JP2009085068A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気バルブの最大バルブリフト量を可変とする可変リフト機構と共に、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関において、前記最大バルブリフト量の制御によって所期の吸入空気量が得られるようにする。
【解決手段】機関のアイドル運転状態において、吸気バルブの最大バルブリフト量を可変範囲の最小値に制御して、バルブ通過空気の流速を略音速とする。ここで、前記最大バルブリフト量を可変範囲の最小値に制御したときの吸入空気量の設計値を、そのときの排気バルブのバルブタイミングに基づいて算出し、この設計値とエアフローセンサで検出された実際の吸入空気量との偏差に基づいて、最大バルブリフト量の検出値を補正するための補正値を学習する。
【選択図】図8

Description

本発明は、吸気バルブのリフト特性を可変とする吸気側可変動弁機構と、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする排気側可変動弁機構とを備えた内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、吸気バルブの最大バルブリフト量を作動角と共に連続的に可変とする可変リフト機構と、前記吸気バルブの作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる可変バルブタイミング機構とを備えた内燃機関において、最大バルブリフト量・作動角が小さい低速低負荷域では、吸入空気量の過不足が無くなるように、最大バルブリフト量・作動角の補正値を学習し、最大バルブリフト量・作動角が大きい高速高負荷域では、吸入空気量の過不足が無くなるように、作動角の中心位相の補正値を学習することが開示されている。
尚、前記最大バルブリフト量とは、吸気バルブのリフト(開弁)が開始されてバルブリフト量が漸増し、その後漸減変化に移行して閉弁する一連の動作において、バルブリフト量が極大値となったときのバルブリフト量を示す。
特開2004−340013号公報
ところで、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする排気側可変動弁機構を備える内燃機関では、前記中心位相が変化することでバルブオーバーラップが変化するため、吸気バルブのリフト特性が一定でも前記排気バルブの中心位相が変化することで、内燃機関の吸入空気量が変化する。
このため、排気側可変動弁機構を備える内燃機関では、排気バルブの作動角の中心位相が変化することによって、吸気バルブのリフト特性と吸入空気量の相関がバルブオーバーラップ量で変化することで、吸気バルブのリフト特性の補正値を高精度に学習させることができず、補正値を学習しても吸入空気量を目標値に精度良く制御することができなくなってしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、吸気バルブのリフト特性を可変とする吸気側可変動弁機構と共に、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする排気側可変動弁機構を備えた内燃機関において、吸気バルブのリフト特性によって所期の吸入空気量を得るための学習補正を高精度に行えるようにすることを目的とする。
そのため請求項1記載の発明は、吸気バルブのリフト特性を基準特性とすべく吸気側可変動弁機構を制御する手段と、前記吸気バルブのリフト特性が前記基準特性であるときの吸入空気量を、そのときの排気バルブの作動角の中心位相に応じて算出する手段と、内燃機関の実際の吸入空気量を検出する手段とを備え、前記吸気バルブのリフト特性を前記基準特性に制御したときに、吸入空気量の検出値と吸入空気量の算出値とに基づいて、吸気側可変動弁機構の補正値を設定し、該補正値に基づいて前記吸気側可変動弁機構を補正するようにした。
上記発明によると、吸気バルブのリフト特性を基準特性に制御したときの吸入空気量を、そのときの排気バルブの作動角の中心位相に応じて算出(推定)し、該算出結果(推定結果)と実際の吸入空気量とから、前記算出結果(設計値)が実際に得られるように、吸気側可変動弁機構の補正値を設定する。
即ち、排気バルブの作動角の中心位相が変化するとバルブオーバーラップが変化して吸入空気量が変化するが、吸入空気量の算出(推定)において、係る中心位相の変化による吸入空気量の変化を含めて吸入空気量が算出(推定)され、吸気バルブのリフト特性を基準特性とした場合の吸入空気量(設計値)が精度良く推定される。
請求項2記載の発明は、吸気バルブのリフト特性を基準特性とすべく吸気側可変動弁機構を制御する手段と、排気バルブの作動角の中心位相を基準位相とすべく排気側可変動弁機構を制御する手段と、前記吸気バルブのリフト特性が前記基準特性であり、かつ、前記排気バルブの作動角の中心位相が前記基準位相であるときの吸入空気量を算出する手段と、内燃機関の実際の吸入空気量を検出する手段とを備え、前記吸気バルブのリフト特性を前記基準特性に制御し、かつ、前記排気バルブの作動角の中心位相を前記基準位相に制御したときに、吸入空気量の検出値と吸入空気量の算出値とに基づいて、吸気側可変動弁機構の補正値を設定し、該補正値に基づいて前記吸気側可変動弁機構を補正するようにした。
上記発明によると、吸気バルブのリフト特性と排気バルブの作動角の中心位相とをそれぞれに基準値に制御した状態で、実際の吸入空気量を算出させると共に前記状態での吸入空気量を算出(推定)し、該算出結果(推定結果)と実際の吸入空気量とから、前記算出結果(設計値)が実際に得られるように、吸気側可変動弁機構(吸気バルブのリフト特性)の補正値を設定する。
即ち、排気バルブの作動角の中心位相が変化するとバルブオーバーラップが変化して吸入空気量が変化するが、前記中心位相を基準値に制御して実際の吸入空気量を検出させ、かつ、前記中心位相を基準値に制御した状態に見合う吸入空気量を算出(推定)させることで、前記中心位相が固定である場合と同様にして補正値を算出できることになる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記基準位相を、排気バルブの作動角の中心位相の可変範囲における最進角値とするようにした。
上記発明によると、吸気バルブのリフト特性を基準特性に制御するときに、排気バルブの作動角の中心位相を、バルブオーバーラップが最小となる、可変範囲の最進角値に制御し、係る排気バルブのバルブタイミング(開閉時期)の最進角状態において、吸入空気量を算出(推定)し、該算出結果(推定結果)と実際の吸入空気量とから、前記算出結果(設計値)が実際に得られるように、吸気側可変動弁機構の補正値を設定する。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記吸気側可変動弁機構が、吸気バルブのリフト特性として最大バルブリフト量を連続的に可変とする機構であって、前記基準特性を、吸気バルブを通過する吸入空気の流速が略音速になる最大バルブリフト量とするようにした。
上記発明によると、吸気バルブの最大バルブリフト量を、吸気バルブを通過する吸入空気の流速が略音速になる値に制御することで、吸気バルブを通過する吸入空気量が最大バルブリフト量(開口面積)によって決まり、吸気バルブのバルブタイミング(開閉時期)に影響を受けないようにし、前記基準値としての最大バルブリフト量(開口面積)とそのときの排気バルブの作動角の中心位相に応じて、吸入空気量を算出(推定)する。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明において、前記吸気側可変動弁機構が、吸気バルブのリフト特性として最大バルブリフト量を連続的に可変とする機構であって、前記基準特性が、吸気バルブの最大バルブリフト量の可変範囲の最小値とするようにした。
上記発明によると、吸気バルブの最大バルブリフト量を可変範囲の最小値に制御し、係る状態での吸入空気量を、そのとき排気バルブの作動角の中心位相に応じて算出(推定)し、該算出結果と実際の吸入空気量とを比較して、補正値を設定する。
吸気バルブの最大バルブリフト量を可変範囲の最小値とすることで、吸気バルブを通過する吸入空気の流速が略音速になれば、吸気バルブを通過する吸入空気量が最大バルブリフト量(開口面積)によって決まり、吸気バルブのバルブタイミング(開閉時期)に影響を受けないようになり、最大バルブリフト量の制御による吸入空気量ばらつきが学習されることになる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の発明において、前記補正値として、吸気バルブのリフト特性の検出値の補正値を設定し、前記補正値で補正したリフト特性の検出値と目標のリフト特性とに基づいて吸気側可変動弁機構を制御するようにした。
上記発明によると、吸入空気量の算出値と検出値とに基づいて、リフト特性の検出値の補正値を設定し、該補正値でリフト特性の検出値を補正させ、該補正後の検出値が目標のリフト特性に近づくように制御することで、リフト特性に見合う吸入空気量が実際に得られるようにする。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ(吸気絞り弁)103bを開閉する電子制御スロットル装置104が介装され、該電子制御スロットル装置104及び下流の吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、燃料噴射弁131が設けられる。
前記燃料噴射弁131には、所定圧に調整された燃料が供給され、エンジンコントロールモジュール(ECM)114から送られる噴射パルス信号の噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料を噴射する。
そして、燃焼室106内の混合気は、図示省略した点火プラグによる火花点火によって着火燃焼する。
尚、燃料噴射弁131が燃焼室106内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式内燃機関とすることができ、また、火花点火式内燃機関に代えて圧縮自己着火式内燃機関とすることができる。
燃焼室106内の燃焼排気は、排気バルブ107を介して排気管に排出され、フロント触媒コンバータ108及びリア触媒コンバータ109で浄化された後、大気中に放出される。
前記吸気バルブ105のリフト特性は、吸気側可変動弁機構としての可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113によって可変とされる
前記可変リフト機構112は、吸気バルブ105の最大バルブリフト量をバルブ作動角と共に連続的に可変とする機構であって、最大バルブリフト量を増大(減少)変化させるとこれに伴ってバルブ作動角も同時に増大(減少)変化させる機構である。
尚、前記最大バルブリフト量とは、吸気バルブのリフト(開弁)が開始されてバルブリフト量が漸増し、その後漸減変化に移行して閉弁する一連の動作において、バルブリフト量が極大値となったときのバルブリフト量を示す。
また、可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120に対して後述する吸気バルブ駆動軸3の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる機構である。
また、前記排気バルブ107は、排気側カムシャフト110に設けられたカム111によって一定の最大バルブリフト量,バルブ作動角を保って開閉駆動されるが、前記クランクシャフト120に対する排気側カムシャフト110の回転位相を変化させることで、排気バルブ107の作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる可変バルブタイミング機構138(排気側可変動弁機構)が設けられている。
マイクロコンピュータを内蔵するエンジンコントロールモジュール114は、予め記憶されたプログラムに従った演算処理によって、燃料噴射弁131,点火コイル用のパワートランジスタ(図示省略),電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138に制御信号を出力する。
尚、内燃機関101の燃料噴射量・点火時期を制御するユニットと、可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138に制御信号を出力して、機関バルブ(吸気バルブ105及び排気バルブ107)のリフト特性を可変とするユニットとを個別に備えることができる。
前記エンジンコントロールモジュール114には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、内燃機関101の吸入空気量(質量流量)Qaを検出するホットワイヤ式のエアフローセンサ115、車両の運転者が操作するアクセルペダルの開度を検出するアクセルセンサ116、クランクシャフト120に支持させたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、単位クランク角毎に単位クランク角信号POSを出力するクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水温度を検出する水温センサ119、後述する吸気バルブ駆動軸3に支持されたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、前記吸気バルブ駆動軸3の基準回転位置毎にカム信号を出力するカムセンサ132、大気圧を検出する大気圧センサ135、スロットルバルブ103b下流の吸気管内圧(吸気バルブ上流圧)を検出する吸気圧センサ136、前記フロント触媒コンバータ108の上流側に配置され、排気中の酸素濃度から空燃比を検出する空燃比センサ137、前記排気側カムシャフト110に支持されたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、前記排気側カムシャフト110の基準回転位置毎にカム信号を出力する排気カムセンサ139などが設けられている。
前記単位クランク角信号POSは、内燃機関101の気筒間における行程位相差(点火間隔)に相当するクランク角度(4気筒で180°CA)毎に歯抜けを生じるように、シグナルプレート上の前記被検出部が設定されており、前記単位クランク角信号POSの歯抜け位置を、単位クランク角信号POSの出力周期に基づいて検出することで、前記行程位相差毎の基準クランク角位置REFを検出することができるようになっている。
そして、前記カムセンサ132からのカム信号と前記基準クランク角位置REFとの位相差から、前記可変バルブタイミング機構113によるバルブタイミング(作動角の中心位相)の進遅角量が検出され、排気カムセンサ139からのカム信号と前記基準クランク角位置REFとの位相差から、前記可変バルブタイミング機構138によるバルブタイミング(作動角の中心位相)の進遅角量が検出される。
また、内燃機関101の回転速度NEは、前記基準クランク角位置REFの検出間隔時間に基づいて算出される。
図2は、前記可変リフト機構112の構造を示す斜視図である。但し、可変リフト機構112は、図2に示した構造のものに限定されない。
本実施形態の内燃機関101は、各気筒に一対の吸気バルブ105がそれぞれ設けられており、これら吸気バルブ105の上方に、前記クランクシャフト120によって回転駆動される吸気バルブ駆動軸3が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気バルブ駆動軸3には、吸気バルブ105のバルブリフタ105aに当接して吸気バルブ105を開閉駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。
前記吸気バルブ駆動軸3と揺動カム4との間に、吸気バルブ105の作動角及び最大バルブリフト量を連続的に変更するための可変リフト機構112が設けられている。
尚、図2では、一対の吸気バルブ105について、一方にのみ可変リフト機構112を図示し、他方については図示を省略してある。
前記吸気バルブ駆動軸3の一端部には、クランクシャフト120に対する前記吸気バルブ駆動軸3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相を連続的に変更する可変バルブタイミング機構113が配設されている。
前記可変リフト機構112は、図2及び図3に示すように、吸気バルブ駆動軸3に偏心して固定的に設けられる円形の駆動カム11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリング状リンク12と、吸気バルブ駆動軸3と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に偏心して固定的に設けられた円形の制御カム14と、この制御カム14に相対回転可能に外嵌すると共に、一端がリング状リンク12の先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアーム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リンク16と、を有している。
前記制御軸13は、モータ17によりギア列18を介して回転駆動されるが、制御軸13と一体的に設けられるストッパ13aが固定側に当接することで、予め設定された最小リフト位置・最小作動角位置(以下では、単に最小リフト位置という)に相当する角度位置でそれ以上のリフト・作動角減少側への回動が制限されるようになっている。
上記の構成により、クランクシャフト120に連動して吸気バルブ駆動軸3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動すると共に、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
また、前記モータ17を駆動制御して制御軸13の回転角度を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化する。
これにより、吸気バルブ105の作動角の中心位相が略一定のままで、吸気バルブ105の作動角及び最大バルブリフト量が連続的に変化する。
エンジンコントロールモジュール114には、前記制御軸13の回転角を検出する角度センサ133からの検出信号が入力され、目標バルブリフト量に対応する目標角度位置に前記制御軸13を回動させるべく、前記角度センサ133の検出結果に基づいて前記モータ17への供給電流をフィードバック制御する。
次に、前記可変バルブタイミング機構113の構成を、図4に基づいて説明する。
本実施形態では、可変バルブタイミング機構113として、ベーン式の可変バルブタイミング機構を採用している。
図4に示す可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット51(タイミングスプロケット)と、吸気バルブ駆動軸3の端部に固定されてカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、該回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60とを備えている。
前記カムスプロケット51は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、該ハウジング56の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
前記回転部材53は、前記吸気バルブ駆動軸3の前端部に固定されており、円環状の基部77の外周面に90°間隔で4つのベーン78a,78b,78c,78dが設けられている。
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83とを構成する。
前記ロック機構60は、ロックピン84が、回転部材53の最大遅角側の回動位置において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
前記供給通路93には、オイルパン96内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ97が設けられている一方、ドレン通路94a,94bの下流端がオイルパン96に連通している。
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
前記電磁切換弁95は、内部のスプール弁体が各油圧通路91,92と供給通路93及びドレン通路94a,94bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
前記エンジンコントロールモジュール114は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、デューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出される。
従って、遅角側油圧室83の内圧が高、進角側油圧室82の内圧が低となって、回転部材53は、ベーン78a〜78bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が遅くなり、バルブオーバーラップが縮小する。
一方、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
このため、回転部材53は、ベーン78a〜78dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が早くなり、バルブオーバーラップが拡大する。
図5は、前記可変バルブタイミング機構138の構造を示す。
前記可変バルブタイミング機構138は、クランクシャフト120と同期して回転するスプロケット225に固定され、このスプロケット225と一体的に回転する第1回転体221と、ボルト222aにより前記排気側カムシャフト110の一端に固定され、排気側カムシャフト110と一体的に回転する第2回転体222と、ヘリカルスプライン226により第1回転体221の内周面と第2回転体222の外周面とに噛合する筒状の中間ギア223と、を有している。
前記中間ギア223は、ネジ228を介してドラム227が連結されており、このドラム227と中間ギア223との間にねじりスプリング229が介装されている。
前記中間ギア223は、ねじりスプリング229によって遅角方向(図の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ224に電圧を印加して磁力を発生すると、ドラム227及びネジ228を介して進角方向(図の右方向)へ動かされる。
この中間ギア223の軸方向位置に応じて、回転体221,222の相対位相が変化して、クランクシャフト120に対する排気側カムシャフト110の回転位相が変化し、排気バルブ107の作動角の中心位相が連続的に変化する。
前記電磁リターダ224は、前記エンジンコントロールモジュール114からの制御信号により駆動制御される。
次に、前記エンジンコントロールモジュール114による電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138の制御の詳細を説明する。
図6は、前記エンジンコントロールモジュール114による、可変リフト機構112の制御目標値(目標バルブリフト量)TGVEL、及び、可変バルブタイミング機構113の制御目標値(目標進角量)TGVTCの演算処理を示すブロック図である。
前記エンジンコントロールモジュール114は、前記制御目標値(目標リフト量)TGVELに基づいて可変リフト機構112をフィードバック制御し、前記制御目標値(目標進角量)TGVTCに基づいて可変バルブタイミング機構113をフィードバック制御する(制御手段)。
図6において、TGVEL演算部301及びTGVTC演算部302には、それぞれ機関回転速度速NE及び目標体積流量比TQH0ST(目標吸入空気量)が入力される。
前記機関回転速度NEは、前記クランク角センサ117からの検出信号に基づいて算出された値である。
また、目標体積流量比TQH0STは、アクセル開度APO及び機関回転速度NEに基づいて求められる要求空気量Qを、機関回転速度NE及び有効排気量(シリンダ総容積)VOL#で除算することで算出される(TQH0ST=Q/(Ne・VOL#))。
前記TGVEL演算部301では、目標体積流量比TQH0STが大きく、かつ、機関回転速度NEが高いほど、吸気バルブ105の最大バルブリフト量がより大きくなるような制御目標値TGVELを算出する。
前記TGVTC演算部302では、目標体積流量比TQH0STが大きく、かつ、機関回転速度NEが高いほど、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相が遅角されるように制御目標値TGVTCを算出する。
前記可変バルブタイミング機構138の制御目標値(目標遅角量)も、前記可変バルブタイミング機構113と同様に、機関回転速度速NE及び目標体積流量比TQH0ST(目標吸入空気量)に基づいて算出され、実際の遅角量と前記制御目標値との偏差に基づいて、前記電磁リターダ224への通電がフィードバック制御される。
尚、吸気バルブ105のバルブタイミングは、オーバーラップが最小となる最遅角位置を制御基準位置とし、前記最遅角位置からの進角量を目標として設定し、排気バルブ107のバルブタイミングは、オーバーラップが最小となる最進角位置を制御基準位置とし、前記最進角位置からの遅角量を目標として設定する。
図7は、前記エンジンコントロールモジュール114による目標スロットル開度TGTVOの演算処理を示すブロック図である。
図7において、第1変換部401では、図中に示すような変換テーブルを用いて、前記目標体積流量比TQH0STを状態量AANV0に変換する。
前記状態量AANV0は、スロットルバルブ開口面積をAt、機関回転速度をNE、排気量(シリンダ容積)をVOL#としたときに、AANV0=At/(Ne・VOL#)で表されるデータである。
次に、第1乗算部402及び第2乗算部403において、前記状態量AANV0に機関回転速度NE、排気量VOL#がそれぞれ乗算されることで、前記状態量AANV0が基本スロットル開口面積TVOAA0に変換される。
尚、前記基本スロットル開口面積TVOAA0は、吸気バルブ105のリフト特性(最大バルブリフト量・作動角の中心位相)が、基準のリフト特性であるときに要求されるスロットル開口面積である。
第3乗算部404では、前記基本スロットル開口面積TV0AA0に、補正値KAVELを乗算することにより、実際の吸気バルブ105のリフト特性に応じた補正を施す。
前記補正値KAVELは、吸気バルブ105の作動特性が変化しても一定の空気量を確保するために設定されるもので、具体的には以下のようにして算出される。
まず、基準圧力比算出部410では、前記吸気バルブ105のリフト特性が前記基準特性であるときの目標マニホールド圧Pm0と大気圧Paとの比(Pm0/Pa)を、目標体積流量比TQH0STと機関回転速度NEに基づいて求める。
そして、KPA0算出部411において、前記圧力比(Pm0/Pa)に基づいて、図中に示すテーブルTBLKPA0を検索して係数KPA0を算出する。
一方、目標圧力比設定部412では、前記可変リフト機構112が制御目標値TGVELに制御されたときの目標圧力比(Pm1/Pa)を、目標体積流量比TQH0STと機関回転速度NEに基づいて設定する。
そして、KPA1算出部413において、前記圧力比(Pm1/Pa)に基づいて、図中に示すテーブルTBLKPA1を検索して係数KPA1を算出する。
除算部414では、前記KPA0をKPA1で除算して補正値KAVEL(KAVEL=KPA0/KPA1)を算出し、これを前記第3乗算部404に出力する。
前記第3乗算部404において補正値KAVELで補正されたスロットル開口面積TVOAA0は、第2変換部405に出力される。
前記第2変換部405では、図中に示すような変換テーブルを用いて、前記スロットル開口面積TVOAA0をスロットルバルブ103bの目標スロットル開度TGTVOに変換して出力する。
前記エンジンコントロールモジュール114は、前記目標スロットル開度TGTVOに基づいて電子制御スロットル装置104をフィードバック制御する(制御手段)。
ここで、吸気バルブ105の汚れや、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(作動角)を検出するセンサの出力ばらつきなどがあると、前記目標値TGVELに制御しても、前記目標値TGVELに見合う要求空気量を実際に得ることができなくなってしまう。
そこで、エンジンコントロールモジュール114は、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(作動角)による吸入空気量制御の誤差を検出し、該検出結果に基づいて、吸気バルブ105の最大バルブリフト量の制御(検出値)を補正するための補正値を更新記憶する学習機能を有しており、係る学習機能を図8及び図9のフローチャートに従って説明する。
図8のフローチャートにおいて、まず、ステップS501では、学習の許可条件の検出を行う。
具体的には、電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138の故障診断の結果を読み込み、また、内燃機関101が定常運転状態であるか否か、補機負荷の変化がないか否かを検出し、更に、内燃機関101が暖機後のアイドル運転状態であるか否かを検出する。
ステップS502では、学習の許可条件が成立しているか否かを判断する。
本実施形態では、電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138が全て正常であり、かつ、内燃機関101が定常運転状態であって補機負荷の変化がなく、更に、内燃機関101が暖機後のアイドル運転状態である場合に、学習許可条件が成立していると判断する。
尚、後述する学習は、内燃機関101が始動されてから停止されるまでのワントリップ間で1回乃至数回行われれば充分であるので、既に、所定回数の学習を経験している場合に、学習許可条件が非成立であると判断させることができる。
学習許可条件が成立していない場合には、ステップS503へ進み、可変リフト機構112を、前記図6のブロック図に従って設定される目標値TGVELに基づいて通常に制御する。
一方、前記学習許可条件が成立している場合には、ステップS504へ進み、可変リフト機構112によって可変とされる最大バルブリフト量を、予め記憶された学習用のリフト量(基準特性)に強制的に制御する。
具体的には、目標バルブリフト量TGVELを前記図6のブロック図に従って設定される値から、前記学習用のリフト量に切り換えることで、学習用リフト量に制御されるようにする(吸気側学習用制御手段)。
最大バルブリフト量(吸気バルブ105の開口面積)による吸入空気量制御の誤差を精度良く学習させるには、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速になるようにすることが好ましい。
そこで、前記学習用のリフト量としては、例えば、最大バルブリフト量の可変範囲の最小値(前記制御軸13の回転がストッパで制限される角度位置)、若しくは、最大バルブリフト量の可変範囲で、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速になる低リフト領域内に設定される所定リフト量とする。
吸気バルブ105の最大バルブリフト量を小さくすることで、吸気バルブ105の前後差圧を大きくし、その結果、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速になると、吸気バルブ105の閉時期(バルブタイミング)が吸入空気量に大きく影響することがなく、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(開口面積)によって吸入空気量が決まるので、最大バルブリフト量による吸入空気量制御の誤差を精度良く学習できる。
図10に示すように、吸気バルブの開口面積に対する吸気バルブ通過空気量の特性は、3つの領域で異なる特性を示す。
まず、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速である開口面積の小さい領域Aでは、吸入空気量は、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(開口面積)に応じて変化する。
一方、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(開口面積)が可変範囲内の最大値付近となる領域Cでは、最大バルブリフト量(開口面積)よりも吸気バルブ105の閉時期IVCの進遅角変化によって吸入空気量が変化する。
更に、前記領域Aと領域Cとで挟まれる開口面積の中間領域である領域Bでは、吸気バルブ105の開口面積(最大バルブリフト量)と閉時期IVCとの双方に影響されて吸入空気量が変化する。
従って、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速である領域A内の基準値に最大バルブリフト量を制御させることで、最大バルブリフト量による吸入空気量制御の誤差を精度良く学習させることができる。
ここで、吸気バルブ105の最大バルブリフト量を、通常の目標値から前記学習用のリフト量に切り換えることで吸入空気量が急変すると、たとえ、アイドル運転時の機関回転速度を目標回転速度に近づけるアイドル回転フィードバック制御が行われていても、フィードバック制御の応答遅れによって、アイドル運転時の機関回転速度が大きく変動してしまう。
そこで、吸気バルブ105の最大バルブリフト量を、通常の目標値から前記学習用のリフト量に切り換えるときには、該切り換えに伴う吸入空気量の変化を相殺するように、スロットルバルブ(吸気絞り弁)103bの開度をフィードホワード制御する。
具体的には、最大バルブリフト量の通常の目標値と学習用のリフト量との偏差(切り換えに伴う吸入空気量変化)に応じて補正値を設定し、該補正値に基づいて目標スロットル開度を補正する。
図11は、上記の目標スロットル開度の補正制御を示すフローチャートであり、ステップS801では、学習の許可条件が成立しているか否かを判断し、学習の許可条件が成立していない場合には、吸気バルブ105の最大バルブリフト量が通常の目標値に制御されるので、ステップS802へ進み、スロットルバルブ(吸気絞り弁)103bの開度のフィードホワード補正値(FF補正値)を0とする。
一方、学習の許可条件が成立している場合には、ステップS803へ進み、目標スロットル開度の前回値TGTVOzに、最大バルブリフト量の通常の目標値と学習用のリフト量との偏差に応じたフィードホワード補正値を加算した結果を、今回の目標スロットル開度TGTVOとする。
そして、ステップS804では、目標スロットル開度TGTVOに応じた操作量の演算及び出力を行う。
前記最大バルブリフト量の通常の目標値と学習用のリフト量との偏差に応じたフィードホワード補正値は、図12に示すように、最大バルブリフト量の通常の目標値が学習用のリフト量よりも大きいときほど大きな値に設定され、通常の目標値から前記学習用のリフト量への切り換えに伴う吸入空気量の変化を相殺するように、スロットルバルブ(吸気絞り弁)103bの開度を補正する。
ここで、前記フィードホワード補正値(FF補正値)を、目標機関回転速度と実際の機関回転速度との偏差に基づいて設定させることができ、その場合のフィードホワード補正値(FF補正値)の特性を、図13に示す。
即ち、吸気バルブ105の最大バルブリフト量を、通常の目標値から前記学習用のリフト量に切り換えたことによる吸入空気量の変化によって、目標機関回転速度と実際の機関回転速度とに偏差が生じると、目標機関回転速度に対して実際の機関回転速度が低くなるほど、より大きなプラスのフィードホワード補正値(FF補正値)を設定し、速やかに目標機関回転速度に収束させる。
また、学習終了時には、前記学習用のリフト量から通常の目標値に戻されることで、目標機関回転速度に対して実際の機関回転速度が高くなると、マイナスのフィードホワード補正値(FF補正値)を設定することで、速やかにスロットル開度を戻す制御を行う。
尚、前記アイドル回転フィードバック制御は、例えば、目標アイドル回転速度と実際のアイドル回転速度との偏差に基づいて目標体積流量比TQH0ST(要求空気量Q)を補正することで行われる。
従って、前記アイドル回転フィードバック制御によると、通常の目標値から前記学習用のリフト量に切り換えることでアイドル回転速度に変化が生じてから、目標体積流量比TQH0ST(要求空気量Q)が補正されることになるが、前記スロットルバルブ103bの開度のフィードホワード制御では、回転変動の発生原因である最大バルブリフト量の切り換えに同期して補正が加えられるので、大きな回転変動の発生を未然に防止することができる。
ところで、ステップS504における学習用リフト量への変更によって、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速を略音速にすることができない場合には、可変バルブタイミング機構113によって可変とされる作動角の中心位相を、基準中心位相(例えば最遅角位置)に強制的に動かして、中心位相の違いによって実際の吸入空気量にばらつきが発生することを抑止し、学習精度が確保されるようにする。
ステップS505では、吸気バルブ105の実際の最大バルブリフト量が学習用のリフト量に収束したか否かを、前記角度センサ133の検出結果に基づいて判断する。
そして、吸気バルブ105の最大バルブリフト量が実際に学習用のリフト量に収束すると、ステップS506へ進み、最大バルブリフト量による吸入空気量制御の誤差を学習させる。
ステップS506における学習の詳細は、図9のフローチャートに示される。
図9のフローチャートにおいて、ステップS701では、目標リフト量TGVEL等から算出される吸入空気量(設計値)と、エアフローセンサ115で検出された実際の吸入空気量Qaとの差を、実空気量ばらつき(Qばらつき)として算出する。
前記設計値としての吸入空気量は、図14に示すように、吸気バルブ105の目標リフト量(制御軸13の目標角度)TGVEL,吸気バルブ105の目標進角量TGVTC,機関回転速度NE,吸気圧PB(スロットル開度、吸気バルブ上流圧),排気バルブ107の目標遅角量TGVTCに基づいて算出される(吸入空気量算出手段)。
ここで、目標リフト量TGVELは、通常の値から前記基準値に切り換えられており、最大バルブリフト量を基準値にしたときの吸入空気量が推定されることになる。
また、本実施形態のように、可変バルブタイミング機構138によって排気バルブ107の作動角の中心位相(開閉時期)が変更される場合には、排気バルブ107のバルブタイミングによる充填効率の変化などによって吸入空気量が変化するので、設計吸入空気量の演算においては、図14に示すように、排気バルブ107の作動角の中心位相を入力データに付加することで、設計吸入空気量を精度良く演算させることができる。
そして、前記設計値から、エアフローセンサ115(吸入空気量検出手段)で検出された実際の吸入空気量Qaを減算し、その結果を、実空気量ばらつきにセットする(実空気量ばらつき=設計値−実際値)。
ステップS702では、前記実空気量ばらつきの絶対値が予め記憶されている許容値を超えているか否かを判断する。
前記実空気量ばらつきの絶対値が許容値以下であり、設計値と実際値とに偏差があってもその偏差が充分に小さい場合には、最大バルブリフト量制御における補正値の更新・記憶を行うことなく、本ルーチンを終了させる。
これにより、後述する補正値がハンチングして、補正制御が不安定になることが防止される。
一方、前記実空気量ばらつきの絶対値が許容値を超えている場合には、前記実空気量ばらつきが許容値以内になるように、最大バルブリフト量制御における補正値を修正すべく、ステップS703以降へ進む。
ステップS703では、前記実空気量ばらつきに予め記憶されたゲインGを乗算して、その結果をVEL修正値とする。
次いで、ステップS704では、前回までのVEL学習補正値に前記VEL修正値を加算して、VEL学習補正値を更新し、該更新結果を記憶させる(補正値設定手段)。
ステップS705(補正手段)では、角度センサ133の検出角度から前記VEL学習補正値を減算した結果をVEL制御実角度とし(VEL制御実角度=検出角度−VEL学習補正値)、このVEL制御実角度と、目標吸入空気量に基づき設定される制御軸13の目標角度TGVELとの比較に基づいて、可変リフト機構112がフィードバック制御されるようにする。
尚、前記制御軸13の角度の増大方向が、最大バルブリフト量の増大方向であるものとする。
例えば、可変リフト機構112のばらつきや経時劣化、吸気バルブ105の汚れなどによって、目標バルブリフト量に対する実際のバルブ開口面積が減少変化すると、前記実空気量ばらつきはプラスの値に算出され、結果、制御軸13の角度の検出値がマイナス補正されることになり、角度検出値を補正しない場合に比べて制御軸13の角度がより大きな角度に制御されることで、最大バルブリフト量がより大きな値に補正されることになる。
従って、吸気バルブ105の開口面積にばらつきが生じても、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(開口面積)を、そのときの目標バルブリフト量に見合う設計値の吸入空気量が得られる値に制御することができ、最大バルブリフト量の制御による吸入空気量の制御精度を向上させることができる。
尚、角度センサ133の検出角度を前記VEL学習補正値で補正する代わりに、制御軸13の目標角度(目標バルブリフト量)を補正することで、実際の吸入空気量を設計値に近づけることができる。
ところで、上記実施形態では、そのとき排気バルブ107のバルブタイミングの進角量を加味して、吸入空気量の設計値を演算させたが、吸気バルブ105の最大バルブリフト量を基準値に制御すると共に、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)を基準位相に制御することで、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)に影響を受けずに、前記吸入空気量の設計値を演算させることができる。
図15のフローチャートは、吸気バルブ105の最大バルブリフト量を基準値に制御すると共に、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)を基準値に制御する第2実施形態を示す。
図15のフローチャートにおいて、まず、ステップS901では、ステップS501と同様にして、学習の許可条件の検出を行う。
ステップS902では、学習の許可条件が成立しているか否かを判断する。
ここでは、ステップS502と同様に、電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138が全て正常であり、かつ、内燃機関101が定常運転状態であって補機負荷の変化がなく、更に、内燃機関101が暖機後のアイドル運転状態である場合に、学習許可条件が成立していると判断する。
学習許可条件が成立していない場合には、ステップS903へ進み、可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構138を、通常の目標値に基づいて制御する。
一方、前記学習許可条件が成立している場合には、ステップS904へ進み、可変リフト機構112によって可変とされる最大バルブリフト量を、予め記憶された学習用のリフト量に強制的に制御する。
前記学習用のリフト量としては、前記ステップS504と同様に、例えば、最大バルブリフト量の可変範囲の最小値(前記制御軸13の回転がストッパで制限される角度位置)、若しくは、最大バルブリフト量の可変範囲で、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速になる低リフト領域内に設定される所定リフト量とする。
吸気バルブ105の最大バルブリフト量を小さくすることで、吸気バルブ105の前後差圧を大きくし、その結果、吸気バルブ105を通過する吸入空気の流速が略音速になると、吸気バルブ105の閉時期(バルブタイミング)が吸入空気量に大きく影響することがなく、吸気バルブ105の最大バルブリフト量(開口面積)によって吸入空気量が決まるので、最大バルブリフト量による吸入空気量制御の誤差を精度良く学習できる。
ステップS905では、可変バルブタイミング機構138によって可変とされる排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)を、予め記憶された学習用のバルブタイミング(基準位相)に強制的に制御する(排気側学習用制御手段)。
前記学習用のバルブタイミングとしては、例えば、作動角の中心位相の可変範囲の最進角位置とする。
排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)を、予め記憶された学習用のバルブタイミングに強制的に制御することで、吸入空気量の推定演算させるときに、排気バルブ107のバルブタイミングが一定となるから、排気バルブ107のバルブタイミングを考慮する必要がない。
更に、作動角の中心位相の可変範囲の最進角位置を学習時の制御目標とすることで、機械的ストッパで既定される中心位相に制御されることになるので、一定のバルブタイミングに安定的に制御することが容易であり、更に、最進角位置とすることで、バルブオーバーラップが過剰になって燃焼安定性が低下することを回避できる。
ステップS906では、吸気バルブ105の実際の最大バルブリフト量が学習用のリフト量に収束し、排気バルブ107の実際のバルブタイミング(作動角の中心位相)が学習用のバルブタイミングに収束したか否かを、前記角度センサ133で検出される制御軸13の角度、前記クランク角センサ117・排気カムセンサ139で検出される排気側カムシャフト110の回転位相に基づいて判断する。
そして、吸気バルブ105の最大バルブリフト量、及び、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が、それぞれ学習用の状態に収束すると、ステップS907へ進み、最大バルブリフト量による吸入空気量制御の誤差を学習させる。
ステップS907における学習は、図8のフローチャートに従って補正値を学習させる第1実施形態と同様に、図9のフローチャートに示す手順で行われる。
但し、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)が一定値(基準値)に制御されるため、吸入空気量(設計値)の演算においては、図16に示すように、排気バルブ107のバルブタイミング(作動角の中心位相)のデータを必要とせず、吸気バルブ105の目標リフト量(制御軸13の目標角度)TGVEL,吸気バルブ105の目標進角量TGVTC,機関回転速度NE,吸気圧PB(スロットル開度、吸気バルブ上流圧)に基づいて設計値が算出される(吸入空気量算出手段)。
従って、設計値の演算を簡便に行わせることができ、適合工数の削減等を図ることができる。
実施形態における車両用内燃機関のシステム図。 実施形態における可変リフト機構の詳細を示す斜視図。 前記可変リフト機構の作動角変更機構を示す断面図。 実施形態における吸気バルブの可変バルブタイミング機構の詳細を示す断面図。 実施形態における排気バルブの可変バルブタイミング機構の詳細を示す断面図。 実施形態における目標バルブリフト量及び目標バルブタイミングの演算処理を示すブロック図。 実施形態における目標スロットル開度の演算処理を示すブロック図。 最大バルブリフト量による吸入空気量制御のばらつき学習の第1実施形態を示すフローチャート。 前記第1実施形態における補正値の設定処理を詳細に示すフローチャート。 吸気バルブの開口面積と吸気バルブの通過空気量との相関を示す線図。 学習による吸入空気量の変化を相殺するためのスロットル開度の補正を示すフローチャート。 通常の目標リフト量と学習用のリフト量との偏差に対するスロットル開度補正値の特性を示す線図。 目標回転速度と実回転速度との偏差に対するスロットル開度補正値の特性を示す線図。 第1実施形態における吸入空気量の設計値の演算を示すブロック図。 前記最大バルブリフト量による吸入空気量制御のばらつき学習の第2実施形態を示すフローチャート。 第2実施形態における吸入空気量の設計値の演算を示すブロック図。
符号の説明
3…吸気バルブ駆動軸、13…制御軸、17…モータ、101…内燃機関、103a…スロットルモータ、103b…スロットルバルブ、104…電子制御スロットル装置、105…吸気バルブ、112…可変リフト機構、113,138…可変バルブタイミング機構、114…エンジンコントロールモジュール、115…エアフローセンサ、116…アクセルペダルセンサ、117…クランク角センサ、120…クランクシャフト、132…カムセンサ、133…角度センサ、139…排気カムセンサ

Claims (6)

  1. 吸気バルブのリフト特性を可変とする吸気側可変動弁機構と、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする排気側可変動弁機構とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気バルブのリフト特性を基準特性とすべく前記吸気側可変動弁機構を制御する吸気側学習用制御手段と、
    前記吸気バルブのリフト特性が前記基準特性であるときの吸入空気量を、そのときの前記排気バルブの作動角の中心位相に応じて算出する吸入空気量算出手段と、
    前記内燃機関の実際の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記吸気側学習用制御手段により前記吸気バルブのリフト特性を前記基準特性に制御したときに、前記吸入空気量検出手段で検出された吸入空気量と、前記吸入空気量算出手段で算出された吸入空気量とに基づいて、前記吸気側可変動弁機構の補正値を設定する補正値設定手段と、
    前記補正値に基づいて前記吸気側可変動弁機構を補正する補正手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気バルブのリフト特性を可変とする吸気側可変動弁機構と、排気バルブの作動角の中心位相を可変とする排気側可変動弁機構とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気バルブのリフト特性を基準特性とすべく前記吸気側可変動弁機構を制御する吸気側学習用制御手段と、
    前記排気バルブの作動角の中心位相を基準位相とすべく前記排気側可変動弁機構を制御する排気側学習用制御手段と、
    前記吸気バルブのリフト特性が前記基準特性であり、かつ、前記排気バルブの作動角の中心位相が前記基準位相であるときの吸入空気量を算出する吸入空気量算出手段と、
    前記内燃機関の実際の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    前記吸気側学習用制御手段により前記吸気バルブのリフト特性を前記基準特性に制御し、かつ、前記排気側学習用制御手段により前記排気バルブの作動角の中心位相を前記基準位相に制御したときに、前記吸入空気量検出手段で検出された吸入空気量と、前記吸入空気量算出手段で算出された吸入空気量とに基づいて、前記吸気側可変動弁機構の補正値を設定する補正値設定手段と、
    前記補正値に基づいて前記吸気側可変動弁機構を補正する補正手段と、
    を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記基準位相が、前記排気バルブの作動角の中心位相の可変範囲における最進角値であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気側可変動弁機構が、前記吸気バルブのリフト特性として最大バルブリフト量を連続的に可変とし、
    前記基準特性が、前記吸気バルブを通過する吸入空気の流速が略音速になる最大バルブリフト量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記吸気側可変動弁機構が、前記吸気バルブのリフト特性として最大バルブリフト量を連続的に可変とし、
    前記基準特性が、前記吸気バルブの最大バルブリフト量の可変範囲の最小値であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記補正値設定手段が、前記補正値として、前記リフト特性の検出値の補正値を設定し、前記補正手段が、前記補正値で補正したリフト特性の検出値と目標のリフト特性とに基づいて前記吸気側可変動弁機構を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011094594A (ja) * 2009-11-02 2011-05-12 Fuji Heavy Ind Ltd エンジンの制御装置

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