JP2734338B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネッ
センス(EL)素子に関するものである。
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス素子の発
光は、電極から注入されたホールと電子が発光層内で再
結合して、当該発光層に含まれる発光分子を励起するこ
とに基づくと考えられている。近時、従来の単層構造の
有機エレクトロルミネッセンス素子に比べて、約10V
という低電圧で効率よく緑色発光する、ホール輸送層と
電子輸送性発光層の2層を備えた素子が、TangとVansly
keによって提案された〔C.W.Tang and S.A.VanSlyke; A
ppl.Phys.Lett., 51 (1987) 913 〕。素子の構成は、陽
極、ホール輸送層、電子輸送性発光層、陰極である。上
記素子では、ホール輸送層が、陽極から電子輸送性発光
層へホールを注入する働きをするだけでなく、陰極から
注入された電子がホールと再結合することなく陽極へ逃
げるのを防ぐ役割をも果たしており、従来の単層構造の
素子に比べて、より効率良くホールと電子の再結合が起
こり、駆動電圧の大幅な低下が可能となる。また斎藤ら
は、電子輸送層だけでなくホール輸送層も発光層となり
得ることを示した他、ホール輸送層と電子輸送層の間に
有機発光層が挟まれた3層構造の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を提案した〔C.Adachi, S.Tokito, T.Tsut
suiand S.Saito; Jpn.J.Appl.Phys., 27 (1988) L269
〕。上記3層構造の素子は、先のTangらの素子をさら
に改良したもので、ホール輸送層が、有機発光層から電
子が逃げるのを防ぐとともに、電子輸送層が、当該有機
発光層からホールが逃げるのを防ぐため、電子とホール
の再結合効率がさらに向上する。また上記電子輸送層、
ホール輸送層は、電子とホールの再結合により生成した
励起子が陰陽いずれかの電極に逃げて消光されるのを防
ぐ働きもする。したがって斎藤らの提案した3層構造の
素子によれば、発光効率がさらに向上する。これら有機
エレクトロルミネッセンス素子を構成するホール輸送材
料としては、トリフェニルアミン等の芳香族第3級アミ
ン類、フタロシアニン類、ポリシラン等があげられ、ま
た電子輸送材料としては、オキサジアゾール類、発光材
料としてはテトラフェニルブタジエン誘導体、トリス
(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ジスチリル
ベンゼン誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体等があげ
られる。
【発明が解決しようとする課題】上述したような有機エ
レクトロルミネッセンス素子は、無機発光材料を用いた
従来のエレクトロルミネッセンス素子に比べて低電圧で
高輝度の発光が可能であること、蒸着法だけでなく溶液
塗布法によっても各層を形成できるので大面積化が容易
であること、有機分子の分子設計により多色化が可能で
あること、等の長所を有している反面、使用中の発光強
度の低下が大きく、安定性の向上が大きな課題となって
いる。この原因の一つとして、発光材料とキャリヤ輸送
材料のエキシプレックス形成や、素子の発光時の発熱に
よる材料の劣化、結晶化等が考えられる。また現在知ら
れている従来のエレクトロルミネッセンス素子は、有
機、無機、単層、複層を問わず青色発光させるのが難し
いという問題もある。たとえば無機の素子の場合は、青
色発光に必要な広いバンドギャップを持つ無機発光材料
が限られ、しかもそのような材料は結晶成長や薄膜作製
に技術的困難を伴う場合が多いため、素子化するのが困
難である。一方、有機の材料では分子設計により多色化
が可能である旨、先に述べたが、青色発光が可能な材料
は少なく、発光効率が十分でないアントラセンやジスチ
リルベンゼン誘導体が知られているのみであり、実用化
には程遠い状態である。本発明は以上の事情に鑑みてな
されたものであって、発光効率、発光輝度ならびに安定
性にすぐれた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供
することを目的としている。また本発明の他の目的は、
とくに青色発光等、従来は十分な発光効率が得られなか
ったり発光させることができなかった色の発光を、高い
発光効率で得ることのできる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため本発明者は、従来、有機エレクトロルミネッ
センス素子用の材料として検討されたことのなかった、
一般式(1) :
【化2】 〔式中Rは水素原子、メチル基およびエチル基のうち少
なくとも1種示す〕で表される繰り返し単位からなる、
高分子の1,2,4−トリアゾール誘導体(以下「PT
AZ」という)の使用を検討した。その結果、上記PT
AZは、従来にない下記の特徴を有し、素子の安定性の
向上や、発光効率、発光輝度の向上に大いに有効である
ことを見出した。 (a) PTAZは、その分子構造からわかるようにホール
輸送材料として使用可能であり、しかも高分子ゆえ、従
来の低分子量のホール輸送材料に比べて耐熱性にすぐれ
ている。このため、素子の発光時の発熱による劣化、結
晶化等が起こりにくいホール輸送層を形成できる。 (b) PTAZは、ポリカーボネート等の通常の高分子に
比べてガラス転移温度が高い(およそ200℃以上)だ
けでなく、光学特性にもすぐれている。このため、低分
子量のホール輸送材料を樹脂バインダー中に分子分散し
た、いわゆる分子分散型のホール輸送層の樹脂バインダ
ーとして上記PTAZを使用すると、分子分散した低分
子量のホール輸送材料の、素子の発光時の発熱による凝
集、結晶化を防ぐことができる。 (c) PTAZを樹脂バインダーとして用いた分子分散型
のホール輸送層を有する素子においては、キャリヤの再
結合により励起された発光材料がホール輸送材料とエキ
シプレックスを形成するのを上記PTAZが防ぐため、
発光材料が効率よく発光し、素子の発光効率が向上す
る。とくに、あまり発光効率がよくない従来の青色発光
の発光材料と組み合わせると、その発光効率を、十分実
用可能な範囲まで向上できる。 したがって本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子
は、前記一般式(1) で表される繰り返し単位からなる、
高分子の1,2,4−トリアゾール誘導体をホール輸送
材料として含有するホール輸送層を備えることを特徴と
する。また本発明の他の有機エレクトロルミネッセンス
素子は、一般式(1) で表される繰り返し単位からなる、
高分子の1,2,4−トリアゾール誘導体を樹脂バイン
ダーとし、当該樹脂バインダー中に、低分子量のホール
輸送材料を分子分散して形成されたホール輸送層を備え
ることを特徴とする。以下に本発明を説明する。前記一
般式(1) で表されるPTAZの具体例としては、下記式
(1a):
【化3】 で表される繰り返し単位を有するもの(以下「PTAZ
−1」という)、および下記式(1b):
【化4】 で表される繰り返し単位を有するもの(以下「PTAZ
−2」という)等が好適に使用される。PTAZの重合
度は、本発明ではとくに限定されないが、3000〜3
00000程度が好ましい。重合度が上記範囲より小さ
すぎると耐熱性が不十分になるおそれがあり、逆に上記
範囲より大きすぎると溶液塗布法によって層を形成する
のが困難になるおそれがある。本発明の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子においては、上記PTAZの1種ま
たは2種以上をホール輸送材料として用いて、当該PT
AZを主体とするホール輸送層が構成される。また本発
明の他の有機エレクトロルミネッセンス素子において
は、PTAZの1種または2種以上を樹脂バインダーと
して用いて、そこへ低分子量のホール輸送材料を分子分
散させることで、ホール輸送層が構成される。上記両ホ
ール輸送層は、各種添加剤等の、PTAZの機能を阻害
しない他の成分を含んでいてもよい。ホール輸送層の膜
厚は、本発明ではとくに限定されず、その構造(上記2
つの層のうちの何れか等)などに応じて、最適な膜厚範
囲を設定すればよい。ホール輸送層は、当該層を構成す
る材料を適当な溶媒に溶解した塗布液を、基板上または
他の層上に塗布して乾燥させる溶液塗布法によって形成
することができる。本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子は、上記PTAZを含むホール輸送層を備えて
いれば、その他の構成はとくに限定されず、従来どおり
の2層構造であっても、あるいは3層以上の多層構造で
あってもよい。要するに本発明の構成は、種々の層構成
の素子に適用することができる。多層構造の素子を構成
する、ホール輸送層以外の層の材料は、本発明ではとく
に限定されず、各層に従来より用いられている種々の材
料を使用することができる。素子を構成する各層の膜厚
についても、本発明ではとくに限定されない。各層は、
真空蒸着法等の気相成長法により形成できる他、ホール
輸送層と同様に、層を構成する材料を適当な溶媒に溶解
した塗布液を、基板上または他の層上に塗布して乾燥さ
せる溶液塗布法によって形成することもできる。また上
記各層は、バインダー樹脂、各種添加剤等の、層の機能
に直接関係ない他の成分を含んでいてもよい。
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づき説
明する。実施例1 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、ホール輸送材料として
の、前記式(1a)で表されるPTAZ−1を、ジクロロメ
タンを溶媒とするディップコーティング法によって成膜
し、次いでこのPTAZ−1層上に、電子輸送材料とし
ての、下記式(2) :
【化5】 で表されるトリス(8−キノリラート)アルミニウム(I
II) 錯体(以下「Alq」という)を真空蒸着法により
成膜した。発光領域の寸法は縦0.5cm、横0.5cmの
正方形状であった。またAlq層蒸着の条件は、到達真
空度:1〜2×10-5Torr、基板温度:室温、蒸着速
度:2〜4Å/秒であり、各層の膜厚は、PTAZ−1
層(ホール輸送層)=400Å、Alq層(電子輸送
層)=600Åであった。つぎに上記Alq層の上に、
マグネシウムと銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag
=10/1(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、そ
の上に銀を単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成
して、2層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子を
得た。電極層の蒸着速度は11Å/秒、保護層の蒸着速
度は10Å/秒であった。上記のようにして作製した有
機エレクトロルミネッセンス素子のITO膜を陽極、Mg
/Ag電極層を陰極として、室温、大気中で両電極間に直
流電場を印加して発光層を発光させ、その発光輝度を、
輝度計(ミノルタ社製のLS−100)を用いて測定し
た。その結果、16V(180mA/cm2 )の駆動電圧で
輝度1200cd/m2 の発光が観測された。またこの素
子を室温で数日間保持しても外観に変化はみられず、ま
た製造直後と同レベルの発光輝度で発光させることがで
きた。実施例2 ホール輸送層を構成する材料として、PTAZ−1に代
えて、前記式(1b)で表されるPTAZ−2を用いたこと
以外は、実施例1と同様にして有機エレクトロルミネッ
センス素子を作製し、その発光輝度を同様にして測定し
たところ、16V(730mA/cm2 )の駆動電圧で輝度
370cd/m2 の発光が観測された。またこの素子を室
温で数日間保持しても外観に変化はみられず、また製造
直後と同レベルの発光輝度で発光させることができた。実施例3 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、ホール輸送材料として
の、下記式(3) :
【化6】 で表されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3
−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′
−ジアミン(以下「TPD」という)を30重量%分子
分散したPTAZ−2を、ジクロロメタンを溶媒とする
ディップコーティング法によって成膜し、次いでこのP
TAZ−2:TPD層上に、Alqを真空蒸着法により
成膜した。発光領域の寸法は縦0.5cm、横0.5cmの
正方形状であった。また蒸着の条件は実施例1と同様で
あり、形成された各層の膜厚は、PTAZ−2:TPD
層(ホール輸送層)=400Å、Alq層(電子輸送
層)=800Åであった。つぎに上記Alq層の上に、
マグネシウムと銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag
=10/1(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、そ
の上に銀を単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成
して、2層構造の有機エレクトロルミネッセンス素子を
得た。電極層および保護層の蒸着速度は実施例1と同様
であった。上記のようにして作製した有機エレクトロル
ミネッセンス素子のITO膜を陽極、Mg/Ag電極層を陰
極として、室温、大気中で両電極間に直流電場を印加し
て発光層を発光させ、その発光輝度を同様にして測定し
たところ、14V(250mA/cm2 )の駆動電圧で輝度
4500cd/m2 の発光が観測された。またこの素子を
室温で数日間保持しても外観に変化はみられず、また製
造直後と同レベルの発光輝度で発光させることができ
た。比較例1 PTAZ−2:TPD層に代えて、真空蒸着法により、
TPD単独のホール輸送層を成膜したこと以外は、前記
実施例3と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素
子を作成した(TPD層(ホール輸送層)=500Å、
Alq層(電子輸送層)=500Å)。そして当該素子
の発光輝度を同様にして測定したところ、14Vの駆動
電圧で輝度10000cd/m2 の高輝度の発光が観測さ
れたが、この素子を室温で数日間保持すると発光面に黒
点が発生し、TPDが結晶化しているのが確認された。実施例4 シート抵抗15Ω/□のITO(インジウム−チン−オ
キサイド)コートガラス基板(旭硝子社製、ITO膜厚
1500〜1600Å)上に、TPDを30重量%分子
分散したPTAZ−2を、ジクロロメタンを溶媒とする
ディップコーティング法によって成膜し、次いでこのP
TAZ−2:TPD層上に、発光材料としての、下記式
(4) :
【化7】 で表される2,5−ビス(5−tert−ブチル−2−ベン
ゾオキサゾリル)−チオフェン(以下「BBOT」とい
う)、および電子輸送材料としての、下記式(5):
【化8】 で表される3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル
−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−ト
リアゾール(以下「TAZ」という)をこの順に、真空
蒸着法により成膜した。発光領域の寸法は縦0.5cm、
横0.5cmの正方形状であった。また蒸着の条件は実施
例1と同様であり、形成された各層の膜厚は、PTAZ
−2:TPD層(ホール輸送層)=400Å、BBOT
層(発光層)=700Å、TAZ層(電子輸送層)=4
00Åであった。つぎに上記TAZ層の上に、マグネシ
ウムと銀を共蒸着して膜厚2000Å、Mg/Ag=10/
1(モル比)のMg/Ag電極層を形成した後、その上に銀
を単独蒸着して膜厚1000Åの保護層を形成して3層
構造の有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。電極
層および保護層の蒸着速度は実施例1と同様であった。
上記のようにして作製した有機エレクトロルミネッセン
ス素子のITO膜を陽極、Mg/Ag電極層を陰極として、
室温、大気中で両電極間に直流電場を印加したところ、
効率のよい青色発光が得られた。発光輝度を実施例1〜
3と同様にして測定したところ、図1に示すように、最
大18V(8mA/cm2 )の駆動電圧で輝度100cd/m
2 であった(図1中○−○は、印加電圧と発光輝度の関
係を示し、△−△は、印加電圧と電流密度の関係を示
す)。またこの発光を室温下、蛍光光度計(日立社製の
F4010)を用いて測定したところ、図2に示すよう
に、波長443nmにピークを有する発光スペクトルが得
られた。この発光スペクトルはBBOTの発光スペクト
ルと一致し、実施例4の素子は、BBOT層が発光して
いることか確認された。比較例2 PTAZ−2:TPD層に代えて、真空蒸着法により、
TPD単独のホール輸送層を成膜したこと以外は、前記
実施例4と同様にして有機エレクトロルミネッセンス素
子を作成した(TPD層(ホール輸送層)=400Å、
BBOT層(発光層)=700Å、TAZ層(電子輸送
層)=400Å)が、当該素子は効率よい発光を示さな
かった。
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子は、低分子量のホール輸送材
料に比べて耐熱性にすぐれた高分子であるPTAZによ
りホール輸送層を形成しているので、素子の発光時の発
熱によるホール輸送層の劣化、結晶化等を防止できる。
したがって本発明によれば、低電圧で高輝度の発光が可
能でかつ大面積化が容易な有機エレクトロルミネッセン
ス素子の使用時の安定性を、従来よりも向上させること
が可能となる。また本発明の他の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子は、上記PTAZを、分子分散型のホール
輸送層の樹脂バインダーとして使用しているので、分子
分散した低分子量のホール輸送材料の、素子の発光時の
発熱による凝集、結晶化を防ぐことができる。しかもP
TAZを樹脂バインダーとして用いた分子分散型のホー
ル輸送層を有する素子においては、キャリヤの再結合に
より励起された発光材料がホール輸送材料とエキシプレ
ックスを形成するのを、上記PTAZが防ぐため、発光
材料が効率よく発光し、素子の発光効率が向上するとい
う利点もある。とくに、あまり発光効率がよくない従来
の青色発光の発光材料と組み合わせると、その発光効率
を、十分実用可能な範囲まで向上できる。このため本発
明によれば、発光効率、発光輝度ならびに安定性にすぐ
れるとともに、とくに青色発光等、従来は十分な発光効
率が得られなかったり発光させることができなかった色
の発光を、高い発光効率で得ることのできる有機エレク
トロルミネッセンス素子を実用化することが可能とな
る。以上のごとく本発明の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の構成はいずれも、低電圧で駆動でき、しかも有
機材料からなるため可撓性を有する大面積の発光素子の
製造に有効に利用でき、将来に亘って、表示、照明、デ
ィスプレイ等の分野での利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例4で作製した有機エレクトロル
ミネッセンス素子における、駆動電圧と発光輝度と電流
密度の関係を測定した結果を示すグラフである。
【図2】上記実施例4で作成した有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の、発光スペクトルを測定した結果を示す
グラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) : 【化1】 〔式中Rは水素原子、メチル基およびエチル基のうち少
    なくとも1種を示す〕で表される繰り返し単位からな
    る、高分子の1,2,4−トリアゾール誘導体をホール
    輸送材料として含有するホール輸送層を備えることを特
    徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】上記一般式(1) で表される繰り返し単位か
    らなる、高分子の1,2,4−トリアゾール誘導体を樹
    脂バインダーとし、当該樹脂バインダー中に、低分子量
    のホール輸送材料を分子分散して形成されたホール輸送
    層を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
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