JPH04364248A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JPH04364248A
JPH04364248A JP3172766A JP17276691A JPH04364248A JP H04364248 A JPH04364248 A JP H04364248A JP 3172766 A JP3172766 A JP 3172766A JP 17276691 A JP17276691 A JP 17276691A JP H04364248 A JPH04364248 A JP H04364248A
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moisture permeation
optical disc
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thickness
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賢司 太田
Toshiichi Nagaura
長浦 歳一
Masayasu Futagawa
正康 二川
Shinji Yamagami
真司 山上
Yoshiteru Murakami
善照 村上
Hiroyuki Ikenaga
池永 博行
Michinobu Saegusa
理伸 三枝
Tetsuya Inui
哲也 乾
Akira Takahashi
明 高橋
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はレーザビームを利用し
て情報を記録あるいは消去したり再生したりする光ディ
スクに関し、さらに詳しくはその基板にプラスチックを
使用した時に生じる基板の反りを防止する構成に関する
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の光ディスクは、第10図
に示すように、プラスチック基板20の一方の表面に記
録膜21を成膜し、その記録膜21を保護膜22によっ
て保護する構成である。記録膜21は通常4層又は3層
構造になっており、記録膜21を通って水分がプラスチ
ック基板20側に移動することはほとんどない。従って
、プラスチック基板20の他方の表面すなわち入射光側
からのみプラスチック基板20に水分が吸湿されたり放
湿されたりする。この時の吸、放湿によるプラスチック
基板20の局部的な体積変化によりプラスチック基板2
0が反るものである。
【0003】上記したように、基板にプラスチックを用
いた光ディスクの場合、基板の反りが大きいと収束され
た光ビームの光軸に対し、基板が傾いた状態となり、こ
の状態でトラッキングサーボをかけると、集束ビームが
案内溝の中心を通らなくなり信号品質が劣化する。基板
の反りが更に大きいとトラッキングサーボもかからなく
なり、光ディスクとして使用できなくなる。そこでこの
基板の反り量をある範囲におさえておく必要がある。光
ディスクではその範囲を表1に示すように規定している
【0004】
【表1】
【0005】コンパクトディスクの場合は、ディスクの
回転数が200 〜500 rpmと比較的遅く、トラ
ッキングサーボ及びフォーカスサーボが十分追従するの
で、他のタイプの光ディスクに比べ反り量の規格がゆる
くなっている。ライトワンスディスクやリライタブルデ
ィスク(光磁気ディスク)のようにデータ転送レートを
あげたいものは、高速で回転させる必要がある(例えば
1800〜3600rpm)。この時はトラッキングサ
ーボ及びフォーカスサーボの追従性能上反り量を小さく
しておく必要がある。ところがプラスチック基板の単板
では反り量を小さくすることが困難だったので、単板か
らなるディスクを背中合わせに張り付けて両面ディスク
とすることで反り量を小さくしてきた。
【0006】これに加えて、最近になって、特に光磁気
ディスクではオーバーライトの技術が注目されるように
なり、単板仕様のディスクが必要になってきた。その理
由としては、従来の光磁気ディスクでは、データの書き
換えをする際、一度前のデータの消去動作をして新デー
タの記録をする方式であったので、消去するのに一回転
、記録するのに一回転の合計二回転がデータの書き換え
に必要であった。ところがオーバーライトの技術を使用
すれば前データの消去及び新データの記録が一回転中に
できるので、従来の場合のように二回転する必要がなく
なりその分データの転送レートが向上する。
【0007】オーバーライトの方式に付いても種々考案
されているが、中でも磁界変調方式が有力である。磁界
変調方式というのは、記録消去時依頼の方式(光変調方
式)が磁界の向きを一定にして光のオンオフで記録する
のに対し、光は常に照射し磁界の向きを変えることによ
り記録する方式である。この時磁界の向きを高速で変え
る必要があるが、電磁石の電力消費を極力小さくして高
速磁界変調を実現しようとすれば電磁石と記録膜との距
離をできるだけ近接させる必要がある。両面仕様のディ
スクでは電磁石側から見て記録膜の上に基板が一枚ある
ので記録膜との距離が小さくできない。従って、前述の
ように単板仕様のディスクが必要になってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】単板仕様のディスクの
基板いプラスチックを用いる場合、前述のように基板の
反りが問題となってくる。ディスク製造直後の反りは基
板の成形技術や記録膜や保護膜の成膜技術の進歩により
十分規定内に入るようになったが、ディスクの使用中に
新たに反りが発生するということがわかってきた。すな
わち、第35回応用物理学会予稿集(昭和63年春季)
の第872 頁に示されるように、環境条件が変化して
いる途中に過渡的な反りが生じることがわかった。例え
ば湿度が変化した時の反り変化量は、60℃、90%R
Hから60℃、50RH%への環境変化時に最大変化量
で10数mradとなることがわかった。
【0009】この発明は上記の事情を考慮してなされた
もので、環境変化時の過渡的反りをできるだけ小さくす
ることができる光ディスクを提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、透光
性を有するプラスチック基板と、このプラスチック基板
の一方表面に形成された記録膜と、この記録膜の表面に
形成された第1保護膜と、プラスチック基板の他方表面
に中間膜を介するか介せずして、形成された透湿防止膜
とを具備してなる光ディスクが提供される。
【0011】上記透光性のプラスチック基板の材質とし
ては、透光性を与え変形し難いプラスチックであればよ
い。代表的にはポリカーボネート製基板が挙げられ、こ
の他にアクリル樹脂、エポキシ樹脂等が用いることがで
きる。この厚さは、通常1.15〜1.25mmである
。記録膜は、当該分野で公知のものが広く利用できる。 代表的には、AlN/GdTbFe/AlN/AlやA
lN/DyFeCo/AlN/Alなどの4層構造のも
のや、SiN/TbFeCo/SiNやSiAlON/
TbFeCo/SiAlONなどの3層構造のものが挙
げられる。この膜厚は、通常150 〜300nmであ
る。記録膜は、一般にプラスチック基板の全面に形成さ
れるが、一部であってもよい。
【0012】第1保護膜は、主に記録膜を保護するため
のものであって、例えばアクリルウレタン系UV硬化樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ3フッ化塩化エチレ
ン樹脂等を用いて形成することができる。これらは塗布
によって形成できる。この膜厚は、通常2〜20μmで
ある。中間膜は、光の均一な透過性を維持しながら透光
性プラスチック基板に透湿防止膜を密着させるためのも
のであって、特に有機系の透湿防止膜を用いる場合に効
果を奏し、プラスチック基板と透湿防止膜との密着性を
高め剥離を防止することができる。また、中間膜は、光
の均一な透過性を維持するため均一な塗布のできるもの
が好ましく、例えばアクリルウレタン系UV硬化性樹脂
、ポリウレタン系接着樹脂等からなるものが使用される
。 この膜厚は、2〜10μmが好ましい。
【0013】透湿防止膜は、AlN,SiN,ZnS,
Al2 O3 ,SiO2 , SiAlOHなどの無
機物質、またはポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ3フッ化
塩化エチレン樹脂等の有機物質で形成することができる
。これらの中で、AlNが特に好ましい。透湿防止膜の
膜厚は、材質によって異なる。一般に無機物質の透湿防
止膜の厚みは、1〜300 nmの範囲、好ましくは1
〜200 nmの範囲、有機物質での厚みは、2〜20
μm、好ましくは2〜15μmである。例えばAlNの
場合1〜20nmの範囲が好ましい。この範囲の厚みで
あると、光ディスクの過渡的反りを防止できることに加
え、光ディスクの干渉縞が見られず好ましい。
【0014】一方光ディスクの干渉縞と、透湿防止とで
の反射率との関係を検討したところ、反射率が約8%以
下であると干渉縞が現れないことを見出している。なお
、SiO2 の透湿防止膜は、250 nmでも過渡的
反りの防止に加えて、干渉縞の発現が見られない。透湿
防止膜の上には、第2保護膜を形成してもよい。上記第
2保護膜は、光ディスクの反りを発生させないように維
持すると共に透湿防止膜を保護するためのものであって
、第1保護膜とほゞ等しい吸湿性能を有するものが好ま
しく、第1保護膜と同じ材質を用いて形成するのが良い
。 しかし、第1保護膜と第2保護膜の吸放湿により発生す
る反りがほぼ相殺されるように材料と膜厚を設定すれば
、過渡的反りを防止できる。例えば第1保護膜をアクリ
ル系のハードコート樹脂、第2樹脂膜をアクリルウレタ
ン系UV効果樹脂を用いることができる。この膜厚は、
通常2〜20μmである。
【0015】また、第1及び第2保護膜が、光ディスク
の最外層を形成する場合は、第1保護膜をアクリルウレ
タン系UV硬化性樹脂により形成し、第2保護膜を、帯
電防止剤を入れたり後述の透明導電性フィラーを混入し
たUV硬化性樹脂により成膜してもよく、また、第1及
び第2保護膜を透明導電性粉末を含有する合成樹脂で成
膜してもよい。このように構成することにより、ディス
クの帯電が防止できるものとなる。
【0016】また、記録膜をAlN/GdTbFe/A
lN/Alの4層構造とする場合、透湿防止膜をAlN
により形成すると、同一のスパッタ装置で同一のターゲ
ットを用いてプラスチック基板の両サイドに成膜できる
ので、製造コストを低くすることができる。さらに、第
1保護膜と透湿防止膜をポリ塩化ビニリデンあるいはポ
リ3フッ化塩化エチレンなどにより成膜してもよい。こ
の場合、第2保護膜の形成が省略され構造が簡単になる
とともに、有機系の膜を用いることから、保護膜形成が
低コスト化できるので好ましい。
【0017】第1保護膜及び透湿防止膜または第2保護
膜の上に、さらにそれぞれ透明導電性粉末を含有する合
成樹脂膜を形成してもよい。上記透明導電性粉末を含有
する合成樹脂膜は、光ディスクの表面への塵埃の付着を
防止すると共に傷の発生を防止するためのものであって
、基板の両面(この合成樹脂膜面)に空気中の塵埃が付
着するのを防止すると共に傷が付き難いようにするため
のものであって、硬質でかつ表面抵抗率の比較的低いも
のがよい。この硬度は、通常HB以上の鉛筆硬度を有す
るのが好ましい。また、この表面抵抗率は、通常   
 約1013Ω/□以下が好ましい。この合成樹脂膜の
形成は、合成樹脂又はその原料と透明導電性粉末とを所
定の混合比で混練し、必要に応じて硬度を向上させる無
機粉末を少量添加して混練し、基板上(第1及び第2保
護膜又は透湿防止膜上)に製膜して行なうことができる
。合成樹脂としては、例えばアクリルウレタン系UV硬
化樹脂、アクリル系UV硬化樹脂等が用いられる。透明
導電性粉末としては、例えばSnO2 、SiO2 、
SnO2 −Sb2 O5 、In2 O3 、In2
 O3 −SnO2 の透明導電性粉末が用いられる。 合成樹脂と透明導電性粉末との混合比は、通常25/1
〜4/1の容量比が好ましい。製膜は、例えばスピンコ
ート法、ロールコート法、ディップコート法等によって
基板上(第1及び第2保護膜上)に塗布し、用いる合成
樹脂によってUV光照射、加熱又は冷却等の手段によっ
て硬化して行なうことができる。この膜厚は、通常1〜
20μmが好ましい。
【0018】この発明の対象とする光ディスクは、光磁
気ディスクが代表的であるが、コンパクトディスク、ラ
イトワンス型ディスク、記録膜としてフォトクロミック
材料を用いたフォトクロミック型ディスクも含むもので
ある。
【0019】
【作用】透湿防止膜が、光ディスクの吸湿を減少させ光
ディスクの反りを防ぐ。また透明導電性粉末を含有する
合成樹脂膜が、基板の帯電を減少させて塵埃の付着を防
ぐと共にその硬度の高さによって傷の発生を防止する。
【0020】
【実施例】以下この発明の実施例を図面を用いて詳述す
るが、この発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 図1において、1はプラスチック基板で、透光性を有す
る厚さ1.2mm のポリカーボネート製である。この
プラスチック基板1の一方の表面全面には記録膜2が形
成されている。記録膜2が光磁気記録膜の場合、4層構
造を有している。この実施例では、AlN/GdTbF
e/AlN/Alで構成されている。さらにこの記録膜
2の表面には、第1保護膜3が形成されている。第1保
護膜3は、アクリルウレタン系のUV硬化樹脂を約10
μm塗布することによって形成される。
【0021】4は透湿防止膜で、プラスチック基板1の
他方の表面に形成される。この実施例では透湿防止膜4
はSiO2 を25nmの厚さにスパッタ法で形成して
いる。この透湿防止膜4の表面には第2保護膜5が形成
される。第2保護膜5は、第1保護膜3と同一の材質、
すなわちアクリルウレタン系UV硬化樹脂を用いており
、第1保護膜3と同様に厚さ約10μmである。第1保
護膜3及び第2保護膜5の膜厚すなわちUV硬化性樹脂
の膜厚は、プラスチック基板1の両面において、それ自
体の吸放湿によって発生する反りが相殺できれば、どの
ような値であってもよい。ただし、両者の膜厚は、上記
の理由からほぼ等しいことが必要である。
【0022】上記の構成を有する光ディスクを34℃、
90%RHの条件下で24時間放置した後、10%RH
/時間の速度で湿度を低減させ、6時間かけて34℃、
30%RHの環境条件とし、その後は34℃、30%R
Hに保持した。そのときプラスチック基板1の反りの変
化(過渡的反り)を湿度が変化し始める直前から時間経
過とともに反り量を測定し図2に示す。
【0023】図2において、上記の実施例1の過渡的反
りは曲線11にて示されており、反り変化が2mrad
以下に抑えられていることがわかる。なお、図2におい
て、曲線12は従来例の光ディスクの過渡的反りを示し
ており、反り変化が9mradであった。また、従来例
の光ディスクの入射光側に透湿防止膜としてSiO2 
を25nmの厚さにスパッタ法で形成した光ディスクの
場合の過渡的反りが、曲線13により示される。この光
ディスクの場合、従来例の光ディスクとは反りの方向が
逆になった。
【0024】なお、上記の第1保護膜をアクリルウレタ
ン系UV硬化樹脂とし、第2保護膜を帯電防止剤入りU
V硬化樹脂で形成してもよい。 実施例2 実施例1において、透湿防止膜として、膜厚25nmの
SiO2 をプラスチック基板の他方表面に形成する代
わりに、図3に示すようにプラスチック基板の他方表面
に膜厚6μmのアクリルウレタン系UV硬化性樹脂から
なる中間膜6を形成し、この上に膜厚10μmのポリ塩
化ビニリデンの透湿防止膜4aを形成し、第2保護膜を
形成せず、磁性膜としてGdTbFeの代わりにDyF
eCoを用い、この他は実施例1と同様にして光ディス
クを作製した。
【0025】この光ディスクを碁盤目テープ剥離テスト
により透湿防止膜の密着性を評価したところ良好な密着
性を確認した。また、実施例1と同様にして反り変化量
を測定したところ図5曲線11aに示すように低い反り
変化量を示した。ただし、13aの曲線は、従来の光デ
ィスクの特性を示す。 実施例3 実施例2において、透湿防止膜4aの上に、図4に示す
ように帯電防止剤を混入したUV硬化性樹脂を5μm塗
布して第2保護膜を形成し、この他は実施例2と同様に
して光ディスクを作製した。
【0026】反り変化は図5曲線12aに示すように3
mrad以下で低く良好であった。 実施例4 実施例1において、第1保護膜3及び第2保護膜5の上
に、図6に示すように更に透明導電性粉末を含有する合
成樹脂膜6及び7を形成し、この他は実施例1と同様に
して光ディスクを作製した。ただし透明導電性粉末を含
有する合成樹脂膜6及び7は、アクリルウレタン系のU
V硬化樹脂原料と導電性粉末とを混練し、スピンコート
法によって上記基板上(第1及び第2保護膜上)に塗布
し、塗膜にUV光を照射して硬化させて2μmの膜厚と
なるように形成した。
【0027】この光ディスクの過渡的反りを前述の方法
で測定したところ反り変化は2mrad以下に抑えらえ
ていた。帯電防止能の一指標である表面抵抗率は、10
9 〜1012Ω/□であり、良好な帯電防止能を有し
、また鉛筆硬さはHBであって実用上傷が付き難く十分
な硬さを有していた。 実施例5 実施例1に示した構成の光磁気ディスクにおいて、磁性
膜としてGdTbFeの代わりにDyFeCoを用い、
透湿防止膜4にAlNを用いた。
【0028】その膜厚を5,10,20,25及び80
nmとした。この光磁気ディスクを自然光の下で第2保
護膜(透湿防止膜)側から眺めることにより、干渉縞の
見え方を調べた。その結果、透湿防止膜の膜厚が5nm
及び10nmの光磁気ディスクでは、干渉縞が観察され
ないことが分かった。また、透湿防止膜4の膜厚が20
nmの光磁気ディスクでは、注視するとわずかに干渉縞
が観察されたが、ほとんど目立たない程度であることが
分かった。一方透湿防止膜4の膜厚が25nmと80n
mでは、干渉縞が観察された。80nmではより明瞭な
干渉縞が観察された。
【0029】次に、透湿防止膜4の膜厚を変えた場合の
干渉縞の見え方と反射率との関係を調べるため、透湿防
止膜4の膜厚と、第1の保護膜5側から光が入射した場
合の透湿防止膜4での反射率との関係を計算した。計算
は、プラスチック基板1としてのポリカーボネート上に
、透湿防止膜4としてのAlNと、第2保護膜5として
のアクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂とが順次形成
された3層モデルに基づいて実行された。
【0030】なお、ポリカーボネート、AlN、アクリ
ルウレタン系の紫外線硬化型樹脂の屈折率は、それぞれ
1.58、2.1 、1.5 とし、第2の保護膜5の
膜厚は10μmとした。また、光の波長には光ディスク
の光源として多用されている半導体レーザーの波長であ
る780 nmを用いた。そして、透湿防止膜4の膜厚
をパラメータとし0〜200 nmの範囲で変えて反射
率を計算した。
【0031】計算結果を図7のグラフに示す。横軸はA
lNの膜厚であり、縦軸は反射率である。上述の干渉縞
の観察結果と、この反射の計算結果とから、反射率が大
きいとき干渉縞が観察され、反射率が約8%以下のとき
干渉縞はほとんど見えなくなることがわかった。
【0032】次に、透湿防止膜4の膜厚と、環境条件が
変化したときの光ディスクの反りの変化量との関係を実
施例1に記載と同様の条件で調べた。なお、測定には、
透湿防止膜4のAlNの膜厚が1nm、5nm、25n
m、80nmである点を除いて、上記試作した光磁気デ
ィスクと同一の光磁気ディスクが使用された。また、比
較のために、透湿防止膜4と第1の保護膜5とが形成さ
れていない点を除いて、上記試作した光磁気ディスクと
同一の従来通りの光磁気ディスクが使用された。
【0033】実験結果を図8のグラフに示す。横軸は温
度変化開始時からの経過時間であり、縦軸は反りの変化
量である。この実験結果から、プラスチック基板1上に
透湿防止膜4と第1の保護膜5とが形成されていない光
磁気ディスクでは、湿度の低下に伴って、反りの変化量
が10mradにもなるが、本実施例の光磁気ディスク
では、いずれも反りの変化量は2mrad以下に抑えら
れている。このことから、透湿防止膜4としてのAlN
の膜厚が1nm以上であれば、過渡的反りを充分防止で
きることが分かった。 実施例6 実施例5に示した光磁気ディスクにおいて、透湿防止膜
上に形成された第2保護膜上に、導電フィラーを混入し
たアクリル系ハードコート樹脂からなる帯電防止膜(膜
厚=約4nm)を形成した。なお透湿防止膜(AlN)
の膜厚は約5nmである。
【0034】この光磁気ディスクを帯電防止膜側から眺
めた場合、干渉縞は見られなかった。また、反りの変化
量は、2mrad以下である。この光磁気ディスクでは
、情報の記録・消去及び再生のための光ビームが入射す
る側の表面に帯電防止膜を設けたので、光ビームを散乱
するゴミや埃等が表面に付着しにくくなる。これにより
、情報の記録・消去時又は再生時、フォーカッシング・
サーボやトラッキング・サーボが乱れて記録信号又は再
生信号が劣化したり、サーボ飛びが生じたりする危険性
を大幅に低減できる。
【0035】また、過渡的な反りの変化量は、前記実施
例5の光磁気ディスクとほとんど変わらなかった。この
ことは、第2の保護膜としてのポリウレタンアクリレー
ト系の紫外線硬化型樹脂と、帯電防止膜6としての導電
性フィラーを混入したアクリル系ハードコート樹脂とで
は、吸放湿の程度に差がなく、しかも、これらを合わせ
た膜厚を第1の保護膜の膜厚とほぼ同じ10μmに設定
したことによる。ちなみに、上記光磁気ディスクにおい
て、第2の保護膜の膜厚だけを6μmから10μmに変
えると、反りの変化量は若干であるが大きくなった。 実施例7 実施例6に示した光磁気ディスクにおいて、記録媒体膜
上に設けられた第1保護膜上に、更に潤滑性に優れた、
フッ素系樹脂からなる潤滑膜を膜厚2μmを塗布した。
【0036】この光磁気ディスクを帯電防止膜側から眺
めた場合、干渉縞は見られなかった。また、実施例1の
場合と同様にして過渡的反りを調べた結果、反りの変化
量は2mrad以下であった。しかも、本実施例の光磁
気ディスクでは、記録媒体膜が形成されている側に潤滑
膜7を設けたので、浮上型磁気ヘッドを用いた場合、浮
上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとの間の潤滑性を向上
させることができる。
【0037】すなわち、浮上型磁気ヘッドは記録媒体膜
2上に数μmから数十μmのギャップを保ちながら情報
の記録・消去及び再生を行うために配置されるものであ
り、浮上型磁気ヘッドを記録媒体膜2に押しつけるよう
働くサスペンション・バネによる押圧と、光磁気ディス
クの高速回転による空気流により発生して浮上型磁気ヘ
ッドを記録媒体膜2から離すように働く浮上力とバラン
スして、上記ギャップが保たれる。
【0038】このような浮上型磁気ヘッドを用いて、光
磁気ディスクの回転開始時、所定回転数に達するまでの
間、及び、回転終了時、所定回転数より停止に至るまで
の間、浮上型磁気ヘッドと光磁気ディスクとが接するS
CC(Contact−Start−Stop)方式を
採用する場合には、浮上型磁気ヘッドと光磁気ディスク
とが吸着すると、光磁気ディスクの回転開始時、浮上型
磁気ヘッドが破損されることがある。しかしながら、本
実施例の光磁気ディスクによれば、記録媒体膜上に潤滑
膜を設けたので、浮上型磁気ヘッドと光磁気ディスクと
の間の潤滑性が向上し、吸着による浮上型磁気ヘッドの
破損を防止できる。 実施例8 実施例1に示した構成の光磁気ディスクにおいて、透湿
防止膜4のSiO2 の膜厚を変化させた。
【0039】そして、第2保護膜側から光が入射した場
合の透湿防止膜での反射率との関係を計算した。計算は
、プラスチック基板1としてポリカーボネート上に、透
湿防止膜4としてのSiO2 と、第2の保護膜5とし
てのポリウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂と
が順次形成された3層モデルに基づいて実行された。
【0040】なお、ポリカーボネート、SiO2 、ポ
リウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂の屈折率
は、それぞれ1.58、1.45、1.5 とし、第2
の保護膜5の膜厚は10μmとした。また、光の波長に
は光ディスクの光源として多用されている半導体レーザ
ーの波長である780 nmを用いた。そして、透湿防
止膜4の膜厚をパラメータとして0〜300 nmの範
囲で反射率を計算した。
【0041】計算結果を図9のグラフに示す。横軸はS
iO2 の膜厚であり、縦軸は反射率である。このグラ
フから、SiO2 であれば60〜90nm近傍の膜厚
で反射率が最も小さくなり、干渉縞がより見えにくくな
ることが分かる。また、上述のように、反射率が約8%
以下のとき干渉縞はほとんど見えなくなるから、膜厚が
20nm以下においても干渉縞は見えないことが分かる
。したがって、透湿防止膜4の透湿防止効果が充分であ
る限り、製造コスト及び製造時間を考慮すれば、その膜
厚を20nm以下にした方が有利である。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、反りが小さくて帯電
防止能もありかつ表面硬さも十分で傷の付き難く信頼性
の高い光ディスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1で作製した光ディスクの構
成図である。
【図2】この発明の実施例1で作製した光ディスクの反
り変化量を示す図である。
【図3】この発明の実施例2で作製した光ディスクの構
成図である。
【図4】この発明の実施例3で作製した光ディスクの構
成図である。
【図5】この発明の実施例2及び3で作製した光ディス
クの反り変化量を示す図である。
【図6】この発明の実施例4で作製した光ディスクの構
成図である。
【図7】この発明の実施例5で作製した光ディスクにお
ける透湿防止膜(AlN)の厚みと光ディスクの反射率
の関係図である。
【図8】この発明の実施例5で作製した光ディスクの反
りの変化量を示す図である。
【図9】この発明の実施例8で作製した光ディスクにお
ける透湿防止膜(SiO2 )の厚みと光ディスクの反
射率の関係図である。
【図10】従来の光ディスクの説明図である。
【符号の説明】
1  プラスチック 2  記録膜 3  第1保護膜 4,4a  透湿防止膜 5  第2保護膜 6  中間膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透光性を有するプラスチック基板と、
    このプラスチック基板の一方表面に形成された記録膜と
    、この記録膜の表面に形成された第1保護膜と、プラス
    チック基板の他方表面に中間膜を介するか介せずして、
    形成された透湿防止膜とを具備してなる光ディスク。
  2. 【請求項2】  透湿防止膜上に、さらに第1保護膜と
    同じ材質の第2保護膜が形成されている請求項1に記載
    の光ディスク。
  3. 【請求項3】  請求項1又は請求項2に記載の光ディ
    スクの、第1保護膜及び透湿防止膜または第2保護膜が
    、さらにそれぞれ透明導電性粉末を含有する合成樹脂膜
    で被覆されている請求項2又は3に記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】  透湿防止膜が、ポリ塩化ビニリデンあ
    るいはポリ3フッ化塩化エチレンからなる請求項1〜3
    のいずれか1つに記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】  透湿防止膜が、SiO2 、SiO、
    Al2 O3 、SiN、SiAON又はAlNである
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ディスク。
  6. 【請求項6】  透湿防止膜が、1〜20nmの厚みの
    AlN膜である請求項1〜3の何れか1つに記載の光デ
    ィスク。
  7. 【請求項7】  透湿防止膜が、2〜20μmの膜厚を
    有するポリ塩化ビニリデン又はポリ3フッ化塩化エチレ
    ンである請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ディス
    ク。
  8. 【請求項8】  中間膜が、アクリルウレタン系UV硬
    化樹脂からなる請求項1〜3のいずれか1つに記載の光
    ディスク。
  9. 【請求項9】  第1、第2保護膜が、アクリルウレタ
    ン系UV硬化樹脂、ポリ塩化ビニリデン又はポリ3フッ
    化塩化エチレンである請求項1〜3のいずれか1つに記
    載の光ディスク。
  10. 【請求項10】  第1、第2保護膜が、透明導電性粉
    末を含有する合成樹脂からなる請求項1又は2に記載の
    光ディスク。
  11. 【請求項11】  透明導電性粉末が、SnO2 、S
    nO2 −Sb2 O5 、In2 O3 、In2 
    O3 −SnO2 からなる請求項3又は10のいずれ
    かに記載の光ディスク。
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