JP3257469B2 - 電気接続箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジンルーム等に設置される電気接続箱に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の電気接続箱〔ジャンクシ
ョンボックス（Ｊ／Ｂ）〕は、自動車用の種々の電装品
等や電気回路等を収めるとともに、ワイヤハーネス等の
配線類の接続分岐点としての役目を果たし、車種や用途
に応じて種々の形式がある。

【０００３】図７に示すように、電気接続箱１０１は、
ロアカバー１０２と、そのロアカバー１０２に収容され
る電装品収容ブロック１０３と、前記ロアカバー１０２
に嵌着されるアッパーカバー１０４とから構成されてい
る。また、ロアカバー１０２には図示しないワイヤハー
ネスを通すために上部を開放した案内溝１０５が設けら
れるとともに、電装品収容ブロック１０３には案内溝１
０５を塞ぐための閉鎖部１０６が設けられている。そし
て、ロアカバー１０２にアッパーカバー１０４を嵌着す
ることにより、電気接続箱１０１の防水が図られてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図７に
示すように、従来の電気接続箱１０１では、電装品収容
ブロック１０３の閉鎖部１０６とアッパーカバー１０４
との間にアッパーカバー１０４の肉厚分の隙間が生じ
る。このため、その隙間から電気接続箱１０１の内部に
水が侵入するおそれがあった。

【０００５】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、閉鎖部とアッパーカバ
ーとの間から内部に水が侵入するのを防止でき、防水性
を向上させることのできる電気接続箱を提供することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項１に記載の発明では、上面が開口したロア
カバーと、そのロアカバーに収容されるとともに、電装
品を装着するための電装品装着部が設けられた電装品収
容ブロックと、前記ロアカバーに嵌着され、下面が開口
したアッパーカバーとを備え、前記ロアカバーにはワイ
ヤハーネスを通すために上部を開放した案内溝を設ける
とともに、前記電装品収容ブロックには前記案内溝を塞
ぐための閉鎖部を一体に設けた電気接続箱において、前
記電装品収容ブロックを前記ロアカバーに収容した状態
で前記閉鎖部と前記アッパーカバーとの間に生じる隙間
を塞ぐための閉鎖手段として前記閉鎖部に突出部を形成
したことをその要旨としている。

【０００７】請求項２に記載の発明では、上面が開口し
たロアカバーと、そのロアカバーに収容されるととも
に、電装品を装着するための電装品装着部が設けられた
電装品収容ブロックと、前記ロアカバーに嵌着され、下
面が開口したアッパーカバーとを備え、前記ロアカバー
にはワイヤハーネスを通すために上部を開放した案内溝
を設けるとともに、前記電装品収容ブロックには前記案
内溝を塞ぐための閉鎖部を一体に設けた電気接続箱にお
いて、前記電装品収容ブロックを前記ロアカバーに収容
した状態で前記閉鎖部と前記アッパーカバーとの間に生
じる隙間を塞ぐための閉鎖手段として前記アッパーカバ
ーの内面に突出部を形成したことをその要旨としてい
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明を具体化した一実
施形態を図１〜図５に従って説明する。図１に示すよう
に、電気接続箱１１は、合成樹脂によって形成され、ロ
アカバー１２と、電装品収容ブロック１３と、アッパー
カバー１４とから構成されている。ロアカバー１２は上
面を開口した箱状をなしており、そのロアカバー１２の
側壁には後述するワイヤハーネス１５を通すために上部
を開放した案内溝１６が設けられている。また、ロアカ
バー１２の内面には、案内溝１６の両側に沿って断面Ｌ
字状をなす一対の支持ガイド１７が形成されている。さ
らに、ロアカバー１２の側壁には一対の係合溝１８が設
けられ、それらの係合溝１８の間の上部には孔１９が透
設されている。ロアカバー１２の上部外周面にはアッパ
ーカバー１４の下面を支持するための突条２０が形成さ
れるとともに、アッパーカバー１４を固定するための突
起２１及び係止部２２が形成されている。

【０００９】電装品収容ブロック１３は前記ロアカバー
１２に収容されるとともに、電装品収容ブロック１３の
上面にはリレー等の各種電装品２３を装着するための電
装品装着部２４が設けられている。そして、電装品装着
部２４に透設された装着孔２５に対し、電装品２３の端
子２６を挿入することにより、電装品２３は図示しない
電気回路に電気的に接続された状態で電装品収容ブロッ
ク１３にマウントされる。電装品収容ブロック１３の下
面からは、電装品装着部２４に装着された電装品２３と
図示しない外部機構とを電気的に接続するためのワイヤ
ハーネス１５が引き出されている。ワイヤハーネス１５
は、拘束用テープによって一本のワイヤハーネス束２７
として結束されている。

【００１０】また、電装品収容ブロック１３の一側壁に
は、前記案内溝１６を塞ぐための略Ｔ字状の閉鎖部２８
が設けられている。閉鎖部２８の上部には略Ｕ字状の突
出部２９が形成されるとともに、前記支持ガイド１７に
対応するように支持孔３０が形成されている。さらに、
電装品装着部２４の一側壁には補助カバー３１がヒンジ
部３２を有して設けられ、その両側には一対の係合部３
３が前記係合溝１８に対応するように突出形成されてい
る。なお、補助カバー３１の基端部３１ａは、電装品収
容ブロック１３の側壁からロアカバー１２の肉厚分だけ
突出するように形成されている。

【００１１】アッパーカバー１４は下面を開口した箱状
をなしており、前記ロアカバー１２の上部に嵌着されて
いる。アッパーカバー１４にはスカート部３４が形成さ
れており、そのスカート部３４には前記突起２１に対応
するように固定部３５が突出形成されている。また、ア
ッパーカバー１４の上部から下部に向かって、係止凸部
３６が前記係止部２２に係止可能に突出形成されてい
る。

【００１２】さて、上記のような部材によって構成され
た電気接続箱１１を組立てるには、まず、ロアカバー１
２内に電装品収容ブロック１３を収容する。すなわち、
ワイヤハーネス１５を案内溝１６から外部に出した後、
支持孔３０を支持ガイド１７に対応させながら押込んで
閉鎖部２８を支持するとともに、係合溝１８に補助カバ
ー３１の係合部３３を係合する。

【００１３】この場合、図４に示すように、閉鎖部２８
によって案内溝１６は外部に出されたワイヤハーネス１
５の直上まで塞がれる。また、ロアカバー１２の突条２
０よりも上部側の部分と、閉鎖部２８に形成された突出
部２９とは、同一面（面一）をなすようになっている。
一方、図５に示すように、ロアカバー１２の突条２０よ
りも上部側と、補助カバー３１の基端部３１ａとにおい
ても、基端部３１ａが電装品収容ブロック１３の側壁か
らロアカバー１２の肉厚分だけ突出しているため、同一
面となるようになっている。

【００１４】次に、図１，図２に示すように、ロアカバ
ー１２の突条２０までアッパーカバー１４のスカート部
３４を押込んで嵌着する。この場合、突起２１に対して
固定部３５が固定されるとともに、係止部２２に対して
係止凸部３６が係止されている。このようにして、電気
接続箱１１が組立てられる。なお、補助カバー３１は二
点鎖線で示すように、係合溝１８から係合部３３の係合
状態が解除されると、ヒンジ部３２により開放状態とな
る。このとき、孔１９等から図示しない配線類等を外部
に出すことができるようになる。

【００１５】次に、本実施形態の作用及び効果について
説明する。・ 本実施形態では、図３に示すように、閉
鎖部２８とアッパーカバー１４との間の隙間を塞ぐため
に閉鎖部２８に突出部２９が形成されている。また、ロ
アカバー１２の突条２０よりも上部側の部分と、閉鎖部
２８に形成された突出部２９とは、同一面をなすように
なっている。このため、閉鎖部２８とアッパーカバー１
４との間から水が侵入しようとしても、突出部２９で阻
害されることになり、電気接続箱１１の内部に水が侵入
するのを確実に防止することができる。従って、電気接
続箱１１の防水性の向上を図ることができる。

【００１６】・ また、本実施形態では、ロアカバー１
２の突条２０よりも上部側と、補助カバー３１の基端部
３１ａとは、同一面をなすようになっている。このた
め、ロアカバー１２にアッパーカバー１４が嵌着された
状態で、ロアカバー１２の突条２０よりも上部側と、補
助カバー３１の基端部３１ａとの間から水が侵入するの
を防止することができる。

【００１７】尚、本発明は前記実施形態に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。・
図６に示すように、ロアカバー１２から突出部２９を
省略するとともに、閉鎖部２８とアッパーカバー１４と
の間の隙間を塞ぐために、アッパーカバー１４の内面に
突出部３７を形成すること。このように構成した場合で
も、アッパーカバー１４に形成された突出部３７によ
り、閉鎖部２８とアッパーカバー１４との間の隙間が塞
がれるため、前記実施形態と同様の効果を奏する。ま
た、突出部３７の形状は、閉鎖部２８とアッパーカバー
１４との間の隙間を塞ぐことができる形状であれば、ど
のような形状でもよく、突出部３７の形状は特に限定さ
れるものではない。

【００１８】・ 前記実施形態では、突出部２９を略Ｕ
字状に形成したが、例えば直線状に形成したり、湾曲状
に形成したりしてもよく、閉鎖部２８とアッパーカバー
１４との間の隙間を塞ぐことができる形状であれば、突
出部２９の形状は特に限定されるものではない。

【００１９】・ 前記実施形態では、電装品収容ブロッ
ク１３に補助カバー３１を設けたが、省略してもよい。
また、補助カバー３１を省略することにより、ロアカバ
ー１２から係合溝１８や孔１９等を省略し、突条２０及
び突起２１以外の部分の一側壁が同一面となるように形
成してもよい。

【００２０】・ 前記実施形態の電気接続箱１１におい
て、ロアカバー１２とアッパーカバー１４との間にシー
ル用パッキンを設けること。このように構成すれば、さ
らなる防水性の向上を図ることができる。

【００２１】尚、本明細書でいう「電気接続箱」とは、
各種の電装品等や電気回路等を収納してこれらをワイヤ
ハーネス等の配線に接続するべく設けられた介在的存在
のあらゆる態様を意味するものであり、いわゆるジャン
クションボックス（Ｊ／Ｂ）に限定されるものではな
い。

【００２２】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項１に記載の発明
によれば、閉鎖部とアッパーカバーとの間に生じる隙間
を塞ぐための閉鎖手段として前記閉鎖部に突出部が設け
られている。このため、閉鎖手段により、閉鎖部とアッ
パーカバーとの間から内部に水が侵入するのを防止で
き、防水性を向上させることができる。

【００２３】

【００２４】請求項２に記載の発明によれば、閉鎖部と
アッパーカバーとの間に生じる隙間を塞ぐための閉鎖手
段としてアッパーカバーの内面に突出部が形成されてい
るため、請求項１に記載の発明の効果と同様の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電気接続箱の一実施形態を示す分解斜
視図。

【図２】本発明の電気接続箱を組立てた状態を示す斜視
図。

【図３】本発明の電気接続箱を模式的に示す要部断面
図。

【図４】ロアカバーと突出部とが同一面である状態を示
す要部正面図。

【図５】ロアカバーと補助カバーとが同一面である状態
を示す要部断面図。

【図６】電気接続箱の別例を模式的に示す要部断面図。

【図７】従来の電気接続箱を模式的に示す要部断面図。

【符号の説明】

１１…電気接続箱、１２…ロアカバー、１３…電装品収
容ブロック、１４…アッパーカバー、１５…ワイヤハー
ネス、１６…案内溝、２３…電装品、２４…電装品装着
部、２８…閉鎖部、２９…突出部、３７…突出部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面が開口したロアカバーと、 そのロアカバーに収容されるとともに、電装品を装着す
   るための電装品装着部が設けられた電装品収容ブロック
   と、 前記ロアカバーに嵌着され、下面が開口したアッパーカ
   バーとを備え、 前記ロアカバーにはワイヤハーネスを通すために上部を
   開放した案内溝を設けるとともに、前記電装品収容ブロ
   ックには前記案内溝を塞ぐための閉鎖部を一体に設けた
   電気接続箱において、前記電装品収容ブロックを前記ロアカバーに収容した状
   態で 前記閉鎖部と前記アッパーカバーとの間に生じる隙
   間を塞ぐための閉鎖手段として前記閉鎖部に突出部を形
   成した電気接続箱。
2. 【請求項２】 上面が開口したロアカバーと、 そのロアカバーに収容されるとともに、電装品を装着す
   るための電装品装着部が設けられた電装品収容ブロック
   と、 前記ロアカバーに嵌着され、下面が開口したアッパーカ
   バーとを備え、 前記ロアカバーにはワイヤハーネスを通すために上部を
   開放した案内溝を設けるとともに、前記電装品収容ブロ
   ックには前記案内溝を塞ぐための閉鎖部を一体に設けた
   電気接続箱において、 前記電装品収容ブロックを前記ロアカバーに収容した状
   態で前記閉鎖部と前記アッパーカバーとの間に生じる隙
   間を塞ぐための閉鎖手段として前記アッパーカバーの内
   面に突出部を形成した 電気接続箱。