上記(1)項において、収納用レール
が、開閉案内レールと同一曲率の円弧状に形成され、ド
アが、前記開閉案内レールとほぼ同一曲率の円弧状に形
成されている。
【0009】(3) 上記(1)項において、収納用レール
が直線状をなし、ドアが、上下方向を向く複数の板材の
端部同士を屈曲可能に連結したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のドア装置の一実
施例を備えるトイレを2つ左右に並設したものの平面図
で、各トイレは、左右両側の側壁(1)(1)及び後壁(2)
により仕切られ、前方は大きく開放されて、前方開口部
(3)となっている。
【0011】各トイレの前面開口部(3)には、図1の左
方の側壁(1)の前端から右方の側壁(1)の方向に延びる
狭幅の前面板(4a)が設けられている。右方の側壁(1)の
前端には、左方の側壁(1)の方向に延びる前面板(4)が
設けられている。隣接するトイレの間における前面板
(4)と(4a)は、連続板状とされている。
【0012】各トイレの右方の側壁(1)の上部内側に
は、前後方向を向く半円弧状の収納用レール(5a)の前部
が、支持金具(6)により、また、同じく後部が、支持金
具(13)により、水平に取り付けられている。
【0013】前面板(4)(4a)の上端には、支持金具(6)
(14)により、収納用レール(5a)と同一断面、同一曲率の
円弧状の水平の開閉案内レール(5b)が掛け渡されてい
る。収納用レール(5a)と開閉案内レール(5b)は、その中
心を同じくし、連続してほぼ半円を形成している。
【0014】図1及び図2に示すように、収納用レール
(5a)及び開閉案内レール(5b)により形成される半円形の
レールには、複数の走行装置(11)を介して、このレール
とほぼ同一の曲率をもつ板状のドア(10)が吊支されてい
る。
【0015】レール(5a)(5b)は、図3及び図4に示すよ
うに、同様の下向きU字形断面のもので、走行装置(11)
の同一軸上に並置した1対の走行車輪(12)を、下部の開
口に対向して設けた内向縁(7)上に支持させている。
【0016】ドア(10)は、おおよそ4半分の円弧をな
し、前方開口部(3)を覆うに充分の長さのものである。
図1の右側のトイレは、ドア(10)を開放した状態(「空
き」状態)、左側のトイレは、ドア(10)により前方開口
部(3)を閉鎖した状態(「使用中」状態)を示してい
る。
【0017】図3及び図4に示すように、走行装置(11)
の1対の走行車輪(12)(12)の前後には、水平のガイドロ
ーラ(8)が設けられており、対向する内向縁(7)の内端
面に回転的に当接するようになっている。走行車輪(12)
及びガイドローラ(8)を支持する軸は下方に延び、取付
片(9)を介して、ボルト(15)によりドア(10)の頂部に取
り付けられている。
【0018】図5に示す走行装置(11)の変形例では、走
行車輪(12)は2対設けられており、ガイドローラは1つ
である。
【0019】図6及び図7に示すように、開閉案内レー
ル(5b)の開放端部に設けられたストッパ(16)は、合成ゴ
ムのような弾性体の緩衝材(17)を取付具(18)により開閉
案内レール(5b)に固定したものであり、ドア(10)の端部
の頂面に取り付けた当接部すなわち突出部材(19)が、こ
れに衝突して、ドア(10)の移動を停止させる。
【0020】図8及び図9に示すストッパ(16)の変形例
は、緩衝材(17)が、2対の走行車輪(12)を有する走行装
置(11)の対をなす走行車輪(12)の中間支持部に当接する
型式のものである。
【0021】図10に示すストッパ(16)の第2の変形例
は、ドア(10)の側壁(1)側の端部に設けられ、緩衝材(1
7)はコイルばねである。
【0022】図11は、ドア(10)の前端の裏側下部に設
けた戸当たりストッパ(20)(図2参照)と、これに当接
するようにドア(10)の前端面に設けられた硬質弾性当接
部(21)とを示している。
【0023】弾性当接部(21)は、2つの山形の盛り上が
り部分を備え、その中間の谷部に戸当たりストッパ(20)
が当接するような形状で、しかもドア(10)の前部となる
盛り上がり部分の方が、後方の盛り上がり部分よりも高
くしてあるので、間違ってもドア(10)が内方にずり込ま
ないようにされている。なお、(22)はドア(10)の引き手
を示す。
【0024】図12は、ドア装置の第2の実施例を示す
もので、この実施例においては、収納用レール(5a)は、
側壁(1)と平行な直線状のもので、開閉案内レール(5b)
が円弧状のものである。
【0025】ドア(10)は、横断面が浅い円弧状をなし、
上下方向に長い板材(10a)を複数個(図示の場合3個)
屈曲可能に連結してなるものであり、図12の右端に示
す格納位置から、左端に示す閉鎖位置まで移動させるこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、トイレ
内の空間の広さが、トイレの「空き」状態の時よりも、
「使用中」状態の時の方が大となり、各トイレが「空
き」状態の時には、各トイレの前方の通路空間が広くと
れ、トイレが「使用中」状態の時には、トイレ内の空間
がトイレ使用に支障がないように広くとれるために、よ
り狭い空間でも、トイレの設置が可能となり、トイレ室
全体での空間の利用率が向上する。
【0027】また、トイレが「空き」状態の時には、ト
イレの前方開口部が開放されて、トイレの内部が見える
ようになるので、トイレ内の汚れの状況や、トイレット
ペーパーの減り具合を、外部から観察でき、トイレ内の
清掃やメンテナンスがやりやすくなる。
【0028】各レールの断面を、下面の中央に開口部を
有するチャンネル状としてあるから、レール内部及び走
行装置内へのほこりの侵入が防止でき、かつ、走行装置
がレールから脱落することがない。
【0029】走行装置の下部に、各レールの両肩部の対
向面と当接して水平方向に転動可能なガイドローラを設
けてあるから、ドアの開閉に際して、走行装置を安定し
て走行させることができ、ドアはぶれを生じることな
く、スムーズに移動する。
【0030】収納用レール及び開閉案内レールの開放端
部側のレール内に緩衝材を設けるとともに、ドアの上端
または走行装置に、前記緩衝材と当接する当接体を設け
てあるから、ドアの開閉の停止を衝撃なく行うことがで
き、しかも緩衝材が外部に表れないので、見栄えがよ
い。
【0031】側壁側の前面板の下部に、戸当たりストッ
パを設けるとともに、ドアの前端に、戸当たりストッパ
の先端及びその前面側にかけて当接する弾性当接体を設
けてあるから、ドア閉鎖時のドアの停止が確実に行わ
れ、多少激しくドア端部が衝突しても、ドアが内側にず
れ込むようなことがない。
【0032】請求項2記載の発明によると、収納レー
ルが、開閉案内レールと同一曲率の円弧状に形成され、
ドアが、前記開閉案内レールとほぼ同一曲率の円弧状に
形成されているから、ドアは、無理なく収納レール及
開閉案内レールに案内され移動することができる。
【0033】請求項3記載の発明によると、収納レー
ルが直線状をなし、ドアが、上下方向を向く複数の板材
の端部同士を屈曲可能に連結したものであるから、ドア
は、収納時に大きい面積を占めることなく収容され、ト
イレの内部空間を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を備えるトイレを2つ左
右に並設したものの平面図である。
【図2】図1の右側のトイレの立面図である。
【図3】走行装置付近の拡大縦断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】走行装置の変形例を示す、図4と同様の断面図
である。
【図6】間仕切レールの前端付近の拡大横断面図で、緩
衝材を示す図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】間仕切レールの前端付近の拡大横断面図で、緩
衝材の変形例を示す図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】収納レールの後端付近の拡大縦断面図で、緩
衝材の変形例を示す図である。
【図11】戸当たりストッパを示すドア前端付近の拡大
平面図である。
【図12】本発明の第2の実施例を備えたトイレの平面
図である。
【符号の説明】 (1)側壁 (2)後壁 (3)前方開口部 (4)(4a)前面板 (5a)収納用レール (5b)開閉案内レール (6)支持金具 (7)内向縁 (8)ガイドローラ (9)取付片 (10)ドア (10a)板材 (11)走行装置 (12)走行車輪 (13)(14)支持金具 (15)ボルト凹所 (16)ストッパ (17)緩衝材 (18)取付具 (19)当接体 (20)戸当たりストッパ (21)弾性当接部 (22)引き手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−306909(JP,A) 特開 平1−207582(JP,A) 特開 平2−136487(JP,A) 実開 平4−16283(JP,U) 実開 昭62−27170(JP,U) 実開 平5−94491(JP,U) 登録実用新案3008192(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05D 15/00 E06B 3/42 - 3/46 E04H 1/12 301 E05F 5/02 E05C 17/46

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トイレの一方の側壁の上部に、前後方向
    を向き、かつ下面の中央が開口するチャンネル形断面の
    収納用レールを配設するとともに、該収納用レールの前
    端から、トイレの前方開口部の上部にかけて、前方に円
    弧状に突出し、かつ収納用レールと同一断面の円弧状の
    開閉案内レールを延設し、少なくとも前記前方開口部を
    閉塞する閉止位置では、前記開閉案内レールの曲率とほ
    ぼ同一の曲率となる板状のドアを、その上部の複数箇所
    で、前記開閉案内レールの下面の開口の両脇に対向する
    肩部上に走行可能に装架した対をなす走行車輪を有する
    走行装置により吊支し、走行装置の下部に、各レールの
    両肩部の対向面と当接して水平方向に転動可能なガイド
    ローラを設け、さらに、収納用レール及び開閉案内レー
    ルの開放端部側のレール内に緩衝材を設けるとともに、
    ドアの上端または走行装置に、前記緩衝材と当接する当
    接体を設け、かつ側壁側の前面板の下部に、戸当たりス
    トッパを設けるとともに、ドアの前端に、戸当たりスト
    ッパの先端及びその前面側にかけて当接する弾性当接部
    を設けてなり、この弾性当接部は、2つの山形の盛り上
    がり部分を備え、その中間の谷部に戸当たりストッパが
    当接するような形状であって、しかも、ドアの前部とな
    る盛り上がり部分の方を、後方の盛り上がり部分よりも
    高くしてあることを特徴とするトイレのドア装置。
  2. 【請求項2】 収納用レールが、開閉案内レールと同一
    曲率の円弧状に形成され、ドアが、前記開閉案内レール
    とほぼ同一曲率の円弧状に形成されている請求項1記載
    のトイレのドア装置。
  3. 【請求項3】 収納用レールが直線状をなし、ドアが、
    上下方向を向く複数の板材の端部同士を屈曲可能に連結
    したものである請求項1記載のトイレのドア装置。
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