JP2010077813A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御によって、加速性能を低下させてしまうことを抑制できる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】吸気バルブのバルブリフト量及びバルブ作動角の中心位相を可変にする可変動弁機構と、吸気バルブの上流側に設けられる電子制御スロットル装置を備え、可変動弁機構を制御することで吸入空気量を制御し、電子制御スロットル装置を制御することで吸気管内の圧力を制御する。そして、加速時に吸気バルブの閉時期IVCが判定角度位置を越えて遅角変化した時点で、電子制御スロットル装置による吸気管内圧力の制御を中止し、スロットル開度をアクセル開度に応じた開度にまで増大変化させる。
【選択図】図10

Description

本発明は、吸気バルブの開特性を可変にする可変動弁機構と、前記吸気バルブの上流側に設けられる吸気絞り弁とを備え、前記可変動弁機構を制御することで筒内に導入される吸入空気量を制御し、前記吸気絞り弁の開度を制御することで前記吸気絞り弁下流の吸気管内の圧力を制御する内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1には、緩加速域においては、ポンプ損失低減のために、吸気バルブの閉時期IVCを下死点よりも早め、充填効率を低下させることにより、燃費の改善を図る一方、高回転高負荷域へ向かう急な加速状態では、吸気バルブの開時期IVOを上死点近傍とし、閉時期IVCを下死点近傍として、吸入空気量を最大限に確保することが開示されている。
また、特許文献2には、目標負圧を実現するように電制スロットル弁の開度を制御する一方、目標空気量を実現するように吸気バルブの閉時期を制御する可変動弁エンジンの制御装置が開示されている。
特開2001−329871号公報 特開2001−173470号公報
上記のように、高回転高負荷域へ向かう加速時には、吸気バルブの開時期IVOを上死点近傍とし、閉時期IVCを下死点近傍とすることで、出力の向上を図ることが可能となるが、更に、閉時期IVCを下死点よりも遅角させることで、慣性過給効果を利用して充填効率を向上させ、より出力を向上させることが可能である。
しかし、加速時において、吸気バルブの閉時期を下死点よりも遅角させようとしている状態で、吸気管負圧を目標値に維持すべくスロットル開度を制御すると、係るスロットル制御によって吸入空気量の増大変化が妨げられ、加速性能が低下してしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御によって、加速性能を低下させてしまうことを抑制できる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
そのため、請求項1に係る発明では、加速時に要求加速レベル(加速度)を満たさない場合に、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、前記吸気絞り弁の開度を増大変化させるようにした。
また、請求項2〜4に係る発明では、加速時に吸気バルブの閉弁時期が判定角度位置を越えて遅角変化した時点で、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、前記吸気絞り弁の開度を増大変化させるようにした。
請求項1に係る発明によると、加速時に要求加速レベルを満たさない場合には、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御によって吸入空気量が制限された結果、出力トルクが上昇せず、加速不足になっているものと推定し、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、吸気絞り弁の開度を増大変化させる。
従って、吸気絞り弁によって吸入空気量が制限されることを抑制して、要求の加速レベルを実現できることになる。
また、下死点を過ぎてから吸気バルブを閉じることで慣性過給による充填効率の向上が可能であるが、このときに吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を実行させると、吸入空気量を制限することになってしまい、加速不足を生じさせてしまう。
そこで、請求項2〜4に係る発明では、加速時に吸気バルブの閉弁時期が判定角度位置を越えて遅角変化した時点で、吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、吸気絞り弁の開度を増大変化させることで、吸入空気量の増大変化が吸気絞り弁で阻害されることがないようにして、加速性能を向上させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、内燃機関101の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ(吸気絞り弁)103bを開閉する電子制御スロットル装置104が介装され、前記電子制御スロットル装置104及び前記電子制御スロットル装置104の下流側の吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
また、各気筒の吸気バルブ105上流側の吸気ポート130には、燃料噴射弁131が設けられる。
前記燃料噴射弁131には、目標圧に調整された燃料が供給され、エンジンコントロールモジュール(ECM)114から送られる噴射パルス信号の噴射パルス幅(開弁時間)に比例する量の燃料を噴射する。
そして、燃焼室106内の燃料は、図示省略した点火プラグによる火花点火によって着火燃焼する。
尚、燃料噴射弁131が燃焼室106内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式内燃機関とすることができ、また、火花点火式内燃機関に代えて圧縮自己着火式内燃機関とすることができる。
燃焼室106内の燃焼排気は、排気バルブ107を介して排気管に排出され、フロント触媒コンバータ108及びリア触媒コンバータ109で浄化された後、大気中に放出される。
前記吸気バルブ105の開特性(リフト特性)は、可変動弁機構(吸気側可変動弁機構)としての可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113によって可変とされる。
前記可変リフト機構112は、吸気バルブ105のバルブリフト量をバルブ作動角と共に連続的に可変とする機構であって、バルブリフト量の増大(減少)変化に伴ってバルブ作動角も同時に増大(減少)変化させる機構である。
尚、前記バルブリフト量とは、吸気バルブのリフト(開弁)が開始されてバルブリフト量が漸増し、その後漸減変化に移行して閉弁する一連の開弁動作において、バルブリフト量が極大値となったときのバルブリフト量を示す。
また、可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120に対して後述する吸気カムシャフト3の回転位相を変化させることで、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる機構である。
また、前記排気バルブ107は、排気カムシャフト110に設けられたカム111によって一定のバルブリフト量,バルブ作動角を保って開閉駆動されるが、前記クランクシャフト120に対する排気カムシャフト110の回転位相を変化させることで、排気バルブ107のバルブ作動角の中心位相を連続的に進遅角変化させる可変バルブタイミング機構138(排気側可変動弁機構)が設けられている。
マイクロコンピュータを内蔵するECM114は、予め記憶されたプログラムに従った演算処理によって、燃料噴射弁131,点火コイル用のパワートランジスタ(図示省略),電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138に制御信号を出力する。
尚、内燃機関101の燃料噴射量・点火時期を制御するユニットと、可変リフト機構112及び可変バルブタイミング機構113,138に制御信号を出力して、機関バルブ(吸気バルブ105及び排気バルブ107)の開特性を可変とするユニットとを個別に備えることができる。
前記ECM114には、各種センサからの検出信号が入力される。
前記各種センサとしては、内燃機関101の吸入空気量(質量流量)QAを検出するエアフローセンサ115、車両の運転者が操作するアクセルペダルの開度ACCを検出するアクセルセンサ116、クランクシャフト120に支持させたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、単位クランク角毎に単位クランク角信号POSを出力するクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、内燃機関101の冷却水温度TW(機関温度)を検出する水温センサ119、後述する吸気カムシャフト3に支持されたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、前記吸気カムシャフト3の基準回転位置毎にカム信号CAMIを出力する吸気カムセンサ132、大気圧PAを検出する大気圧センサ135、スロットルバルブ103b下流の吸気管内圧(吸気バルブ上流圧)PBを検出する吸気圧センサ136、前記フロント触媒コンバータ108の上流側に配置され、排気中の酸素濃度から空燃比AFを検出する空燃比センサ137、前記排気カムシャフト110に支持されたシグナルプレートに設けた被検出部を検出することで、前記排気カムシャフト110の基準回転位置毎にカム信号CAMEを出力する排気カムセンサ139などが設けられている。
前記単位クランク角信号POSは、内燃機関101の気筒間における行程位相差(点火間隔)に相当するクランク角度(4気筒で180°CA)毎に歯抜け(欠落)を生じるように、シグナルプレート上の前記被検出部が形成されており、前記単位クランク角信号POSの歯抜け位置(欠落位置)を、単位クランク角信号POSの出力周期に基づいて検出することで、前記行程位相差毎の基準クランク角位置REFを検出することができるようになっている。
そして、前記吸気カムセンサ132からのカム信号CAMIと前記基準クランク角位置REFとの位相差から、前記可変バルブタイミング機構113による吸気バルブ105のバルブタイミング(バルブ作動角の中心位相)の進遅角量が検出され、排気カムセンサ139からのカム信号CAMEと前記基準クランク角位置REFとの位相差から、前記可変バルブタイミング機構138による排気バルブ107のバルブタイミング(バルブ作動角の中心位相)の進遅角量が検出される。
また、内燃機関101の回転速度NEは、前記基準クランク角位置REFの検出間隔時間(出力周期)に基づいて算出される。
図2は、前記可変リフト機構112の構造を示す斜視図である。但し、可変リフト機構112を、図2に示した構造のものに限定するものではない。
図2に示すように、吸気バルブ105の上方に、前記クランクシャフト120によって回転駆動される吸気カムシャフト3が気筒列方向に沿って回転可能に支持されている。
前記吸気カムシャフト3には、吸気バルブ105のバルブリフタ105aに当接して吸気バルブ105を開閉駆動する揺動カム4が相対回転可能に外嵌されている。
前記吸気カムシャフト3と揺動カム4との間に、吸気バルブ105のバルブ作動角及びバルブリフト量を連続的に変更するための可変リフト機構112が設けられている。
前記吸気カムシャフト3の一端部には、クランクシャフト120に対する前記吸気カムシャフト3の回転位相を変化させることにより、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相を連続的に変更する可変バルブタイミング機構113が配設されている。
前記可変リフト機構112は、図2及び図3に示すように、吸気カムシャフト3に偏心して固定的に設けられる円形の駆動カム11と、この駆動カム11に相対回転可能に外嵌するリング状リンク12と、吸気カムシャフト3と略平行に気筒列方向へ延びる制御軸13と、この制御軸13に偏心して固定的に設けられた円形の制御カム14と、この制御カム14に相対回転可能に外嵌すると共に、一端がリング状リンク12の先端に連結されたロッカアーム15と、このロッカアーム15の他端と揺動カム4とに連結されたロッド状リンク16と、を有している。
前記制御軸13は、モータ17によりギア列18を介して回転駆動され、図示省略したストッパで既定される可動範囲内でその角度位置が変更される。
尚、制御軸13を回転駆動するアクチュエータはモータに限定されず、例えば、モータに代えて油圧アクチュエータを用いることができる。
上記の構成により、クランクシャフト120に連動して吸気カムシャフト3が回転すると、駆動カム11を介してリング状リンク12がほぼ並進移動すると共に、ロッカアーム15が制御カム14の軸心周りに揺動し、ロッド状リンク16を介して揺動カム4が揺動して吸気バルブ105が開閉駆動される。
また、前記モータ17を駆動制御して制御軸13の回転角度を変化させることにより、ロッカアーム15の揺動中心となる制御カム14の軸心位置が変化して揺動カム4の姿勢が変化する。
これにより、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相が略一定のままで、吸気バルブ105のバルブ作動角及びバルブリフト量が連続的に変化する。
尚、バルブ作動角及びバルブリフト量の変化に応じて、バルブ作動角の中心位相も変化させるように、前記可変リフト機構112を構成することが可能である。
ECM114には、前記制御軸13の回転角CAを検出する角度センサ133からの検出信号が入力され、目標バルブリフト量に対応する目標角度位置に前記制御軸13を回動させるべく、前記角度センサ133の検出結果に基づいて前記モータ17への供給電力をフィードバック制御する。
次に、吸気バルブ105のバルブタイミングを可変とする前記可変バルブタイミング機構113の構成を、図4に基づいて説明する。
本実施形態では、可変バルブタイミング機構113として、ベーン式の可変バルブタイミング機構を採用している。
図4に示す可変バルブタイミング機構113は、クランクシャフト120によりタイミングチェーンを介して回転駆動されるカムスプロケット51(タイミングスプロケット)と、吸気カムシャフト3の端部に固定されてカムスプロケット51内に回転自在に収容された回転部材53と、該回転部材53をカムスプロケット51に対して相対的に回転させる油圧回路54と、カムスプロケット51と回転部材53との相対回転位置を所定位置で選択的にロックするロック機構60とを備えている。
前記カムスプロケット51は、外周にタイミングチェーン(又はタイミングベルト)が噛合する歯部を有する回転部(図示省略)と、該回転部の前方に配置されて前記回転部材53を回転自在に収容するハウジング56と、該ハウジング56の前後開口を閉塞するフロントカバー,リアカバー(図示省略)とから構成される。
前記ハウジング56は、前後両端が開口形成された円筒状を呈し、内周面には、横断面台形状を呈し、それぞれハウジング56の軸方向に沿って設けられる4つの隔壁部63が90°間隔で突設されている。
前記回転部材53は、前記吸気カムシャフト3の前端部に固定されており、円環状の基部77の外周面に90°間隔で4つのベーン78a,78b,78c,78dが設けられている。
前記第1〜第4ベーン78a〜78dは、それぞれ断面が略逆台形状を呈し、各隔壁部63間の凹部に配置され、前記凹部を回転方向の前後に隔成し、ベーン78a〜78dの両側と各隔壁部63の両側面との間に、進角側油圧室82と遅角側油圧室83とを構成する。
前記ロック機構60は、ロックピン84が、回転部材53の最大遅角側の回動位置において係合孔(図示省略)に係入するようになっている。
前記油圧回路54は、進角側油圧室82に対して油圧を給排する第1油圧通路91と、遅角側油圧室83に対して油圧を給排する第2油圧通路92との2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路91,92には、供給通路93とドレン通路94a,94bとがそれぞれ通路切り換え用の電磁切換弁95を介して接続されている。
前記供給通路93には、オイルパン96内の油を圧送する機関駆動のオイルポンプ97が設けられている一方、ドレン通路94a,94bの下流端がオイルパン96に連通している。
前記第1油圧通路91は、回転部材53の基部77内に略放射状に形成されて各進角側油圧室82に連通する4本の分岐路91dに接続され、第2油圧通路92は、各遅角側油圧室83に開口する4つの油孔92dに接続される。
前記電磁切換弁95は、内部のスプール弁体が各油圧通路91,92と供給通路93及びドレン通路94a,94bとを相対的に切り換え制御するようになっている。
前記ECM114は、前記電磁切換弁95を駆動する電磁アクチュエータ99に対する通電量を、デューティ制御信号に基づいて制御する。
例えば、電磁アクチュエータ99にデューティ比0%の制御信号(OFF信号)を出力すると、オイルポンプ47から圧送された作動油は、第2油圧通路92を通って遅角側油圧室83に供給されると共に、進角側油圧室82内の作動油が、第1油圧通路91を通って第1ドレン通路94aからオイルパン96内に排出される。
従って、遅角側油圧室83の内圧が高、進角側油圧室82の内圧が低となって、回転部材53は、ベーン78a〜78bを介して最大遅角側に回転し、この結果、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が遅くなり、換言すれば、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相が遅角方向に変化し、バルブオーバーラップが縮小する。
一方、電磁アクチュエータ99にデューティ比100%の制御信号(ON信号)を出力すると、作動油は、第1油圧通路91を通って進角側油圧室82内に供給されると共に、遅角側油圧室83内の作動油が第2油圧通路92及び第2ドレン通路94bを通ってオイルパン96に排出され、遅角側油圧室83が低圧になる。
このため、回転部材53は、ベーン78a〜78dを介して進角側へ最大に回転し、これによって、吸気バルブ105の開期間(開時期及び閉時期)が早くなり、換言すれば、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相が進角方向に変化し、バルブオーバーラップが拡大する。
図5は、排気バルブ107のバルブタイミングを可変とする前記可変バルブタイミング機構138の構造を示す。
前記可変バルブタイミング機構138は、クランクシャフト120と同期して回転するスプロケット225に固定され、このスプロケット225と一体的に回転する第1回転体221と、ボルト222aにより前記排気カムシャフト110の一端に固定され、排気カムシャフト110と一体的に回転する第2回転体222と、ヘリカルスプライン226により第1回転体221の内周面と第2回転体222の外周面とに噛合する筒状の中間ギア223と、を有している。
前記中間ギア223は、ネジ228を介してドラム227が連結されており、このドラム227と中間ギア223との間にねじりスプリング229が介装されている。
前記中間ギア223は、ねじりスプリング229によって遅角方向(図の左方向)へ付勢されており、電磁リターダ224に電圧を印加して磁力を発生すると、ドラム227及びネジ228を介して進角方向(図の右方向)へ動かされる。
この中間ギア223の軸方向位置に応じて、回転体221,222の相対位相が変化して、クランクシャフト120に対する排気カムシャフト110の回転位相が変化し、排気バルブ107の作動角の中心位相が連続的に変化する。
前記電磁リターダ224は、前記ECM114からの制御信号により駆動制御される。
尚、本実施形態では、可変バルブタイミング機構として、吸気バルブ105に適用するものと排気バルブ107に適用するものとで、異なる構造・形式のものを採用したが、同一の構造・形式のものを適用することができる。
また、可変バルブタイミング機構としては、上記ベーン式の機構やヘリカルスプラインと電磁リターダとを組み合わせた機構の他、ヘリカルスプラインと油圧との組み合わせによるものや、電磁ブレーキ力を利用する可変バルブタイミング機構など、公知の可変バルブタイミング機構を適宜採用することができる。
次に、前記ECM114による電子制御スロットル装置104,可変リフト機構112及び可変バルブタイミング133,138の制御を詳細に説明する。
本実施形態では、機関101の高負荷・高回転域(スロットル制御領域)では、吸気バルブ105の開特性を固定する一方で、アクセル開度ACCに応じてスロットル開度TVOを制御することで、機関101の筒内に導入される吸入空気量QAを制御する。
一方、前記高負荷・高回転域以外の通常運転域(低負荷・低回転域:吸気バルブ制御領域)では、スロットル開度TVOの調整によって吸気管内圧を目標吸気圧に制御しつつ、吸気バルブ105の開特性を調整することで機関101の筒内に導入される吸入空気量QAを制御するようになっている。
尚、前記高負荷・高回転域(スロットル制御領域)と低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)との判別は、後述する目標体積流量比QH0と機関回転速度NEとに基づいて行われる。
図6のフローチャートは、ECM114による可変リフト機構112及び可変バルブタイミング133,138の制御を示す。
ステップS501では、吸入空気量QA、機関回転速度NE、アクセル開度ACCなどの機関運転条件を示す各種データを読み込む。
ステップS502では、可変リフト機構112及び可変バルブタイミング133,138の制御目標値を決定する。
制御目標値は、目標体積流量比QH0と機関回転速度NEとに基づいて決定され、例えば、目標体積流量比QH0と機関回転速度NEとに応じて制御目標値を記憶したマップを参照することで求められる。
前記目標体積流量比QH0は、アクセル開度ACC及び機関回転速度NEに基づいて求められる要求空気量Qを、機関回転速度NE及び有効排気量(シリンダ総容積)VOL#で除算することで算出される(QH0=Q/(Ne・VOL#))。
前記可変リフト機構112の制御目標値(目標VEL)は、目標体積流量比QH0が大きく、かつ、機関回転速度NEが高いほど、吸気バルブ105のバルブリフト量がより大きくなるように設定され、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)では一定値に保持される。
前記可変バルブタイミング133の制御目標値(目標VTC)は、目標体積流量比QH0が大きく、かつ、機関回転速度NEが高いほど、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相がより遅角されるように設定され、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)では一定値に保持される。
前記可変バルブタイミング機構138の制御目標値も、前記可変バルブタイミング機構113と同様に、機関回転速度速NE及び目標体積流量比QH0(目標吸入空気量)に基づいて算出され、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)では、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)よりも排気バルブ107のバルブタイミングが進角されるようになっている。
尚、吸気バルブ105のバルブタイミングは、オーバーラップが最小となる最遅角位置を制御基準位置とし、前記最遅角位置からの進角量を目標として設定し、排気バルブ107のバルブタイミングは、オーバーラップが最小となる最進角位置を制御基準位置とし、前記最進角位置からの遅角量を目標として設定する。
ステップS502で、制御目標値を設定すると、ステップS503では、前記制御目標値が実現されるように、例えば、前記制御目標値と実際値との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって、可変リフト機構112及び可変バルブタイミング133,138の操作量をフィードバック制御する。
尚、前記制御目標値を実現するための制御としては、モデル規範型適応制御やスライディングモード制御などの公知の種々の制御を用いることができる。
図7のフローチャートは、電子制御スロットル装置104の制御を示す。
ステップS601では、吸入空気量QA、機関回転速度NE、アクセル開度ACC、スロットル開度TVO、吸気管内圧(吸気バルブ上流圧)PBなどの機関運転条件を示す各種データを読み込む。
ステップS602では、機関負荷を代表する前記目標体積流量比QH0と機関回転速度NEとに基づいて目標吸気圧を決定する。
前記目標吸気圧は、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)において、例えば一定値(例えば−100mHg)に設定され、吸気管圧が一定の負圧に保持されるように、スロットルバルブ103bの開度が制御される。
前記低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)でスロットルバルブ103b下流側の吸気管内を負圧にすることで、該負圧を利用した排気還流やブレーキブースタの作動を可能とするものであり、前記低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)の設定は、排気還流の実行領域やブレーキブースタの作動要求などに基づいて適合される。
また、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)における前記可変リフト機構112及び可変バルブタイミング133,138の制御目標値は、前記目標吸気圧に制御されることを前提に適合されている。
尚、本実施形態では、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)で一定の負圧に制御させるようにしたが、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)内を複数領域に分け、領域毎に異なる目標負圧を設定させることができる。
ステップS603では、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)であるか低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であるかを判別し、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)である場合には、ステップS604へ進んで、そのときのアクセル開度ACCに応じて設定される目標開度を実現すべく、電子制御スロットル装置104の操作量をフィードバック制御する。
これにより、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)において、スロットル開度を調整することによって吸入空気量が制御される。
一方、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)である場合には、ステップS605へ進み、吸気圧センサ136で検出される実際の吸気管内圧PBが前記目標吸気圧付近であるか否か、換言すれば、前記目標吸気圧よりも閾値だけ低い圧から前記目標吸気圧よりも閾値だけ高い圧までの領域に、検出値が含まれているか否かを判断する。
前記閾値は、吸気圧制御において許容できる誤差に基づいて予め設定される。
ここで、実際の吸気管内圧PBが前記目標吸気圧付近であれば、ステップS606へ進み、スロットルバルブ103bの開度のフィードバック制御を中止し、そのときのスロットル開度を保持させる。
換言すれば、目標吸気圧を含む所定圧力範囲を不感帯とし、該不感帯内の圧力になった場合には、目標吸気圧に一致させるための開度制御を停止させ、不感帯内で圧力が変化しても、不感帯内に入ったときのスロットル開度を保持させる。
尚、前記図7のフローチャートに示す電子制御スロットル装置104の制御では、圧力が不感帯内に入った場合に、スロットルバルブ103bの開度のフィードバック制御を中止させるようにしたが、前記不感帯を設けずに、目標吸気圧付近になってもフィードバック制御を中止させないで、目標吸気圧に向けたフィードバック制御を継続させることができる。
一方、実際の吸気管内圧PBが前記目標吸気圧付近の値でない場合、即ち、実際の吸気管内圧PBが前記目標吸気圧から所定以上に離れている場合には、ステップS607へ進む。
ステップS607では、実際の吸気管内圧PBが前記目標吸気圧に近づくように、実際の吸気管内圧PBと前記目標吸気圧との偏差に基づく比例・積分・微分動作によって、電子制御スロットル装置104の操作量(モータ通電操作量)をフィードバック制御する。
上記スロットル開度制御によって、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)において目標吸気圧(目標負圧)が実現される。
図8のフローチャートは、前記図7のフローチャートに示した吸気圧制御によって、加速不足になることを抑止又は回避するための制御の第1実施形態を示す。
ステップS701では、吸入空気量QA、機関回転速度NE、アクセル開度ACC、スロットル開度TVO、吸気管内圧(吸気バルブ上流圧)PBなどの機関運転条件を示す各種データを読み込む。
ステップS702では、内燃機関1が加速運転状態であるか否かを判断する。
例えば、単位時間当たりのアクセル開度の変化量と判定値との比較に基づいて、加速状態であるか否かを判断する。
加速状態であれば、ステップS703へ進み、機関出力トルクの推定を行う。
具体的には、そのときの吸気バルブ105の閉時期IVCとそのときの吸気管圧力PBとからトルクを推定するが、図中に示すように、閉時期IVCに応じて基本トルクを記憶したテーブルと、吸気管圧力PBに応じて補正係数を記憶したテーブルとを予め備え、各テーブルから検索した基本トルクと補正係数とから機関出力トルクを算出する。
尚、トルクの推定は、エアフローセンサ115で検出される吸入空気量QAに基づいて行わせることができ、また、トルクセンサによって直接的に検出させることができる。
次のステップS704では、前記ステップS703におけるトルクの推定結果の今回値と前回値との差として求めたトルク変化量が、判定レベル以下であるか否かを判断する。
前記判定レベル(要求加速レベル)は、図9に示すように、アクセル開度ACCの変化などから求められる要求加速レベルが高いほど(アクセル開度ACCの増大変化が速いほど、急加速要求時ほど)大きな値に設定される。
即ち、ステップS704での判断は、実際の加速レベル(実加速度)が要求加速レベル(要求加速度)を満たしているか否かを判断することになる。
ステップS704でトルク変化量が判定レベルを超えていると判断された場合には、要求加速レベルが実現できていると判断し、ステップS709へ進んで、図7のフローチャートに示した吸気圧制御の実行を許可し、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であれば、目標吸気圧(目標負圧)に基づくスロットル開度のフィードバック制御を実行させる。
一方、ステップS704でトルク変化量が判定レベル以下であって、要求加速レベルを満たしていないと判断されると、ステップS705へ進む。
ステップS705では、そのときに低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であった場合には、図7のフローチャートのステップS605〜ステップS607における目標吸気圧に基づくスロットル開度のフィードバック制御を中止させ、代わりに、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づく制御に強制的に移行させることで、スロットル開度を増大させる。
ステップS706では、前記ステップS705において吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止してスロットル開度を増大させたことで、実際の加速レベルが要求加速レベルを満たすようになったか否か(トルク変化量>判定レベルであるか否か)を判断する。
尚、前記ステップS706における判定レベルと、ステップS704における判定レベルとを異なる値とすることができ、より具体的には、ステップS706の判定レベル>ステップS704の判定レベルとすることができる。
ステップS706の判断で、トルク変化量≦判定レベルであって実際の加速レベルが要求加速レベルを満たしていないと判断された場合には、ステップS705に戻ることで、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止し、アクセル開度に応じた開度に制御する状態を継続させる。
即ち、加速時に、実際の加速レベルが要求の加速レベルを満たしていない場合には、目標吸気圧(目標負圧)を維持するためのスロットル開度制御によって吸入空気量の増大変化が抑制されているものと判断し、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止し、アクセル開度を増加させ、実際の加速レベルを増大させる。
これにより、加速途中で加速性能が低下することがなく、加速の息継ぎ感を運転者に与えてしまうことがない。
一方、ステップS706の判断で、トルク変化量>判定レベルであって実際の加速レベルが要求加速レベルを満たしていると判断された場合には、ステップS707へ進んで、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であるか否かを判断する。
前記低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)でない場合には、スロットル開度を低下させて吸気管負圧を発生させる必要はないので、ステップS705に戻ることで、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御を継続させる。
また、ステップS707において、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であると判断された場合には、ステップS708へ進む。
ステップS708では、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止する直前におけるスロットル開度、即ち、吸気圧を目標吸気圧に一致させるために必要とされていたスロットル開度にまで、スロットル開度を低下させ、その後、ステップS709へ進んで、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を再開させる。
上記のように、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止する直前におけるスロットル開度にまでステップ的に戻してから、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を再開させれば、速やかに目標吸気圧(目標負圧)を発生させることができる。
ところで、上記図8のフローチャートに示した第1実施形態では、トルク変化量(加速レベル)に基づいて、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止するか否かを判断したが、係る判断を、吸気バルブ105の閉時期IVCに基づいて行うようにした第2実施形態を、図10のフローチャートに従って説明する。
ステップS801では、吸入空気量QA、機関回転速度NE、アクセル開度ACC、スロットル開度TVO、吸気管内圧(吸気バルブ上流圧)PBなどの機関運転条件を示す各種データを読み込む。
ステップS802では、内燃機関1が加速運転状態であるか否かを判断する。
例えば、単位時間当たりのアクセル開度の変化量と判定値との比較に基づいて、加速状態であるか否かを判断する。
加速状態であれば、ステップS803へ進み、そのときの吸気バルブ105の閉時期IVCを算出する。
前記閉時期IVCは、可変リフト機構112によって可変とされるバルブ作動角と、可変バルブタイミング機構113によるバルブ作動角の中心位相の進角量とから求めることができる。
即ち、可変バルブタイミング機構113による最遅角位置での中心位相からそのときのバルブ作動角の半分の角度だけ遅角した位置が、バルブ作動角の中心位相が最遅角位置であると仮定した場合の閉時期IVCとなるから、該閉時期IVCを中心位相の進角量分だけ進角した位置が、そのときの実際の閉時期IVCとなる。
ステップS804では、前記ステップS803で求めた吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置よりも進角側であるか否かを判断する。
前記判定角度位置は、吸気下死点BDC(ATDC180deg)、又は、吸気下死点BDC付近の角度位置とする。
ここで、吸気下死点BDC付近の予め設定された角度位置とする場合には、吸気下死点BDCよりも僅かに進角した位置とすることが好ましく、更には、吸気下死点BDCから判定角度位置までの進角角度を、機関回転速度NEが高いほど大きくし、機関回転速度NEが高い場合には、吸気下死点BDCからより進角した位置(吸気下死点BDCよりもより前の位置)を、前記判定角度位置とすることがより好ましい。
前記機関回転速度NEに応じた判定角度位置の進角角度は、目標負圧に基づくスロットル制御によってトルクが低下し始めるタイミングが機関回転速度NEに応じて変化することに対応して予め設定されている。即ち、機関回転速度NEが高いほど、トルクが低下し始めるタイミングが早まるため、機関回転速度NEが高いほど判定角度位置をより進角した位置に設定する。
前記ステップS803で求めた吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置よりも進角側である場合には、ステップS807へ進んで、図7のフローチャートに示した吸気圧制御の実行を許可し、目標吸気圧に基づくスロットル開度のフィードバック制御を実行させる。
尚、本実施形態では、前記閉時期IVC及び判定角度位置を、吸気上死点後の角度(ATDC)として示すので、閉時期IVC<判定角度位置であれば、閉時期IVCは、判定角度位置よりも前の位置であることになる。
一方、吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置に一致するか、判定角度位置よりも遅角側にまで遅角した場合、即ち、加速要求に基づくバルブリフト量及びバルブ作動角の増大変化によって閉時期IVCが徐々に遅角変化し、判定角度位置に達すると、ステップS804からステップS805へ進む。
ステップS805では、図7のフローチャートに示した吸気圧に基づくスロットル開度の制御を中止させ、代わりに、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づく制御に強制的に移行させることで、スロットル開度を増大させる。
次のステップS806では、吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置よりも進角側であるか否かを判断する。
吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置よりも進角側である場合(IVC<判定角度位置)には、吸気圧に基づくスロットル開度の制御を強制的に中止させる必要はないと判断し、ステップS807へ進んで、図7のフローチャートに示した吸気圧制御の実行を許可し、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)であれば、目標吸気圧に基づくスロットル開度のフィードバック制御を実行させる。
一方、ステップS806で、吸気バルブ105の閉時期IVCが判定角度位置に一致するか、判定角度位置よりも遅角側であると判断された場合(IVC≧判定角度位置)には、ステップS805へ戻り、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づく制御を継続させる。
図11は、図8又は図9のフローチャートに示したルーチンに従って、吸気圧に基づくスロットル開度の制御(スロットル開度による負圧発生制御)を中止しなかった場合の加速特性を示すタイムチャートである。
図11において、境界線Aよりも図で左側が、スロットル開度によって吸気圧(吸気負圧)を制御しつつ、吸気バルブ105の開特性(バルブリフト量・中心位相)で吸入空気量を制御する低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)に該当する状態であり、境界線Aよりも図で右側が、吸気バルブ105の開特性(バルブリフト量・中心位相)を固定し、スロットル開度で吸入空気量を制御する高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に該当する状態を示す。
低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)では、吸気バルブ105のバルブリフト量(目標VEL)は、アクセル開度ACCの増大変化に応じて増大変化され、吸入空気量QAを増加変化させる。
一方、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)における、吸気バルブ105のバルブ作動角の中心位相INT−VTCは、加速初期は進角されるが、その後遅角方向に制御され、その結果、吸気バルブ105の閉時期IVCは、加速初期は、略加速前の状態(下死点BDCよりも進角した位置)を保持し、その後漸次遅角変化し、下死点BDCを過ぎ、下死点BDCよりも遅角した位置まで変化する。
そして、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に入ると、吸気バルブ105のバルブリフト量(目標VEL)が固定され、排気バルブ107のバルブ作動角の中心位相EX−VTCが進角変化されて該進角位置を保持する。
一方、スロットル開度TVOは、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)では、目標吸気圧が実現されるように制御され、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)では、アクセル開度ACCに応じた目標開度に制御される。
ここで、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)から高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に移行する前に、吸気バルブ105の閉時期IVCが吸気下死点BDCを超えて遅角される(ピストンの上昇途中で吸気バルブ105が閉じられる)ようになると、閉時期IVCが吸気下死点BDC後の状態で、吸気圧に基づくスロットル開度の制御が実行されることになる。
しかし、閉時期IVCが吸気下死点BDC後の状態で、吸気圧に基づくスロットル開度の制御が継続されると、目標吸気圧(目標負圧)を維持しようとするために、閉時期IVCが吸気下死点BDCに達した付近(境界線B)を境に、吸入空気量QAがスロットルで制限されることになり、場合によってはスロットル開度をより絞って目標吸気圧(目標負圧)を維持しようとする。
閉時期IVCが吸気下死点BDCを超えて遅角された後も、本来的には、慣性過給効果で吸入空気量QAは増え続ける特性を示すが、前記目標吸気圧(目標負圧)を維持するためのスロットル開度TVOの制御によって、前記吸入空気量QAの増大傾向が相殺され、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に移行してスロットル開度TVOがアクセル開度ACCに応じた開度に制御されるようになるまでの間、吸入空気量QAが略一定に推移し、機関出力トルクも一定に推移してしまう。
そして、高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に移行してスロットル開度TVOがアクセル開度ACCに応じた開度に制御されるようになれば、再び、アクセル開度ACCの増大に応じて吸入空気量QA及び機関出力トルクが増大変化を示すようになる。
即ち、加速途中の高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に移行する直前で、加速が途切れることになり、運転者に減速感を与えるなどして、運転性を低下させることになる。
尚、図11において、EVCは排気バルブ107の閉時期を示し、IVOは吸気バルブ105の開時期を示し、O/Lは、吸気バルブ105の開時期IVOから排気バルブ107の閉時期EVCまでの、排気バルブ107及び吸気バルブ105が共に開弁しているバルブオーバーラップ期間を示す。
前述のような加速性能の低下を解消すべく、加速判定と同時に、スロットル開度TVOによる吸気圧制御を禁止すると、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づく制御に移行することになるが、この場合、目標吸気圧に基づく目標開度よりも、加速判定時のアクセル開度ACCに応じた目標開度が小さく、一旦、スロットル開度TVOを減少させた後、アクセル開度ACCの増大に応じてスロットル開度TVOを増大変化させることになる場合がある。
上記のように、加速初期にスロットル開度TVOを減少させると、吸気負圧が大きくなって、ポンピングロスが大きくなり、加速時の燃費低下や出力トルクの低下を招く可能性がある。
一方、図12のタイムチャートは、図10のフローチャートに示すルーチンに従って、加速時に、吸気バルブ105の閉時期IVCが下死点BDC付近になった以降において、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御を、スロットル開度TVOによる吸気圧制御に対して優先させて実行させた場合における加速特性を示す。
図12のタイムチャートに示す場合には、加速に伴う吸気バルブ105のバルブリフト量(目標VEL)の増大によって、吸気バルブ105の閉時期IVCが下死点BDC前の位置から下死点BDC付近にまで遅角されると(境界線Bの時点で)、スロットル開度TVOによる吸気圧制御から、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御に移行させており、その結果、吸気バルブ105の閉時期IVCが下死点BDC付近になった時点で、スロットル開度TVOがステップ的に増大変化する。
即ち、吸気バルブ105の閉時期IVCが下死点BDC付近になった以降は、吸気圧PBを目標負圧に維持するためのスロットル制御は行われず、スロットル開度TVOは、アクセル開度ACCに応じた目標開度に制御されるので、吸気バルブ105の閉時期IVCが下死点BDC以降に遅角され、慣性過給効果で吸入空気量QAが増えようとするときに、スロットル開度TVOで吸入空気量が絞られることがなく、閉時期IVCが下死点BDC付近に達した後(境界線Bから境界線Aまでの間であり、閉時期IVCが下死点BDC付近に達してから、スロットル制御領域に移行するまでの間)も、吸入空気量QAが増え続けることになる。
従って、低負荷・低回転域(吸気バルブ制御領域)から高負荷・高回転域(スロットル制御領域)に移行する前に、吸気バルブ105の閉時期IVCが吸気下死点BDCを超えて遅角される(ピストンの上昇途中で吸気バルブ105が閉じられる)ようになっても、トルクは上昇を続けることになり、運転者に減速感を与えることがなく、運転性が向上する。
また、図8のフローチャートに示すルーチンを実行した場合、吸気バルブ105の閉時期IVCが吸気下死点BDCを超えて遅角されることで、吸気圧を目標負圧に維持するためにスロットル開度制御によって吸入空気量が絞られ、実際の加速レベルが要求加速レベルに達しなくなると、スロットル開度による吸気圧制御から、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御に移行させるので、トルクの上昇変化を続けさせることができ、運転者に減速感を与えることがなく、運転性が向上する。
更に、吸気圧を目標負圧に維持するためにスロットル開度制御を中止し、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御に移行させるのは、アクセル開度ACCが増大してからであるため、移行時に、目標吸気圧に基づく目標開度よりもアクセル開度ACCに応じた目標開度が小さく、一旦スロットル開度TVOを減少させた後、アクセル開度ACCの増大に応じてスロットル開度TVOを増大変化させることはない。
従って、吸気圧を目標負圧に維持するためにスロットル開度制御を中止し、アクセル開度ACCに応じた目標開度に基づくスロットル制御に移行させたときに、吸気負圧が大きくなって、ポンピングロスが大きくなり、加速時の燃費低下や出力トルクの低下を抑制できる。
実施形態における車両用内燃機関のシステム図である。 実施形態における可変リフト機構の詳細を示す斜視図である。 前記可変リフト機構の詳細を示す断面図である。 実施形態における吸気バルブの可変バルブタイミング機構の詳細を示す断面図である。 実施形態における排気バルブの可変バルブタイミング機構の詳細を示す断面図である。 実施形態における可変リフト機構及び可変バルブタイミング機構の制御(バルブリフト及び中心位相による吸入空気量制御)を示すフローチャートである。 実施形態における電子制御スロットル装置の制御(吸気管負圧制御)を示すフローチャートである。 実施形態における吸気管負圧制御の中止処理を示すフローチャートである。 実施形態における加速判定レベルの設定特性を示す線図である。 実施形態における吸気管負圧制御の中止処理を示すフローチャートである。 前記吸気管負圧制御の中止処理を行わない場合の加速特性を示すタイムチャートである。 前記吸気管負圧制御の中止処理を行った場合の加速特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
3…吸気カムシャフト、13…制御軸、17…モータ、101…内燃機関、103a…スロットルモータ、103b…スロットルバルブ(吸気絞り弁)、104…電子制御スロットル装置、105…吸気バルブ、112…可変リフト機構(可変動弁機構)、113,138…可変バルブタイミング機構(可変動弁機構)、114…エンジンコントロールモジュール(ECM)、115…エアフローセンサ、116…アクセルセンサ、117…クランク角センサ、120…クランクシャフト、132…吸気カムセンサ、133…角度センサ、136…吸気圧センサ、139…排気カムセンサ

Claims (4)

  1. 吸気バルブの開特性を可変にする可変動弁機構と、前記吸気バルブの上流側に設けられる吸気絞り弁とを備え、前記可変動弁機構を制御することで筒内に導入される吸入空気量を制御し、前記吸気絞り弁の開度を制御することで前記吸気絞り弁下流の吸気管内の圧力を制御する内燃機関の制御装置において、
    加速時に要求加速レベルを満たさない場合に、前記吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、前記吸気絞り弁の開度を増大変化させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気バルブの開特性を可変にする可変動弁機構と、前記吸気バルブの上流側に設けられる吸気絞り弁とを備え、前記可変動弁機構を制御することで筒内に導入される吸入空気量を制御し、前記吸気絞り弁の開度を制御することで前記吸気絞り弁下流の吸気管内の圧力を制御する内燃機関の制御装置において、
    加速時に前記吸気バルブの閉弁時期が判定角度位置を越えて遅角変化した時点で、前記吸気絞り弁の開度による吸気管内圧力の制御を中止し、前記吸気絞り弁の開度を増大変化させることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記判定角度位置が、吸気下死点付近の角度位置であることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記判定角度位置を、機関回転速度が速いほど吸気下死点よりも進角した角度位置に設定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
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