JP2734341B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2734341B2 JP5186223A JP18622393A JP2734341B2 JP 2734341 B2 JP2734341 B2 JP 2734341B2 JP 5186223 A JP5186223 A JP 5186223A JP 18622393 A JP18622393 A JP 18622393A JP 2734341 B2 JP2734341 B2 JP 2734341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネッ
センス(EL)素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子の発
光は、電極から注入されたホールと電子が発光層内で再
結合して励起子を生成し、それが発光層を構成する発光
材料の分子を励起することに基づくと考えられている。
そして、発光材料として蛍光色素を使用すると、当該色
素分子のフォトルミネッセンスと同等の発光スペクトル
が、エレクトロルミネッセンス発光として得られる。
【0003】近時、従来の単層構造の有機エレクトロル
ミネッセンス素子に比べて、約10Vという低電圧で効
率よく緑色発光する、ホール輸送層と電子輸送性発光層
の2層を備えた素子が、TangとVanslykeによって提案さ
れた〔C.W.Tang and S.A.VanSlyke; Appl.Phys.Lett.,
51 (1987) 913 〕。素子の構成は、図12(a) に示すよ
うに、ガラス基板90上に形成した陽極91、ホール輸
送層92、電子輸送性発光層93、陰極94である。
【0004】上記素子では、ホール輸送層92が、陽極
91から電子輸送性発光層93へホールを注入する働き
をするとともに、陰極94から注入された電子がホール
と再結合することなく陽極91へ逃げるのを防ぎ、電子
輸送性発光層93内へ電子を封じ込める役割をも果たし
ている。このため、このホール輸送層92による電子の
封じ込め効果により、従来の単層構造の素子に比べてよ
り効率良くホールと電子の再結合が起こり、駆動電圧の
大幅な低下が可能となる。
【0005】また斎藤らは、2層構造の素子において、
電子輸送層だけでなくホール輸送層も発光層となり得る
ことを示した他〔C.Adachi, T.Tsutsui and S.Saito;Ap
pl.Phys.Lett., 55 (1989) 1489 〕、ホール輸送層と電
子輸送層の間に有機発光層が挟まれた3層構造の有機エ
レクトロルミネッセンス素子を提案した〔C.Adachi,S.T
okito, T.Tsutsui and S.Saito; Jpn.J.Appl.Phys., 27
(1988) L269 〕。
【0006】斎藤らの2層構造の素子は、図12(b) に
示すように、ガラス基板90上に形成した陽極91、ホ
ール輸送性発光層95、電子輸送層96、陰極94から
なり、先のものと逆に、電子輸送層96が、陰極94か
らホール輸送性発光層95へ電子を注入する働きをする
とともに、陽極91から注入されたホールが電子と再結
合することなく陰極94へ逃げるのを防ぎ、ホール輸送
性発光層95内へホールを封じ込める役割をも果たして
いる。このため、この電子輸送層96によるホールの封
じ込め効果により、先のものと同様に、駆動電圧の大幅
な低下が可能となる。
【0007】また斎藤らの3層構造の素子は、先のTang
らの素子をさらに改良したもので、図12(c) に示すよ
うに、ガラス基板90上に形成した陽極91、ホール輸
送層92、発光層97、電子輸送層96、陰極94から
なり、ホール輸送層92が電子を発光層97に封じ込め
る働きをするとともに、電子輸送層96がホールを発光
層97に封じ込める働きをするため、2層構造のものに
くらべて、発光層97内での電子とホールの再結合効率
がさらに向上する。また上記電子輸送層96、ホール輸
送層92は、電子とホールの再結合により生成した励起
子が陰陽いずれかの電極に逃げて消光されるのを防ぐ働
きもする。したがって斎藤らの提案した3層構造の素子
によれば、発光効率がさらに向上する。
【0008】これら有機エレクトロルミネッセンス素子
を構成するホール輸送材料としてはトリフェニルアミン
等の芳香族第3級アミン類、電子輸送材料としてはオキ
サジアゾール類、発光材料としてはテトラフェニルブタ
ジエン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニ
ウム(III) 錯体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリ
ルビフェニル誘導体等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような有機エ
レクトロルミネッセンス素子は、無機発光材料を用いた
従来のエレクトロルミネッセンス素子に比べて低電圧で
高輝度の発光が可能であること、蒸着法だけでなく溶液
塗布法によっても各層を形成できるので大面積化が容易
であること、有機分子の分子設計により多色化が可能で
あること、等の長所を有している反面、長時間発光させ
ると輝度が大きく低下するという問題があり、安定性の
向上、長寿命化が大きな課題となっている。
【0010】また現在知られている従来のエレクトロル
ミネッセンス素子は、有機、無機、単層、複層を問わず
青色発光させるのが難しいという問題もある。たとえば
無機の素子の場合は、青色発光に必要な広いバンドギャ
ップを持つ無機発光材料が限られ、しかもそのような材
料は結晶成長や薄膜作製に技術的困難を伴う場合が多い
ため、素子化するのが困難である。
【0011】一方、有機の材料では分子設計により多色
化が可能である旨、先に述べたが、青色発光が可能な材
料は少なく、発光効率が十分でないアントラセンやジス
チリルベンゼン誘導体が知られているのみであり、実用
化には程遠い状態である。また従来のエレクトロルミネ
ッセンス素子は、いずれのものも単色の発光のみであ
り、R,G,Bの三原色によるマルチカラー表示や白色
発光等を可能とする、2つ以上の互いに異なるスペクト
ルの発光を1つの素子で実現することは、現状では不可
能である。
【0012】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であって、発光効率、発光輝度ならびに安定性にすぐれ
た有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを
目的としている。また本発明の他の目的は、とくに青色
発光等、従来は十分な発光効率が得られなかったり発光
させることができなかった色の発光を、高い発光効率で
得ることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を
提供することにある。そして本発明のさらに他の目的
は、2つ以上の互いに異なる発光スペクトルの発光が可
能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため本発明者は、従来、有機エレクトロルミネッ
センス素子用の材料として検討されたことのなかった
1,2,4−トリアゾール誘導体について着目し、この
誘導体を電子輸送材料あるいはホール輸送材料として使
用することを検討した。そして、(a) 1,2,4−トリ
アゾール誘導体はホール輸送材料としては有効でない
が、電子輸送材料として使用した際に、従来用いられて
いた他の材料よりもすぐれた電子輸送性、ホールブロッ
キング性を示し、電子とホールの再結合により生成した
励起子を、発光層に効率よく封じ込めることができるの
で、発光層の発光効率、発光輝度の向上とそれにともな
う安定性の向上に大いに有効であること、(b) とくに、
ホール輸送性の高い従来の青色発光の発光層と組み合わ
せると、その発光効率、発光輝度を、十分実用可能な範
囲まで向上できること、を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0014】すなわち本発明の有機エレクトロルミネッ
センス素子は、少なくとも、1,2,4−トリアゾール
誘導体の層を備えることを特徴とする。また本発明者
は、上記1,2,4−トリアゾール誘導体の層と組み合
わせる層の構成についても検討した。その結果、(c) ポ
リ−N−ビニルカルバゾール(以下「PVK」という)
は、高いホール移動度を有し、注入されたホールが陰極
側へ抜けてしまうため、通常は発光させるのが難しい
が、このPVKの層を、前記のように励起子の封じ込め
効果にすぐれ、ホールブロッキング性の高い1,2,4
−トリアゾール誘導体の層と組み合わせると、青色に発
光できること、(d) 上記PVKは、その分子構造からわ
かるようにホール輸送材料としての機能も有しており、
しかも高分子ゆえ、前記低分子の芳香族3級アミン化合
物等の、従来のホール輸送材料に比べて耐熱性にすぐれ
ているため、保存時や素子の発光時の発熱による劣化、
結晶化等が起こりにくい青色発光のホール輸送性発光層
を形成できること、(e) 上記PVKの層は、ITOガラ
スやITOフィルム等の基材との密着性にすぐれている
こと、(f) したがって上記PVKの層をホール輸送性発
光層として、1,2,4−トリアゾール誘導体の層と組
み合わせると、発光効率にすぐれ、発光輝度が高く、し
かも安定性にすぐれた、十分実用可能な青色発光の有機
エレクトロルミネッセンス素子を構成できること、を見
出した。また上記1,2,4−トリアゾール誘導体の層
とPVKの層の組み合わせにおいて、1,2,4−トリ
アゾール誘導体の層と陰極の間に、さらに電子輸送層と
して、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(II
I) 錯体(以下「Alq」という)の層を介装すると、
ホール輸送性発光層への電子注入特性がさらに改善さ
れ、より一層発光効率がよく、発光輝度が高い青色発光
が得られることもわかった。
【0015】また本発明者は、上記材料の検討に加え
て、有機エレクトロルミネッセンス素子の新たな層構造
についても検討を行った結果、上記1,2,4−トリア
ゾール誘導体のように、ホールおよび電子のうち少なく
とも一方を選択的に輸送する材料からなる層(キャリヤ
輸送制御層)を、ホール輸送層と電子輸送層の間に介装
した3層構造にすると、(g) 先の発明と同様に、上記キ
ャリヤ輸送制御層による励起子の封じ込め効果により、
ホール輸送層または電子輸送層を発光層として高輝度、
高効率で発光できるので、発光効率、発光輝度の向上と
それにともなう安定性の向上が可能であること、(h) 青
色発光の発光効率、発光輝度を実用的な範囲まで向上で
きること、(i) キャリヤ輸送制御層の材料や膜厚を選択
することにより、ホール輸送層および電子輸送層のいず
れか一方または両方を、高輝度、高効率で発光させるこ
とができるので、上記ホール輸送層、電子輸送層に互い
に異なる発光スペクトルの材料を用いることにより、1
つの素子で、2つ以上の互いに異なる発光スペクトルの
発光が可能となること、を見出し、本発明を完成するに
至った。
【0016】したがって本発明の他の有機エレクトロル
ミネッセンス素子は、ホール輸送層と電子輸送層の間
に、ホールまたは電子を選択的に輸送するキャリヤ輸送
制御層が介装されたことを特徴とする。以下に本発明を
説明する。まず本発明のうち、1,2,4−トリアゾー
ル誘導体の層を備えることを特徴とする有機エレクトロ
ルミネッセンス素子について説明する。
【0017】ここでいう1,2,4−トリアゾール誘導
体の層とは、1,2,4−トリアゾール誘導体の1種ま
たは2種以上を少なくとも含む層であって、1,2,4
−トリアゾール誘導体の1種または2種以上のみからな
る層の他、適当なバインダー中に1,2,4−トリアゾ
ール誘導体の1種または2種以上を分散させたもの等が
例としてあげられる。また1,2,4−トリアゾール誘
導体の層は、各種添加剤等の、1,2,4−トリアゾー
ル誘導体の機能を阻害しない他の成分を含んでいてもよ
い。
【0018】上記1,2,4−トリアゾール誘導体の層
は、真空蒸着法等の気相成長法により形成できる他、層
を構成する材料を適当な溶媒に溶解した塗布液を、基板
上または他の層上に塗布して乾燥させる溶液塗布法によ
って形成することもできる。1,2,4−トリアゾール
誘導体としては種々の化合物が使用可能であるが、とく
に、下記式(1) :
【0019】
【化2】
【0020】で表される3−(4−ビフェニルイル)−
4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−
1,2,4−トリアゾール(以下「TAZ」という)
が、すぐれた電子輸送性、ホールブロッキング性を示す
ため、本発明に最も好適に使用される。1,2,4−ト
リアゾール誘導体の層の膜厚については、本発明ではと
くに限定されない。但し上記層の膜厚があまりに薄すぎ
るとホールブロッキング性が不十分になるので、層の膜
厚はある程度厚いのが望ましい。1,2,4−トリアゾ
ール誘導体の層の、好適な膜厚範囲についてはとくに限
定されないが、たとえば上記式(1) で表されるTAZの
蒸着膜の場合、十分なホールブロッキング性を確保する
には、その膜厚が100〜200Å以上であるのが好ま
しい。なお上記層の膜厚の上限範囲についてもとくに限
定はないが、膜厚があまりに厚すぎると電子輸送性が低
下するので、たとえばTAZの蒸着膜の場合、膜厚は1
000Å以下であるのが好ましい。
【0021】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子は、上記1,2,4−トリアゾール誘導体の層を備え
ていれば、その他の構成はとくに限定されず、従来どお
りの単層構造であっても、あるいは2層以上の多層構造
であってもよい。要するに本発明の構成は、種々の層構
成の素子に適用することができる。素子が多層構造であ
る場合に、1,2,4−トリアゾール誘導体の層以外の
層を構成する材料は、本発明ではとくに限定されず、各
層に従来より用いられている種々の材料を使用すること
ができる。素子を構成する各層の膜厚についても、本発
明ではとくに限定されない。各層は、1,2,4−トリ
アゾール誘導体の層と同様に、真空蒸着法等の気相成長
法により形成できる他、層を構成する材料を適当な溶媒
に溶解した塗布液を、基板上または他の層上に塗布して
乾燥させる溶液塗布法によって形成することもできる。
また上記各層は、バインダー樹脂、各種添加剤等の、層
の機能に直接関係ない他の成分を含んでいてもよい。
【0022】なお本発明の有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、前記のように1,2,4−トリアゾール誘導
体の層が、すぐれた電子輸送性、ホールブロッキング性
を示すので、この1,2,4−トリアゾール誘導体の層
を電子輸送層として、前述したようにホール輸送性の高
い青色発光のホール輸送性発光層と組み合わせること
で、従来は実用化が困難であった、高輝度の青色発光を
実現することが可能である。
【0023】中でもとくに、下記式(2) :
【0024】
【化3】
【0025】〔式中nは重合度を示す〕で表されるPV
Kの層(ホール輸送性発光層)を、上記1,2,4−ト
リアゾール誘導体の層と組み合わせた場合には、前述し
たように、発光効率にすぐれ、発光輝度が高く、しかも
安定性にすぐれた、十分実用可能な青色発光の有機エレ
クトロルミネッセンス素子を構成できる。上記PVKの
重合度nは本発明ではとくに限定されないが、20〜5
000程度が好ましい。重合度nが上記範囲より小さす
ぎると耐熱性、密着性が不十分になるおそれがあり、逆
に上記範囲より大きすぎると、後述する溶液塗布法によ
って層を形成するのが困難になるおそれがある。
【0026】上記1,2,4−トリアゾール誘導体の層
とPVKの層(ホール輸送性発光層)とを組み合わせた
素子のさらに好適な例としては、下記式(3) :
【0027】
【化4】
【0028】で表されるAlqの層を電子輸送層として
組み合わせた、3層構造のものがあげられる。この3層
構造の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、
前述したように、ホール輸送性発光層への電子注入特性
がさらに改善され、より一層効率のよい、輝度の高い青
色発光が得られる。上記3層構造の素子の層構成につい
てはとくに限定されない。しかし前述したように、PV
Kの層がITOガラスやITOフィルム等の基材との密
着性にすぐれていることや、上記PVKの層が、専ら溶
液塗布法によって形成されること等を考慮すると、図1
(a) に示すように、ガラス基板4等の表面に形成され
た、ITO(インジウム−チン−オキサイド)等の透明
導電材料からなる陽極40上に、ホール輸送性発光層
(PVK層)10、1,2,4−トリアゾール誘導体の
層(図ではTAZ層)20および電子輸送層(Alq
層)30の3層を、この順に積層したものが好ましい。
なお図において符号5は、Mg/Ag等の金属蒸着膜からな
る陰極、Bは素子に駆動電圧を印加する電源を示してい
る。
【0029】PVK層10、Alq層30の膜厚は、本
発明ではとくに限定されず、組み合わされる1,2,4
−トリアゾール誘導体の種類やその層の膜厚などに応じ
て、最適な膜厚範囲を設定すればよい。PVK層10
は、当該PVKが高分子ゆえ、前記のように主として、
PVKを含む材料を適当な溶媒に溶解した塗布液を、基
板上または他の層上に塗布して乾燥させる溶液塗布法に
よって形成される。
【0030】一方Alq層30とは、少なくともAlq
を含む層であって、Alqのみからなる層の他、適当な
バインダー中にAlqを分散させたもの等が例としてあ
げられる。上記Alq層30は、真空蒸着法等の気相成
長法により形成できる他、層を構成する材料を適当な溶
媒に溶解した塗布液を、基板上または他の層上に塗布し
て乾燥させる溶液塗布法によって形成することもでき
る。
【0031】なお上記PVK層10およびAlq層30
は、それぞれ各種添加剤等の、PVK、Alqの機能を
阻害しない他の成分を含んでいてもよい。つぎに本発明
のうち、ホール輸送層と電子輸送層の間にキャリヤ輸送
制御層が介装された3層構造を特徴とする他の有機エレ
クトロルミネッセンス素子について説明する。
【0032】本発明の他の有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、たとえば図1(b) に示すように、ガラス基板
4の表面に形成された、ITO(インジウム−チン−オ
キサイド)等の透明導電材料からなる陽極40上に、ホ
ール輸送層1、キャリヤ輸送制御層2および電子輸送層
3の3層を積層することで構成される。3層の形成順序
はこの逆でもよい。要するに、ホール輸送層1と電子輸
送層3の間にキャリヤ輸送制御層2が介装されていれば
よい。なお図において符号5は、先の図1(a)の場合と
同様に、Mg/Ag等の金属蒸着膜からなる陰極、Bは素子
に駆動電圧を印加する電源を示している。
【0033】上記各層のうちキャリヤ輸送制御層2を構
成するキャリヤ輸送制御材料としては、前記TAZ等の
1,2,4−トリアゾール誘導体が最も好適に使用され
るが、その他、電子輸送材料、ホール輸送材料として従
来公知の種々の化合物を使用することができる。その他
のキャリヤ輸送制御材料の好適な例としては、たとえば
電子輸送材料として公知の1,3,4−オキサジアゾー
ル誘導体等があげられる。1,3,4−オキサジアゾー
ル誘導体としては種々の化合物が使用可能であるが、と
くに、下記式(4) :
【0034】
【化5】
【0035】で表される2−(4−ビフェニルイル)−
5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキ
サジアゾール(以下「PBD」という)が好適に使用さ
れる。上記キャリヤ輸送制御層2は、先に述べたように
その材料や膜厚を選択することで、ホール輸送層1およ
び電子輸送層3のいずれか一方または両方を、高輝度、
高効率で発光させる働きをする。
【0036】上記キャリヤ輸送制御層2の働きを、当該
キャリヤ輸送制御層2として前記TAZの蒸着膜(TA
Z層)を使用し、ホール輸送層1として、下記式(5) :
【0037】
【化6】
【0038】で表されるN,N′−ジフェニル−N,
N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェ
ニル−4,4−ジアミン(以下「TPD」という)の蒸
着膜(TPD層)を使用し、かつ電子輸送層3として、
前記式(3) で表されるAlqの蒸着膜(Alq層)を使
用する場合を例にとって、以下に説明する。一般に有機
絶縁膜へのキャリヤの注入は空間電荷によって制限を受
け、流れる電流量はキャリヤの移動度および電界強度の
2乗に比例し、かつ有機絶縁膜の膜厚の3乗に反比例す
る。つまり電界強度が高く、移動度が大きいほどキャリ
ヤの注入は促進され、膜厚が大きいほど制限される。
【0039】図5に示すように、TPD層1とAlq層
3とを組み合わせた2層構造の素子(前記Tangらの素子
に相当)においては、陽極40と陰極5との間に直流電
場を印加すると、まずホールがTPD層1中に注入さ
れ、TPD/Alq界面でブロックされて空間電荷を形
成する(図5(a) )。このときAlq層3にかかる電界
強度は、TPD/Alq界面の空間電荷のため、両極4
0,5間にかけられた見かけの電界強度より大きくな
り、それによって電子がAlq層3に注入され始める
(図5(b) )。
【0040】そして、TPD/Alq界面付近のAlq
層3中でホールと電子の再結合によって励起子が発生し
(図5(c) )、Alqが励起されて発光する。TPD層
1とAlq層3の間にTAZ層を介装した場合も、ホー
ルおよび電子の注入順序は同様であり、図2に示すよう
に、TAZ層2の膜厚が十分に大きい場合(約150Å
以上の場合)には、このTAZ層2が、先の発明で説明
したようにホールブロッキング性にすぐれるため、陽陰
両極40,5間に直流電場を印加することでTPD層1
に注入されたホールは、TPD/TAZ界面でブロック
される(図2(a) )。
【0041】そしてこのホールによって空間電荷が形成
されることでAlq層3に注入された電子は、上記TA
Z層2が電子輸送性にすぐれるため、TPD/TAZ界
面まで輸送され(図2(b) )、この界面でホールと電子
の再結合によって励起子が発生し(図2(c) )、TAZ
より励起エネルギー凖位の低いTPDが、発生した励起
子によって励起されて発光する。
【0042】一方、図3に示すようにTAZ層2の膜厚
が十分に小さい場合(約50Å以下の場合)は、陽陰両
極40,5間に直流電場を印加することでTPD層1に
注入されたホールがTAZ層2を通過し、TAZ/Al
q界面でブロックされて空間電荷を形成する(図3(a)
)。ホールがTAZ層2を通過するようになるのは、
前記のようにキャリヤ(この場合ホール)の注入量が、
有機絶縁膜であるTAZ層2の膜厚の3乗に反比例する
ためである。
【0043】そしてホールによって空間電荷が形成され
ることでAlq層3に電子が注入されると(図3(b)
)、TAZ/Alq界面でホールと電子の再結合によ
って励起子が発生し(図3(c) )、TAZより励起エネ
ルギー凖位の低いAlqが、発生した励起子によって励
起されて発光する。さらに図4に示すように、TAZ層
2の膜厚が上記の中間である場合(約50〜150Å程
度の場合)には、陽陰両極40,5間に直流電場を印加
することでTPD層1に注入されたホールは、TPD/
TAZ界面でブロックされるものと、TAZ層2を通過
してTAZ/Alq界面でブロックされるものの両方が
生じる(図4(a) )。
【0044】そしてホールによって空間電荷が形成され
ることでAlq層3に電子が注入されると(図4(b)
)、TPD/TAZ界面とTAZ/Alq界面の両方
でホールと電子の再結合によって励起子が発生し(図4
(c) )、TAZより励起エネルギー凖位の低いTPDお
よびAlqがともに、発生した励起子によって励起され
て発光する。
【0045】TPD層1に注入されたホールが、TPD
/TAZ界面でブロックされるものと、TAZ層2を通
過してTAZ/Alq界面でブロックされるものに分か
れるのは、先にも述べたように、ホールの注入量が、T
AZ層2の膜厚の3乗に反比例するためである。なお図
4の素子の場合、TAZ層2はホールと電子をともに通
過させるので、このTAZ層2内で両者の再結合がおこ
ることも十分に考えられる。しかしTAZは4000nm
以下の短波長領域に発光ピークを有しているため、もし
TAZ層2内でホールと電子が再結合して励起子が発生
し、それによってTAZが励起されたとしても、より長
波長領域に発光ピークを有するTPD層またはAlq層
のいずれか一方、あるいは両方に励起エネルギーが移行
するので、TAZ層2自体が発光することはない。
【0046】以上の説明から明らかなように、TPD層
1、TAZ層2およびAlq層3の組み合わせにおいて
は、TAZ層2の膜厚を上述した範囲内で調整すること
により、その働きを変化させることができた。しかし、
本発明におけるキャリヤ輸送制御層2の働きと、当該キ
ャリヤ輸送制御層2の膜厚範囲との関係は、上記例とは
必ずしも一致しない。特定の働きをするキャリヤ輸送制
御層2の膜厚の範囲は、各層を構成する材料の違い、層
の構造の違い(蒸着膜かバインダー分散膜か等)等の因
子に基づき、自ずと違った値となる。
【0047】たとえば上記TPD層1、TAZ層2およ
びAlq層3の組み合わせのうちTAZ層に代えて、当
該TAZ層より電子輸送性が低い(ホール輸送性が高
い)PBDの蒸着膜(PBD層)を使用した場合には、
注入ホール量が移動度に比例することから、PBD層
は、同じ膜厚のTAZ層ほどのホールブロッキング性を
示さないことがわかる。このため、TAZ層と同じ働き
をPBD層にさせるためには、TAZ層より膜厚を大き
くする必要がある。このことは、後述する実施例からも
明らかである。
【0048】また図4の説明から明らかなように、TA
Z層等のキャリヤ輸送制御層2は、ホールの注入量が膜
厚の3乗に反比例することに起因して、その膜厚を調整
することにより、ホール輸送層1および電子輸送層3の
発光強度の比率を変化させることができる。したがって
前記TPD層とAlq層の組み合わせのように、異なる
発光スペクトルで発光するホール輸送層1と電子輸送層
3を組み合せると、キャリヤ輸送制御層2の膜厚を適宜
設定することで、両層の発光色の混色である、素子全体
の発光色の色合いを微調整できるという利点もある。
【0049】上記本発明の有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、ホール輸送層1、キャリヤ輸送制御層2およ
び電子輸送層3の3層を備えていれば、その他の構成は
とくに限定されない。キャリヤ輸送制御層2は、上記T
AZやPBD等のキャリヤ輸送制御材料のみで構成され
ていても、また適当なバインダー中にキャリヤ輸送制御
材料を分散させて構成されていてもよい。またキャリヤ
輸送制御層2は、各種添加剤等の、キャリヤ輸送制御材
料の機能を阻害しない他の成分を含んでいてもよい。
【0050】キャリヤ輸送制御層2を含む各層は、上記
例のように、真空蒸着法等の気相成長法によって形成で
きる他、層を構成する材料を適当な溶媒に溶解した塗布
液を、基板上または他の層上に塗布して乾燥させる溶液
塗布法によって形成することもできる。
【0051】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づき説
明する。実施例1 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、ホール輸送材料として
の、前記式(5) で表されるTPD、電子輸送材料として
の、前記式(3) で表されるAlq、ならびに1,2,4
−トリアゾール誘導体としての、前記式(1) で表される
TAZをこの順に、真空蒸着法により成膜した。発光領
域の寸法は縦0.5cm、横0.5cmの正方形状であっ
た。また蒸着の条件はいずれの層の場合も、到達真空
度:2×10-5Torr、基板温度:室温、蒸着速度:2〜
4Å/秒であり、形成された各層の膜厚は、TPD層
(ホール輸送層)=500Å、Alq層(電子輸送層)
=200Å、TAZ層=300Åであった。
【0052】つぎに上記TAZ層の上に、マグネシウム
と銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag=10/1
(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、その上に銀を
単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成して有機エ
レクトロルミネッセンス素子を得た。電極層の蒸着速度
は11Å/秒、保護層の蒸着速度は10Å/秒であっ
た。
【0053】上記のようにして作製した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子のITO膜を陽極、Mg/Ag電極層を
陰極として、室温、大気中で両電極間に直流電場を印加
して発光層を発光させ、その発光輝度を、輝度計(ミノ
ルタ社製のLS−100)を用いて測定した。その結
果、図6に示すように最大14V(145mA/cm2 )の
駆動電圧で輝度5800cd/m2 の緑色発光が観測され
た。またこの発光色から、Alq層が発光していること
か確認された。
【0054】実施例2 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、ホール輸送性発光材料と
しての、前記式(2) で表されるPVKを、ジクロロエタ
ンを溶媒とするディップコーティング法によって成膜
し、次いでこのPVK層の上に、1,2,4−トリアゾ
ール誘導体としての、前記式(1) で表されるTAZ、お
よび電子輸送材料としての、前記式(3) で表されるAl
qをこの順に、真空蒸着法により成膜した。発光領域の
寸法は縦0.5cm、横0.5cmの正方形状であった。ま
た蒸着の条件は実施例1と同様であり、形成された各層
の膜厚は、PVK層(ホール輸送性発光層)=400
Å、TAZ層=200Å、Alq層(電子輸送層)=3
00Åであった。
【0055】つぎに上記Alq層の上に、マグネシウム
と銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag=10/1
(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、その上に銀を
単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成して、図1
(a) に示す層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子
を得た。電極層および保護層の蒸着速度は実施例1と同
様であった。
【0056】上記のようにして作製した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子のITO膜を陽極、Mg/Ag電極層を
陰極として、室温、大気中で両電極間に直流電場を印加
して発光層を発光させ、その発光輝度を、輝度計(ミノ
ルタ社製のLS−100)を用いて測定した。その結
果、図7に示すように4Vから発光が始まり、最大14
V(220mA/cm2 )の駆動電圧で輝度700cd/m2
の青色発光が観測された。CRTの青色域の発光輝度が
20〜30cd/m2 程度であることを考えると、本実施
例の素子の青色発光は、極めて高輝度であることがわか
る。
【0057】またこの青色発光を室温下、蛍光光度計
(日立社製のF4010)を用いて測定したところ、図
8に実線で示すように、波長410nmにピークを有する
発光スペクトルが得られた。この発光スペクトルは、同
図中に短い破線で示したPVK自体の発光スペクトルと
ほぼ一致することから、実施例2の素子は、PVK層が
発光していることか確認された。
【0058】またこの素子を室温で数日間保持しても外
観に変化はみられず、また製造直後と同レベルの発光輝
度で発光させることができた。実施例3 Alq層を省略したこと以外は、上記実施例2と同様に
して有機エレクトロルミネッセンス素子を作製し、その
特性を調べたところ、発光開始電圧がやや高くなり、電
流最大値が小さくなったが、実施例2と同様に高輝度の
青色発光が得られた。またこの素子を室温で数日間保持
しても外観に変化はみられず、また製造直後と同レベル
の発光輝度で発光させることができた。
【0059】比較例1 TAZ層を省略したこと以外は、上記実施例2と同様に
して有機エレクトロルミネッセンス素子を作製し、その
特性を調べたところ、この素子はピーク波長530nmの
緑色発光を示し、この発光色から、PVK層でなくAl
q層が発光していることか確認された。そしてこのこと
から、PVK層を青色に発光させるには、TAZ層と組
み合わせる必要のあることがわかった。
【0060】比較例2 TAZ層およびAlq層を省略して、PVK層のみの有
機エレクトロルミネッセンス素子を作製したが、発光は
非常に弱く、輝度の評価は困難であった。実施例4 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、TPD、TAZ、および
Alqをこの順に、真空蒸着法により成膜した。発光領
域の寸法は縦0.5cm、横0.5cmの正方形状であっ
た。また蒸着の条件は実施例1と同様であり、形成され
た各層の膜厚は、TPD層(ホール輸送層)=400
Å、TAZ層(キャリヤ輸送制御層)=150Å、Al
q層(電子輸送層)=450Åであった。
【0061】つぎに上記Alq層の上に、マグネシウム
と銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag=10/1
(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、その上に銀を
単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成して、図1
(b) に示す層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子
を得た。電極層および保護層の蒸着速度は実施例1と同
様であった。
【0062】上記のようにして作製した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子のITO膜を陽極、Mg/Ag電極層を
陰極として、室温、大気中で両電極間に直流電場を印加
して発光層を発光させ、その発光輝度を、輝度計(ミノ
ルタ社製のLS−100)を用いて測定したところ、図
9に示すように、最大16V(145mA/cm2 )の駆動
電圧で輝度3700cd/m2 の青色発光が観測された。
【0063】またこの青色発光を室温下、蛍光光度計
(日立社製のF4010)を用いて測定したところ、図
10に実線で示すように、波長464nmにピークを有す
る発光スペクトルが得られた。この発光スペクトルは、
同図中に短い破線で示したTPDの単独蒸着膜の発光ス
ペクトルとほぼ一致することから、実施例4の素子は、
TPD層が発光していることか確認された。
【0064】実施例5,6 実施例4と同じ層構造の有機エレクトロルミネッセンス
素子において、キャリヤ輸送制御層としてのTAZ層の
膜厚を50Å(実施例5)または100Å(実施例6)
としたときの発光スペクトルを、実施例4と同様にして
測定した。その結果、TAZ層の膜厚が50Åである実
施例5は、図10に一点鎖線で示すように、Alq層の
発光色である緑色の発光スペクトルを示し、TAZ層の
膜厚を100Åにした実施例6は、同図に長い破線で示
すように、Alq層の発光色である緑色発光が非常に小
さくなるとともに、TPD層の発光色である青色発光が
大きくなって、両者の混合した青緑色に発光することが
わかった。
【0065】実施例7,8 キャリヤ輸送制御層を構成する材料として、TAZに代
えて、前記式(2) で表されるPBDを用いたこと以外
は、実施例4と同様にして、図1(b) に示す層構造の有
機エレクトロルミネッセンス素子を作製し、その発光ス
ペクトルを同様にして測定したところ、PBD層の膜厚
が100Å(実施例7)では、図11に実線で示すよう
に、Alq層の発光色である緑色の発光スペクトルを示
した。またPBDの膜厚を300Å(実施例8)にする
と、同図に破線で示すように、Alq層の発光色である
緑色発光に、TPD層の発光色である青色発光が混ざっ
た青緑色の発光が観察された。
【0066】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子によれば、ホールブロッキン
グ性にすぐれた1,2,4−トリアゾール誘導体の層の
作用により、電子とホールの結合効率を、従来よりもさ
らに向上できるとともに、両者が結合してできた励起子
を、より有効に、発光層内に閉じ込めることができる。
このため本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子
は、発光効率、発光輝度が高く、かつ安定性にもすぐれ
たものとなる。
【0067】また本発明の有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、上記のようにホールブロッキング性にすぐれ
た1,2,4−トリアゾール誘導体の層を、発光効率が
十分でない青色発光の発光層と組み合わせることで、従
来は実用化が困難であった高輝度の青色発光を実現する
ことも可能である。とくに青色発光を示し、かつ高分子
であるPVKの層と、上記1,2,4−トリアゾール誘
導体の層とを組み合わせると、より一層高効率、高輝度
で、かつ安定性にすぐれた青色発光の有機エレクトロル
ミネッセンス素子が得られる。また上記両者の組み合わ
せにAlqの層を加えたものは、さらに高効率、高輝度
で、かつ安定性にすぐれたものとなる。
【0068】本発明の他の有機エレクトロルミネッセン
ス素子は、ホールおよび電子のうちの少なくとも一方を
選択的に輸送する材料からなるキャリヤ輸送制御層を、
ホール輸送層と電子輸送層の間に介装したものゆえ、先
の発明と同様に、上記キャリヤ輸送制御層による励起子
の封じ込め効果により、ホール輸送層または電子輸送層
を発光層として高輝度、高効率で発光でき、発光効率、
発光輝度の向上とそれにともなう安定性の向上が可能と
なるとともに、青色発光の発光効率を実用的な範囲まで
向上することができる。
【0069】またキャリヤ輸送制御層の材料や膜厚を選
択すると、ホール輸送層および電子輸送層のいずれか一
方または両方を、高輝度、高効率で発光させることがで
きるので、上記ホール輸送層、電子輸送層に互いに異な
る発光スペクトルの材料を用いることにより、1つの素
子で、2つ以上の互いに異なる発光スペクトルの発光が
可能となり、従来のエレクトロルミネッセンス素子では
不可能であった、R,G,Bの三原色によるマルチカラ
ー表示や白色発光等の発光を実用化し得る可能性があ
る。
【0070】したがって上記2つの本発明の有機エレク
トロルミネッセンス素子は、低電圧で駆動でき、しかも
有機材料からなるため可撓性を有する大面積の発光素子
の製造に有効に利用でき、将来に亘って、表示、照明、
ディスプレイ等の分野での利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は、本発明のうち、少なくとも1,
2,4−トリアゾール誘導体の層を備える有機エレクト
ロルミネッセンス素子の好適な例としての、3層構造の
素子を示す断面図、同図(b) は、本発明のうち、ホール
輸送層と電子輸送層の間にキャリヤ輸送制御層を介装し
た3層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例
を示す断面図である。
【図2】同図(a) 〜(c) は、上記3層構造のうち、キャ
リヤ輸送制御層としてのTAZ層の膜厚が十分に大きい
素子の発光原理を、順を追って説明する図である。
【図3】同図(a) 〜(c) は、キャリヤ輸送制御層として
のTAZ層の膜厚が十分に小さい素子の発光原理を、順
を追って説明する図である。
【図4】同図(a) 〜(c) は、キャリヤ輸送制御層として
のTAZ層の膜厚が、図2および図3の場合の中間であ
る素子の発光原理を、順を追って説明する図である。
【図5】同図(a) 〜(c) は、ホール輸送層としてのTP
D層と、電子輸送層としてのAlq層との間にTAZ層
を介装しない2層構造の素子の発光原理を、順を追って
説明する図である。
【図6】本発明の実施例1で作製した有機エレクトロル
ミネッセンス素子における、駆動電圧と発光輝度の関係
を測定した結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例2で作製した有機エレクトロル
ミネッセンス素子における、駆動電圧と発光輝度の関係
を測定した結果を示すグラフである。
【図8】上記実施例2で作成した有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の、発光スペクトルを測定した結果を示す
グラフである。
【図9】本発明の実施例4で作製した有機エレクトロル
ミネッセンス素子における、駆動電圧と発光輝度の関係
を測定した結果を示すグラフである。
【図10】上記実施例4、ならびに実施例5,6で作成
した有機エレクトロルミネッセンス素子の、発光スペク
トルを測定した結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例7,8で作成した有機エレク
トロルミネッセンス素子の、発光スペクトルを測定した
結果を示すグラフである。
【図12】同図(a) 〜(c) はそれぞれ、従来の有機エレ
クトロルミネッセンス素子の断面図である。
【符号の説明】
1 ホール輸送層 2 キャリヤ輸送制御層 3 電子輸送層 10 ホール輸送性発光層(PVK層) 20 TAZ層 30 電子輸送層(Alq層)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、1,2,4−トリアゾール誘
    導体の層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子。
  2. 【請求項2】1,2,4−トリアゾール誘導体が、下記
    式(1) : 【化1】 で表される3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル
    −5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−ト
    リアゾールである請求項1記載の有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  3. 【請求項3】ポリ−N−ビニルカルバゾールの層を、ホ
    ール輸送性発光層として備えている請求項1記載の有機
    エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 【請求項4】トリス(8−キノリノラート)アルミニウ
    ム(III) 錯体の層を、電子輸送層として備えている請求
    項3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 【請求項5】ホール輸送層と電子輸送層の間に、ホール
    および電子のうち少なくとも一方を選択的に輸送するキ
    ャリヤ輸送制御層が介装されたことを特徴とする有機エ
    レクトロルミネッセンス素子。
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