JP2828049B2 - 共重合ポリエステル樹脂 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂

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JP2828049B2 JP8212294A JP21229496A JP2828049B2 JP 2828049 B2 JP2828049 B2 JP 2828049B2 JP 8212294 A JP8212294 A JP 8212294A JP 21229496 A JP21229496 A JP 21229496A JP 2828049 B2 JP2828049 B2 JP 2828049B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融重合のみで高重
合度ポリマが得られ、溶融液晶性を示し通常の成形機で
成形可能な優れた機械特性、とりわけ改良されたウェル
ド強度を有する共重合ポリエステルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが
数多く開発されており、なかでも光学異方性の液晶ポリ
マが優れた機械的性質を有する点で注目されている(特
開昭51−8395号公報、特開昭49−72393号
公報)。
【0003】上記液晶ポリマとしては例えばp−ヒドロ
キシ安息香酸にポリエチレンテレフタレートを共重合し
た液晶ポリマが知られている(特開昭49−72393
号公報)。しかしながらこのポリマの射出成形品は耐熱
性が十分でなかったり、機械物性が不良であるという欠
点を有し、このポリマからは両者の特性を満足する射出
成形品が得られないことがわかった。しかも耐熱性を向
上させるにはp−ヒドロキシ安息香酸の量を80モル%
以上必要とするが、この際重合時に固化が起こり、固相
重合が必要であることもわかった。
【0004】一方、このようなポリマの流動性を向上さ
せて、溶融成形性を改良し、さらに機械的性質を向上さ
せる手段としては、例えば特開昭51−8395号公報
に記載されているように、ポリエチレンテレフタレート
にp−アシルオキシ安息香酸とジカルボン酸および芳香
族ジオールを共重合する方法が提案されているが、この
方法においても得られる射出成形品の機械的性質は向上
するが耐熱性が不十分であることがわかった。一方、特
公昭47−47870号公報に記載されているようにp
−ヒドロキシ安息香酸に4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニルとテレフタル酸を共重合せしめた全芳香族ポリエス
テルの射出成形品は耐熱性は良好であるが軟化温度が4
00℃以上であるため溶融重合が困難となり、その機械
的性質とて十分満足できるものではないことがわかっ
た。
【0005】さらに、これらの問題を解決する方法とし
て、特開昭63−30523号公報に記載されているポ
リエチレンテレフタレートにp−ヒドロキシ安息香酸、
特定の芳香族ジヒドロキシ化合物および芳香族ジカルボ
ン酸を共重合したポリマは機械的特性と耐熱性のバラン
スは満足できるものの、成形品の機械的特性、とりわけ
ウェルド部の強度がやや低いなどという問題が残されて
いることがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の問題を
解決し、機械的特性と耐熱性のバランスに優れた上、特
にウェルド部の強度の改良された成形品を提供しうる共
重合ポリエステル樹脂を得ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
目的を達成すべく鋭意検討した結果、p−ヒドロキシ安
息香酸、4,4´−ジヒドロキシビフェニル、特定の芳
香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸を反応さ
せた共重合ポリエステルにさらに、3官能または4官能
のエステル形成性反応基を有する芳香族化合物から選ば
れた少くとも1種の化合物を共重合することにより、上
記目的が達成されることを見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、下記構造単位(I)、
(II)、(III)、(IV)、および下記構造単位
(V)、(VI)に示される多官能性化合物から得られ
る少くとも一種の構造単位を共重合してなり、構造単位
(V)および(VI)の合計が構造単位(I)、(I
I)、(III)、(V)および(VI)の合計に対し
て0.01〜5モル%を占め、構造単位(I)が構造単
位(I)、(II)および(III)の合計に対し70
〜85モル%であり、構造単位(II)と(III)の
モル比[(II)/(III)]が7.5/2.5〜4
/6であり、対数粘度が0.5〜15dl/gであるこ
とを特徴とする共重合ポリエステル樹脂である。
【0009】
【化5】 (ただし(III)式中のR1
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、(IV)式中
のR2
【化7】 から選ばれた1種以上の基を示す。ここに、Yは塩素原
子または水素原子を示す。さらにAr1 は3置換芳香族
残基、Ar2 は4置換芳香族残基を示す。また、X1
2 、X3 、X4 、X5 、X6 およびX7 はそれぞれ独
立にポリエステル形成性の−O−または
【化8】 を示す。) 本発明はまた、上記共重合ポリエステル樹脂を必須成分
とする成形品および成形品がウエルド部を有するもので
ある上記成形品である。
【0010】本発明はさらに下記(A)〜(D)と、
(E)〜(F)から選ばれる一種以上とを、無水酢酸を
作用させ、ヒドロキシル基をアセチル化した後、脱酢酸
重縮合反応により、上記共重合ポリエステル樹脂を製造
することを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方
法である。
【0011】(A)p−ヒドロキシ安息香酸 (B)4,4´−ジヒドロキシビフェニル、または、 (C)ハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、t−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、3,
3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキ
シビフェニルから選ばれた1種以上、 (D)テレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカル
ボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4´−ジカルボン酸、4,4´ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボ
ン酸 (E)3官能のポリエステル形成性反応基を有する芳香
族化合物 (F)4官能のポリエステル形成性反応基を有する芳香
族化合物
【0012】
【発明の実施の形態】液晶ポリエステルに3以上の反応
性官能基を有する多官能化合物を反応せしめることは特
開昭62−70419号公報に開示されてはいるが、こ
れは液晶ポリエステルに多量の多官能化合物を添加し、
反応させることにより液晶ポリエステルを架橋し、固定
することが目的であり、本発明のように少量の多官能化
合物を重合時に添加し、しかも液晶ポリエステルの流動
性を損うことなく、ウェルド強度を向上させるという本
発明とは全く異なるものである。
【0013】上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息
香酸(A)から生成したポリエステルの構造単位であ
り、構造単位(II)は4,4´−ジヒドロキシビフェ
ニル(B)から生成した構造単位を、構造単位(II
I)はハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、t−
ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノンおよび
3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒド
ロキシビフェニルから選ばれた1種以上のジヒドロキシ
化合物(C)から生成した構造単位を、また、構造単位
(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジ
フェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジ
カルボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン−4,4´−ジカルボン酸、4,4´−ジフェニル
エーテルジカルボン酸から選ばれた1種以上の芳香族ジ
カルボン酸(D)から生成した構造単位を各々示す。
【0014】これらのうちR1 としては
【化9】 が、R2 としては
【化10】 が特に好ましい。
【0015】さらに、構造単位(V)は3官能のポリエ
ステル形成性反応基を有する芳香族化合物(E)から生
成した構造単位であり、Ar1 は3置換の芳香族残基を
示し、3置換ベンゼン、3置換ナフタレン、3置換ビフ
ェニルなどが例示される。
【0016】構造単位(V)を構成する化合物のポリエ
ステル形成性反応基としては、ヒドロキシル基、アセト
キシ基、カルボキシル基、カルボキシフェニル基などが
例示され、隣接する2個のカルボキシル基が酸無水物を
形成した化合物も好ましく使用できる。
【0017】構造単位(V)を構成する3官能のポリエ
ステル形成性反応基を有する化合物の好ましい具体例と
しては、トリメリット酸、トリメシン酸、ヘミメリット
酸、トリメリット酸無水物、ヘミメリット酸無水物、4
−ヒドロキシイソフタル酸、2,3−ジヒドロキシ安息
香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、1,
2,4−ベンゼントリオール、1,4−ジヒドロキシ−
2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ
酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびそれ
らのエステル誘導体などが挙げられる。
【0018】また、構造単位(VI)は4官能のポリエ
ステル形成性反応基を有する芳香族化合物(F)から生
成した構造単位であり、Ar2 は4置換の芳香族残基を
示し、4置換ベンゼン、4置換ナフタレン、4置換ビフ
ェニルなどが例示される。
【0019】構造単位(VI)を与える化合物のポリエ
ステル形成性反応基としては構造単位(V)の場合と同
様であり、構造単位(VI)を与える化合物の好ましい
具体例としては、ピロメリット酸、1,4,5,8−ナ
フタレンテトラカルボン酸、3,4,3´,4´−ビフ
ェニルテトラカルボン酸およびそれらの酸無水物、エス
テル誘導体などを挙げることができる。
【0020】一方、上記構造単位のうち、構造単位
(V)および(VI)の合計は、構造単位(I)、(I
I)、(III)、(V)および(VI)の合計に対し
て0.01〜5モル%となるように共重合されている必
要がある。構造単位(V)および(VI)の合計が構造
単位(I)、(II)、(III)、(V)および(V
I)の合計に対して0.01モル%未満の場合、本発明
の効果が顕著ではなく、ウェルド強度の改善が十分では
ない。また、5モル%より大きい場合、溶融流動性が低
下する傾向があるためいずれの場合も好ましくない。
【0021】また、前記構造単位(I)は(I)、(I
I)および(III)の合計に対して70〜85モル%
である。
【0022】さらに、前記構造単位(II)と(II
I)のモル比[(II)/(III)]は7.5/2.
5〜4/6である。
【0023】また、構造単位(II)および(III)
の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルであること
が好ましいが、本発明においては3官能または4官能の
エステル形成性反応基を有する芳香族化合物を共重合す
るため、下式のような組成比で重合を行ってもよい。
【0024】0.9<[(II)+(III)]/(I
V)<1.1 本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方法については
特に限定するものではなく、公知のポリエステルの重縮
合方法に準じて製造できる。例えばp−ヒドロキシ安息
香酸(A)、4,4´−ジヒドロキシビフェニルなどの
芳香族ヒドロキシ化合物(B)〜(C)、テレフタル酸
などの芳香族ジカルボン酸(D)、トリメリット酸無水
物などの3官能又は4官能のポリエステル形成性反応基
を有する化合物(D)〜(E)に無水酢酸を作用させヒ
ドロキシル基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応に
より製造する方法が特に好ましい例として挙げられる。
【0025】重縮合反応には触媒を用いることもでき、
酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウム、
三酸化アンチモン、マグネシウム、酢酸ナトリウムなど
の金属化合物がその例として挙げられる。
【0026】また本発明の共重合ポリエステル樹脂の溶
融粘度は10〜15,000ポイズが好ましく、特に2
0〜5,000ポイズがより好ましい。
【0027】なお、この溶融粘度は液晶開始温度+40
℃の温度でずり速度1,000(1/秒)の条件下で高
化式フローテスターによって測定した値である。
【0028】一方、本発明の共重合ポリエステル樹脂の
対数粘度は0.1g/dl濃度、60℃のペンタフルオ
ロフェノール中で測定した値で、0.5〜15dl/g
である。
【0029】なお、本発明の共重合ポリエステル樹脂を
重縮合する際には、上記構造単位(I)〜(IV)を構
成する成分以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、
2,2´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン等の芳香族ジヒドロキ
シ化合物、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息
香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒド
ロキシカルボン酸および分子内にイミド結合を有しポリ
エステルを生成することが可能な芳香族イミドジカルボ
ン酸、芳香族イミドジヒドロキシ化合物、芳香族イミド
ヒドロキシカルボン酸などを本発明の目的を損なわない
程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができ
る。
【0030】かくしてなる本発明の共重合ポリエステル
樹脂は溶融重合のみで高重合度ポリマが得られ、良好な
溶融流動性、ウェルド強度の改良された優れた機械的性
質および耐熱性を示し、押し出し成形、射出成形、圧縮
成形、ブロー成形など通常の溶融成形に供することがで
き、繊維、フィルム、三次元成形品、容器、ホースなど
の成形品に加工することが可能である。
【0031】なお本発明の共重合ポリエステル樹脂に対
し、ガラス繊維、炭素繊維、アスベストなどの強化剤、
充填剤、滑剤、離型剤、核剤、可塑剤、難燃剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、染料および他の熱可塑性樹脂
などを必要に応じて添加し所望の特性を付与することが
できる。
【0032】本発明の共重合ポリエステル樹脂に充填
剤、添加剤、強化剤などを配合する手段は任意である
が、例えばスクリュー押出機などが好ましく使用でき
る。
【0033】なお、このようにして得られた射出成形品
は、熱処理によって強度を増加させることができ、弾性
率をも増加させることができることもある。 この熱処
理は、射出成形品を不活性雰囲気(例えば窒素、アルゴ
ン、ヘリウムまたは水蒸気)、または酸素含有雰囲気
(例えば空気)中でポリマの融点以下の温度で熱処理す
ることによって行うことができる。この熱処理は緊張下
であってもなくてもよく、数十分〜数日の間で行うこと
ができる。
【0034】<実施例>以下に実施例により本発明をさ
らに説明する。
【0035】実施例1 撹拌機、留出管を備えた反応容器にp−ヒドロキシ安息
香酸994g(7.2モル)、4,4´−ジヒドロキシ
ビフェニル231g(1.24モル)、2,6−ジアセ
トキシナフタレン147g(0.60モル)、テレフタ
ル酸299g(1.8モル)および無水酢酸1087g
(10.64モル)およびトリメリット酸無水物8.6
4g(0.045モル)を仕込み、次の条件で脱酢酸重
合を行なった。
【0036】まず窒素ガス雰囲気下に100〜250℃
で5時間、250〜320℃で1.5時間反応させた
後、340℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、さら
に1.0時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、下記理論構造式を有するポリ
マが得られた。
【0037】
【化11】 k/l/m/n/o=80/13.8/6.7/20/
0.5また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台に
載せ、昇温して光学異方性の確認を行った結果、液晶開
始温度は296℃であり、良好な光学異方性を示した。
【0038】得られたポリマを住友ネスタール射出成形
機プロマット40/25(住友重機械工業(株)製)に
供し、シリンダー温度320℃、金型温度90℃の条件
で、1/8″×1/2″×5″のテストピースおよびA
STMNo.4ダンベルを成形した。ASTMNo.4
ダンベルは、ゲートがダンベルの一端にある通常の金型
(ダンベルI)とゲートがダンベルの両端にあるウェル
ド金型(ダンベルII)の両者を用いて成形した。そし
てASTM D648規格に従い、1/8″厚のテスト
ピースの荷重たわみ温度[HDT](18.6kgf/
cm2 )を測定した。また、ASTM D638規格に
従い、ASTMNo.4ダンベルの破断強度を測定し、
ダンベルIに対するダンベルIIの破断強度の比率をウ
ェルド強度保持率とした。
【0039】その結果、HDT262℃、ダンベルIの
強度(非ウェルド)1320kgf/cm2 、ダンベル
IIの強度(ウェルド)220kgf/cm2 であり、
ウェルド強度保持率は16.7%であり、実施例1と同
様良好であった。
【0040】なお、このポリマの対数粘度(ペンタフル
オロフェノール中、60℃)は5.21dl/g、溶融
粘度は336℃、剪断速度1,000(1/秒)で58
0ポイズと流動性が極めて良好であった。
【0041】比較例1 本発明における構造単位(V)、(VI)を含まない組
成のポリマについて実施例1と同様の実験を行った。
【0042】実施例1と同様の反応容器に、p−ヒドロ
キシ安息香酸994g(7.2モル)、4,4´−ジヒ
ドロキシビフェニル222g(1.2モル)、2,6−
ジアセトキシナフタレン147g(0.60モル)、無
水酢酸1087g(10.64モル)、およびテレフタ
ル酸299g(1.8モル)を仕込み、実施例1と同様
の条件で脱酢酸重合を行い、下記理論構造式を有するポ
リマを得た。
【0043】
【化12】 k/l/m/n=80/13.3/6.7/20 また、このポリエステルを偏光顕微鏡の試料台に載せ、
昇温して光学異方性の確認を行った結果、液晶開始温度
は294℃であった。
【0044】実施例1と同様の方法でこのポリマの成形
を行い、HDTおよび破断強度を測定した結果、HDT
264℃、ダンベルIの強度(非ウェルド)1400k
gf/cm2 、ダンベルIIの強度(ウェルド)180
kgf/cm2 であり、ウェルド強度保持率は12.9
%と実施例に比べ低いことがわかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルは溶融重合
法のみで高重合度のポリマが得られ、このポリマから耐
熱性と機械的性質のバランスに優れ、機械的特性、特に
ウェルド部の強度が改良された成形品を得ることができ
るので金属代替プラスチック等の種々の用途に使用する
ことができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記構造単位(I)、(II)、(II
    I)、(IV)、および下記構造単位(V)、(VI)
    に示される多官能性化合物から得られる少くとも一種の
    構造単位を共重合してなり、構造単位(V)および(V
    I)の合計が構造単位(I)、(II)、(III)、
    (V)および(VI)の合計に対して0.01〜5モル
    %を占め、構造単位(I)が構造単位(I)、(II)
    および(III)の合計に対し70〜85モル%であ
    り、構造単位(II)と(III)のモル比[(II)
    /(III)]が7.5/2.5〜4/6であり、対数
    粘度が0.5〜15dl/gであることを特徴とする共
    重合ポリエステル樹脂。 【化1】 (ただし(III)式中のR1 は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、(IV)式中
    のR2 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ここに、Yは塩素原
    子または水素原子を示す。さらにAr1 は3置換芳香族
    残基、Ar2 は4置換芳香族残基を示す。また、X1
    2 、X3 、X4 、X5 、X6 およびX7 はそれぞれ独
    立にポリエステル形成性の−O−または 【化4】 を示す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂を
    必須成分とする成形品。
  3. 【請求項3】成形品がウエルド部を有するものである請
    求項2記載の成形品。
  4. 【請求項4】下記(A)〜(D)と、(E)〜(F)か
    ら選ばれる一種以上とを、無水酢酸を作用させ、ヒドロ
    キシル基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応によ
    り、請求項1記載の共重合ポリエステル樹脂を製造する
    ことを特徴とする共重合ポリエステル樹脂の製造方法。 (A)p−ヒドロキシ安息香酸 (B)4,4´−ジヒドロキシビフェニル、または、 (C)ハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレ
    ン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、t−
    ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、3,
    3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジヒドロキ
    シビフェニルから選ばれた1種以上、 (D)テレフタル酸、イソフタル酸、4,4´−ジフェ
    ニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
    1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4´−ジカル
    ボン酸、1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
    −4,4´−ジカルボン酸、4,4´ジフェニルエーテ
    ルジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボ
    ン酸 (E)3官能のポリエステル形成性反応基を有する芳香
    族化合物 (F)4官能のポリエステル形成性反応基を有する芳香
    族化合物
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