JP2706076B2 - 光ディスク記録再生システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の光ディスク記録再生システムは、消去可能光
ディスクに各種信号の記録再生を行う光ディスク記録再
生システムに関するものである。

〔従来の技術〕

一般のコンピュータ等では、互いにほとんど相関関係
のない離散的な数値データや文字データを扱う場合が多
い。そして、このような離散的なデータ情報を示す離散
信号は、原則として記録再生時の符号誤りが一切認めら
れない。従って、データ欠損に対しては、強力な誤り訂
正手段により元のデータを完全に復元する必要があるの
で、信頼性の高い記録方式を用いなければならない。

ところが、音楽情報や画像情報等のように、連続した
アナログ情報を示す連続信号は、隣合うデータ同士に強
い相関関係がある。このため、多少のデータが欠損して
も、誤り補正手段に基づく推測によってある程度の補間
を行うことができ、致命的な障害を受けることはない。
しかも、この誤り補正手段は、誤り訂正手段に比べ、冗
長ビットが少なく、回路も簡単に構成することができる
という利点がある。また、大幅なデータ圧縮も可能とな
り、実質的に長時間の記録を行うことができる。

従って、このような連続信号は、実用上支障のない程
度の処理を施すことにより、離散信号に比べて揺かに多
くの情報を記録することができることになる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記事情により、従来の光ディスク記録再生装置は、
これらの離散信号と連続信号とを混用して記録すること
がなかった。なぜならば、光ディスク上にこれらの信号
が混ざって記録さているとすると、全ての信号について
離散信号に合わせた処理を行わなければならず、連続信
号の記録に無駄が多くなり記憶容量の点で不利になると
いう問題点が生じるからである。

また、CD−ROM［compact disk−ROM］のように各種の
信号を記録することができる光ディスクも従来から存在
する。そして、例えばこのCD−ROMの一種であるCD−Ｉ
［compact disc−interactive media］では、ディスク
内周部のCD−Ｉ領域にアプリケーション・プログラムか
らなる離散信号と画像や音声等の連続情報とを混用して
記録することができる。また、このCD−Ｉの外周部に
は、CD方式によるデジタル音声を分割して記録すること
もできる。しかしながら、これらのCD−ROMは、ディス
ク上に固定されたピットの形で信号を記録したものであ
り、ユーザーは再生専用としてしか利用できないという
問題点が生じていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明に係る光ディスク記録再生システムは、上記問
題点を解決するために、消去可能型光ディスクと、当該
光ディスクに対して連続したアナログ情報を示す連続信
号と離散的なデータ情報を示す離散信号とを記録再生す
る記録再生装置とを備えている光ディスク記録再生シス
テムであって、上記光ディスクには、上記連続信号を記
録するための第１記録領域と、上記離散信号を記録する
ための第２記録領域とが分割して形成されており、上記
第１記録領域には予めトラックに沿ってアクセス用のプ
リピットが形成されている一方、上記第２記録領域は全
体が再記録可能な領域として形成されており、上記記録
再生装置は、光ディスクの第１記録領域に対してプリピ
ット方式により上記連続信号の記録再生を行う一方、光
ディスクの第２記録領域に対してソフトフォーマット方
式により上記離散信号の記録再生を行うことを特徴とし
ている。

〔作用〕 本発明の光ディスク記録再生システムには、消去可能
型光ディスクが用いられる。消去可能型光ディスクは、
光磁気ディスク等のように、消去によって何度でも記録
を行うことができるものであり、再生は繰り返し行うこ
とができる。

連続したアナログ情報としては、音声情報や画像情報
等がある。これらのアナログ情報を示す連続信号として
は、記録のためにFM変調を行ったアナログ信号やPCM方
式によりコード化したデジタル信号等がある。離散的な
データ情報としては、プログラムコードを含む数値デー
タや文字データ等がある。これらのデータ情報を示す離
散信号は、全てデジタル信号である。

上記光ディスクには、第１記録領域と第２記録領域と
が分割して形成されているとは、例えば内周側のトラッ
クを第１記録領域、外周側のトラックを第２記録領域と
して分割することを意味する。

上記構成により、連続信号のアクセスを行う場合に
は、光ピックアップをこの連続信号のトラック領域であ
る第１記録領域に移動させてから記録再生を行う。ま
た、離散信号のアクセスを行う場合には、光ピックアッ
プをこの離散信号のトラック領域である第２記録領域に
移動させてから記録再生を行う。

これにより、各種の信号を光ディスク上で全く分離し
て記録することができるので、連続信号については、デ
ータ圧縮等の信号処理を自由に行うことが可能となる。
また、離散信号については、信頼性の高い記録方式を採
用することができる。

そして、データの信頼性が離散信号ほど要求されない
連続信号を記録する第１記録領域に対しては、プリピッ
ト方式を採用することにより、記録時のアクセスを迅速
に行うことができる。さらに、データの信頼性が要求さ
れる離散信号を記録する第２記録領域に対しては、ソフ
トフォーマット方式を採用することにより、第２記録領
域の記録情報の信頼性を維持することができる。

なお、光ディスクの最内周部に離散信号の情報を管理
するためのディレクトリを設ければ、数値データ等を迅
速にランダムアクセスすることが可能となる。

〔実施例〕

本発明の一実施例を第１図乃至第３図の記載に基づい
て説明すれば、以下の通りである。

本実施例は、光ディスクとしてCDサイズ（直径120m
m）の光磁気ディスク１を用いた場合を示す。

第１図及び第２図に示すように、光磁気ディスク１
は、装着用のセンタホール２を有する円盤状の透明なデ
ィスク基板の裏面側に光磁気記録媒体としての垂直磁化
膜を形成したものである。そして、この光磁気ディスク
１は、盤面上における、センタホール２の少し外側から
外周縁の少し内側までが記録領域３となる。

この記録領域３には、各種信号が内周部から外周部に
向けて螺旋状のトラックに沿って磁気記録される。ま
た、この記録領域３は、このトラックを内周側と外周側
とに分割され、内周側が音楽領域（第１記録領域）3a、
外周側がデータ領域（第２記録領域）3bとして定められ
ている。

音楽領域3aには、音楽情報をPCM方式によりコード化
したデジタル信号がデータ圧縮して記録される。例え
ば、CD方式の場合に、音楽領域3aを直径50mm乃至70mmま
での領域とし、音楽情報を1/4程度にデータ圧縮する
と、64分程度の音楽が記録可能となる。また、この音楽
領域3aは、記録時のアクセスを迅速に行うために、予め
トラックに沿ってピット形成するプリピット方式を採用
している。

データ領域3bには、種々の数値データや文字データ等
をコード化したデジタル信号がパリティビットを付して
記録される。上記の例では、このデータ領域3bに時間に
して約33分に相当する240MB程度のコード情報が記録可
能となる。また、このデータ領域3bに記録されたデータ
のディレクトリを前記音楽領域3aの最内周部に設けてお
く。このデータ領域3bは、プリピット方式ではなく、ソ
フトフォーマット方式を採用している。これは、データ
領域3bへの記録が高い信頼性を必要とするので、プリピ
ット方式では、回転系に変動等が生じた場合に予め形成
されたピットと磁気記録されたセクタ部との同期をとる
ことが困難になる等の支障が生じるからである。

この光磁気ディスク１は、記録再生装置に装着され
る。記録再生装置は、第３図に示すように、この光磁気
ディスク１のセンタホール２を図示しない装着具で保持
し、回転駆動装置４によって回転駆動するようになって
いる。そして、この光磁気ディスク１は、盤面上方に配
置された光ピックアップ５によってアクセスされる。光
ピックアップ５は、この光磁気ディスク１の記録領域３
にレーザビーム5aを照射することによってアクセスを行
うことができる。また、この光ピックアップ５は、図示
しないリニア駆動装置により、光磁気ディスク１の半径
方向に移動することができるようになっている。前記回
転駆動装置４は、この光ピックアップ５の移動位置に応
じて、光磁気ディスク１の回転速度をCLV［constant li
near velocity］制御する。このCLV制御は、光ピックア
ップ５のレーザビーム5aがトラック上を走査する速度を
常に一定にする線速度一定方式の回転制御であって、音
楽領域3aとデータ領域3bとで区別をしない。従って、レ
ーザビーム5aが記録領域３の外周側に移動するほど、光
磁気ディスク１の回転速度を低下させるように制御が行
われることになる。

上記構成の記録再生装置の動作を説明する。

音楽領域3aのアクセスを行う場合には、まずCD等の場
合と同様に、音楽領域3aの最内周部側から光ピックアッ
プ５を移動させ、レーザビーム5aでトラック上のピット
を検出することにより、所定のトラックの検索を行う。
所定のトラックに達すると、レーザビーム5aを螺旋状の
トラックに沿って移動させ、アクセスを行う。音楽情報
の再生の場合には、再生信号のデータ伸長を行うことに
より、もとのPCM信号を得る。

データ領域3bのアクセスを行う場合には、まず光ピッ
クアップ５のレーザビーム5aを音楽領域3aの最内周部に
位置させてディレクトリの内容を読み出す。そして、必
要なセクタナンバーを検出すると、光ピックアップ５を
外周部側に移動させ、レーザビーム5aでデータ領域3bに
おける当該セクタのアクセスを行う。数値データ等の再
生の場合には、パリティビットに基づいて再生信号に所
定の誤り検出及び誤り訂正処理を行う。

上記のように、本実施例は、光磁気ディスク１上で音
楽領域3aとデータ領域3bとを全く分離して記録している
ので、それぞれの信号処理を別個に行うことができる。
また、回転駆動装置４は、いずれの領域3a・3bをアクセ
スする場合にも、連続したCLV制御を行うことができる
ので、例えばCD−Ｖの場合のような複雑な速度制御を要
しない。

換言すれば、いずれの領域3a・3bをアクセスする際に
も同一の回転制御（同一の線速度または回転角速度で光
磁気ディスク１を回転させる制御）を行うので、ディス
ク回転制御装置である回転駆動装置４による制御を複雑
化する必要がない。尚、回転駆動装置４がディスクを同
一の回転角速度で回転させる場合には、ディスクを常に
一定の回転速度で回転させればよい。

〔発明の効果〕

本発明に係る光ディスク記録再生システムは、以上の
ように、消去可能型光ディスクと、当該光ディスクに対
して連続したアナログ情報を示す連続信号と離散的なデ
ータ情報を示す離散信号とを記録再生する記録再生装置
とを備えているものであって、上記光ディスクには、上
記連続信号を記録するための第１記録領域と、上記離散
信号を記録するための第２記録領域とが分割して形成さ
れており、上記第１記録領域には予めトラックに沿って
アクセス用のプリピットが形成されている一方、上記第
２記録領域は全体が再記録可能な領域として形成されて
おり、上記記録再生装置は、光ディスクの第１記録領域
に対してプリピット方式により上記連続信号の記録再生
を行う一方、光ディスクの第２記録領域に対してソフト
フォーマット方式により上記離散信号の記録再生を行う
構成をなしている。

これにより、音声情報等の連続信号と数値データ等の
離散信号との記録領域が分割されるので、連続信号につ
いては、データ圧縮等の信号処理を自由に行うことがで
き、長時間の記録が可能になる。また、離散信号につい
ては、信頼性の高い記録を行うことができる。そして、
光ディスクの第１記録領域に対してプリピット方式によ
る記録再生、第２記録領域に対してソフトフォーマット
方式による記録再生が行われるので、要求されるデータ
の信頼性に違いがある連続信号と離散信号とを混用した
場合にも、光ディスクの利用効率を高めることができる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明の一実施例を示すものであっ
て、第１図は光磁気ディスクの平面図、第２図は光磁気
ディスクの正面図、第３図は光磁気ディスクを記録再生
装置に装着した状態を示す斜視図である。 １は光磁気ディスク（光ディスク）、３は記録領域、3a
は音楽領域（第１記録領域）、3bはデータ領域（第２記
録領域）、４は回転駆動装置である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】消去可能型光ディスクと、当該光ディスク
   に対して連続したアナログ情報を示す連続信号と離散的
   なデータ情報を示す離散信号とを記録再生する記録再生
   装置とを備えている光ディスク記録再生システムであっ
   て、 上記光ディスクには、上記連続信号を記録するための第
   １記録領域と、上記離散信号を記録するための第２記録
   領域とが分割して形成されており、上記第１記録領域に
   は予めトラックに沿ってアクセス用のプリピットが形成
   されている一方、上記第２記録領域は全体が再記録可能
   な領域として形成されており、 上記記録再生装置は、光ディスクの第１記録領域に対し
   てプリピット方式により上記連続信号の記録再生を行う
   一方、光ディスクの第２記録領域に対してソフトフォー
   マット方式により上記離散信号の記録再生を行うことを
   特徴とする光ディスク記録再生システム。