JP3068806B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
内燃機関のバルブタイミング制御装置Info
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Description
条件に応じて吸気バルブや排気バルブの開閉タイミング
(バルブタイミング)を調整するためのバルブタイミン
グ制御装置に関し、特に電源投入直後に実バルブタイミ
ングを目標バルブタイミングに速やかに収束させて運転
性能および排ガスの悪化を防止した内燃機関のバルブタ
イミング制御装置に関するものである。
8号公報に参照されるように、運転状態に応じて吸気バ
ルブおよび排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミ
ングを可変制御する装置はよく知られている。
とえば特開平6−159021号公報に参照されるよう
によく知られている。以下、図10〜図29を参照しな
がら、従来の内燃機関のバルブタイミング制御装置につ
いて説明する。
構を有するガソリンエンジンシステムを示す概略構成図
である。図10において、エンジン1は、複数(たとえ
ば、4つ)の気筒からなり、内燃機関の本体を構成して
いる。ここでは、代表的にエンジン1の1気筒分のみが
図示されている。
ンダ部を形成している。シリンダヘッド3は、シリンダ
ブロック2の上部に連結されている。ピストン4は、シ
リンダブロック2内の各シリンダに収納されて、上下方
向に往復移動する。クランクシャフト5は、ピストン4
の下端部に連結されており、ピストン4の上下動により
回転させられる。
シャフト5の近傍に配設された電磁ピックアップからな
り、エンジン1の回転に同期したクランク角信号SGT
を出力する。クランク角信号SGTは、エンジン1の回
転数NEの検出に用いられるとともに、クランクシャフ
ト5が所定の基準クランク角度(°CA)にあることを
検出するために用いられる。
に一体に連結されており、シグナルロータ7の外周に
は、磁性体からなる2個の歯7aが回転角180°毎に
形成されている。各歯7aは、クランク角センサ6の前
方を通過する毎に、クランク角センサ6からパルス状の
クランク角信号SGTを発生させる。
リンダヘッド3の内壁と、ピストン4の頂部とによって
形成されており、エンジン1に吸入された混合気を燃焼
させる。点火プラグ9は、燃焼室8内に突出するよう
に、シリンダヘッド3の頂部に配設されており、放電に
より混合気に点火する。
ド3の排気側カムシャフト20(後述する)に連結して
配設されており、各シリンダ毎の点火プラグ9に点火用
の高電圧を順次印加する。イグナイタ11は、点火用の
高電圧を発生する。
ず)を介してディストリビュータ10に接続されてお
り、イグナイタ11から出力された高電圧は、ディスト
リビュータ10を介して、クランクシャフト5の回転に
同期して各点火プラグ9に分配される。
配設されており、冷却水通路を流れる冷却水の温度(冷
却水温)Wを検出する。吸気ポート13は、シリンダヘ
ッド3の吸気側に設けられており、排気ポート14は、
シリンダヘッド3の排気側に設けられている。
れており、排気通路16は、排気ポート14に連通され
ている。吸気バルブ17は、シリンダヘッド3の吸気ポ
ート13に配設されており、排気バルブ18は、シリン
ダヘッド3の排気ポート14に配設されている。
7の上方に配置されて、吸気バルブ17を開閉駆動す
る。排気側カムシャフト20は、排気バルブ18の上方
に配置されて、排気バルブ18を開閉駆動する。
ムシャフト19の一端に装着されており、排気側タイミ
ングプーリ22は、排気側カムシャフト20の一端に装
着されている。タイミングベルト23は、各タイミング
プーリ21および22をクランクシャフト5に連結して
いる。各カムシャフト19および20は、クランクシャ
フト5の1/2の速度で回転する。
ャフト5の回転駆動力は、タイミングベルト23、各タ
イミングプーリ21および22を介して各カムシャフト
19および20に伝達されており、各カムシャフト19
および20を回転させる。
ルブ18は、クランクシャフト5の回転およびピストン
4の上下動に同期して開閉駆動される。すなわち、各バ
ルブ17および18は、エンジン1における吸気行程、
圧縮行程、爆発(膨張)行程および排気行程からなる一
連の4行程に同期して、所定の開閉タイミングで駆動さ
れる。
19の近傍に配設されており、吸気バルブ17の動作タ
イミング(バルブタイミング)を検出するためのカム角
信号SGCを出力する。
ト19に一体に連結されており、シグナルロータ25の
外周には、磁性体からなる4個の歯25aが回転角90
°毎に形成されている。各歯25aは、カム角センサ2
4の前方を通過する毎に、カム角センサ24からパルス
状のカム角信号SGCを発生させる。
途中に配設されており、アクセルペダル(図示せず)に
連動して開閉駆動されることにより、エンジン1への空
気流量すなわち吸入空気量Qを調整する。スロットルセ
ンサ27は、スロットルバルブ26に連結されており、
スロットル開度θを検出する。
ブ26の上流側に配設されており、吸気通路15に流れ
る吸入空気量Qをたとえば熱方式で検出する。サージタ
ンク29は、スロットルバルブ26の下流側に形成され
ており、吸気脈動を抑制する。
ート13の近傍に個別に配設されており、燃料を噴射し
て燃焼室8内に混合気を供給する。各インジェクタ30
は、通電により開放される電磁バルブからなり、各イン
ジェクタ30には、燃料ポンプ(図示せず)から圧送さ
れる燃料が供給されている。
5に空気が取り込まれると同時に、各インジェクタ30
は、吸気ポート13に向けて燃料を噴射する。この結
果、吸気ポート13において混合気が生成され、この混
合気は、吸入行程において、吸気バルブ17の開放によ
り燃焼室8内に吸入される。
と称する)40は、吸気側カムシャフト19に連結され
ており、作動油(エンジン1の潤滑油)により駆動され
て、吸気バルブ17(または、吸気バルブ17および排
気バルブ18の少なくとも一方)のバルブタイミングを
変更する。
1に対する吸気側カムシャフト19の変位角度を変化さ
せることにより、吸気バルブ17のバルブタイミングを
連続的に変更させる。オイルコントロールバルブ(以
下、OCVと称する)80は、VVT40に作動油を供
給するとともに、作動油の油量を調整する。
る)100は、マイクロコンピュータ(後述する)から
なり、エンジン1の運転状態を示す各種センサ信号(吸
入空気量Q、スロットル開度θ、冷却水温W、クランク
角信号SGT、カム角信号SGCなど)に基づいて、各
種アクチュエータ(インジェクタ30、イグナイタ1
1、OCV80など)を駆動し、エンジン1に対する燃
料噴射量、点火時期、バルブタイミングなどを制御す
る。
VT40およびOCV80を含むバルブタイミング可変
手段の具体的な構成について説明する。図11はVVT
40が配設された吸気側カムシャフト19の近傍の構成
を示す断面図であり、VVT40を駆動するための作動
油供給手段(OCV80)の構成も示している。
一符号が付されている。VVT40は、吸気バルブタイ
ミングを調整しており、OCV80は、VVT40に供
給される作動油の量を制御する。吸気側タイミングプー
リ21は、クランクシャフト5とともに回転するタイミ
ングベルト23を介して、クランクシャフト5と同期し
て回転する。
介することにより、吸気側タイミングプーリ21の回転
が位相変更されて伝達される。軸受41は、シリンダヘ
ッド3(図10参照)に固定されており、吸気側カムシ
ャフト19を回転自在に支持している。
側カムシャフト19およびロータ52(後述する)に設
けられている。第1油路42は、ロータ52を遅角方向
に移動させるための遅角油圧室62(後述する)に連通
されており、第2油路43は、ロータ52を進角方向に
移動させるための進角油圧室63(後述する)に連通さ
れている。
収納されたオイルパン90から作動油を導出し、オイル
フィルタ92は、導出された作動油を浄化する。オイル
パン90、オイルポンプ91およびオイルフィルタ92
は、エンジン1(図10参照)の各部を潤滑するための
潤滑手段を構成するとともに、OCV80と協動してV
VT40への作動油供給手段を構成している。
設けられた前述のクランク角センサ6などを含み、クラ
ンク角信号SGTなどのエンジン1の種々の運転状態情
報をECU100に入力する。
ジング81内を摺動する。リニアソレノイド83は、E
CU100からの制御信号にしたがってスプールバルブ
82を摺動させる。スプリング84は、リニアソレノイ
ド83による駆動方向と反対方向にスプールバルブ82
を付勢する。
は、ハウジング81に形成されている。供給ポート85
は、オイルフィルタ92を介してオイルポンプ91に連
通されており、Aポート86は、第1油路42に連通さ
れており、Bポート87は、第2油路43に連通されて
おり、排出ポート88aおよび88bは、オイルパン9
0に連通されている。
ャフト5の回転に連動してオイルポンプ91が作動する
ことにより、オイルパン90内の作動油は、吸い上げら
れて吐出される。吐出された作動油は、オイルフィルタ
92を介して、OCV80により各油路42および43
に選択的に圧送される。
バルブ82の摺動によって各ポート86および87の開
度が連続可変されることにより増減される。このとき、
各ポート開度は、リニアソレノイド83に供給される電
流値i(制御量)により決定される。ECU100は、
クランク角センサ6、カム角センサ24などの各種セン
サ信号に基づき、リニアソレノイド83に供給する電流
iを制御する。
ムシャフト19に対して回転自在に配置されており、ケ
ース45は、ハウジング44に固定されている。板バネ
式のバックスプリング46は、チップシール49(後述
する)とケース45との間に設置されており、チップシ
ール49をロータ52(後述する)に押し付けている。
45に固定されている。ボルト48は、ハウジング4
4、ケース45およびカバー47を固定している。チッ
プシール49は、バックスプリング46によりロータ5
2に押し付けられており、ロータ52およびケース45
によって区切られた油圧室間の作動油の移動を防止して
いる。プレート50は、ネジ51を介してカバー47に
固定されている。
固定されており、ケース45に対して相対的に回転可能
に配置されている。円柱状のホルダ53は、ロータ52
に設けられており、プランジャ54(後述する)と係合
する凹部を有する。
ング55(後述する)の弾力性と、ホルダ53内に導入
される油圧とにより、ハウジング44内を摺動する。ス
プリング55は、プランジャ54をロータ52方向に付
勢する。プランジャ油路56は、スプリング55の付勢
力に抗する油圧をプランジャ54に印加するための作動
油を導入する。空気穴57は、プランジャ54のスプリ
ング55側を常時大気圧に設定する。
9とロータ52とを連結して固定する。軸ボルト59
は、吸気側カムシャフト19とロータ52とを、その回
転軸で連結して固定する。軸ボルト59は、カバー47
に対して回転可能に設けられている。空気穴60は、軸
ボルト59および吸気側カムシャフト19内に設けられ
ており、プレート50の内側を大気圧と同圧に設定す
る。
ンジャ54に油圧が印加された状態を示す部分断面図で
ある。図12に示されるように、プランジャ54は、油
圧によりスプリング55を圧縮しながらハウジング44
側に押し付けられる。これにより、プランジャ54とホ
ルダ53との間の係合が解かれて、ロータ52は、ハウ
ジング44に対して回転可能な状態となる。
向から見た断面図、図14はスライドプレート71の移
動状態を示す部分断面図、図15は図11内のY−Y線
による矢印方向から見た断面図、図16は図11内のZ
−Z線による矢印方向から見た断面図である。
は、ボルト48が螺合されている。扇柱状の遅角油圧室
62は、ロータ52と一体の第1〜第4ベーン64〜6
7(後述する)を遅角方向に回転させる。遅角油圧室6
2は、第1〜第4ベーン64〜67のそれぞれに対応し
て、ロータ52、ケース45、カバー47およびハウジ
ング44に囲まれて設けられている。また、遅角油圧室
62は、第1油路42に連通しており、第1油路42か
ら作動油が供給される。
ーン64〜67を進角方向に回転させる。進角油圧室6
3は、第1〜第4ベーン64〜67のそれぞれに対応し
て、ロータ52、ケース45、カバー47およびハウジ
ング44に囲まれて設けられている。進角油圧室63
は、第2油路43に連通しており、第2油路43から作
動油が供給される。
給される作動油の量に応じて、ロータ52がハウジング
44に対して相対移動することにより、各油圧室62お
よび63の体積は変化する。
向に凸設されている。第1ベーン64のハウジング44
側には、ホルダ53が嵌め込まれており、カバー47側
には連通油路70(後述する)が凹設されている。連通
油路70の途中には、移動溝72(後述する)が凹設さ
れている。プランジャ油路56は、移動溝72からホル
ダ53を通って、ハウジング44側まで貫通されてい
る。
れ、ロータ52から外径方向に凸設されている。第1〜
第4ベーン64〜67のケース45と当接する部位に
は、チップシール73(後述する)が設けられている。
分を構成している。シュー69は、ケース45から内径
方向に凸設されている。シュー69には、ボルト48が
挿入されるボルト穴61が設けられるとともに、ベーン
支持体68と当接する部位には、チップシール49が設
けられている。
遅角油圧室62と進角油圧室63とを連通している。ス
ライドプレート71は、連通油路70の途中に設けられ
た移動溝72(後述する)内を移動する。連通油路70
は、スライドプレート71によって分断されており、遅
角油圧室62と進角油圧室63との間で油漏れがないよ
うに構成されている。
の油圧が高いときには、進角油圧室63側に移動し(図
13参照)、進角油圧室63の油圧が高いときには、遅
角油圧室62側に移動する(図14参照)。移動溝72
は、連通油路70の途中に凹設されており、移動溝72
の途中にプランジャ油路56が連通している。
71が進角油圧室63側に移動した場合(図13参照)
には遅角油圧室62と連通し、スライドプレート71が
遅角油圧室62側に移動した場合(図14参照)には進
角油圧室63と連通する。
4〜67のそれぞれに設けられており、各ベーンとケー
ス45との間をシールして、油漏れを防止する。図1
3、図15および図16内の矢印は、タイミングベルト
23などによるVVT40の全体の回転方向を示してい
る。
的な動作について説明する。まず、エンジン1が停止し
た状態においては、ロータ52の位置は、図13に示さ
れるように、最大遅角位置(すなわち、ハウジング44
に対して、遅角方向に最大に相対回動した位置)にあ
る。
0に供給される油圧が低い(または、大気圧状態にあ
る)ので、第1油路42および第2油路43には油圧が
供給されない。したがって、プランジャ油路56に油圧
が供給されないので、図11に示すように、プランジャ
54は、スプリング55の付勢力によりホルダ53に押
し付けられており、プランジャ54およびホルダ53は
係合されている。
ンプ91が稼動し、OCV80に供給される油圧が上昇
し、Aポート86を介して遅角油圧室62に油圧が供給
される。このとき、遅角油圧室62の油圧によって、ス
ライドプレート71が進角油圧室63側に移動し、遅角
油圧室62とプランジャ油路56とが連通する。これに
より、プランジャ54が押圧されて、ハウジング44側
に移動し、プランジャ54とロータ52との係合が解除
される。
給されているので、各ベーン64〜67は、遅角方向の
シュー69に当接されて押圧されている状態にある。し
たがって、プランジャ54による係合が解除されても、
ハウジング44およびロータ52は、遅角油圧室62の
油圧によって互いに押し付け合い、振動や衝撃が低減ま
たは解消される。
ポート87が開放されると、第2油路43を介して進角
油圧室63に作動油が供給されるので、進角油圧室63
から連通油路70に油圧が伝わり、スライドプレート7
1は、油圧により押圧されて遅角油圧室62側に移動す
る。
ンジャ油路56は、連通油路70の進角油圧室63側に
連通し、進角油圧室63からプランジャ油路56に油圧
が伝えられる。この油圧によって、図12に示すよう
に、プランジャ54がスプリング55の付勢力に抗して
ハウジング44側に移動し、プランジャ54とホルダ5
3との係合が解除される。
の係合が解除された状態で、Aポート86およびBポー
ト87を開閉させて供給油量を調節することにより、遅
角油圧室62および進角油圧室63の油量を調節し、ハ
ウジング44の回転に対してロータ52の回転を進角ま
たは遅角させることができる。
CV80の代表的な作動状態について説明する。図17
〜図19はECU100からの制御電流値iが異なる場
合のOCV80の作動状態を示している。
5A)よりも小さいia(0.1A)の場合を示してい
る。図17において、スプールバルブ82は、スプリン
グ84によってハウジング81の左端に付勢されてお
り、供給ポート85およびAポート86の間と、Bポー
ト87および排出ポート88bの間とは、それぞれ、矢
印のように連通されている。
されるとともに、進角油圧室63から作動油が排出され
るので、ロータ52は、ハウジング44に対して反時計
方向(矢印参照)に回転する。これにより、吸気側タイ
ミングプーリ21に対する吸気側カムシャフト19の位
相が遅れて、吸気バルブ17は遅角制御状態となる。
5A)の場合を示している。図18において、相対する
リニアソレノイド83とスプリング84との力は、互い
に釣り合っており、スプールバルブ82は、Aポート8
6およびBポート87の両方を閉鎖する位置に維持され
ている。
圧室63は、作動油の供給および排出が行われていない
状態にあるので、遅角油圧室62および進角油圧室63
から作動油が漏れなければ、ロータ52は現在位置に保
持され、吸気側タイミングプーリ21と吸気側カムシャ
フト19との位相は現状のまま維持される。
5A)よりも大きいic(1.0A)の場合を示してい
る。図19において、スプールバルブ82は、リニアソ
レノイド83によりハウジング81の右端に駆動されて
おり、供給ポート85およびBポート87の間と、Aポ
ート86および排出ポート88aの間は、それぞれ、矢
印のように連通されている。
室63に作動油が供給されるとともに、第1油路42を
通して遅角油圧室62から作動油が排出されるので、ロ
ータ52は、ハウジング44に対して時計方向(矢印参
照)に回転する。これにより、吸気側タイミングプーリ
21に対する吸気側カムシャフト19の位相が進んで、
吸気バルブ17は進角制御状態となる。
とAポート86またはBポート87との間の連通度、お
よび、排出ポート88aまたは88bとAポート86ま
たはBポート87との間の連通度は、スプールバルブ8
2の位置により制御される。また、スプールバルブ82
の位置とリニアソレノイド83の電流値iとの関係は比
例関係にある。
と実バルブタイミング変化速度VTaとの関係を示す特
性図であり、エンジン1の所定運転条件でのリニアソレ
ノイド電流iに対する実バルブタイミング変化速度VT
aを示している。図20において、実バルブタイミング
変化速度VTaが正の領域は、進角方向に移動している
領域に相当し、実バルブタイミング変化速度VTaが負
の領域は、遅角方向に移動している領域に相当する。
図17〜図19におけるスプールバルブ82の各位置に
対応したリニアソレノイド電流iを示す。実バルブタイ
ミングTaが変化しない(VTa=0となる)リニアソ
レノイド電流iの値は、油圧室62、63、油圧配管お
よびスプールバルブ82の各部から漏れる作動油量と、
オイルポンプ91から圧送される作動油量とが釣り合う
一点の電流値ibのみしか存在しない。
ブタイミング変化速度VTaとの関係のバラツキを示す
特性図であり、実線は作動油の吐出圧が比較的高い場合
の特性曲線、破線は作動油の吐出圧が低い場合の特性曲
線である。作動油の吐出圧は、エンジン回転数NEや温
度(冷却水温W)などによって変動する。
吐出圧の変動によって常に変化し、たとえば、作動油の
吐出圧が低下した場合には増大方向に変化する。また、
スプールバルブ82の寸法などの製品バラツキにより、
電流値ibの位置および特性曲線の変化の仕方は、製品
毎に異なる。たとえば、作動油の吐出圧が低下した場合
には、リニアソレノイド電流iの変化に対する実バルブ
タイミング変化速度VTaの変化量が減少する。
いリニアソレノイド電流ibを、保持電流ihと称す
る。通常、保持電流ihを基準としてバルブタイミング
を進角させたい場合には、リニアソレノイド電流iを大
きく設定し、逆に、バルブタイミングを遅角させたいと
きには、リニアソレノイド電流iを小さく設定すればよ
い。
ミングの検出動作について説明する。図22はクランク
角信号SGT、最遅角時のカム角信号SGCdおよび進
角時のカム角信号SGCaを示すタイミングチャートで
あり、クランク角信号SGTとカム角信号SGCdおよ
びSGCaの位相関係と、実バルブタイミングTaの算
出処理方法とを示している。
周期Tを計測するとともに、カム角信号SGCaからク
ランク角信号SGTまでの位相差時間ΔTaを計測す
る。また、バルブタイミングが最遅角状態にある場合の
位相差時間ΔTdと、クランク角信号周期Tとに基づい
て、最遅角バルブタイミングTdを、以下の(1)式に
より求め、ECU100のRAM内に記憶する。
a、クランク角信号周期Tおよび最遅角バルブタイミン
グTdに基づいて、実バルブタイミングTaを、以下の
(2)式により求める。
ングTaと目標バルブタイミングToとのタイミング偏
差ERに基づいて、リニアソレノイド電流iをフィード
バック制御することにより、実バルブタイミングTaを
目標バルブタイミングToに収束させる。
ロック図である。図23において、ECU100はマイ
クロコンピュータ101を含む。
算や判定を行うCPU102と、所定の制御プログラム
などがあらかじめ格納されたROM103と、CPU1
02の演算結果などを一時記憶するRAM104と、ア
ナログ電圧をデジタル値に変換するA/D変換器105
と、入力信号の周期などを計測するカウンタ106と、
出力信号の駆動時間などを計測するタイマ107と、出
力インタフェイスとなる出力ポート108と、各ブロッ
ク102〜108を接続するコモンバス109とから構
成されている。
6からのクランク角信号SGTおよびカム角センサ24
からのカム角信号SGCをそれぞれ波形整形し、割込み
指令信号INTとしてマイクロコンピュータ101に入
力する。CPU102は、割込み指令信号INTによっ
て割込みがかけられる毎に、カウンタ106の値を読み
取って、RAM104に記憶する。
信号SGTが入力されたときのカウンタ値と今回値との
差から、クランク角信号SGTの周期T(図22参照)
を算出し、さらに、クランク角信号周期Tに基づいて、
エンジン回転数NEを算出する。
が入力されたときのカウンタ値をRAM104から読み
出し、クランク角信号SGTが入力されたときのカウン
タ値との差から、位相差時間ΔTを算出する。
らの冷却水温W、スロットルセンサ27からのスロット
ル開度θ、および、吸入空気量センサ28からの吸入空
気量Qを取り込み、ノイズ成分の除去や増幅などの処理
を施して、A/D変換器105に入力する。A/D変換
器105は、冷却水温W、スロットル開度θおよび吸入
空気量Qを、それぞれデジタルデータに変換してCPU
102に入力する。
動するための制御信号を出力し、駆動回路113は、イ
グナイタ11を駆動するための制御信号を出力する。C
PU102は、各種入力信号に基づいてインジェクタ3
0の駆動時間およびイグナイタ11の点火タイミングを
演算するとともに、タイマ107の時間計測結果に基づ
き、出力ポート108、各駆動回路112および113
を介してインジェクタ30およびイグナイタ11を駆動
し、燃料噴射量および点火時期を制御する。
アソレノイド電流iを制御する。CPU102は、各種
入力信号に基づいてOCV80のリニアソレノイド電流
iを演算するとともに、タイマ107の時間計測結果に
基づき、出力ポート108にOCV80のリニアソレノ
イド電流iに相当するデューティ信号を出力する。
基づき、OCV80のリニアソレノイド83にリニアソ
レノイド電流iが流れるように制御し、バルブタイミン
グの制御を行う。
介して入力されるバッテリ116の電圧から定電圧を生
成し、マイクロコンピュータ101は、電源回路115
から供給される定電圧により動作する。次に、図24〜
図26を参照しながら、CPU102の具体的な動作に
ついて説明する。
ていない装置の動作を示しており、図24は実際の保持
電流ihが基準値(0.5A)と一致している場合のタ
イミングチャート、図25は実際の保持電流ihが基準
値(0.5A)よりも高電流側にずれている場合のタイ
ミングチャートである。図26は積分制御手段を備えた
装置の動作を示しており、実際の保持電流ihが基準値
(0.5A)よりも高電流側にずれている場合のタイミ
ングチャートである。
供給作動油量を調整することができ、制御対象であるV
VT40は、供給作動油の積算量に対応して変位角度が
決定され、VVT40は積分要素を含んでいる。
は、OCV80の実際の保持電流ihが基準値(0.5
A)と一致している場合には、基準値(0.5A)を基
準に、目標バルブタイミングToと実バルブタイミング
Taとの偏差ERに応じた比例制御を行うことにより、
実バルブタイミングTaを目標バルブタイミングToに
収束させる。このときの、OCV80のリニアソレノイ
ド電流iは、以下の(3)式で与えられる。
作に対応する。また、(3)式内のタイミング偏差ER
は、以下の(4)式のように算出される。
バルブタイミングTaおよびリニアソレノイド電流iの
時間変化は、図24のように示される。
は、基準値(0.5A)と必ずしも一致するとは限らな
い。たとえば、実際の保持電流ihが基準値(0.5
A)よりも高電流側にずれていた場合に(3)式の制御
を行うと、実バルブタイミングTaは、図25のように
目標バルブタイミングToに収束せず、最終的に定常偏
差ER1が残ることになる。
タイミング偏差ERが0になるように、OCV80のリ
ニアソレノイド電流iを制御している。図25におい
て、制御手段は、定常偏差ER1を0にするために、リ
ニアソレノイド電流iを以下のように与えている。
(0.5A)よりもKP×ER1[A]だけ高電流側に
ずれているので、制御手段は、定常偏差ER1を0にす
るために、基準値(0.5A)よりもKP×ER1
[A]だけ高い電流を与えて、実バルブタイミングTa
を目標バルブタイミングToに収束させようとする。
18の状態にあって、Aポート86およびBポート87
の両方が閉鎖されているので、定常偏差ER1は解消さ
れずに残ってしまう。このとき、定常偏差ER1は、以
下の(5)式で与えられる。
比例制御に加えて、さらに積分制御を行い、定常偏差E
R1が残らないようにしている。この場合、リニアソレ
ノイド電流iは、以下の(6)式により与えられる。
(総和項)ΣKiは、タイミング偏差ERに基づいて算
出された増減値を積算した積分補正値であり、以下の
(7)式のように算出される。
作に対応している。また、積分項ΣKi(j−1)は、
今回値を積算する前の積分補正値であり、Ki×ER
は、今回の積分増減値に相当する。なお、ゲインKi
は、非常に小さな値に設定されており、ステップ応答な
どの際に過渡的に生じるタイミング偏差ERが増大して
も、積分補正値ΣKiが大きく変動しないようにし、こ
れにより、制御が不安定になるのを防止している。
ミングTaとの間に定常偏差ER1が残らない場合、最
終的な積分制御の結果としての積分補正値ΣKiは、保
持電流ihとの間で、以下の(8)式の関係を満たすこ
とになる。
バルブタイミングTo、実バルブタイミングTaおよび
リニアソレノイド電流iの時間変化を示しており、タイ
ミング偏差ERは0に収束している。
分制御手段を備えた従来装置による上記(6)式に基づ
くバルブタイミング制御動作について説明する。図27
および図28はROM103(図23参照)内に格納さ
れた制御プログラムを示すフローチャートである。ま
た、図29は図27および図28に基づく制御動作を示
すタイミングチャートであり、バルブタイミング、リニ
アソレノイド電流iおよび積分補正値ΣKiの時間変化
を示している。
定時間(たとえば、25msec)毎に処理され、図2
8のルーチンは、キースイッチ117がオンとなった直
後に1回のみ処理される。図27において、CPU10
2は、まず、各種センサ信号を取り込む(ステップS
1)。
ンサ24、吸入空気量センサ28、スロットルセンサ2
7および水温センサ12などから、クランク角信号SG
T、カム角信号SGC、吸入空気量Q、スロットル開度
θ、冷却水温Wなどのエンジンの運転状態信号を取り込
み、クランク角信号SGTおよびカム角信号SGCに基
づいて、クランク角信号周期T、エンジン回転数NEお
よび位相差時間ΔTなどを算出する。
角信号周期Tおよび位相差時間ΔTから、クランクシャ
フト5に対する吸気側カムシャフト19の変位角度(実
バルブタイミング)Taを演算する(ステップS2)。
また、エンジン回転数NE、吸入空気量Q、スロットル
開度θおよび冷却水温Wに基づいて、目標バルブタイミ
ングToを算出する(ステップS3)。
タイミングToと実バルブタイミングTaとのタイミン
グ偏差ERを算出し(ステップS4)、上記(7)式を
用いて、積分補正値ΣKiを求める(ステップS5)。
(j−1)は、25msec前の積分補正値ΣKiを示
すことになる。なお、積分補正値ΣKiは、キースイッ
チ117がオンとなってECU100に電源が印加され
た直後に、0に初期化されている(図28内のステップ
S8)。
0に対するリニアソレノイド電流iを求め(ステップS
6)、タイマ107の時間計測結果に基づいて、出力ポ
ート108にリニアソレノイド電流iに相当する制御信
号(デューティ信号)を出力して(ステップS7)、図
27のルーチンを終了する。
ュータ101から出力されたデューティ信号は、電流制
御回路114を介してOCV80に入力され、OCV8
0内のリニアソレノイド83に流れる電流値がリニアソ
レノイド電流iと一致するように制御する。この結果、
実バルブタイミングTaは、目標バルブタイミングTo
となるように制御される。
した直後においては、図29に示すように、積分補正値
ΣKiが0(初期化されている状態)から上記(8)式
を満たす値に増大するまでの期間にわたって、タイミン
グ偏差ERが残ってしまう。したがって、タイミング偏
差ERが残る期間においては、運転性能や排ガスの悪化
を招くことになる。
ブタイミング制御装置は、キースイッチ117をオンす
る毎に積分補正値ΣKiを0に初期化(ステップS8)
しているので、図29のように、ECU100に電源を
印加した直後からしばらくの間は、目標バルブタイミン
グToと実バルブタイミングTaとの間のタイミング偏
差ERが残ってしまい、運転性能や排ガスの悪化を招く
という問題点があった。
るためになされたもので、ECUに電源を印加した直後
においても、実バルブタイミングを目標バルブタイミン
グに速やかに収束させることのできる内燃機関のバルブ
タイミング制御装置を提供することを目的としている。
のバルブタイミング制御装置は、内燃機関の燃焼室に通
じる吸気通路および排気通路を開閉するために内燃機関
の回転に同期して駆動される吸気バルブおよび排気バル
ブと、内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検
出手段と、運転状態に応じて吸気バルブおよび排気バル
ブの少なくとも一方に対する目標バルブタイミングを算
出する目標バルブタイミング算出手段と、吸気バルブお
よび排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変
更するバルブタイミング可変機構と、吸気バルブおよび
排気バルブの少なくとも一方の実バルブタイミングを検
出する実バルブタイミング検出手段と、目標バルブタイ
ミングと実バルブタイミングとのタイミング偏差が0と
なるようにバルブタイミング可変機構に対する制御量を
発生する実バルブタイミング制御手段と、タイミング偏
差を積算して制御量を補正するための積分補正値を算出
する積分制御手段と、実バルブタイミングの保持に要す
る制御量の学習値を積分補正値に基づいて学習する学習
手段とを備えたものである。
イミング制御装置による実バルブタイミング制御手段
は、学習値に基づいて、制御量を補正するものである。
イミング制御装置による積分制御手段は、学習値が更新
されたときに、学習値の増大分だけ積分補正値を減少さ
せ、学習値の減少分だけ積分補正値を増大させるもので
ある。
イミング制御装置による積分制御手段は、学習値に基づ
いて、積分補正値を初期化するものである。
イミング制御装置は、内燃機関のバルブタイミング制御
装置に接続されたバッテリと、バッテリとバルブタイミ
ング制御装置との間に挿入されてバルブタイミング制御
装置に選択的に電源を供給するキースイッチと、バッテ
リと学習手段との間に挿入されて学習手段に電源を供給
するバックアップ電源回路とを備え、学習手段は、キー
スイッチのオフ時に、バックアップ電源回路を介した電
源供給により学習値を保持し、積分制御手段は、キース
イッチのオン時に積分補正値を初期化するものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値を学習
値として学習するものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値の平均
値に基づいて学習値を算出するものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値の増減
方向反転時の過去複数回分の積分補正値の平均値に基づ
いて、学習値を算出するものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値の平均
値の一部を学習値に反映させるものである。
イミング制御装置による学習手段は、学習値に反映させ
る積分補正値の平均値の反映割合を、学習の進行につれ
て小さくなるように可変設定するものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値の所定
時間毎の平均値に基づいて、学習値を算出するものであ
る。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値に対し
てフィルタ演算処理を行い、フィルタ演算処理に基づく
平滑値を平均値として求めるものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値に関連
する制御量として、実バルブタイミングの保持に要する
保持電流を学習値として求めるものである。
イミング制御装置による学習手段は、積分補正値に関連
する制御量として、実バルブタイミングの保持に要する
保持電流から基準値を差し引いた電流値を学習値として
求めるものである。
イミング制御装置による学習手段は、目標バルブタイミ
ングがほぼ一定で、且つ、タイミング偏差が所定値以内
のときに、学習値を学習するものである。
実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の
実施の形態1の基本的な構成を概念的に示す機能ブロッ
ク図であり、ECU100A内の動作プログラムの機能
を示している。なお、この発明の実施の形態1が適用さ
れるバルブタイミング可変機構(VVT)を備えた装置
構成は図10に示した通りであり、ECU100A内の
動作プログラムの一部が変更された点のみが前述と異な
る。
Tの基本的な周辺構成および動作については、図11〜
図22に示した通りなので、その詳細説明を省略する。
図1において、前述(図10参照)と同一部分には同一
符号を付して、その詳細説明を省略する。
0参照)から内燃機関の運転状態Dを検出する運転状態
検出手段201と、運転状態Dに応じて吸気バルブ17
および排気バルブ18の少なくとも一方に対する目標バ
ルブタイミングToを算出する目標バルブタイミング算
出手段202と、吸気バルブおよび排気バルブの少なく
とも一方の実バルブタイミングTaを検出する実バルブ
タイミング検出手段203とを備えている。
ミングTaと実バルブタイミングToとの偏差ERに基
づいてVVT40に対する制御量(リニアソレノイド電
流i)を発生する実バルブタイミング制御手段204
と、タイミング偏差ERを積算してリニアソレノイド電
流iを補正するための積分補正値ΣKiを算出する積分
制御手段205と、実バルブタイミングTaの保持に要
する制御量(保持電流ih)の学習値LRNを積分補正
値ΣKiに基づいて学習する学習手段206とを備えて
いる。
習値LRNに基づいて、リニアソレノイド電流iを補正
する。積分制御手段205は、学習値LRNが更新され
たときに、学習値LRNの増大分だけ積分補正値ΣKi
を減少させ、学習値LRNの減少分だけ積分補正値を増
大させる。
均値(または、平滑値)に基づいて学習値LRNを算出
し、たとえば、積分補正値ΣKiの増減方向反転時の過
去複数回分の積分補正値ΣKiの平均値に基づいて、学
習値LRNを算出する。また、学習手段206は、積分
補正値ΣKiの平均値の一部を学習値LRNに反映させ
るとともに、学習値LRNに反映させる積分補正値ΣK
iの平均値の反映割合を、学習の進行につれて小さくな
るように可変設定する。
CLRNを有し、たとえば、目標バルブタイミングTo
がほぼ一定で、且つ、タイミング偏差ERが所定値E1
以内を示す収束状態において、学習値LRNを学習する
ようになっている。VVT40は、前述と同様に、OC
V80により駆動され、吸気バルブ17および排気バル
ブ18の少なくとも一方の開閉タイミングを変更する。
ロック図であり、前述(図23参照)と同一部分につい
ては、同一符号を付してその詳細説明を省略する。図2
において、ECU100Aは、バックアップ電源回路1
18が追加された点のみが図23と異なる。この場合、
ROM103Aには、図4(後述する)に示す制御プロ
グラムおよびデータが書き込まれている。
ッチ117を介さずにバッテリ116の出力端子に接続
されており、バッテリ電圧に基づく定電圧をRAM10
4に供給する。したがって、RAM104は、バックア
ップ電源回路118からの定電圧により動作し、キース
イッチ117がオフの間でも記憶内容を保持する。
ながら、この発明の実施の形態1による保持電流の学習
制御動作について説明する。図3において、目標バルブ
タイミングToと実バルブタイミングTaとのタイミン
グ偏差ERの絶対値が所定値E1(たとえば、1°C
A)以上の場合は、リニアソレノイド電流iは、以下の
(9)式に基づいて演算される。
ニアソレノイド電流iに関連する保持電流の学習値LR
Nを加算したものである。学習手段206は、後述のよ
うに、積分補正値ΣKiに基づいて学習値LRNを学習
し、これにより、積分補正値ΣKiは、ほぼ0に収束す
る。また、学習値LRNは、実際の保持電流ihから基
準値を減算した値(ih−0.5[A])にほぼ収束す
る。さらに、(9)式内の積分補正値ΣKiは、以下の
(10)式に基づいて算出される。
おり、積分補正値ΣKiに対する増減値ΔKiを、タイ
ミング偏差ERの大きさによらず一定値(たとえば、
0.1mA)に設定したものである。一方、タイミング
偏差ERの絶対値が所定値E1未満の場合は、リニアソ
レノイド電流iは、以下の(11)式に基づいて演算さ
れる。
値(KP×ER)を削除したものである。すなわち、実
バルブタイミングTaが目標バルブタイミングToにほ
ぼ収束した状態(|ER|<E1)においては、実バル
ブタイミングTaを目標バルブタイミングToに安定し
て制御するために、タイミング偏差ERに応じた比例制
御(KP×ER)を禁止し、積分制御(ΣKi)のみに
よって実バルブタイミングTaを変化させる。
aは、目標バルブタイミングToの変化に応じて、目標
バルブタイミングToに収束するよう変化する。しか
し、目標バルブタイミングToがほぼ一定で、且つ、タ
イミング偏差ERの絶対値が所定値E1未満を示す収束
状態において、上記(11)式に基づくリニアソレノイ
ド電流iは、ほぼ実際の保持電流ihを示していると見
なされるので、学習手段206は、積分補正値ΣKiに
基づいて、以下のように学習値LRNの学習を行う。
ングTaおよび目標バルブタイミングToが上記収束状
態になった後、タイミング偏差ERの符号が反転した時
刻t1において、学習カウンタCLRNを1だけインク
リメントする。このとき、学習カウンタCLRNの値が
「1」であれば、時刻t1における積分補正値ΣKiA
を積分補正値ピーク値Piとして記憶する。
タイミングToが一定ではない状態、または、タイミン
グ偏差ERの絶対値が所定値E1以上を示す場合に0に
リセットされる。したがって、学習カウンタCLRNの
値は、収束状態になった後にタイミング偏差ERの符号
FERが反転した回数を示している。
の時刻t2において、再度、偏差ERの符号FERが反
転すると、学習手段206は、学習カウンタCLRNを
さらに「1」だけインクリメントする。このとき、学習
カウンタCLRNの値が「2」以上であれば、時刻t2
における積分補正値ΣKiBと前回の積分補正値ピーク
値Pi(=ΣKiA)との平均値(ΣKiA+ΣKi
B)/2を積分補正値偏差DEVとして記憶する。
値LRNに反映させるために、積分補正値偏差DEVに
更新係数KL(≦1)を乗じた値(DEV×KL)を算
出し、これを学習値LRNに加算する。すなわち、収束
状態の継続中にタイミング偏差ERの符号FERが2回
以上反転すると、偏差符号FERが反転する度に学習値
LRNが更新される。したがって、時刻t2において記
憶される積分補正値ピーク値Piは、図3内の値ΣKi
Cとなる。
Rの符号FERが反転すると、学習手段206は、学習
カウンタCLRNをさらに「1」だけインクリメント
し、時刻t3における積分補正値ΣKiDと前回の積分
補正値ピーク値Pi(=ΣKiC)との平均値(ΣKi
C+ΣKiD)/2を積分補正値偏差DEVとして記憶
する。また、積分補正値偏差DEVの一部を学習値LR
Nに反映させるため、積分補正値偏差DEVに更新係数
KLを乗じた値を、学習値LRNに加算する。
7がオンしてECU100Aに電源が印加される毎に、
所定値KLo(たとえば、1.0)に初期化される。こ
れにより、キースイッチ117のオン直後(学習値LR
Nが実際の保持電流ihと異なる可能性が高い)におい
て、学習値LRNを速やかに実際の保持電流ihに近づ
けることができる。
新される毎に、下限値KLm(たとえば、0.2)に達
するまで、所定値ΔKL(たとえば、0.1)ずつ減少
される。これにより、積分補正値偏差DEVを学習値L
RNに反映する割合は、キースイッチ117をオンした
直後は大きいが、学習が進むにつれて徐々に低減するこ
とになる。
際の保持電流ihに近づいた状態においては、積分補正
値ΣKiが万一異常に変動したとしても、学習値LRN
の変動を抑制することができる。さらに、学習値LRN
が更新された際に、積分補正値ΣKiから積分補正値偏
差DEV×更新係数KLが減算されるので、積分補正値
ΣKiと学習値LRNとの合計が学習値LRNの更新前
後で変化しないようにすることができる。
とえば図3内の積分補正値ΣKiCは、時刻t2におけ
る積分補正値ピーク値Piとして記憶され、次回のタイ
ミング偏差ERの反転時(時刻t3)における積分補正
値偏差DEVの算出に用いられる。上記動作を繰り返す
ことにより、学習値LRNは、実際の保持電流ihから
基準値を減算した値(ih−0.5[A])に収束し、
積分補正値ΣKiは0に収束する。
118の作用により、キースイッチ117のオフ期間中
においてもRAM104内に記憶保持されているので、
キースイッチ117がオンされた直後であっても、実バ
ルブタイミングTaを目標バルブタイミングToに速や
かに収束させることができる。なお、学習値LRNは、
バッテリ116が接続された直後には「0」に初期化さ
れる。
参照しながら、上記動作について、さらに具体的に説明
する。図4のフローチャートは、マイクロコンピュータ
101A内のCPU102(図2参照)により、25m
sec毎に処理される。
テップS5〜S6がステップS10〜S31に置き換え
られている。なお、前述と同一処理部分には同一ステッ
プ符号を付して、その詳細説明を省略する。図5におい
ては、前述(図28参照)の処理ルーチンにステップS
40およびステップS41が追加されている。
種センサ信号に基づくクランク角信号周期T、エンジン
回転数NE、位相差時間ΔT、吸入空気量Q、スロット
ル開度θ、冷却水温Wなどの運転状態信号を取り込む。
なお、ステップS1は、図1内の運転状態検出手段20
1に対応している。
実バルブタイミングTaおよび目標バルブタイミングT
oを算出し、ステップS4において、前述の(4)式か
らタイミング偏差ERを算出する。なお、ステップS2
およびS3は、図1内の実バルブタイミング検出手段2
03および目標バルブタイミング算出手段202にそれ
ぞれ対応している。
号FERを前回偏差符号FERbに格納し(ステップS
10)、タイミング偏差ERが0以上か否かを判定する
(ステップS11)。
わち、YES)と判定されれば、偏差符号FERを1に
セットし(ステップS12)、ER<0(すなわち、N
O)と判定されれば、偏差符号FERを0にリセットす
る(ステップS13)。
り、偏差符号FERとしては、今回のタイミング偏差E
Rの符号が格納され、前回偏差符号FERbとしては、
25msec前のタイミング偏差ERの符号が格納され
る。
に、偏差符号FERが1か否かを判定し(ステップS1
4)、FER=1(すなわち、YES)と判定されれ
ば、実バルブタイミングTaが目標バルブタイミングT
oよりも遅角側にあるので、積分補正値ΣKiに増減値
ΔKiを加算して(ステップS15)、次の判定ステッ
プS17に進む。
(すなわち、NO)と判定されれば、実バルブタイミン
グTaが目標バルブタイミングToよりも進角側にある
ので、積分補正値ΣKiから増減値ΔKiを減算して
(ステップS16)、判定ステップS17に進む。
2内の積分制御手段205を対応している。また、積分
補正値ΣKiは、キースイッチ117がオンされてEC
U100Aに電源が印加された直後に、図5内のステッ
プS8において、「0」に初期化されている。
態を示すか否かを判定するための基準値として、目標バ
ルブタイミング一定判定基準値Torを設定し、目標バ
ルブタイミングToと目標バルブタイミング一定判定基
準値Torとの差の絶対値が所定値E2(たとえば、
0.5°CA)未満か否かを判定する(ステップS1
7)。
|≧E2(すなわち、NO)と判定されれば、目標バル
ブタイミングToが一定状態ではないので、現在の目標
バルブタイミングToを新たな目標バルブタイミング一
定判定基準値Torとして記憶し(ステップS18)、
学習カウンタCLRNを0にリセットして(ステップS
19)、後述の判定ステップS29に進む。
Tor|<E2(すなわち、YES)と判定されれば、
目標バルブタイミングToがほぼ一定状態にあるので、
続いて、タイミング偏差ERの絶対値が所定値E1未満
か否かを判定する(ステップS20)。
(すなわち、NO)と判定されれば、ステップS19に
進んで学習カウンタCLRNを0にリセットし、|ER
|<E1(すなわち、YES)と判定されれば、保持電
流ihの学習が可能な条件が成立しているので、続い
て、偏差符号FERと前回偏差符号FERbとが一致し
ているか否かを判定する(ステップS21)。
Rb(すなわち、YES)と判定されれば、後述の判定
ステップS29に進む。また、FER≠FERb(すな
わち、NO)と判定されれば、タイミング偏差ERの符
号FERが反転したので、学習カウンタCLRNを
「1」だけインクリメントし(ステップS22)、学習
カウンタCLRNの値が「2」以上であるか否かを判定
する(ステップS23)。
(すなわち、NO)と判定されれば、学習カウンタCL
RNが「1」なので、後述のステップS28に進む。ま
た、CLRN≧2(すなわち、YES)と判定されれ
ば、積分補正値ΣKiと積分補正値ピーク値Piの平均
値(ΣKi+Pi)/2を算出し、この平均値を積分補
正値偏差DEVに格納する(ステップS24)。
Lを乗じた値(DEV×KL)を、学習値LRNに加算
して、学習値LRNを更新する(ステップS25)。な
お、学習値LRNは、バッテリ116がECU100A
に接続された直後に、図5内のステップS40におい
て、「0」に初期化されている。
補正値偏差DEVに更新係数KLを乗じた値(DEV×
KL)を、積分補正係数ΣKiから減算して、積分補正
係数ΣKiを更新する(ステップS26)。
算して、更新係数KLを更新する(ステップS27)。
このとき、更新係数KLは、下限値KLmに制限され
る。なお、更新係数KLは、キースイッチ117がオン
されてECU100Aに電源が印加された直後に、図5
内のステップS41において、所定値KLoに初期化さ
れている。
は、ステップS23において、CLRN<2(すなわ
ち、NO)と判定された場合には、現在の積分補正値Σ
Kiを積分補正値ピーク値Piとして記憶する(ステッ
プS28)。なお、ステップS17〜S28は図1内の
学習手段206に対応している。
後、または、ステップS21において、FER=FER
b(すなわち、YES)と判定された場合には、タイミ
ング偏差ERの絶対値が所定値E1未満か否かを再び判
定する(ステップS29)。
(すなわち、NO)と判定されれば、実バルブタイミン
グ制御手段204は、前述の(9)式から、OCV80
のリニアソレノイド電流iを算出する(ステップS3
0)。
04は、前述の(3)式から算出される制御量(KP×
ER+0.5[A])と、積分制御手段205から生成
される積分補正値ΣKiと、学習手段206から生成さ
れる学習値LRNとを加算し、最終的な制御量(リニア
ソレノイド電流i)として出力する。
<E1(すなわち、YES)と判定されれば、実バルブ
タイミング制御手段204は、前述の(11)式から、
OCV80のリニアソレノイド電流iを算出する(ステ
ップS31)。
04は、基準値0.5[A]と、積分補正値ΣKiと、
学習値LRNとを加算し、最終的な制御量(リニアソレ
ノイド電流i)として出力する。
力ポート108にOCV80のリニアソレノイド電流i
に相当するデューティ信号を出力し、図4のルーチンを
終了する。
は、図1内の実バルブタイミング制御手段204に対応
している。
対応した制御量(リニアソレノイド電流i)の学習値L
RNを学習する学習手段206を設け、キースイッチ1
17のオン直後に制御量を補正することにより、実バル
ブタイミングTaを目標バルブタイミングToに速やか
に収束させることができる。
Nの更新時に、学習値LRNの増減量を補償するよう
に、積分補正値ΣKiを減少または増大させるので、学
習値LRNの更新前後で制御量が変化することがなく、
安定した制御が可能となる。
iの平均値に基づいて学習値LRNを算出し、保持電流
ihの中心値を学習するので、積分補正値ΣKiが異常
に変動した場合の学習値LRNの変動を抑制することが
できる。
iの増減方向(偏差符号FER)が反転したときの積分
補正値ΣKiの過去複数回の平均値に基づいて学習値L
RNを算出するので、短期間で積分補正値ΣKiの平均
値を正確に求めることができる。さらに、何らかの異常
により、積分補正値ΣKiが一方向にのみ動いている場
合には、学習値LRNを求めることができないが、この
場合の誤学習を防ぐことができる。
iの平均値の一部を学習値LRNに反映させるので、積
分補正値ΣKiの平均値が異常に変動した場合の学習値
LRNの変動を抑制することができる。
反映させる積分補正値ΣKiの平均値の反映割合を、学
習が進むにつれて小さくするので、学習値LRNが実際
の保持電流ihからずれている可能性の高いキースイッ
チ117のオン直後においては、学習値LRNを速やか
に実際の保持電流ihに近づけることができ、その後、
学習が進んで学習値LRNが実際の保持電流ihと近似
した状態においては、積分補正値ΣKiの平均値が異常
に変動した場合の学習値LRNの変動を抑制することが
できる。
グ収束状態において学習値LRNを学習するので、制御
量(リニアソレノイド電流i)が実際の保持電流ihの
近傍となっているときに学習することができ、保持電流
ihの誤学習を防止することができる。
習値LRNを算出するために、通常の平均演算式を用い
て積分補正値ΣKiの平均値を求めたが、積分補正値Σ
Kiのフィルタ演算処理に基づく平滑値を平均値として
求めてもよい。
度、リニアソレノイド電流iに反映させたが、その都
度、学習値LRNをリニアソレノイド電流iに反映させ
ずに、キースイッチ117(図2参照)がオンされてE
CU100Aに電源が印加された直後に、積分補正値Σ
Kiを学習値LRNに初期化してもよい。
の実施の形態2について説明する。この発明の実施の形
態2においては、積分補正値ΣKiの平滑値が平均値と
して算出されるとともに、積分補正値ΣKiが学習値L
RNに初期化される。
は、キースイッチ117がオンされてECU100Aに
電源が印加された直後に、学習値LRNに基づいて積分
補正値ΣKiを初期化する。また、学習手段206は、
学習タイマTMを有している。
電流ihの学習動作を説明するためのタイミングチャー
トである。図6において、タイミング偏差ERの絶対値
が所定値E1(たとえば、1°CA)以上の場合には、
リニアソレノイド電流iは、前述の(6)式に基づいて
演算され、(6)式内の積分補正値ΣKiは、前述の
(10)式に基づいて算出される。
値E1未満の場合には、リニアソレノイド電流iは、以
下の(12)式に基づいて算出される。
御値(KP×ER)を削除したものである。これによ
り、実バルブタイミングTaが目標バルブタイミングT
oにほぼ収束した状態においては、比例制御を禁止して
積分制御のみによって実バルブタイミングTaを変化さ
せ、実バルブタイミングTaを目標バルブタイミングT
oに安定して制御することができる。
実バルブタイミングTaは、上述の制御により目標バル
ブタイミングToに収束するように変化する。また、目
標バルブタイミングToがほぼ一定で、且つ、タイミン
グ偏差ERの絶対値が所定値E1未満である収束状態に
おいては、(12)式に基づくリニアソレノイド電流i
は、ほぼ実際の保持電流ihを示していると見なされる
ので、以下の積分補正値ΣKiに基づく学習値LRNの
学習を実行する。
態が所定時間(たとえば、0.5sec)だけ継続する
と、積分補正値ΣKiの平滑値FLTを学習値LRNと
して記憶する。学習値LRNは、バックアップ電源11
8により、キースイッチ117がオフされている期間も
RAM104に記憶保持される。
れた直後に、積分補正値ΣKiを学習値LRNに初期化
することにより、実バルブタイミングTaを目標バルブ
タイミングToに速やかに収束させることができる。ま
た、平滑値FLTも、キースイッチ117がオンした直
後に、学習値LRNに初期化される。
接続した直後に、「0」に初期化される。このように、
学習値LRNをリニアソレノイド電流iに反映させず
に、積分補正値ΣKiの初期値として使用することによ
り、上記実施の形態1の場合と比べて、制御を簡略化す
ることができる。
参照しながら、この発明の実施の形態2の動作につい
て、さらに具体的に説明する。図7においては、前述
(図4参照)のステップS15に続いてステップS50
が追加されており、ステップS19がステップS51に
置き換えられ、ステップS21〜S31がステップS5
2〜S57に置き換えられている。
S51は、前述のステップS19に対応し、ステップS
52は、前述のステップS22に対応し、ステップS5
5は、前述のステップS29に対応している。
02内で、25msec毎に処理される。また、図8に
おいては、前述(図5)のステップS8およびS41が
ステップS60およびS61に置き換えられている。
S16が実行され、ステップS15またはS16におい
て、積分補正値ΣKiが求められる。なお、積分補正値
ΣKiは、キースイッチ117がオンされてECU10
0Aに電源が印加された直後に、図8内のステップS6
0において、学習値LRNに初期化されている。
に、積分補正値ΣKiの平滑値FLTを、以下の(1
3)式に基づいて算出する(ステップS50)。
滑係数KFは、たとえば「0.1」程度に設定されてい
る。なお、平滑値FLTは、キースイッチ117がオン
されてECU100Aに電源が印加された直後に、図8
内のステップS61において、学習値LRNに初期化さ
れている。
標バルブタイミングToと目標バルブタイミング一定判
定基準値Torとの差の絶対値が所定値E2(たとえ
ば、0.5°CA)未満か否かを判定し、|To−To
r|≧E2(すなわち、NO)と判定されれば、ステッ
プS18において、現在の目標バルブタイミングToを
新たな目標バルブタイミング一定判定基準値Torとし
て記憶する。また、ステップS18に続いて、学習タイ
マTMを0にリセットする。
r|<E2(すなわち、YES)と判定されれば、目標
バルブタイミングToが一定と見なされるので、前述の
ステップS20において、|ER|<E1を満たすか否
かを判定する。
(すなわち、NO)と判定されれば、学習タイマTMを
「0」にリセットして(ステップS51)、ステップS
55に進む。また、|ER|<E1(すなわち、YE
S)と判定されれば、学習タイマTMを「1」だけイン
クリメントして(ステップS52)、次の判定ステップ
S53に進む。
ブタイミングToおよび実バルブタイミングTaが収束
状態にある継続時間を示している。次に、ステップS5
2に続いて、学習タイマTMが「20」以上であるか否
かを判定する(ステップS53)。
なわち、YES)と判定されれば、上記収束状態が0.
5sec(=25msec×20)以上にわたって継続
しているので、平滑値FLTを学習値LRNとして記憶
し(ステップS54)、判定ステップS55に進む。
0(すなわち、NO)と判定されれば、直ちに判定ステ
ップS55に進む。なお、ステップS17、ステップS
18、ステップS20、ステップS50〜S54は、図
1内の学習手段206に対応している。
後、および、ステップS53においてNOと判定された
場合に、タイミング偏差ERの絶対値が所定値E1未満
か否かを再び判定する(ステップS55)。
(すなわち、NO)と判定されれば、前述の(6)式か
ら、OCV80のリニアソレノイド電流iを求め(ステ
ップS56)、ステップS7に進む。すなわち、前述の
(3)式から得られる制御量(KP×ER+0.5
[A])と、積分制御手段205から得られる積分補正
値ΣKiとを加算して、最終的なリニアソレノイド電流
iを求める。
<E1(すなわち、YES)と判定されれば、前述の
(12)式から、OCV80のリニアソレノイド電流i
を求め(ステップS57)、ステップS7に進む。すな
わち、基準値(0.5A)と積分補正値ΣKiとを加算
して、最終的なリニアソレノイド電流iを求める。
力ポート108にOCV80のリニアソレノイド電流i
に相当するデューティ信号を出力し、図7のルーチンを
終了する。なお、各ステップS55〜S57およびS7
は、実バルブタイミング制御手段204に対応してい
る。
制御手段205は、学習値LRNに基づいて積分補正値
ΣKiを初期化するので、キースイッチ117のオン直
後においても、実バルブタイミングTaを目標バルブタ
イミングToに速やかに収束させることができる。
よび実施の形態2では、積分補正値ΣKiの平均値に基
づいて学習値LRNを学習したが、積分補正値ΣKiそ
のものを学習値としてもよい。たとえば、キースイッチ
117のオフ期間中に積分補正値ΣKiを学習値として
記憶保持し、キースイッチ117がオンされたときに、
直ちに学習値(積分補正値ΣKi)を読み出し、積分補
正値ΣKiを初期化しないように構成してもよい。
きに積分補正値ΣKiを初期化しないようにしたこの発
明の実施の形態3の動作を示すフローチャートである。
図9において、バッテリ116が接続された直後のみ
に、積分制御手段205は、積分補正値ΣKiを「0」
に初期化する(ステップS70)。
直後において、積分制御手段205は、積分補正値ΣK
iを初期化せず、キースイッチ117をオフする以前の
記憶保持された学習値を学習手段206から読み出して
用いる。他の処理動作については、前述(図27参照)
と同様である。
は、タイミング偏差ERが反転したときの積分補正値Σ
Kiの平均値に基づいて学習値LRNを算出したが、積
分補正値ΣKiの所定時間毎の平均値に基づいて学習値
LRNを算出してもよい。
は、実際の保持電流ihから基準値(0.5A)を差し
引いた値に相当する電流値を学習値LRNとしたが、実
際の保持電流ihに相当する電流値を学習値LRNとし
てもよい。
て、学習値LRNを0クリア(図5内のステップS4
0)せずに、学習値LRNとして基準値(0.5A)を
初期設定すればよい。また、制御量(リニアソレノイド
電流i)は、0.5Aを加算(図4内のステップS3
0、S31)せずに、演算されることになる。
は、比例制御および積分制御を用いてフィードバック制
御したが、たとえば特開平6−159021号公報に参
照されるように、さらに微分制御を加えてもよい。
は、VVT40の本体がタイミングプーリ21(図10
参照)の回転とともに回転する装置について説明した
が、たとえば、特願平8−267603号明細書に記載
されているように、VVT40の本体が回転しない装置
にも適用することができる。さらに、実バルブタイミン
グTaをポテンショメータで検出する装置にも適用可能
なことは言うまでもない。
ば、内燃機関の燃焼室に通じる吸気通路および排気通路
を開閉するために内燃機関の回転に同期して駆動される
吸気バルブおよび排気バルブと、内燃機関の運転状態を
検出するための運転状態検出手段と、運転状態に応じて
吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方に対する
目標バルブタイミングを算出する目標バルブタイミング
算出手段と、吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも
一方の開閉タイミングを変更するバルブタイミング可変
機構と、吸気バルブおよび排気バルブの少なくとも一方
の実バルブタイミングを検出する実バルブタイミング検
出手段と、目標バルブタイミングと実バルブタイミング
とのタイミング偏差が0となるようにバルブタイミング
可変機構に対する制御量を発生する実バルブタイミング
制御手段と、タイミング偏差を積算して制御量を補正す
るための積分補正値を算出する積分制御手段と、実バル
ブタイミングの保持に要する制御量の学習値を積分補正
値に基づいて学習する学習手段とを設け、制御量に関連
した学習値を正確に学習するようにしたので、キースイ
ッチをオンしてECU(制御手段)に電源を印加した直
後においても、実バルブタイミングを目標バルブタイミ
ングに速やかに収束させることのできる内燃機関のバル
ブタイミング制御装置が得られる効果がある。
項1において、実バルブタイミング制御手段は、学習値
に基づいて制御量を補正するようにしたので、電源印加
直後に実バルブタイミングを目標バルブタイミングに速
やかに収束させることのできる内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置が得られる効果がある。
項2において、積分制御手段は、学習値が更新されたと
きに、学習値の増大分だけ積分補正値を減少させ、学習
値の減少分だけ積分補正値を増大させ、学習値の更新の
前後で制御量が変化しないようにしたので、安定な制御
を実現した内燃機関のバルブタイミング制御装置が得ら
れる効果がある。
項1において、積分制御手段は、学習値に基づいて、積
分補正値を初期化するようにしたので、電源印加直後に
実バルブタイミングを目標バルブタイミングに速やかに
収束させることのできる内燃機関のバルブタイミング制
御装置が得られる効果がある。
項4において、内燃機関のバルブタイミング制御装置に
接続されたバッテリと、バッテリとバルブタイミング制
御装置との間に挿入されてバルブタイミング制御装置に
選択的に電源を供給するキースイッチと、バッテリと学
習手段との間に挿入されて学習手段に電源を供給するバ
ックアップ電源回路とを備え、学習手段は、キースイッ
チのオフ時に、バックアップ電源回路を介した電源供給
により学習値を保持し、積分制御手段は、キースイッチ
のオン時に積分補正値を初期化するようにしたので、電
源印加直後に実バルブタイミングを目標バルブタイミン
グに速やかに収束させることのできる内燃機関のバルブ
タイミング制御装置が得られる効果がある。
項1において、学習手段は、積分補正値を学習値として
学習するようにしたので、電源印加直後に実バルブタイ
ミングを目標バルブタイミングに速やかに収束させるこ
とのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置が得ら
れる効果がある。
項1において、学習手段は、積分補正値の平均値に基づ
いて学習値を算出するようにしたので、積分補正値が異
常に変動した場合の学習値の変動を抑制した内燃機関の
バルブタイミング制御装置が得られる効果がある。
項7において、学習手段は、積分補正値の増減方向反転
時の過去複数回分の積分補正値の平均値に基づいて、学
習値を算出するようにしたので、短期間で正確な平均値
を求めることができるとともに、積分補正値が一方向に
のみ動いている場合の誤学習を防止することのできる内
燃機関のバルブタイミング制御装置が得られる効果があ
る。
項7において、学習手段は、積分補正値の平均値の一部
を学習値に反映させるようにしたので、平均値が異常に
変動した場合の学習値の変動を抑制することのできる内
燃機関のバルブタイミング制御装置が得られる効果があ
る。
求項9において、学習手段は、学習値に反映させる積分
補正値の平均値の反映割合を、学習の進行につれて小さ
くなるように可変設定するようにしたので、電源印加直
後に実バルブタイミングを目標バルブタイミングに速や
かに収束させるとともに、学習が進んで学習値が実際値
と近似した状態で平均値が異常に変動した場合の学習値
の変動を抑制することのできる内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置が得られる効果がある。
求項7において、学習手段は、積分補正値の所定時間毎
の平均値に基づいて、学習値を算出するようにしたの
で、積分補正値が異常に変動した場合の学習値の変動を
抑制した内燃機関のバルブタイミング制御装置が得られ
る効果がある。
求項7において、学習手段は、積分補正値に対してフィ
ルタ演算処理を行い、フィルタ演算処理に基づく平滑値
を平均値として求めるようにしたので、積分補正値が異
常に変動した場合の学習値の変動を抑制した内燃機関の
バルブタイミング制御装置が得られる効果がある。
求項1において、学習手段は、積分補正値に関連する制
御量として、実バルブタイミングの保持に要する保持電
流を学習値として求めるようにしたので、電源印加直後
に実バルブタイミングを目標バルブタイミングに速やか
に収束させることのできる内燃機関のバルブタイミング
制御装置が得られる効果がある。
求項1において、学習手段は、積分補正値に関連する制
御量として、実バルブタイミングの保持に要する保持電
流から基準値を差し引いた電流値を学習値として求める
ようにしたので、電源印加直後に実バルブタイミングを
目標バルブタイミングに速やかに収束させることのでき
る内燃機関のバルブタイミング制御装置が得られる効果
がある。
求項1において、学習手段は、目標バルブタイミングが
ほぼ一定で、且つ、タイミング偏差が所定値以内のとき
に、学習値を学習するようにしたので、制御量が実際値
の近傍を示す状態で学習して誤学習を防止することので
きる内燃機関のバルブタイミング制御装置が得られる効
果がある。
す機能ブロック図である。
ットの内部構成を示すブロック図である。
るためのタイミングチャートである。
チャートである。
チャートである。
るためのタイミングチャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
るガソリンエンジンシステムを概略的に示す構成図であ
る。
オイルコントロールバルブ(作動油供給手段)の構成を
示す断面図である。
作を説明するための断面図である。
示す断面図である。
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
を説明するための断面図である。
タイミング変化速度との関係を示す特性図である。
タイミング変化速度との関係のバラツキを示す特性図で
ある。
び実バルブタイミングの時間変化を示すタイミングチャ
ートである。
置による電子制御ユニットの内部構成を示すブロック図
である。
置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
置の動作を示すフローチャートである。
置の動作を示すフローチャートである。
置によるキースイッチオン直後の動作を説明するための
タイミングチャートである。
2 水温センサ、15吸気通路、16 排気通路、17
吸気バルブ、18 排気バルブ、24 カム角セン
サ、27 スロットルセンサ、28 吸入空気量セン
サ、40 バルブタイミング可変機構(VVT)、80
オイルコントロールバルブ(OCV)、100A E
CU、116 バッテリ、117 キースイッチ、11
8 バックアップ電源回路、201 運転状態検出手
段、202 目標バルブタイミング算出手段、203
実バルブタイミング検出手段、204 実バルブタイミ
ング制御手段、205 積分制御手段、206 学習手
段、D 運転状態、E1 所定値、ER タイミング偏
差、FER 偏差符号、i リニアソレノイド電流(制
御量)、LRN 学習値、Q 吸入空気量、SGC カ
ム角信号、SGT クランク角信号、Ta 実バルブタ
イミング、W 冷却水温、To 目標バルブタイミン
グ、Tor 目標バルブタイミング一定判定基準値、θ
スロットル開度、ΣKi 積分補正値、S1 運転状
態を検出するステップ、S2 実バルブタイミングを算
出するステップ、S3 目標バルブタイミングを算出す
るステップ、S4 タイミング偏差を算出するステッ
プ、S15、S16 積分補正値を増減するステップ、
S17 目標バルブタイミングの一定状態を判定するス
テップ、S20、S29 タイミング偏差を判定するス
テップ、S21 偏差符号の変化を判定するステップ、
S24 積分補正値の平均値を算出するステップ、S2
5学習値を算出するステップ、S26 積分補正値を算
出するステップ、S27積分補正値の平均値の学習値へ
の反映割合を可変設定するステップ、S30、S31
制御量を補正するステップ、S60 学習値に基づいて
積分補正値を初期化するステップ。
Claims (15)
- 【請求項1】 内燃機関の燃焼室に通じる吸気通路およ
び排気通路を開閉するために前記内燃機関の回転に同期
して駆動される吸気バルブおよび排気バルブと、 前記内燃機関の運転状態を検出するための運転状態検出
手段と、 前記運転状態に応じて前記吸気バルブおよび前記排気バ
ルブの少なくとも一方に対する目標バルブタイミングを
算出する目標バルブタイミング算出手段と、 前記吸気バルブおよび前記排気バルブの少なくとも一方
の開閉タイミングを変更するバルブタイミング可変機構
と、 前記吸気バルブおよび前記排気バルブの少なくとも一方
の実バルブタイミングを検出する実バルブタイミング検
出手段と、 前記目標バルブタイミングと前記実バルブタイミングと
のタイミング偏差が0となるように前記バルブタイミン
グ可変機構に対する制御量を発生する実バルブタイミン
グ制御手段と、 前記タイミング偏差を積算して前記制御量を補正するた
めの積分補正値を算出する積分制御手段と、 前記実バルブタイミングの保持に要する前記制御量の学
習値を前記積分補正値に基づいて学習する学習手段とを
備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項2】 前記実バルブタイミング制御手段は、前
記学習値に基づいて、前記制御量を補正することを特徴
とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制
御装置。 - 【請求項3】 前記積分制御手段は、前記学習値が更新
されたときに、前記学習値の増大分だけ前記積分補正値
を減少させ、前記学習値の減少分だけ前記積分補正値を
増大させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関
のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項4】 前記積分制御手段は、前記学習値に基づ
いて、前記積分補正値を初期化することを特徴とする請
求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項5】 前記内燃機関のバルブタイミング制御装
置に接続されたバッテリと、 前記バッテリと前記バルブタイミング制御装置との間に
挿入されて前記バルブタイミング制御装置に選択的に電
源を供給するキースイッチと、 前記バッテリと前記学習手段との間に挿入されて前記学
習手段に電源を供給するバックアップ電源回路とを備
え、 前記学習手段は、前記キースイッチのオフ時に、前記バ
ックアップ電源回路を介した電源供給により前記学習値
を保持し、 前記積分制御手段は、前記キースイッチのオン時に前記
積分補正値を初期化することを特徴とする請求項4に記
載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項6】 前記学習手段は、前記積分補正値を前記
学習値として学習することを特徴とする請求項1に記載
の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項7】 前記学習手段は、前記積分補正値の平均
値に基づいて前記学習値を算出することを特徴とする請
求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項8】 前記学習手段は、前記積分補正値の増減
方向反転時の過去複数回分の前記積分補正値の平均値に
基づいて、前記学習値を算出することを特徴とする請求
項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項9】 前記学習手段は、前記積分補正値の平均
値の一部を前記学習値に反映させることを特徴とする請
求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項10】 前記学習手段は、前記学習値に反映さ
せる前記積分補正値の平均値の反映割合を、学習の進行
につれて小さくなるように可変設定することを特徴とす
る請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装
置。 - 【請求項11】 前記学習手段は、前記積分補正値の所
定時間毎の平均値に基づいて、前記学習値を算出するこ
とを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のバルブタイ
ミング制御装置。 - 【請求項12】 前記学習手段は、前記積分補正値に対
してフィルタ演算処理を行い、前記フィルタ演算処理に
基づく平滑値を前記平均値として求めることを特徴とす
る請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装
置。 - 【請求項13】 前記学習手段は、前記積分補正値に関
連する制御量として、前記実バルブタイミングの保持に
要する保持電流を前記学習値として求めることを特徴と
する請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御
装置。 - 【請求項14】 前記学習手段は、前記積分補正値に関
連する制御量として、前記実バルブタイミングの保持に
要する保持電流から基準値を差し引いた電流値を前記学
習値として求めることを特徴とする請求項1に記載の内
燃機関のバルブタイミング制御装置。 - 【請求項15】 前記学習手段は、前記目標バルブタイ
ミングがほぼ一定で、且つ、前記タイミング偏差が所定
値以内のときに、前記学習値を学習することを特徴とす
る請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装
置。
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