JPH064999A - 円盤状記録媒体およびその記録再生方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディジタルビデオ信号および汎用データファイ
ルの記録再生を効率よく行う円盤状記録媒体を提供す
る。 【構成】ゾーン分割された記録フォーマットを用い、内
周部１０を汎用データファイルの記録再生に外周部１１
をディジタルビデオ信号の記録再生に用いる。これによ
り、ディジタルビデオ信号の記録再生には高転送レート
を、汎用データファイルの記録再生には低い転送レート
を設定できるようにし、全体としての転送レートを低く
抑えることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、映像信号を記録再生す
る磁気ディスク装置や光ディスク装置の記録媒体および
その記録再生方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ビデオ信号のディジタル圧縮技術
の発展にともなって円盤状記録媒体にデータ圧縮したデ
ィジタルビデオ信号を長時間記録する装置の開発が盛ん
である。さらに、このような円盤状記録媒体を用いたデ
ィジタル記録装置はコンピュータシステムとの整合性も
良いため、ビデオ信号の記録再生をコンピュータシステ
ム内で通常のデータファイルの記録再生と統合して行う
いわゆるマルチメディアシステムの実現が期待されるよ
うになってきた。

【０００３】以下図面を参照しながら、上記した従来の
ディジタル記録装置の一例について説明する。図２は従
来のディジタル記録装置の基本構成を示すブロック図、
図３は従来の円盤状記録媒体の記録フォーマットを示す
図である。図２において、１は表示部であるＣＲＴであ
る。２は画像処理部、３はインターフェース、４はホス
トコンピュータ、５はバッファ、６は記録再生部、７は
ディスク駆動部、８は円盤状記録媒体であるディスク媒
体である。９はディスクドライブであり、バッファ５と
記録再生部６とディスク駆動部７とディスク媒体８とで
構成される。

【０００４】このように構成されたディジタル記録装置
について、以下その動作について説明する。まずホスト
コンピュータ４は通常の汎用データファイルの記録時に
はインターフェース３を介してディスクドライブ９を起
動し、記録データを転送して記録動作を行う。ディスク
媒体８は図３で示される角速度一定（Ｃｏｎｓｔａｎｔ
Ａｎｇｕｌａｒ Ｖｅｌｏｃｉｔｙ、 以下ＣＡＶと
する）方式の記録フォーマットであり、螺旋状に形成さ
れた記録トラックが形成されており、図の例では１周１
トラックとして１トラックが２５セクターに分割され、
記録領域の最内周部分はセクターの欠陥情報などを記録
するファイル管理領域に構成されている。各セクターの
先頭部にはファイル管理のために用いられるセクターア
ドレスが予め書き込まれており、１セクター当たり５１
２バイトのデータが記録再生される。ディスク駆動部７
はディスク媒体８を回転数が毎分３０００回転の一定回
転となるように回転駆動する。バッファ５はホストコン
ピュータ４から転送されるデータを一時記憶し、記録再
生部６の指示信号にしたがって記録再生部６へデータを
出力する。

【０００５】記録再生部６はディスク媒体８の記録領域
内に設けられたファイル管理領域の内容をもとにして記
録再生の制御を行い、バッファ５から出力される記録デ
ータを入力としてこれに誤り訂正符号の付加および記録
再生のための信号変調などを行い、前記セクターアドレ
スの再生によって記録を行おうとする目的セクターがデ
ィスク媒体８の回転にしたがって得られたときに、その
目的セクターへ記録する。再生時には逆に記録再生部６
はディスク媒体８の回転によって目的セクターが得られ
たときに再生信号から信号復調および誤り訂正処理など
を行って再生データをバッファ５へ出力する。バッファ
５はインターフェース３を介してホストコンピュータ４
に適当なタイミングで前記再生データを転送する。

【０００６】画像処理部２はホストコンピュータ４で指
示されるデータおよび画像をＣＲＴ１へ出力するととも
にディジタルビデオ入力信号の圧縮を行い、インターフ
ェース３を介してディスクドライブ９へ記録ビデオデー
タを前記汎用データの記録の際と同様に出力し、再生時
にはディスクドライブ９より出力される再生ビデオデー
タの伸張を行ってＣＲＴ１に出力する。このディジタル
ビデオ信号の記録再生も前述の汎用データファイルの記
録再生と同様に５１２バイトを一単位としてホストコン
ピュータ４の制御により同様に行われる。前述のように
ディスク媒体８の毎分3000回転の回転数と１トラック当
たりのセクター数25から記録再生の転送レートは最大毎
秒６２５Ｋバイトであるので、たとえば毎秒４０Ｍビッ
トの転送レートのディジタルビデオ信号を毎秒５Ｍバイ
ト以下にデータ圧縮することによりディジタルビデオ信
号の記録再生が可能となる。

【０００７】コンピュータシステムにおけるディジタル
記録装置では記録媒体の欠陥などに起因する不良セクタ
ーの発生による信頼性低下を防ぐため、ある程度の数の
セクターの記録毎に記録したセクターを再生ベリファイ
してその誤り率を求め誤りが一定以上のものについては
不良セクターとしてこのセクターデータを交代セクター
に再記録するという交代処理を行っている。この不良セ
クターの代替えセクターとしては記録領域の特定部に設
けられた交代領域のセクターが割り当てられ、このよう
交代処理の所要時間は、記録と再生ベリファイと交代領
域へのアクセスと交代セクターへの記録とさらにその再
生ベリファイというように、実行的な転送レートをその
４分の１以下にまで低下させることになる。この交代処
理のため上述の転送レートの実行的な値は毎秒１Ｍビッ
ト程度となり、ディジタルビデオ信号の記録再生にはデ
ータ圧縮を行ったとしても不十分である。このため、デ
ィジタル記録装置自身の転送レートを十分に高いものと
する必要が生じていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、ディジタルビデオ信号の記録再生に十分
な転送レートとするためにディスク媒体の回転数を上げ
て転送レートを全てのファイルの記録に対して同様に増
加させる必要があるという問題を有していた。すなわ
ち、記録再生に要求される転送レートはディジタルビデ
オ信号に合わせる必要があり、コンピュータシステムに
要求されるディジタル記録装置もその基本性能のより高
いのものが必要となっていた。このことはより高品質の
ビデオ信号を記録再生するためにデータ圧縮率を下げ、
結果として必要転送レートが高くなった場合により顕著
になってきていた。

【０００９】本発明は上記問題に鑑み、ディジタルビデ
オ信号のデータファイルと汎用データファイルの記録再
生を異なるい転送レートで行うようにすることにより、
全体として転送レートが比較的低くても良いという円盤
状記録媒体およびその記録再生方法を提供することを目
的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明の円盤状記録媒体は、角速度一定駆動方式の記
録フォーマットの円盤状記録媒体において、記録領域が
ゾーン分割されて、その記録領域の内周部を汎用データ
ファイルの記録再生に、外周部をビデオ信号の記録再生
に割り当てるという記録フォーマットを備えたものであ
る。

【００１１】

【作用】本発明は上記した構成によって、ディジタルビ
デオ信号の転送レートを高く、汎用デーファイルの転送
レートを低くすることができ、その結果、全体としての
ディスク媒体の転送レートは低くても良いものとするこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例の円盤状記録媒体につ
いて、図面を参照しながら説明する。図１は本発明の一
実施例における円盤状記録媒体の記録フォーマットを示
す図である。この円盤状記録媒体を駆動制御するディジ
タル記録装置は前述の従来例で述べた装置と同一であり
その説明を省略する。

【００１３】図１は螺旋状に形成された記録トラックを
有する円盤状記録媒体においてゾーン分割された記録フ
ォーマットを示し、その記録領域は複数のゾーンに分割
され、各ゾーンは異なる数であるがそれ自身は同一の大
きさであるセクターで構成されている。図１において
は、内周部のゾーンにおけるセクター数は２５であり、
外周部のゾーンにおけるセクター数は３５である。この
記録領域の内、内周部ゾーンは汎用データファイル記録
領域１０で、汎用データファイルが記録再生され、外周
部ゾーンはビデオ信号記録領域１１で、ディジタルビデ
オ信号のデータファイルが記録再生されるように設定さ
れており、汎用データファイルの記録再生時には内周部
のゾーンが用いられ、ディジタルビデオ信号の記録再生
には外周部のゾーンが使用される。なお、図３で示した
のと同じようなファイル管理領域は内周部ゾーンの最内
周部側の部分に形成される。

【００１４】ここでディスク媒体は回転数が一定で毎分
３０００回転となるように回転駆動されるため、記録再
生の転送レートは内周部が毎秒約６２５Ｋバイトである
が、外周部が毎秒約８７５Ｋバイトと高くなる。また、
データファイルの記録再生においては螺旋状に形成され
た記録トラックの走査方向にしたがって記録を行うが、
不要なトラックジャンプを省略できるので都合が良い。
このことは特に転送レートの高いディジタルビデオ信号
の記録再生時に必要であり、このためには図１に示すよ
うにトラックの走査方向が外周部から内周部に向かうよ
うにディスク媒体の駆動方向を決定すれば良いことは明
らかである。

【００１５】以上のように本実施例の円盤状記録媒体及
びその記録再生方法によれば、記録領域をゾーン分割
し、内周部を汎用データファイルの記録再生に外周部を
ディジタルビデオ信号の記録再生に使用することによ
り、同一のディスク回転数であっても、ディジタルビデ
オ信号の記録再生の転送レートを比較的高くすることが
できる。

【００１６】また、記録容量を増大させるために、異な
る方向の螺旋状トラックをもつ２枚の円盤状記録媒体を
張り合わせて両面構造とすることができるがこのような
両面構造においても前述と同様なゾーン分割による転送
レートの割り当てが可能である。

【００１７】なお、図１の例において、記録領域を適当
なトラック位置を境界にして２分割し、分割された領域
内では走査方向を内周から外周方向になるようにしても
前述の転送レートの割り当てに対して何等差し支えな
い。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、ゾーン分
割された記録フォーマットにおいて内周部のゾーンには
汎用データファイルを記録再生し、外周部のゾーンには
ディジタルビデオ信号のデータファイルを記録再生する
ことにより、全体としての転送レートが比較的低くても
良いというディスク装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の円盤状記録媒体における記
録フォーマット図である。

【図２】従来例の円盤状記録媒体を用いたディジタル記
録装置の構成図である。

【図３】従来例の円盤状記録媒体の記録フォーマットの
図である。

【符号の説明】

１ ＣＲＴ ２ 画像処理部 ３ インターフェース ４ ホストコンピュータ ５ バッファ ６ 記録再生部 ７ ディスク駆動部 ８ ディスク媒体 ９ ディスクドライブ １０ 汎用データファイル記録領域（内周部） １１ ビデオ信号記録領域（外周部）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周部のゾーンには汎用データファイル
   が記録され、外周部のゾーンにはディジタルビデオ信号
   のデータファイルがデータ転送レートを前記内周部より
   大きくして記録されるようにゾーン分割されたフォーマ
   ットを有することを特徴とする円盤状記録媒体。
2. 【請求項２】 異なる方向の螺旋状トラックをもつ２枚
   の円盤状記録媒体を張り合わせた両面構造をもつ請求項
   １記載の円盤状記録媒体。
3. 【請求項３】 外周部のデータ転送レートが内周部より
   大きくなるようにゾーン分割された円盤状記録媒体を一
   定回転数で駆動し、内周部のゾーンには汎用データファ
   イルを記録再生し、外周部のゾーンにはディジタルビデ
   オ信号のデータファイルを記録することを特徴とする記
   録再生方法。