JP3086501B2 - 光ディスク - Google Patents
光ディスクInfo
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Description
て情報を記録あるいは消去したり再生したりする光ディ
スクに関し、さらに詳しくはその基板にプラスチックを
使用した時に生じる基板の反りを防止する構成に関す
る。
示すように、プラスチック基板20の一方の表面に記録膜
21を成膜し、その記録膜21を保護膜22によって保護する
構成である。記録膜21は通常4層又は3層構造になって
おり、記録膜21を通って水分がプラスチック基板20側に
移動することはほとんどない。従って、プラスチック基
板20の他方の表面すなわち入射光側からのみプラスチッ
ク基板20に水分が吸湿されたり放湿されたりする。この
時の吸、放湿によるプラスチック基板20の局部的な体積
変化によりプラスチック基板20が反るものである。
いた光ディスクの場合、基板の反りが大きいと収束され
た光ビームの光軸に対し、基板が傾いた状態となり、こ
の状態でトラッキングサーボをかけると、集束ビームが
案内溝の中心を通らなくなり信号品質が劣化する。基板
の反りが更に大きいとトラッキングサーボもかからなく
なり、光ディスクとして使用できなくなる。そこでこの
基板の反り量をある範囲におさえておく必要がある。光
ディスクではその範囲を表1に示すように規定してい
る。
回転数が200 〜500 rpmと比較的遅く、トラッキング
サーボ及びフォーカスサーボが十分追従するので、他の
タイプの光ディスクに比べ反り量の規格がゆるくなって
いる。ライトワンスディスクやリライタブルディスク
(光磁気ディスク)のようにデータ転送レートをあげた
いものは、高速で回転させる必要がある(例えば1800〜
3600rpm)。この時はトラッキングサーボ及びフォー
カスサーボの追従性能上反り量を小さくしておく必要が
ある。ところがプラスチック基板の単板では反り量を小
さくすることが困難だったので、単板からなるディスク
を背中合わせに張り付けて両面ディスクとすることで反
り量を小さくしてきた。
ディスクではオーバーライトの技術が注目されるように
なり、単板仕様のディスクが必要になってきた。その理
由としては、従来の光磁気ディスクでは、データの書き
換えをする際、一度前のデータの消去動作をして新デー
タの記録をする方式であったので、消去するのに一回
転、記録するのに一回転の合計二回転がデータの書き換
えに必要であった。ところがオーバーライトの技術を使
用すれば前データの消去及び新データの記録が一回転中
にできるので、従来の場合のように二回転する必要がな
くなりその分データの転送レートが向上する。
されているが、中でも磁界変調方式が有力である。磁界
変調方式というのは、記録消去時依頼の方式(光変調方
式)が磁界の向きを一定にして光のオンオフで記録する
のに対し、光は常に照射し磁界の向きを変えることによ
り記録する方式である。この時磁界の向きを高速で変え
る必要があるが、電磁石の電力消費を極力小さくして高
速磁界変調を実現しようとすれば電磁石と記録膜との距
離をできるだけ近接させる必要がある。両面仕様のディ
スクでは電磁石側から見て記録膜の上に基板が一枚ある
ので記録膜との距離が小さくできない。従って、前述の
ように単板仕様のディスクが必要になってきた。
基板いプラスチックを用いる場合、前述のように基板の
反りが問題となってくる。ディスク製造直後の反りは基
板の成形技術や記録膜や保護膜の成膜技術の進歩により
十分規定内に入るようになったが、ディスクの使用中に
新たに反りが発生するということがわかってきた。すな
わち、第35回応用物理学会予稿集(昭和63年春季)の第
872 頁に示されるように、環境条件が変化している途中
に過渡的な反りが生じることがわかった。例えば湿度が
変化した時の反り変化量は、60℃、90%RHから60℃、
50RH%への環境変化時に最大変化量で10数mradと
なることがわかった。
もので、環境変化時の過渡的反りをできるだけ小さくす
ることができる光ディスクを提供しようとするものであ
る。
るプラスチック基板と、該プラスチック基板の一方表面
に形成された記録膜と、該記録膜の表面に形成された第
1の樹脂保護膜と、を有してなる光ディスクにおいて、
前記プラスチック基板の他方表面上に形成され、反射率
が8%以下の透湿防止膜と、該透湿防止膜の表面に形成
され、吸放湿により発生する反りを第1の樹脂保護膜と
で相殺する第2の樹脂保護膜と、を有してなるものであ
る。また、透光性を有するプラスチック基板と、該プラ
スチック基板の一方の表面に形成された記録膜と、該記
録膜の表面に形成された第1の樹脂保護膜と、を有して
なる光ディスクにおいて、前記プラスチック基板の他方
表面上に形成され、反射率が8%以下の透湿防止膜と、
該透湿防止膜の表面に形成された第2の樹脂保護膜と、
第2の樹脂保護膜の表面に形成された帯電防止膜と、を
有し、第2の樹脂保護膜と前記帯電防止膜は、それら両
者により、吸放湿により発生する反りを第1の樹脂保護
膜とで相殺するように形成されてなるものである。な
お、本発明の透湿防止膜は、後述する中間膜を介してプ
ラスチック基板の表面に形成されるものであってもよ
い。
ては、透光性を与え変形し難いプラスチックであればよ
い。代表的にはポリカーボネート製基板が挙げられ、こ
の他にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等が用いることがで
きる。この厚さは、通常1.15〜1.25mmである。記録膜
は、当該分野で公知のものが広く利用できる。代表的に
は、AlN/GdTbFe/AlN/AlやAlN/D
yFeCo/AlN/Alなどの4層構造のものや、S
iN/TbFeCo/SiNやSiAlON/TbFe
Co/SiAlONなどの3層構造のものが挙げられ
る。この膜厚は、通常150 〜300nmである。記録膜は、
一般にプラスチック基板の全面に形成されるが、一部で
あってもよい。
のものであって、例えばアクリルウレタン系UV硬化樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレ
ン樹脂等を用いて形成することができる。これらは塗布
によって形成できる。この膜厚は、通常2〜20μmであ
る。中間膜は、光の均一な透過性を維持しながら透光性
プラスチック基板に透湿防止膜を密着させるためのもの
であって、特に有機系の透湿防止膜を用いる場合に効果
を奏し、プラスチック基板と透湿防止膜との密着性を高
め剥離を防止することができる。また、中間膜は、光の
均一な透過性を維持するため均一な塗布のできるものが
好ましく、例えばアクリルウレタン系UV硬化性樹脂、
ポリウレタン系接着樹脂等からなるものが使用される。
この膜厚は、2〜10μmが好ましい。
Al2 O3 ,SiO2 , SiAlOHなどの無機物質、
またはポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ3フッ化塩化エチ
レン樹脂等の有機物質で形成することができる。これら
の中で、AlNが特に好ましい。透湿防止膜の膜厚は、
材質によって異なる。一般に無機物質の透湿防止膜の厚
みは、1〜300 nmの範囲、好ましくは1〜200 nmの
範囲、有機物質での厚みは、2〜20μm、好ましくは2
〜15μmである。例えばAlNの場合1〜20nmの範囲
が好ましい。この範囲の厚みであると、光ディスクの過
渡的反りを防止できることに加え、光ディスクの干渉縞
が見られず好ましい。
の反射率との関係を検討したところ、反射率が約8%以
下であると干渉縞が現れないことを見出している。な
お、SiO2 の透湿防止膜は、250 nmでも過渡的反り
の防止に加えて、干渉縞の発現が見られない。透湿防止
膜の上には、第2保護膜を形成してもよい。上記第2保
護膜は、光ディスクの反りを発生させないように維持す
ると共に透湿防止膜を保護するためのものであって、第
1保護膜とほゞ等しい吸湿性能を有するものが好まし
く、第1保護膜と同じ材質を用いて形成するのが良い。
しかし、第1保護膜と第2保護膜の吸放湿により発生す
る反りがほぼ相殺されるように材料と膜厚を設定すれ
ば、過渡的反りを防止できる。例えば第1保護膜をアク
リル系のハードコート樹脂、第2樹脂膜をアクリルウレ
タン系UV効果樹脂を用いることができる。この膜厚
は、通常2〜20μmである。
の最外層を形成する場合は、第1保護膜をアクリルウレ
タン系UV硬化性樹脂により形成し、第2保護膜を、帯
電防止剤を入れたり後述の透明導電性フィラーを混入し
たUV硬化性樹脂により成膜してもよく、また、第1及
び第2保護膜を透明導電性粉末を含有する合成樹脂で成
膜してもよい。このように構成することにより、ディス
クの帯電が防止できるものとなる。
lN/Alの4層構造とする場合、透湿防止膜をAlN
により形成すると、同一のスパッタ装置で同一のターゲ
ットを用いてプラスチック基板の両サイドに成膜できる
ので、製造コストを低くすることができる。さらに、第
1保護膜と透湿防止膜をポリ塩化ビニリデンあるいはポ
リ3フッ化塩化エチレンなどにより成膜してもよい。こ
の場合、第2保護膜の形成が省略され構造が簡単になる
とともに、有機系の膜を用いることから、保護膜形成が
低コスト化できるので好ましい。
膜の上に、さらにそれぞれ透明導電性粉末を含有する合
成樹脂膜を形成してもよい。上記透明導電性粉末を含有
する合成樹脂膜は、基板の両面(この合成樹脂膜面)に
空気中の塵埃が付着するのを防止すると共に傷が付き難
いようにするためのものであって、硬質でかつ表面抵抗
率の比較的低いものがよい。この硬度は、通常HB以上
の鉛筆硬度を有するものが好ましい。また、この表面抵
抗率は、通常約1013Ω/囗以下が好ましい。この合
成樹脂膜の形成は、合成樹脂又はその原料と透明導電性
粉末とを所定の混合比で混練し、必要に応じて硬度を向
上させる無機粉末を少量添加して混練し、基板上(第1
及び第2保護膜又は透湿防止膜上)に製膜して行なうこ
とができる。合成樹脂としては、例えばアクリルウレタ
ン系UV硬化樹脂、アクリル系UV硬化樹脂等が用いら
れる。透明導電性粉末としては、例えばSnO2、Si
O2、SnO2−Sb2O5、In2O3、In2O3
−SnO2の透明導電性粉末が用いられる。合成樹脂と
透明導電性粉末との混合比は、通常25/1〜4/1の
容量比が好ましい。製膜は、例えばスピンコート法、ロ
ールコート法、ディップコート法等によって基板上(第
1及び第2保護膜上)に塗布し、用いる合成樹脂によっ
てUV光照射、加熱又は冷却等の手段によって硬化して
行なうことができる。この膜厚は、通常1〜20μmが
好ましい。
気ディスクが代表的であるが、コンパクトディスク、ラ
イトワンス型ディスク、記録膜としてフォトクロミック
材料を用いたフォトクロミック型ディスクも含むもので
ある。
クの反りを防ぐ。また、第1保護膜と第2保護膜の吸放
湿により発生する反りがほぼ相殺されるように材料と膜
厚を設定すれば、過渡的反りを防止できる。
るが、この発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 図1において、1はプラスチック基板で、透光性を有す
る厚さ1.2mm のポリカーボネート製である。このプラス
チック基板1の一方の表面全面には記録膜2が形成され
ている。記録膜2が光磁気記録膜の場合、4層構造を有
している。この実施例では、AlN/GdTbFe/A
lN/Alで構成されている。さらにこの記録膜2の表
面には、第1保護膜3が形成されている。第1保護膜3
は、アクリルウレタン系のUV硬化樹脂を約10μm塗布
することによって形成される。
他方の表面に形成される。この実施例では透湿防止膜4
はSiO2 を25nmの厚さにスパッタ法で形成してい
る。この透湿防止膜4の表面には第2保護膜5が形成さ
れる。第2保護膜5は、第1保護膜3と同一の材質、す
なわちアクリルウレタン系UV硬化樹脂を用いており、
第1保護膜3と同様に厚さ約10μmである。第1保護膜
3及び第2保護膜5の膜厚すなわちUV硬化性樹脂の膜
厚は、プラスチック基板1の両面において、それ自体の
吸放湿によって発生する反りが相殺できれば、どのよう
な値であってもよい。ただし、両者の膜厚は、上記の理
由からほぼ等しいことが必要である。
%RHの条件下で24時間放置した後、10%RH/時間の
速度で湿度を低減させ、6時間かけて34℃、30%RHの
環境条件とし、その後は34℃、30%RHに保持した。そ
のときプラスチック基板1の反りの変化(過渡的反り)
を湿度が変化し始める直前から時間経過とともに反り量
を測定し図2に示す。
りは曲線11にて示されており、反り変化が2mrad以
下に抑えられていることがわかる。なお、図2におい
て、曲線12は従来例の光ディスクの過渡的反りを示して
おり、反り変化が9mradであった。また、従来例の
光ディスクの入射光側に透湿防止膜としてSiO2 を25
nmの厚さにスパッタ法で形成した光ディスクの場合の
過渡的反りが、曲線13により示される。この光ディスク
の場合、従来例の光ディスクとは反りの方向が逆になっ
た。
ン系UV硬化樹脂とし、第2保護膜を帯電防止剤入りU
V硬化樹脂で形成してもよい。 実施例2 実施例1において、透湿防止膜として、膜厚25nmのSi
O2 をプラスチック基板の他方表面に形成する代わり
に、図3に示すようにプラスチック基板の他方表面に膜
厚6μmのアクリルウレタン系UV硬化性樹脂からなる
中間膜6を形成し、この上に膜厚10μmのポリ塩化ビニ
リデンの透湿防止膜4aを形成し、第2保護膜を形成せ
ず、磁性膜としてGdTbFeの代わりにDyFeCo
を用い、この他は実施例1と同様にして光ディスクを作
製した。
により透湿防止膜の密着性を評価したところ良好な密着
性を確認した。また、実施例1と同様にして反り変化量
を測定したところ図5曲線11aに示すように低い反り変
化量を示した。ただし、13aの曲線は、従来の光ディス
クの特性を示す。 実施例3 実施例2において、透湿防止膜4aの上に、図4に示す
ように帯電防止剤を混入したUV硬化性樹脂を5μm塗
布して第2保護膜を形成し、この他は実施例2と同様に
して光ディスクを作製した。
rad以下で低く良好であった。 実施例4 実施例1において、第1保護膜3及び第2保護膜5の上
に、図6に示すように更に透明導電性粉末を含有する合
成樹脂膜6及び7を形成し、この他は実施例1と同様に
して光ディスクを作製した。ただし透明導電性粉末を含
有する合成樹脂膜6及び7は、アクリルウレタン系のU
V硬化樹脂原料と導電性粉末とを混練し、スピンコート
法によって上記基板上(第1及び第2保護膜上)に塗布
し、塗膜にUV光を照射して硬化させて2μmの膜厚と
なるように形成した。
で測定したところ反り変化は2mrad以下に抑えらえ
ていた。帯電防止能の一指標である表面抵抗率は、109
〜10 12Ω/□であり、良好な帯電防止能を有し、また鉛
筆硬さはHBであって実用上傷が付き難く十分な硬さを
有していた。 実施例5 実施例1に示した構成の光磁気ディスクにおいて、磁性
膜としてGdTbFeの代わりにDyFeCoを用い、
透湿防止膜4にAlNを用いた。
た。この光磁気ディスクを自然光の下で第2保護膜(透
湿防止膜)側から眺めることにより、干渉縞の見え方を
調べた。その結果、透湿防止膜の膜厚が5nm及び10n
mの光磁気ディスクでは、干渉縞が観察されないことが
分かった。また、透湿防止膜4の膜厚が20nmの光磁気
ディスクでは、注視するとわずかに干渉縞が観察された
が、ほとんど目立たない程度であることが分かった。一
方透湿防止膜4の膜厚が25nmと80nmでは、干渉縞が
観察された。80nmではより明瞭な干渉縞が観察され
た。
干渉縞の見え方と反射率との関係を調べるため、透湿防
止膜4の膜厚と、第1の保護膜5側から光が入射した場
合の透湿防止膜4での反射率との関係を計算した。計算
は、プラスチック基板1としてのポリカーボネート上
に、透湿防止膜4としてのAlNと、第2保護膜5とし
てのアクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂とが順次形
成された3層モデルに基づいて実行された。
ルウレタン系の紫外線硬化型樹脂の屈折率は、それぞれ
1.58、2.1 、1.5 とし、第2の保護膜5の膜厚は10μm
とした。また、光の波長には光ディスクの光源として多
用されている半導体レーザーの波長である780 nmを用
いた。そして、透湿防止膜4の膜厚をパラメータとし0
〜200 nmの範囲で変えて反射率を計算した。
lNの膜厚であり、縦軸は反射率である。上述の干渉縞
の観察結果と、この反射の計算結果とから、反射率が大
きいとき干渉縞が観察され、反射率が約8%以下のとき
干渉縞はほとんど見えなくなることがわかった。
変化したときの光ディスクの反りの変化量との関係を実
施例1に記載と同様の条件で調べた。なお、測定には、
透湿防止膜4のAlNの膜厚が1nm、5nm、25n
m、80nmである点を除いて、上記試作した光磁気ディ
スクと同一の光磁気ディスクが使用された。また、比較
のために、透湿防止膜4と第1の保護膜5とが形成され
ていない点を除いて、上記試作した光磁気ディスクと同
一の従来通りの光磁気ディスクが使用された。
度変化開始時からの経過時間であり、縦軸は反りの変化
量である。この実験結果から、プラスチック基板1上に
透湿防止膜4と第1の保護膜5とが形成されていない光
磁気ディスクでは、湿度の低下に伴って、反りの変化量
が10mradにもなるが、本実施例の光磁気ディスクで
は、いずれも反りの変化量は2mrad以下に抑えられ
ている。このことから、透湿防止膜4としてのAlNの
膜厚が1nm以上であれば、過渡的反りを充分防止でき
ることが分かった。 実施例6 実施例5に示した光磁気ディスクにおいて、透湿防止膜
上に形成された第2保護膜上に、導電フィラーを混入し
たアクリル系ハードコート樹脂からなる帯電防止膜(膜
厚=約4nm)を形成した。なお透湿防止膜(AlN)
の膜厚は約5nmである。
めた場合、干渉縞は見られなかった。また、反りの変化
量は、2mrad以下である。この光磁気ディスクで
は、情報の記録・消去及び再生のための光ビームが入射
する側の表面に帯電防止膜を設けたので、光ビームを散
乱するゴミや埃等が表面に付着しにくくなる。これによ
り、情報の記録・消去時又は再生時、フォーカッシング
・サーボやトラッキング・サーボが乱れて記録信号又は
再生信号が劣化したり、サーボ飛びが生じたりする危険
性を大幅に低減できる。
例5の光磁気ディスクとほとんど変わらなかった。この
ことは、第2の保護膜としてのポリウレタンアクリレー
ト系の紫外線硬化型樹脂と、帯電防止膜6としての導電
性フィラーを混入したアクリル系ハードコート樹脂とで
は、吸放湿の程度に差がなく、しかも、これらを合わせ
た膜厚を第1の保護膜の膜厚とほぼ同じ10μmに設定し
たことによる。ちなみに、上記光磁気ディスクにおい
て、第2の保護膜の膜厚だけを6μmから10μmに変え
ると、反りの変化量は若干であるが大きくなった。 実施例7 実施例6に示した光磁気ディスクにおいて、記録媒体膜
上に設けられた第1保護膜上に、更に潤滑性に優れた、
フッ素系樹脂からなる潤滑膜を膜厚2μmを塗布した。
めた場合、干渉縞は見られなかった。また、実施例1の
場合と同様にして過渡的反りを調べた結果、反りの変化
量は2mrad以下であった。しかも、本実施例の光磁
気ディスクでは、記録媒体膜が形成されている側に潤滑
膜7を設けたので、浮上型磁気ヘッドを用いた場合、浮
上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとの間の潤滑性を向上
させることができる。
2上に数μmから数十μmのギャップを保ちながら情報
の記録・消去及び再生を行うために配置されるものであ
り、浮上型磁気ヘッドを記録媒体膜2に押しつけるよう
働くサスペンション・バネによる押圧と、光磁気ディス
クの高速回転による空気流により発生して浮上型磁気ヘ
ッドを記録媒体膜2から離すように働く浮上力とバラン
スして、上記ギャップが保たれる。
磁気ディスクの回転開始時、所定回転数に達するまでの
間、及び、回転終了時、所定回転数より停止に至るまで
の間、浮上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとが接するS
CC(Contact-Start-Stop)方式を採用する場合には、
浮上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとが吸着すると、光
磁気ディスクの回転開始時、浮上型磁気ヘッドが破損さ
れることがある。しかしながら、本実施例の光磁気ディ
スクによれば、記録媒体膜上に潤滑膜を設けたので、浮
上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとの間の潤滑性が向上
し、吸着による浮上型磁気ヘッドの破損を防止できる。 実施例8 実施例1に示した構成の光磁気ディスクにおいて、透湿
防止膜4のSiO2 の膜厚を変化させた。
合の透湿防止膜での反射率との関係を計算した。計算
は、プラスチック基板1としてポリカーボネート上に、
透湿防止膜4としてのSiO2 と、第2の保護膜5とし
てのポリウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂と
が順次形成された3層モデルに基づいて実行された。
ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂の屈折率
は、それぞれ1.58、1.45、1.5 とし、第2の保護膜5の
膜厚は10μmとした。また、光の波長には光ディスクの
光源として多用されている半導体レーザーの波長である
780 nmを用いた。そして、透湿防止膜4の膜厚をパラ
メータとして0〜300 nmの範囲で反射率を計算した。
iO2 の膜厚であり、縦軸は反射率である。このグラフ
から、SiO2 であれば60〜90nm近傍の膜厚で反射率
が最も小さくなり、干渉縞がより見えにくくなることが
分かる。また、上述のように、反射率が約8%以下のと
き干渉縞はほとんど見えなくなるから、膜厚が20nm以
下においても干渉縞は見えないことが分かる。したがっ
て、透湿防止膜4の透湿防止効果が充分である限り、製
造コスト及び製造時間を考慮すれば、その膜厚を20nm
以下にした方が有利である。
性の高い光ディスクを提供することができる。
成図である。
り変化量を示す図である。
成図である。
成図である。
クの反り変化量を示す図である。
成図である。
ける透湿防止膜(AlN)の厚みと光ディスクの反射率
の関係図である。
りの変化量を示す図である。
ける透湿防止膜(SiO2 )の厚みと光ディスクの反射
率の関係図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 透光性を有するプラスチック基板と、該
プラスチック基板の一方表面に形成された記録膜と、該
記録膜の表面に形成された第1の樹脂保護膜と、を有し
てなる光ディスクにおいて、 前記プラスチック基板の他方表面上に形成され、反射率
が8%以下の透湿防止膜と、 該透湿防止膜の表面に形成され、吸放湿により発生する
反りを第1の樹脂保護膜とで相殺する第2の樹脂保護膜
と、を有してなることを特徴とする光ディスク。 - 【請求項2】 透光性を有するプラスチック基板と、該
プラスチック基板の一方の表面に形成された記録膜と、
該記録膜の表面に形成された第1の樹脂保護膜と、を有
してなる光ディスクにおいて、 前記プラスチック基板の他方表面上に形成され、反射率
が8%以下の透湿防止膜と、 該透湿防止膜の表面に形成された第2の樹脂保護膜と、 第2の樹脂保護膜の表面に形成された帯電防止膜と、を
有し、 第2の樹脂保護膜と前記帯電防止膜は、それら両者によ
り、吸放湿により発生する反りを第1の樹脂保護膜とで
相殺するように形成されてなることを特徴とする光ディ
スク 。
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