JP2020084903A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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健太 杉山
Kenta Sugiyama
健太 杉山
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Abstract

【課題】可変バルブタイミング機構によるバルブタイミング制御の精度をより一層高める。【解決手段】吸気バルブまたは排気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角または遅角させることで吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御する制御装置であって、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変位させる作動液圧を操作する制御バルブに与える制御入力を現在の回転位相と目標位相との偏差に応じて調節するフィードバック制御を実施するものであり、その制御入力に、回転位相を目標位相の近傍に略一定に維持できているときに学習して記憶した学習値とともに、現在の作動液圧若しくは作動液温またはこれを示唆するパラメータに応じて決定した補正量を加味する内燃機関の制御装置を構成した。【選択図】図4

Description

本発明は、可変バルブタイミング(Variable Valve Timing)機構が付帯する内燃機関を制御する制御装置に関する。
車両等に搭載される内燃機関について、吸気バルブ及び/または排気バルブの開閉タイミングを可変制御できる位相変化型のVVT機構を備えたものが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。この種のVVT機構は、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトに対する、吸気バルブを開閉駆動する吸気カムシャフト及び/または排気バルブを開閉駆動する排気カムシャフトの回転位相を変化させることにより、吸気バルブ及び/または排気バルブの開閉タイミングを進角または遅角させる。
多く普及しているベーン式VVT機構では、内燃機関の潤滑油を作動液とし、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相をその作動液圧により変位させる。液圧回路上には、電磁式の切換制御弁であるOCV(Oil Control Valve)を設置し、OCVを介して作動液の流量及び方向を制御することで、カムシャフトをクランクシャフトに対し相対的に回動させる。
カムシャフトの回転位相、換言すればVVT機構が具現するバルブタイミングは、フィードバック制御する。即ち、現在の回転位相と目標位相との偏差に基づいてOCVに入力する制御信号のデューティ比を増減させ、偏差を縮小する方向にOCVを操作する。そして、カムシャフトの回転位相が目標位相の近傍に到達した、即ちバルブタイミングが目標タイミングとなったならば、OCVを中立位置として作動液の流動を遮断し、カムシャフトの回転位相の変位を禁止して、バルブタイミングを目標タイミングに維持する。
OCVを中立位置とするためにOCVに与えるべき制御信号のデューティ比は、恒常的に一定ではなはない。そこで、従来より、カムシャフトの回転位相が目標位相の近傍に安定した状態で、OCVに与えている制御信号のデューティ比を学習値として記憶し、以後の制御に用いるとともに、随時その学習値を更新するようにしている。
特開2018−172967号公報
OCVを中立位置とするためにOCVに与えるべき制御信号のデューティ比は、そのときの作動液の圧力や温度(粘性)の影響を受ける。だが、上記の学習値の更新の頻度は、作動液の圧力や温度の変動の頻度と比べると少ない。特に、作動液を吸引し吐出するポンプが、内燃機関のクランクシャフトから回転トルクの伝達を受けて稼働する機械式のポンプである場合には、エンジン回転数の加減速により作動液の圧力が刻々と変化することとなる。作動液の温度もまた、内燃機関自体の温度とともに大きく増減する。学習値の更新はこのような圧力変化、温度変化に必ずしも追いつかず、その帰結としてカムシャフトの回転位相を目標位相に精確に追従させることが困難となる懸念が生じる。所望のバルブタイミングが実現されないと、内燃機関の性能の低下を招く。
本発明は、以上の問題に初めて着目してなされたものであり、VVT機構によるバルブタイミング制御の精度をより一層高めることを所期の目的としている。
本発明では、吸気バルブまたは排気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角または遅角させることで吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御する制御装置であって、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変位させる作動液圧を操作する制御バルブに与える制御入力を現在の回転位相と目標位相との偏差に応じて調節するフィードバック制御を実施するものであり、その制御入力に、回転位相を目標位相の近傍に略一定に維持できているときに学習して記憶した学習値とともに、現在の作動液圧若しくは作動液温またはこれを示唆するパラメータに応じて決定した補正量を加味する内燃機関の制御装置を構成した。
本発明によれば、VVT機構によるバルブタイミング制御の精度をより一層高めることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 同実施形態の内燃機関に付帯する可変バルブタイミング機構を示す図。 同実施形態の制御装置によるバルブタイミングのフィードバック制御系を示すブロック図。 同実施形態の制御装置が制御するバルブタイミング及び制御信号のデューティ比の推移を例示するタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気バルブよりも上流、各気筒1に連なる吸気ポートの近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を起こすものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を気筒1に供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を気筒1から排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
図2に示すように、本実施形態の内燃機関では、クランクスプロケット(または、プーリ)71、吸気側スプロケット(または、プーリ)72並びに排気側スプロケット(または、プーリ)73にタイミングチェーン(または、ベルト)74を巻き掛け、このタイミングチェーン74により、クランクシャフトからもたらされる回転駆動力を吸気側スプロケット72を介して吸気カムシャフトに、排気側スプロケット73を介して排気カムシャフトに、それぞれ伝達している。
その上で、吸気側スプロケット72と吸気カムシャフトとの間に、VVT機構6を介設している。VVT機構6は、クランクシャフトに対する吸気カムシャフトの回転位相を変化させることにより吸気バルブの開閉タイミングを変化させるものである。
VVT機構6のハウジング61は、吸気側スプロケット72に固着しており、吸気側スプロケット72とハウジング61とは一体となってクランクシャフトに同期して回転する。これに対し、吸気カムシャフトの一端部に固着したロータ62は、ハウジング61内に収納され、吸気側スプロケット72及びハウジング61に対して相対的に回動することが可能である。ハウジング61の内部には、作動液が流出入する複数の流体室が形成され、各流体室は、ロータ62の外周部に成形されたベーン621によって進角室612と遅角室611とに区画されている。
VVT機構6の液圧(油圧)回路には、オイルパン81内に蓄えられた作動液たる内燃機関の潤滑油が、作動液ポンプたる潤滑油ポンプ82より供給される。潤滑油ポンプ82は、内燃機関のクランクシャフトから回転トルクの伝達を受けて稼働する機械式の液圧ポンプである。潤滑油ポンプ82とVVT機構6との間には、制御バルブたるOCV9を設けている。作動液の流量及び方向をこのOCV9を介して操作することで、オイルパン81から汲み上げた作動液を進角室612または遅角室611に選択的に供給することができる。さすれば、ハウジング61がロータ62に対して相対回動し、吸気バルブの開閉タイミングを進角または遅角させることができる。
図2に示すOCV9は、いわゆる電磁式の四方向スプール弁であり、潤滑油ポンプ82の吐出口と接続する供給ポート91と、ハウジング61の進角室612と接続するAポート92と、ハウジング61の遅角室611と接続するBポート93と、オイルパン81と接続するドレインポート94、95とを有している。OCV9のスプールは、進退動作により内部粒体経路を切り換えて、Aポート92及びBポート93をそれぞれ供給ポート91、ドレインポート94、95の何れかに連通させる。また、スプール96が中立位置をとるときには内部流体経路が断絶し、Aポート92及びBポート93を供給ポート91にもドレインポート94、95にも連通させない。図2では、スプール96が中立位置にある状態を示している。
スプール96はソレノイド97によって駆動する。即ち、制御信号mとしてソレノイド97に入力するパルス電流(または、電圧)のデューティ比に応じて、スプール96の進退の距離が変化する。例えば、制御信号mのデューティ比が0%で全体的にOFFのとき、スプール96は最も一端側(図2中左方)に位置して、流路断面積が最大の状態でBポート93を供給ポート91に連通させ、かつAポート92をドレインポート94に連通させるように内部流体経路を設定する。
制御信号mのデューティ比が増大するにつれて、ソレノイド97に吸引されるスプール96が他端側(図2中右方)に向かって移動する。デューティ比が50%付近に増大するまでは、OCV9の内部流体経路は切り換わらず、デューティ比の増大とともに流路断面積が減少してゆく。
デューティが約50%となると、スプール96は中立位置をとり、OCV9の内部流体経路を完全に遮断する。但し、中立位置を実現するデューティ比である保持デューティ比は、個体差、環境条件の変化、経年変化等により上下し、常に一定ではない。さらに、保持デューティ比は、潤滑油圧及び潤滑油温(粘性)による影響を受ける。
制御信号mのデューティ比をさらに増大させると、OCV9の内部流体経路が切り換わる。つまり、スプール96が中立位置よりも他端側に変位して、Aポート92を供給ポート91に連通させ、かつBポート93をドレインポート95に連通させるように内部流体経路を設定する。デューティ比の増大とともに流路断面積も増大してゆき、制御信号mのデューティ比が100%で全体的にONとなったとき、スプール96は最も他端側に位置して、流路断面積が最大の状態となる。
制御信号mのデューティ比が比較的大きい場合には、潤滑油ポンプ82から吐出される作動液圧がAポート92を通じて進角室612に供給される一方、既に遅角室611に貯留していた作動液がBポート93を通じてオイルパン81に向けて流下することとなり、進角室612の容積が拡大、遅角室611の容積が縮小するようにベーン621及びロータ62が回動する。結果、吸気カムシャフトの回転位相、換言すれば吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する変位角が進角して、吸気バルブのバルブタイミングが進角化する。
逆に、制御信号mのデューティ比が比較的小さい場合には、潤滑油ポンプ82から吐出される作動液圧がBポート93を通じて遅角室611に供給される一方、既に進角室612に貯留していた作動液がAポート92を通じてオイルパン81に向けて流下することとなり、遅角室611の容積が拡大、進角室612の容積が縮小するようにベーン621及びロータ62が回動する。結果、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する変位角が遅角して、吸気バルブのバルブタイミングが遅角化する。
総じて言えば、制御信号mのデューティ比が中立より大きいほど吸気バルブのバルブタイミングが速く進角し、デューティ比が中立より小さいほど吸気バルブのバルブタイミングが速く遅角する。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、ブレーキペダルが踏まれていることまたはブレーキペダルの踏込量を検出するセンサ(ブレーキスイッチやマスタシリンダ圧センサ等)から出力されるブレーキ信号f、吸気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号h等が入力される。
クランク角信号b及びカム角信号gに関して補足すると、クランク角センサは、クランクシャフトに固定されクランクシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングするものである。そのロータには、クランクシャフトの回転方向に沿った所定角度毎に、歯または突起が形成されている。典型的には、クランクシャフトが10°CA(クランク角度)回転する毎に、歯または突起が配置される。クランク角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度クランク角信号bとしてパルス信号を発信する。ECU0は、このパルスをクランク角信号bとして受信する。
尤も、クランク角センサは、クランクシャフトが一回転する間に三十六回のパルスを出力するわけではない。クランクシャフトのロータの歯または突起は、その一部が欠けている。具体的には、十七番目、十八番目及び二十番目、二十一番目の欠歯部分、並びに三十五番目、三十六番目の欠歯部分という、大分して二つの欠歯部分が存在する。そして、これら欠歯部分に起因して、クランク角信号bのパルス列もまた一部が欠損する。この欠損を基にして、クランクシャフトの絶対的な角度(姿勢)、換言すれば各気筒1のピストンの現在位置を知ることが可能である。
カム角センサもまた、カムシャフトに固定されカムシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングするものである。そのロータには、少なくともカムシャフトの一回転を気筒数で割った角度毎に、歯または突起が配置される。三気筒エンジンの場合、カムシャフトが120°回転する毎に、歯または突起が配置される。カムシャフトは、巻掛伝動機構を介してクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて回転するもので、その回転速度はクランクシャフトの二分の一である。故に、上記の歯または突起は、クランク角度に換算すれば240°CA毎に配置されていることになる。さらに、ロータに、追加的にカム角信号gを発生させるための歯または突起が、240°CA毎の歯または突起の間に一つ設けられる。
カム角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度カム角信号gとしてパルス信号を発信する。ECU0は、このパルスをカム角信号gとして受信する。吸気カムシャフトに付随するカム角センサが出力するカム角信号gは、何れかの気筒1が所定の行程を迎えたことに加え、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相(原点となる初期位置から変位した角度)、つまりはVVT機構6が具現している吸気バルブタイミング(原点からの進角量または遅角量)をも表す。クランク角信号b及びカム角信号gをともに参照すれば、各気筒1の現在の行程を判別して知得できる上、VVT機構6が具現している現在の吸気バルブタイミングも明らかとなる。
ECU0の出力インタフェースからは、火花点火装置のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、VVT機構6を駆動するためのOCV9に対して制御信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、内燃機関の運転領域[エンジン回転数,アクセル開度(または、サージタンク33内吸気圧、気筒1に充填される吸気(新気)量若しくは燃料噴射量)]を知得する。そして、吸気量に見合った要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGRガス量)、吸気バルブの目標開閉タイミング等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
ECU0は、VVT機構6が具現する吸気バルブタイミングをフィードバック制御する。即ち、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を、目標バルブタイミングに対応する目標位相に操作するべく、クランク角信号b及びカム角信号gを参照して知得される吸気カムシャフトの実測の回転位相と、現在の目標位相との偏差を求める。その上で、その偏差を縮小する方向にOCV9のスプール96を変位させるように、OCV9のソレノイド97に入力する制御信号mのデューティ比を調節する。フィードバック制御コントローラをPD制御コントローラとして設計する場合、OCV9のソレノイド97に制御入力として与える信号mのデューティ比Uを算定する基本式は、
U=KpE+KdE’+L
となる。ここで、Eは現在のカムシャフトの回転位相と目標位相との偏差、E’はその偏差の時間微分(または、現在の偏差と直近の過去における偏差との差分)、Kpは偏差に乗ずる比例ゲイン、Kdは偏差の時間微分に乗ずる微分ゲインである。
Lは、OCV9のスプール96が中立位置をとり、ベーン62がハウジング61内部の流体室内でハウジング61に対して相対的に変位せず、吸気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を一定に保持できるような制御信号mのデューティ比の学習値である。既述の通り、この保持デューティ比は50%に近い値をとるが、恒常的に不変ではない。本実施形態のECU0は、吸気カムシャフトの回転位相と目標位相との偏差の絶対値が0または0に近い閾値以下に縮小し、かつその状態が所定時間以上継続しているときに、OCV9のソレノイド97に入力している制御信号mのデューティ比を学習値Lとしてメモリに記憶保持し、以後の吸気バルブタイミングのフィードバック制御に使用する。また、ECU0は、適時保持デューティ比の再学習を行って学習値Lを更新する。これにより、個体差、環境条件の変化、経年変化等の影響を吸収することができる。
一方で、保持デューティ比は、潤滑油ポンプ82が吐出し圧送する潤滑油の現在の圧力及び温度によっても変化し得る。だが、学習値Lの更新の頻度は、潤滑油圧や潤滑油温の変動の頻度と比べると少ない。機械式の潤滑油ポンプ82の回転数はエンジン回転数に比例し、エンジン回転数は刻々と変化するため、潤滑油圧は頻々に増減する。潤滑油温もまた、内燃機関自体の温度とともに大きく上下する。学習値Lの更新はこのような圧力変化、温度変化に必ずしも追いつかず、その帰結として吸気カムシャフトの回転位相を目標位相に精確に追従させることできないおそれが生ずる。
そこで、本実施形態では、上掲の基本式に、さらに現在の潤滑油圧及び/または潤滑油温に応じて定める補正量Cを加味することとし、
U=KpE+KdE’+(L+C)
としてOCV9のソレノイド97に入力する制御信号mのデューティ比Uを算定する。図3に、本実施形態のECU0によるフィードバック制御系を示している。本実施形態のECU0のメモリには予め、潤滑油圧及び/または潤滑油温と、補正量Cとの関係を規定したマップデータを格納してある。ECU0は、現在の潤滑油圧及び/または潤滑油温をキーとして当該マップを検索し、補正量Cを知得する。そして、その補正量Cにより学習値Lを補正して保持デューティ比(L+C)を得、制御信号のデューティ比Uを演算する。
なお、潤滑油圧を直接計測するセンサが実装されていなければ、潤滑油圧の代わりに、クランク角信号bを参照して知得できるエンジン回転数または潤滑油ポンプ82の回転数を用いる。現在のエンジン回転数または潤滑油ポンプ82の回転数は、現在の潤滑油圧を示唆するパラメータとなる。また、潤滑油温を直接計測するセンサが実装されていなければ、潤滑油温の代わりに、冷却水温信号dを参照して知得できる内燃機関の冷却水温を用いる。現在の冷却水温は、現在の潤滑油温を示唆するパラメータとなる。
本実施形態では、吸気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角または遅角させることで吸気バルブの開閉タイミングを変化させるVVT機構6が付帯する内燃機関を制御する制御装置0であって、カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変位させる作動液圧(潤滑油圧)を操作する制御バルブ9に与える制御入力Uを現在の回転位相と目標位相との偏差に応じて調節するフィードバック制御を実施するものであり、その制御入力Uに、回転位相を目標位相の近傍に略一定に維持できているときに学習して記憶した学習値Lとともに、現在の作動液圧若しくは作動液温(潤滑油温)またはこれを示唆するパラメータ(エンジン回転数またはポンプ82の回転数、冷却水温)に応じて決定した補正量Cを加味する内燃機関の制御装置0を構成した。
学習値Lのみを以て保持デューティ比を設定していると、図4に鎖線で表しているように、カムシャフトの回転位相が、破線で表している目標位相に対してうまく追従できずに定常偏差が残ったり、そうでなくとも目標位相への収束が遅れたりすることが起こり得る。これに対し、本実施形態のように、学習値Lに補正量Cを加えて保持デューティ比を設定すれば、図4に実線で表しているように、カムシャフトの回転位相を目標位相に対して適切かつ速やかに収束させることができる。従って、VVT機構6によるバルブタイミング制御の精度がより一層高まり、内燃機関の性能を十分に引き出すことが可能となる。
本実施形態のシステムは、新たなハードウェアを追加することなく実現でき、コスト面や省スペースの面で有利である。作動液圧の代わりにエンジン回転数またはポンプ82の回転数を参照し、作動液温の代わりに冷却水温を参照するならば、既設のクランク角センサ及び冷却水温センサを援用でき、作動液の圧力や温度を検出するためのセンサを新設する必要がない。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。上記実施形態の内燃機関には、排気バルブの開閉タイミングを可変制御するための排気VVT機構が実装されていなかったが、吸気VVT機構6と同様の排気VVT機構が内燃機関に付帯していてもよい。しかして、排気バルブを駆動する排気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を目標位相に変位させて所望の排気バルブタイミングを実現するフィードバック制御に、本発明を適用することができる。この場合、カム角センサが、排気バルブを駆動する排気カムシャフトに付随し、当該カム角センサから出力されるカム角信号が、排気カムシャフトの回動角度、排気カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を表す。
その他、各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に利用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
6…可変バルブタイミング(VVT)機構
9…制御バルブ(OCV)
b…クランク角信号
g…カム角信号
m…制御入力となる制御信号

Claims (1)

  1. 吸気バルブまたは排気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を進角または遅角させることで吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構が付帯する内燃機関を制御する制御装置であって、
    カムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を変位させる作動液圧を操作する制御バルブに与える制御入力を現在の回転位相と目標位相との偏差に応じて調節するフィードバック制御を実施するものであり、
    その制御入力に、回転位相を目標位相の近傍に略一定に維持できているときに学習して記憶した学習値とともに、現在の作動液圧若しくは作動液温またはこれを示唆するパラメータに応じて決定した補正量を加味する内燃機関の制御装置。
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GB2596837A (en) * 2020-07-08 2022-01-12 Delphi Automotive Systems Lux Method of controlling cam phaser to compensate for temperature changes

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