JP2701454B2 - 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 - Google Patents
新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規含フッ素化合物、その製造方法及びそ
れを用いたCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の製造方法に関する
ものである。
れを用いたCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の製造方法に関する
ものである。
[従来の技術] 本発明のCF2ClCFClOCF2CF2CF=CF2(1,2−ジクロロ−
1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3−オキサ−6
−ヘプテン)は、文献未載の新規化合物であり、二種類
の反応性の異なる二重結合を有する化合物(CF2=CFOCF
2CF2CF=CF2,1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3
−オキサ−1,6−ヘプタジエン)の前駆体となり得る。
1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3−オキサ−6
−ヘプテン)は、文献未載の新規化合物であり、二種類
の反応性の異なる二重結合を有する化合物(CF2=CFOCF
2CF2CF=CF2,1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3
−オキサ−1,6−ヘプタジエン)の前駆体となり得る。
[発明の解決しようとする問題点] 従来知られていたCF2=CFOCF2CF2CF=CF2の合成方法
は、文献記載の(J.Org.Chem.,34,1841(1969))ジカ
ルボン酸のジカリウム塩の熱分解によるものであった。
しかしこの方法では、蒸留等により分離不可能な異性体
CF2=CFOCF2CF=CFCF3を副生成物として生ずるために高
純度のものは得られなかった。
は、文献記載の(J.Org.Chem.,34,1841(1969))ジカ
ルボン酸のジカリウム塩の熱分解によるものであった。
しかしこの方法では、蒸留等により分離不可能な異性体
CF2=CFOCF2CF=CFCF3を副生成物として生ずるために高
純度のものは得られなかった。
[問題点を解決するための手段] かくして本発明は、第一に、一般式CF2XCFYOCF2CF2CF
=CF2(式中、X及びYは同一または相異なり、フッ素
を除くハロゲンから選ばれる原子。)で表される含フッ
素化合物を提供する。第二に、一般式CF2XCFYOCF2CF2CF
2CF2C(=O)Z(式中、X及びYは同一または相異な
り、フッ素を除くハロゲンから選ばれる原子。ZはFま
たはOMであり、MはK,Naから選ばれる原子。)で表され
る化合物を熱分解することを特徴とする上記含フッ素化
合物の製造方法を提供する。第三に、上記含フッ素化合
物と脱ハロゲン化剤とを反応させて脱ハロゲン化させる
ことを特徴とする式CF2=CFOCF2CF2CF=CF2で表される
化合物の製造方法を提供する。
=CF2(式中、X及びYは同一または相異なり、フッ素
を除くハロゲンから選ばれる原子。)で表される含フッ
素化合物を提供する。第二に、一般式CF2XCFYOCF2CF2CF
2CF2C(=O)Z(式中、X及びYは同一または相異な
り、フッ素を除くハロゲンから選ばれる原子。ZはFま
たはOMであり、MはK,Naから選ばれる原子。)で表され
る化合物を熱分解することを特徴とする上記含フッ素化
合物の製造方法を提供する。第三に、上記含フッ素化合
物と脱ハロゲン化剤とを反応させて脱ハロゲン化させる
ことを特徴とする式CF2=CFOCF2CF2CF=CF2で表される
化合物の製造方法を提供する。
本発明の新規含フッ素化合物は例えば次のように合成
することが出来る。
することが出来る。
即ち、パーフルオログルタリルジフルオリド(a)を
ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)と1モルの
み反応させた後、気相熱分解を行い部分的に熱分解させ
た(c)を得、二重結合をハロゲンで保護した後さらに
熱分解を行うことによって新規含フッ素化合物(e)を
得ることが出来る。また、この化合物を亜鉛等の脱ハロ
ゲン化剤と反応させることにより含フッ素モノマー
(f)を得ることが出来る。
ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)と1モルの
み反応させた後、気相熱分解を行い部分的に熱分解させ
た(c)を得、二重結合をハロゲンで保護した後さらに
熱分解を行うことによって新規含フッ素化合物(e)を
得ることが出来る。また、この化合物を亜鉛等の脱ハロ
ゲン化剤と反応させることにより含フッ素モノマー
(f)を得ることが出来る。
(b)の合成方法は、文献記載の通り(J.Org.Chem.,
34,1841(1969))パーフルオログラタリルジフルオリ
ド(a)を金属フッ化物の作用のもと極性溶媒中ヘキサ
フルオロプロピレンオキシド(HFPA)とを1モルだけ反
応させることにより得ることが出来る。この時の極性溶
媒としては、例えばアセトニトリル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等が挙げられ
る。反応温度は50〜−30℃、好ましくは、20〜−20℃で
ある。
34,1841(1969))パーフルオログラタリルジフルオリ
ド(a)を金属フッ化物の作用のもと極性溶媒中ヘキサ
フルオロプロピレンオキシド(HFPA)とを1モルだけ反
応させることにより得ることが出来る。この時の極性溶
媒としては、例えばアセトニトリル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン等が挙げられ
る。反応温度は50〜−30℃、好ましくは、20〜−20℃で
ある。
(b)を250〜400℃、好ましくは280〜350℃の温度範
囲で気相熱分解することにより(c)を得ることが出来
る。ここで、反応温度が低い場合には変換率が低くな
り、また高い場合には分解生成物量が多くなる。
囲で気相熱分解することにより(c)を得ることが出来
る。ここで、反応温度が低い場合には変換率が低くな
り、また高い場合には分解生成物量が多くなる。
(c)を溶媒中または無溶媒中、0〜100℃でハロゲ
ンと反応させることにより(d)を定量的に得ることが
できる。
ンと反応させることにより(d)を定量的に得ることが
できる。
本発明の新規含フッ素化合物(e)は、(d)の気相
熱分解、もしくは(d)と水酸化アルカリとを反応させ
て得られるカルボン酸アルカリ塩の熱分解により得るこ
とができる。気相熱分解における反応温度は、400〜550
℃であり、またカルボン酸アルカリ塩の熱分解における
反応温度は150〜300℃、好ましくは200〜280℃である。
熱分解、もしくは(d)と水酸化アルカリとを反応させ
て得られるカルボン酸アルカリ塩の熱分解により得るこ
とができる。気相熱分解における反応温度は、400〜550
℃であり、またカルボン酸アルカリ塩の熱分解における
反応温度は150〜300℃、好ましくは200〜280℃である。
更に、(e)は極性溶媒中、亜鉛等の脱ハロゲン化剤
を用いて脱ハロゲン化反応をさせることにより、含フッ
素モノマー(f)を得ることが出来る。この反応におけ
る溶媒は、例えばジグライム、1,4−ジオキサン、メタ
ノール等が好ましく使用される。また、脱ハロゲン化剤
としては、亜鉛の他にナトリウム、マグネシウム、ス
ズ、銅、鉄、水銀等が挙げられるが、反応速度及び価格
の点から亜鉛が好ましく使用される。また、脱ハロゲン
化剤のモル比は、(e)の2〜6倍、好ましくは3〜4
倍である。さらに反応温度は20〜150℃、好ましくは30
〜100℃である。
を用いて脱ハロゲン化反応をさせることにより、含フッ
素モノマー(f)を得ることが出来る。この反応におけ
る溶媒は、例えばジグライム、1,4−ジオキサン、メタ
ノール等が好ましく使用される。また、脱ハロゲン化剤
としては、亜鉛の他にナトリウム、マグネシウム、ス
ズ、銅、鉄、水銀等が挙げられるが、反応速度及び価格
の点から亜鉛が好ましく使用される。また、脱ハロゲン
化剤のモル比は、(e)の2〜6倍、好ましくは3〜4
倍である。さらに反応温度は20〜150℃、好ましくは30
〜100℃である。
[実施例] 実施例1. 十分に乾燥させたCF2ClCFClOCF2CF2CF2CF2COONa435g
(1.00mol)を1000mlのフラスコに入れ減圧下260℃で8
時間熱分解を行い、−78℃のトラップに反応生成物を凝
縮させる。蒸留により純粋なCF2ClCFClOCF2CF2CF=CF2
を332g(95%収率)を得た。
(1.00mol)を1000mlのフラスコに入れ減圧下260℃で8
時間熱分解を行い、−78℃のトラップに反応生成物を凝
縮させる。蒸留により純粋なCF2ClCFClOCF2CF2CF=CF2
を332g(95%収率)を得た。
カップリング定数(Hz) JFeFf=39 JFeFg=118 JFfFg=51 元素分析測定結果;F:54.60%,C:20.60% (計算値;F:54.44%,C:20.65%) 実施例2. 攪拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを備えた2000
mlの四ツ口フラスコに亜鉛460g(7.03mol)、1,4−ジオ
キサン900mlを入れ、90℃にする。そこへCF2ClCFClOCF2
CF2CF=CF2(分子量348.9)の628g(1.80mol)をゆっく
り滴下する。滴下終了後6時間還流熟成する。蒸留によ
り生成物を抜き出した後、精留により純粋なCF2=CFOCF
2CF2CF=CF2を311g(62%収率)を得た。
mlの四ツ口フラスコに亜鉛460g(7.03mol)、1,4−ジオ
キサン900mlを入れ、90℃にする。そこへCF2ClCFClOCF2
CF2CF=CF2(分子量348.9)の628g(1.80mol)をゆっく
り滴下する。滴下終了後6時間還流熟成する。蒸留によ
り生成物を抜き出した後、精留により純粋なCF2=CFOCF
2CF2CF=CF2を311g(62%収率)を得た。
[発明の効果] 本発明の新規含フッ素化合物は、反応性の異なる二種
類の二重結合を有するモノマーの有効な前駆体となり得
るという効果を有する。
類の二重結合を有するモノマーの有効な前駆体となり得
るという効果を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】一般式CF2XCFYOCF2CF2CF=CF2 (式中、X及びYは同一または相異なり、フッ素を除く
ハロゲンから選ばれる原子。) で表される含フッ素化合物。 - 【請求項2】X,Yがともに塩素原子である請求項1の含
フッ素化合物。 - 【請求項3】一般式CF2XCFYOCF2CF2CF2CF2C(=O)Z (式中、X及びYは同一または相異なり、フッ素を除く
ハロゲンから選ばれる原子。ZはFまたはOMであり、M
はK,Naから選ばれる原子。) で表される化合物を熱分解することを特徴とする請求項
1の含フッ素化合物の製造方法。 - 【請求項4】X,Yがともに塩素原子である請求項3の製
造方法。 - 【請求項5】請求項1または2の含フッ素化合物と脱ハ
ロゲン化剤とを反応させて脱ハロゲン化させることを特
徴とする式CF2=CFOCF2CF2CF=CF2で表される化合物の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12868189A JP2701454B2 (ja) | 1989-05-24 | 1989-05-24 | 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12868189A JP2701454B2 (ja) | 1989-05-24 | 1989-05-24 | 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02311438A JPH02311438A (ja) | 1990-12-27 |
JP2701454B2 true JP2701454B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=14990805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12868189A Expired - Fee Related JP2701454B2 (ja) | 1989-05-24 | 1989-05-24 | 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2701454B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2362695C (en) * | 1999-03-23 | 2009-12-08 | Asahi Glass Company, Limited | Process for producing a fluorine-containing compound by liquid phase fluorination |
RU2252210C2 (ru) * | 1999-08-31 | 2005-05-20 | Асахи Гласс Компани, Лимитед | Способ получения vic-дихлорфторангидрида |
AU2001236108A1 (en) | 2000-06-02 | 2001-12-17 | Asahi Glass Company, Limited | Process for preparing unsaturated compounds by pyrolysis |
WO2002018314A1 (fr) | 2000-08-30 | 2002-03-07 | Asahi Glass Company, Limited | Procede de preparation de cetones fluorees |
JPWO2002026682A1 (ja) * | 2000-09-26 | 2004-02-05 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素ビニルエーテル化合物の製造方法 |
CN1466564A (zh) | 2000-09-27 | 2004-01-07 | ������������ʽ���� | 含氟多元羰基化合物的制备方法 |
JP4934940B2 (ja) | 2000-09-27 | 2012-05-23 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素エステル化合物の製造方法 |
JP4285000B2 (ja) | 2001-01-16 | 2009-06-24 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素エステル、含フッ素アシルフルオリドおよび含フッ素ビニルエーテルの製造方法 |
JP4655176B2 (ja) * | 2001-02-28 | 2011-03-23 | 旭硝子株式会社 | 新規なvic−ジクロロ酸フルオリド化合物 |
EP1462435B1 (en) | 2001-12-12 | 2009-09-16 | Asahi Glass Company Ltd. | Process for producing diene compound |
ITMI20040132A1 (it) * | 2004-01-29 | 2004-04-29 | Solvay Solexis Spa | Processo per preparare fluoroalogenoeteri |
-
1989
- 1989-05-24 JP JP12868189A patent/JP2701454B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH02311438A (ja) | 1990-12-27 |
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