JPH07173272A - 液晶性ポリエステルの製造方法 - Google Patents

液晶性ポリエステルの製造方法

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JPH07173272A
JPH07173272A JP32285193A JP32285193A JPH07173272A JP H07173272 A JPH07173272 A JP H07173272A JP 32285193 A JP32285193 A JP 32285193A JP 32285193 A JP32285193 A JP 32285193A JP H07173272 A JPH07173272 A JP H07173272A
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JP
Japan
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acid
iii
crystalline polyester
liquid crystalline
mol
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JP32285193A
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Toshio Kurematsu
俊夫 榑松
Seiichi Nakamura
清一 中村
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】代表的な例を挙げると(A)p−ヒドロキシ安
息香酸、(B)p−アセトキシ安息香酸、(C)4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、(D)テレフタル酸、
(E)ポリエチレンテレフタレートを(A)/(B)の
モル比が9/1〜0/10になるように仕込み、さらに
低分子量モノカルボン酸を加え、無水酢酸でアセチル化
反応を行った後、均一溶融状態になるまで溶融重合を行
うことを特徴とする液晶性ポリエステルの製造方法。 【効果】 本発明によれば溶融重合のみで高重合度ポリ
マが得られ、色調が良好で、紡糸時の糸中のボイドを低
減させ強度を向上させた液晶性ポリエステルを与えるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融重合のみで高重合度
ポリマが得られ、色調が良好で、紡糸時の糸中のボイド
を低減させ強度を向上させた液晶性ポリエステルの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチックの高性能化に対する要
求がますます高まり、種々の新規機能性を有するポリマ
が数多く開発されており、なかでも光学異方性の液晶ポ
リマが優れた機械的性質を有する点で注目されている
(特開昭51−8395号公報、特開昭49−7239
3号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記液晶ポリマとして
は例えばp−ヒドロキシ安息香酸にポリエチレンテレフ
タレートを共重合した液晶ポリマが知られている(特開
昭49−72393号公報)。しかしながらこのポリマ
は機械物性が不良であるという欠点を有し、このポリマ
からは満足する射出成形品が得られないことがわかっ
た。このようなポリマの流動性を向上させて、溶融成形
性を改良し、さらに機械的性質を向上させる手段として
は、例えば特開昭63−30523号公報、特開平4−
136027号公報に記載されているように、ポリエチ
レンテレフタレートにp−ヒドロキシ安息香酸と芳香族
ジカルボン酸および芳香族ジオールを共重合する方法が
提案されており、この方法で得られる射出成形品の機械
的性質及び溶融成形性が前記ポリマより大幅に向上され
ていることがわかった。これらの製造方法として特開昭
63−118325号公報はアセチル化されていないモ
ノマを原料とし、耐熱性の優れた共重合ポリエステルを
製造する方法を開示しているが、ポリマ色調が必ずしも
良好でないという問題のあることがわかった。この問題
を解決する方法として特開平3−243621号公報に
おいてアセチル化したモノマを一部あるいは全部使用す
る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、この製造方法で得られる液
晶性ポリエステルは溶融紡糸時の糸中のボイドが多く十
分な強度が得られないことがわかった。
【0005】よって、本発明は上記の問題を解決し、溶
融重合のみで高重合度ポリマが得られ、色調が良好で、
紡糸時の糸中のボイドを低減させ強度を向上させた液晶
性ポリエステルを得ることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)p−ヒドロキシ安息香酸、(B)p−アセトキシ
安息香酸、(C)4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、3,3’,5,
5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニ
ル、フェニルハイドロキノンから選ばれた1種以上の芳
香族ジヒドロキシ化合物および/または2,6−ジアセ
トキシナフタレン、(D)テレフタル酸、イソフタル
酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジ
カルボキシジフェニルエーテル、2,6−ジカルボキシ
ナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,
4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノ
キシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた1
種以上の芳香族ジカルボン酸および(E)上記(D)の
芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとを縮合して
得られるオリゴマ、ポリマまたはビス(β−ヒドロキシ
エチル)エステルを(A)/(B)のモル比が9/1〜
0/10になるように仕込み、さらに低分子量モノカル
ボン酸を加え、無水酢酸でアセチル化反応を行った後、
均一溶融状態になるまで溶融重合を行うことを特徴とす
る下記構造単位(I) 、(II)、(III) および(IV)からな
り、構造単位[(I)+(II)] が[(I)+(II)+(III)]の55
〜95モル%、構造単位(III) が[(I)+(II)+(III)]の
45〜5モル%からなる液晶性ポリエステルの製造方法
である。
【0007】
【化4】 (ただし式中のR1
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2
【化6】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
原子または塩素原子を示す。)
【0008】上記構造単位(I) はp−ヒドロキシ安息香
酸および/またはp−アセトキシ安息香酸から生成した
ポリエステルの構造単位であり、構造単位(II)は4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、ハイドロキノン、t−ブチルハ
イドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、フェニルハイドロ
キノンおよび2,6−ジアセトキシナフタレンから選ば
れた1種以上の化合物から生成した構造単位を、構造単
位(III) はエチレングリコールから生成した構造単位
を、構造単位(IV)はテレフタル酸、イソフタル酸、4,
4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキ
シジフェニルエーテル、2,6−ジカルボキシナフタレ
ン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジ
カルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エ
タン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた1種以上の
芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。
これらのうちR1 が、
【化7】 であるものがR2
【化8】 であるものが特に好ましい。
【0009】また、構造単位[(I)+(II)] は[(I)+(II)
+(III)]の55〜95モル%であり、好ましくは77〜
95モル%である。構造単位(III) は[(I)+(II)+(II
I)]の45〜5モル%、好ましくは23〜5モル%であ
る。構造単位[(I)+(II)] が[(I)+(II)+(III)]の95
モル%より大きいと流動性が低下して重合時に固化し、
55モル%より小さいと耐熱性が不良となりる。また、
構造単位(I) /(II)のモル比は75/25〜95/5が
好ましく、さらに好ましくは78/22〜93/7であ
る。75/25未満であったり、95/5より大きい場
合には耐熱性、流動性が不良となり実用的でない。
【0010】また、構造単位(IV)は実質的に構造単位
[(II) +(III)]と等モルである。
【0011】これら出発原料の仕込量は、得られるポリ
マの構造式が前記構造単位(I) 、(II)、(III) 、(IV)に
なり、かつ、前記した共重合割合になる量が必要であ
る。そのため、昇華性の大きい原料モノマは理論量の
1.0〜1.1倍モル量の範囲で仕込量を調節すること
が好ましい。
【0012】本発明の液晶性ポリエステルの製造方法の
特徴は原料モノマ化合物(A)/(B)のモル比が9/
1〜0/10になるように仕込み、さらに低分子量モノ
カルボン酸を加え、無水酢酸でアセチル化反応を行った
後、均一溶融状態になるまで溶融重合を行うことにあ
る。
【0013】本発明の製造方法で用いる低分子量モノカ
ルボン酸は、通常、その化学構造中に炭素原子を1〜1
0個有し、カルボキシル基を1個有する化合物である。
例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが挙げら
れるが、酢酸が入手が容易である点で好ましい。
【0014】低分子量モノカルボン酸の添加量は、原料
モノマが十分にスラリー化するためには、低分子量モノ
カルボン酸とp−アセトキシ安息香酸のモル比が0.0
1:1以上であることが好ましい。このモル比は大きく
ても本発明の目的を達成するが、大き過ぎると製造コス
トが高くなり、経済的でない。よって得られる効果と経
済性のバランスから考えて、低分子量モノカルボン酸と
p−アセトキシ安息香酸のモル比を0.01〜5:1と
するのが好ましく、特に0.1〜3:1となる割合で添
加することが好ましい。
【0015】これにより、色調が良好で、紡糸時の糸中
のボイドを低減させ、強度を向上させた液晶性ポリエス
テルを得ることができる。
【0016】その理由としては低分子量モノカルボン酸
を加えることにより原料モノマがスラリー化し、撹拌が
容易となり、ヒドロキシ化合物と無水酢酸によるアセチ
ル化反応および重合反応が均一に進むためと思われる。
【0017】また、原料の仕込みは100℃以下で行う
ことが好ましい。また、使用する無水酢酸の量は出発原
料のヒドロキシ基に対して1.0〜1.5倍モル量であ
ることが好ましく、特に1.05〜1.2倍モル量であ
ることが好ましい。アセチル化反応は通常50〜200
℃、好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは80
〜170℃で行われる。アセチル化後200〜350
℃、好ましくは220℃〜330℃に昇温し、さらに減
圧下で脱酢酸重合を行うことによって本発明の液晶性ポ
リエステルを得ることができる。また、この常圧下での
反応は酸化分解反応を抑制するため窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下で行うのが好ましい。
【0018】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウ
ムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグ
ネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいとき
もある。
【0019】なお、固体の多分散系の状態で一部また
は、すべてが固相になるまで重合を行う方法では均質な
液晶性ポリエステルが得られないため、均一溶融状態に
なるまで重合を行うことが必要である。
【0020】本発明で製造する液晶性ポリエステルは、
ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定すること
が可能であり、その際には0.1g/dlの濃度で60
℃で測定した値で0.5〜5dl/gが好ましく、1.
0〜3.0dl/gが特に好ましい。
【0021】また、本発明における液晶性ポリエステル
の溶融粘度は10〜20,000ポイズが好ましく、特
に20〜10,000ポイズがより好ましい。
【0022】なお、この溶融粘度は融点(Tm)+10
℃の条件で、ずり速度1,000(1/秒)の条件下で
高化式フローテスターによって測定した値である。
【0023】ここで、融点(Tm)とは示差熱量測定に
おいて、重合を完了したポリマを室温から20℃/分の
昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(T
1)の観測後、Tm1 +20℃の温度で5分間保持し
た後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した
後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測され
る吸熱ピーク温度(Tm2 )を指す。
【0024】なお、本発明で製造する液晶性ポリエステ
ルを重縮合する際には上記構造単位(I) 〜(IV)を構成す
る成分以外に3,3´−ジフェニルジカルボン酸、2,
2´−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、4,4´−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン
等の芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒド
ロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの
芳香族ヒドロキシカルボン酸およびp−アミノフェノー
ル、p−アミノ安息香酸などを本発明の目的を損なわな
い程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることがで
きる。
【0025】また、本発明で製造する液晶性ポリエステ
ルに対して、強化剤、充填剤を添加することにより、機
械的特性、耐熱性をいっそう改善することもできる。
【0026】強化剤、充填剤を添加する場合、その添加
量は液晶性ポリエステル100重量部に対して200重
量部以下が好ましく、15〜150重量部が特に好まし
い。本発明において用いることができる強化剤、充填剤
としては、ガラス繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊
維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステ
ンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊維、ボロンウ
ィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファイト、マイ
カ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、
ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、ワ
ラステナイト、酸化チタン、二硫化モリブデン等の繊維
状、粉状、粒状あるいは板状の無機フィラーが挙げられ
る。又、これらの強化剤、充填剤についてもシラン系、
チタネート系などのカップリング剤、その他の表面処理
剤で処理されたものを用いてもよい。
【0027】更に、本発明で製造するする液晶性ポリエ
ステルに対して、本発明の目的を損なわない程度の範囲
で、酸化防止剤、熱安定剤(たとえばヒンダードフェノ
ール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置
換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、
サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンな
ど)、滑剤、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエ
ステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、
ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料
(たとえばニトロシンなど)、難燃剤、顔料(たとえば
硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラックな
ど)を含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添
加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、所望の特性を付与
することができる。
【0028】これらを添加する方法は溶融混練すること
が好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることがで
きる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、
ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200
〜350℃の温度で溶融混練して組成物とすることがで
きる。
【0029】かくしてなる本発明の均質性の改良された
液晶性ポリエステルは溶融重合法のみで得られ、優れた
溶融紡糸性、溶融流動性、光学異方性を有するため、紡
糸のみならず射出成形、押出成形、ブロー成形などによ
り優れた機械的性質を有する繊維や三次元成形品、容
器、ホース、フィルムなどに加工することが可能であ
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
【0031】実施例1 p−アセトキシ安息香酸1296g(7.2モル)、
4,4´−ジヒドロキシビフェニル125.7g(0.
675モル)、テレフタル酸112.1g(0.675
モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテ
レフタレート216.2g(1.125モル)、酢酸8
64.7g(14.4モル)及び無水酢酸151.5g
(1.485モル)を撹拌翼、留出管を備えた反応容器
に仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
【0032】まず、窒素ガス雰囲気下に100〜250
℃で5時間、250〜300℃で1.5時間反応させた
後、315℃、1時間で0.5mmHgに減圧し、更に1.
25時間反応させ、重縮合を完了した。その後重合缶内
を4kg/cm2 に加圧後、口金を経由してポリマをス
トランド状に吐出し、ペレタイザーによりペレット化し
た。得られた液晶性ポリエステルは淡ベージュ色であり
理論構造式は次のとおりである。
【0033】
【化9】 k/l/m/n=80/7.5/12.5/20
【0034】また、この液晶性ポリエステルを偏光顕微
鏡の試料台にのせ、昇温して光学異方性の確認を行った
結果、液晶開始温度は、293℃であり、良好な光学異
方性を示した。また、融点(Tm)は313℃であっ
た。この液晶性ポリエステルの対数粘度(0.1g/d
lの濃度でペンタフルオロフェノール中、60℃で測
定)は1.98dl/gであり、323℃、ずり速度1
000/秒での溶融粘度は800ポイズであった。得ら
れた液晶性ポリエステルを真空乾燥後、孔径0.1mm
φの紡糸口金を用い、335℃で溶融紡糸し、600m
/minの速度で巻取ったところ、糸切れもなく良好に
フィラメントを得ることができた。得られたフィラメン
トの単糸繊度は5.2デニールで強度は6.2g/デニ
ールであった。
【0035】実施例2 p−ヒドロキシ安息香酸497g(3.6モル)、p−
アセトキシ安息香酸648g(3.6モル)、4,4´
−ジヒドロキシビフェニル125.7g(0.675モ
ル)、テレフタル酸112.1g(0.675モル)、
固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート216.2g(1.125モル)、酢酸432.4
g(7.2モル)及び無水酢酸555.9g(5.45
モル)を実施例1と同様に脱酢酸重合を行った。得られ
たポリマは実施例1と同じ理論構造式を有し、淡ベージ
ュ色であった。
【0036】この液晶性ポリエステルの液晶開始温度
は、293℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は313℃であった。この液晶性ポリ
エステルの対数粘度は1.97dl/gであり、323
℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は790ポイズ
であった。得られた液晶性ポリエステルを実施例1と同
様に紡糸をおこなったところ、糸切れもなく良好にフィ
ラメントを得ることができた。得られたフィラメントの
単糸繊度は5.1デニールで強度は6.1g/デニール
であった。
【0037】比較例1 酢酸を加えなかったこと以外は実施例1と同様に脱酢酸
重合を行った。得られたポリマは実施例1と同じ理論構
造式を有し、淡ベージュ色であった。
【0038】この液晶性ポリエステルの液晶開始温度
は、291℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は313℃であった。この液晶性ポリ
エステルの対数粘度は1.95dl/gであり、323
℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は820ポイズ
であった。得られた液晶性ポリエステルを実施例1と同
様に紡糸をおこなったところ、糸切れが多く発生した。
得られたフィラメントには多量のボイドが観察された。
このフィラメントの単糸繊度は5.1デニールで強度は
3.8g/デニールと低いものであった。
【0039】比較例2 酢酸を加えなかったこと以外は実施例2と同様に脱酢酸
重合を行った。得られたポリマは実施例1と同じ理論構
造式を有し、淡ベージュ色であった。
【0040】この液晶性ポリエステルの液晶開始温度
は、292℃であり、良好な光学異方性を示した。ま
た、融点(Tm)は313℃であった。この液晶性ポリ
エステルの対数粘度は1.94dl/gであり、323
℃、ずり速度1000/秒での溶融粘度は810ポイズ
であった。得られた液晶性ポリエステルを実施例1と同
様に紡糸をおこなったところ、糸切れが多く発生した。
得られたフィラメントには多量のボイドが観察された。
このフィラメントの単糸繊度は5.3デニールで強度は
4.1g/デニールと低いものであった。
【0041】
【発明の効果】本発明は溶融重合のみで高重合度ポリマ
が得られ、色調が良好で、紡糸時の糸中のボイドを低減
させ強度を向上させた液晶性ポリエステルを与えること
ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)p−ヒドロキシ安息香酸、(B)p
    −アセトキシ安息香酸、(C)4,4’−ジヒドロキシ
    ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
    ル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、3,
    3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキ
    シビフェニル、フェニルハイドロキノンから選ばれた1
    種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物および/または2,
    6−ジアセトキシナフタレン、(D)テレフタル酸、イ
    ソフタル酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,
    4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、2,6−ジカ
    ルボキシナフタレン、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
    ン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロ
    ロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選
    ばれた1種以上の芳香族ジカルボン酸および(E)上記
    (D)の芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとを
    縮合して得られるオリゴマ、ポリマまたはビス(β−ヒ
    ドロキシエチル)エステルを(A)/(B)のモル比が
    9/1〜0/10になるように仕込み、さらに低分子量
    モノカルボン酸を加え、無水酢酸でアセチル化反応を行
    った後、均一溶融状態になるまで溶融重合を行うことを
    特徴とする下記構造単位(I) 、(II)、(III) および(IV)
    からなり、構造単位[(I)+(II)] が[(I)+(II)+(III)]
    の55〜95モル%、構造単位(III) が[(I)+(II)+(I
    II)]の45〜5モル%からなる液晶性ポリエステルの製
    造方法。 【化1】 (ただし式中のR1 は 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。ただし式中Xは水素
    原子または塩素原子を示す。)
  2. 【請求項2】構造単位[(I)+(II)] が[(I)+(II)+(II
    I)]の77〜95モル%、構造単位(III) が[(I)+(II)
    +(III)]の23〜5モル%であり、構造単位(I) /(II)
    のモル比が75/25〜95/5である請求項1記載の
    液晶性ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】低分子量モノカルボン酸が酢酸である請求
    項1あるいは2記載の液晶性ポリエステルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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