JP2794788B2 - トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法 - Google Patents
トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法Info
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- trifluoroacrylate
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、トリフルオロアクリル酸アリルエステル及
びその製造方法に関するものである。
びその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 本発明のトリフルオロアクリル酸アリルエステルは、
式CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2で表わされる文献未載の
新規化合物であり、反応性の異なる二種類の二重結合を
有する。このような例は、特開昭60−45619号公報など
により、CF2=CFOCF2CF=CF2なるものが知られている。
しかし、二重結合炭素に結合する原子が一方は水素のみ
からなり他方はフッ素のみからなり且つその二種類の二
重結合を連結する原子の数が2〜4であるような例は知
られていない。
式CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2で表わされる文献未載の
新規化合物であり、反応性の異なる二種類の二重結合を
有する。このような例は、特開昭60−45619号公報など
により、CF2=CFOCF2CF=CF2なるものが知られている。
しかし、二重結合炭素に結合する原子が一方は水素のみ
からなり他方はフッ素のみからなり且つその二種類の二
重結合を連結する原子の数が2〜4であるような例は知
られていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来知られていなかったトリフルオロアク
リル酸アリルエステル及びその製造方法を新規に提供す
ることを目的とするものである。
リル酸アリルエステル及びその製造方法を新規に提供す
ることを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明のトリフルオロアクリル酸アリルエステルは、
含フッ素ポリマーを合成する際のコモノマーとして、ま
た単独重合のためのモノマーとして有用であり、例えば
次のようにして合成することができる。
含フッ素ポリマーを合成する際のコモノマーとして、ま
た単独重合のためのモノマーとして有用であり、例えば
次のようにして合成することができる。
通常は、一般式CF2XCFYC(O)OCH2CH=CH2の含フッ
素化合物と亜鉛の如き脱ハロゲン化剤とを反応させるこ
とにより、円滑有利に目的物を得ることができる。上記
一般式において、X及びYは同一または相異なり、フッ
素を除くハロゲンから選ばれるが、好ましくはX及びY
の両者が塩素である。具体的な合成ルートを例示すれ
ば、次の通りである。
素化合物と亜鉛の如き脱ハロゲン化剤とを反応させるこ
とにより、円滑有利に目的物を得ることができる。上記
一般式において、X及びYは同一または相異なり、フッ
素を除くハロゲンから選ばれるが、好ましくはX及びY
の両者が塩素である。具体的な合成ルートを例示すれ
ば、次の通りである。
CF2ClCFClC(O)F[a]+CH2=CHCH2OH →CF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2[b] CF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2[b]+Znなど →CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2[c] すなわち、特願昭63−188282号明細書などの記載に従
って合成される2,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプ
ロパノイルフルオリド[a]とアリルアルコールを反応
させた後、亜鉛などの金属を用いて脱ハロゲン化するこ
とにより、本発明のトリフルオロアクリル酸アリルエス
テル[c]を得ることができる。
って合成される2,3−ジクロロ−2,3,3−トリフルオロプ
ロパノイルフルオリド[a]とアリルアルコールを反応
させた後、亜鉛などの金属を用いて脱ハロゲン化するこ
とにより、本発明のトリフルオロアクリル酸アリルエス
テル[c]を得ることができる。
CF2ClCFClC(O)F[a]とCH2=CHCH2OH(アリルア
ルコール)との反応は、氷冷下でアリルアルコール中に
[a]をゆっくり滴下することにより行ない、溶媒は用
いても用いなくても良い。反応終了後、水洗などにより
[b]を得る。
ルコール)との反応は、氷冷下でアリルアルコール中に
[a]をゆっくり滴下することにより行ない、溶媒は用
いても用いなくても良い。反応終了後、水洗などにより
[b]を得る。
次いで、極性溶媒中、亜鉛などの脱ハロゲン化剤を用
いて上記の[b]を脱ハロゲン化することにより、目的
生成物CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2[c]を得ることが
できる。この反応における極性溶媒としては、例えばジ
グライム、メタノール、ジオキサンなどが好ましく使用
される。また、脱ハロゲン化剤としては、亜鉛の他にナ
トリウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄などが例示され
るが、反応速度の上から亜鉛が好ましい。更に、脱ハロ
ゲン化剤のモル比は、[b]の2〜6倍、好ましくは3
〜4倍である。反応温度は、0〜150℃、好ましくは0
〜80℃程度が採用される。
いて上記の[b]を脱ハロゲン化することにより、目的
生成物CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2[c]を得ることが
できる。この反応における極性溶媒としては、例えばジ
グライム、メタノール、ジオキサンなどが好ましく使用
される。また、脱ハロゲン化剤としては、亜鉛の他にナ
トリウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄などが例示され
るが、反応速度の上から亜鉛が好ましい。更に、脱ハロ
ゲン化剤のモル比は、[b]の2〜6倍、好ましくは3
〜4倍である。反応温度は、0〜150℃、好ましくは0
〜80℃程度が採用される。
また、本発明のトリフルオロアクリル酸アリルエステ
ルは、下記のように、トリフルオロアクリル酸フルオリ
ド[d]とアリルアルコールとの反応によっても合成す
ることができる。
ルは、下記のように、トリフルオロアクリル酸フルオリ
ド[d]とアリルアルコールとの反応によっても合成す
ることができる。
CF2=CFC(O)F[d]+CH2=CHCH2OH →CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2[c] [作用] 本発明の式CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2で表わされる
トリフルオロアクリル酸アリルエステルは、反応性の異
なる二種類の二重結合を有することから、単独に環化重
合して、主鎖に環状構造を有する特殊溶媒に可溶の含フ
ッ素ポリマーを提供することができる。また、他のコモ
ノマーと共重合することにより、ポリマー中に二重結合
からなる架橋部位を有する含フッ素ポリマーをも提供す
ることができる。さらにまた、この二重結合部位を他の
官能基に変換することもできる。
トリフルオロアクリル酸アリルエステルは、反応性の異
なる二種類の二重結合を有することから、単独に環化重
合して、主鎖に環状構造を有する特殊溶媒に可溶の含フ
ッ素ポリマーを提供することができる。また、他のコモ
ノマーと共重合することにより、ポリマー中に二重結合
からなる架橋部位を有する含フッ素ポリマーをも提供す
ることができる。さらにまた、この二重結合部位を他の
官能基に変換することもできる。
[実施例] 次に、本発明の実施例についてさらに具体的に説明す
るが、かかる説明によって本発明が何ら限定されるもの
でないことは勿論である。
るが、かかる説明によって本発明が何ら限定されるもの
でないことは勿論である。
参考例 撹拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを装着した内
容積500mmの四っ口フラスコに、アリルアルコール102g
(1.76mol)を入れる。そこへ、2,3−ジクロロ−2,3,3
−トリフルオロプロパノイルフルオリド350g(1.76mo
l)を氷冷下にゆっくり滴下する。滴下終了後、室温で
1時間熟成する。反応混合物を水洗後、蒸留により含フ
ッ素化合物CF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2の322g(収率7
7%)を得た。
容積500mmの四っ口フラスコに、アリルアルコール102g
(1.76mol)を入れる。そこへ、2,3−ジクロロ−2,3,3
−トリフルオロプロパノイルフルオリド350g(1.76mo
l)を氷冷下にゆっくり滴下する。滴下終了後、室温で
1時間熟成する。反応混合物を水洗後、蒸留により含フ
ッ素化合物CF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2の322g(収率7
7%)を得た。
b.p.は66℃/28mmHgであった。1 H−NMR(CDCl3,δppm) 5.0(2H,OCH2),5.4〜5.7(2H,=CH2),6.1(1H,CH)19 F−NMR(δppm,CFCl3基準) −65.0(2F,CF2Cl),−125.0(1F,CFCl) 実施例 撹拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを装着した内
容積500mlの四っ口フラスコに、亜鉛粉末105g(1.6mo
l)、ジオキサン200mlを入れる。そこへ、上記参考例で
得たCF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2の94.8g(0.40mol)
を室温下にゆっくり滴下する。滴下終了後、100℃で1
時間熟成する。蒸留により純粋な目的物CF2=CFC(O)
OCH2CH=CH2(トリフルオロアクリル酸アリルエステ
ル)の56.4g(収率85%)を得た。
容積500mlの四っ口フラスコに、亜鉛粉末105g(1.6mo
l)、ジオキサン200mlを入れる。そこへ、上記参考例で
得たCF2ClCFClC(O)OCH2CH=CH2の94.8g(0.40mol)
を室温下にゆっくり滴下する。滴下終了後、100℃で1
時間熟成する。蒸留により純粋な目的物CF2=CFC(O)
OCH2CH=CH2(トリフルオロアクリル酸アリルエステ
ル)の56.4g(収率85%)を得た。
b.p.は61℃/79mmHgであった。
1H−NMR(CDCl3,δppm) d:4.79(2H),e:5.95,f:5.31,g:5.40 カップリング定数(Hz) JHdHe=5.6,JHdHf=1.2,JHdHg=15, JHeHf=10.3,JHeHg=17.2,JHfHg=1.219 F−NMR(δppm,CFCl3基準) a:−84.0,b:−95.4,c:−184.2 カップリング定数(Hz) JFaFb=20,JFaFc=35,JFbFc=116 元素分析 測定値;F:34.27%,C:43.31%,H:3.02% (計算値;F:34.31%,C:43.39%,H:3.03%) [発明の効果] 本発明のCF2=CFC(O)OCH2CH=CH2は、反応性の異
なる二種類の二重結合を有するので、非常に容易に環化
重合し、高濃度においてもゲル化し難いという効果が認
められる。
なる二種類の二重結合を有するので、非常に容易に環化
重合し、高濃度においてもゲル化し難いという効果が認
められる。
Claims (4)
- 【請求項1】式CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2で表わされ
るトリフルオロアクリル酸アリルエステル。 - 【請求項2】一般式CF2XCFYC(O)OCH2CH=CH2(式
中、X及びYは同一または相異なり、フッ素を除くハロ
ゲンから選ばれる。)の含フッ素化合物と脱ハロゲン化
剤とを反応させて、 式CF2=CFC(O)OCH2CH=CH2で表わされるトリフルオ
ロアクリル酸アリルエステルを生成せしめることを特徴
とするトリフルオロアクリル酸アリルエステルの製造方
法。 - 【請求項3】X及びYがC1である請求項1に記載の製造
方法。 - 【請求項4】脱ハロゲン化剤が亜鉛である請求項2又は
3に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13919489A JP2794788B2 (ja) | 1989-06-02 | 1989-06-02 | トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13919489A JP2794788B2 (ja) | 1989-06-02 | 1989-06-02 | トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH035440A JPH035440A (ja) | 1991-01-11 |
JP2794788B2 true JP2794788B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=15239746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13919489A Expired - Fee Related JP2794788B2 (ja) | 1989-06-02 | 1989-06-02 | トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2794788B2 (ja) |
-
1989
- 1989-06-02 JP JP13919489A patent/JP2794788B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH035440A (ja) | 1991-01-11 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |