JP2772846B2 - 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法 - Google Patents
含フッ素アリルエーテルおよびその製造法Info
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- JP2772846B2 JP2772846B2 JP6542190A JP6542190A JP2772846B2 JP 2772846 B2 JP2772846 B2 JP 2772846B2 JP 6542190 A JP6542190 A JP 6542190A JP 6542190 A JP6542190 A JP 6542190A JP 2772846 B2 JP2772846 B2 JP 2772846B2
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- fluoride
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な含フッ素アリルエーテルおよびその
製造法に関する。更に詳しくは、各種の含フッ素化合物
の合成中間体や共単量体成分として有用な含フッ素アリ
ルエーテルおよびその製造法に関する。
製造法に関する。更に詳しくは、各種の含フッ素化合物
の合成中間体や共単量体成分として有用な含フッ素アリ
ルエーテルおよびその製造法に関する。
米国特許第4,029,867号明細書には、一般式 RfOH2CR=CH2 で表わされる含フッ素アリルエーテルが記載されてい
る。この化合物のRf基は、炭素数3〜18のパーフルオロ
アルキル基とされており、この炭素数の下限値3に限定
されているのは、ヘキサフルオロアセトンを(メタ)ア
リルハライドとが反応させているためであり(EXAMPLES
1〜2参照)、従って炭素数1〜2のRf基を有する含フ
ッ素アリルエーテルについては述べられていない。
る。この化合物のRf基は、炭素数3〜18のパーフルオロ
アルキル基とされており、この炭素数の下限値3に限定
されているのは、ヘキサフルオロアセトンを(メタ)ア
リルハライドとが反応させているためであり(EXAMPLES
1〜2参照)、従って炭素数1〜2のRf基を有する含フ
ッ素アリルエーテルについては述べられていない。
本発明の目的は、上記米国特許明細書に記載された方
法とは全く異なる合成方法をとることにより、炭素数1
〜2のRf基を有する含フッ素アリルエーテルを提供する
ことにある。
法とは全く異なる合成方法をとることにより、炭素数1
〜2のRf基を有する含フッ素アリルエーテルを提供する
ことにある。
本発明により、一般式 CF3(CF2)nOCH2CR=CH2 [I] (ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは0
または1である)で表わされる含フッ素アリルエーテル
が提供され、かかる含フッ素アリルエーテルは、一般式
F(CF2)nCOF(ここで、nは0または1である)で表
わされるフロライド化合物、アルカリ金属フロライドお
よび(メタノアリルハライドを反応させることにより製
造される。
または1である)で表わされる含フッ素アリルエーテル
が提供され、かかる含フッ素アリルエーテルは、一般式
F(CF2)nCOF(ここで、nは0または1である)で表
わされるフロライド化合物、アルカリ金属フロライドお
よび(メタノアリルハライドを反応させることにより製
造される。
F(CF2)nCOF+MF+XCH2CR=CH2→ [I] アルカリ金属フロライドとしては、例えばフッ化ナト
リウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ルビ
ジウム、酸性フッ化ナトリウム、酸性フッ化カリウムな
どが用いられる。また、(メタ)アリルハライドとして
は、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルまたはそれ
らの2−メチル置換体が用いられる。フロライド化合物
に対して、アルカリ金属フロライドおよび(メタ)アリ
ルハライドは、いずれもわずかに過剰となるモル比で用
いられる。
リウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ルビ
ジウム、酸性フッ化ナトリウム、酸性フッ化カリウムな
どが用いられる。また、(メタ)アリルハライドとして
は、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルまたはそれ
らの2−メチル置換体が用いられる。フロライド化合物
に対して、アルカリ金属フロライドおよび(メタ)アリ
ルハライドは、いずれもわずかに過剰となるモル比で用
いられる。
反応は、好ましくは非プロトン性極性溶媒、例えばテ
トラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ルなどのグライム類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などの環状エーテル類、アセトニトリルなどの溶媒の存
在下で行われる。具体的には、アルカリ金属フロライド
をけん濁させたこれらの溶媒中に前記フロライド化合物
を仕込み、約1〜12時間程度撹拌してから(メタ)アリ
ルハライドを仕込み、約0〜100℃の温度で約24時間程
度反応させることにより行われる。なお、反応に用いら
れる各反応原料および溶媒は、十分に脱水して用いられ
なければならない。
トラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ルなどのグライム類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
などの環状エーテル類、アセトニトリルなどの溶媒の存
在下で行われる。具体的には、アルカリ金属フロライド
をけん濁させたこれらの溶媒中に前記フロライド化合物
を仕込み、約1〜12時間程度撹拌してから(メタ)アリ
ルハライドを仕込み、約0〜100℃の温度で約24時間程
度反応させることにより行われる。なお、反応に用いら
れる各反応原料および溶媒は、十分に脱水して用いられ
なければならない。
カルボニルフロライドまたはアセチルフロライドを、
アルカリ金属フロライドおよび(メタ)アリルハライド
を反応させることにより、パーフルオロメチル(メタ)
アリルエーテルまたはパーフルオロエチル(メタ)アリ
ルエーテルが製造される。
アルカリ金属フロライドおよび(メタ)アリルハライド
を反応させることにより、パーフルオロメチル(メタ)
アリルエーテルまたはパーフルオロエチル(メタ)アリ
ルエーテルが製造される。
これらの含フッ素アリルエーテル、各種の含フッ素化
合物の合成中間体や共単量体成分として有効に使用する
ことができる。
合物の合成中間体や共単量体成分として有効に使用する
ことができる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 電磁式撹拌機を備えた容量1000mlのSUS製オートクレ
ーブ内に、共に十分に乾燥させたフッ化カリウム64gと
ジエチレングリコールジメチルエーテル500gとを仕込
み、室温下で約1時間撹拌し、けん濁させてから、カル
ボニルフロライド66gを約1時間かけて圧入した。その
まま約2時間撹拌してから臭化アリル133gを仕込み、反
応温度を50℃にすると、圧力は2.0kg/cm2から8.8kg/cm2
に上昇した。そのまま更に24時間撹拌を続け、反応を終
了させた。
ーブ内に、共に十分に乾燥させたフッ化カリウム64gと
ジエチレングリコールジメチルエーテル500gとを仕込
み、室温下で約1時間撹拌し、けん濁させてから、カル
ボニルフロライド66gを約1時間かけて圧入した。その
まま約2時間撹拌してから臭化アリル133gを仕込み、反
応温度を50℃にすると、圧力は2.0kg/cm2から8.8kg/cm2
に上昇した。そのまま更に24時間撹拌を続け、反応を終
了させた。
反応終了に際しては、オートクレーブをゆっくり撹拌
しながら圧力を開放し、この際氷/塩冷却の蛇管式トラ
ップ内にガスを通すと、91.6gの透明な液体が得られ
た。この液体を氷水で数回洗浄し、蒸留すると、沸点28
〜29℃の無色透明な液体が36.6g(収率29.1%)得られ
た。この液体は、下記の分析結果から、CF3OCH2CH=CH2
の構造を有する化合物であると同定された。
しながら圧力を開放し、この際氷/塩冷却の蛇管式トラ
ップ内にガスを通すと、91.6gの透明な液体が得られ
た。この液体を氷水で数回洗浄し、蒸留すると、沸点28
〜29℃の無色透明な液体が36.6g(収率29.1%)得られ
た。この液体は、下記の分析結果から、CF3OCH2CH=CH2
の構造を有する化合物であると同定された。
GC−MSスペクトル: M/e 126(分子イオン) M/e 41 +CH2CH=CH2 1 H−NMR: 4.50ppm 5.95ppm 5.27ppm 5.40ppm13 C−NMR(完全デカップリング): 69.2ppm 132.1ppm 119.6ppm 123.1ppm (4本に分裂)19 F−HMR(CF3COOH基準): +20ppm(CF3−) 赤外線吸収スペクトル: 1660cm-1(−CH2CH=CH2) 実施例2 実施例1において、カルボニルフロライドの代わりに
アセチルフロライド116gを用い、臭化アリル133gを加え
てから、50〜60℃で24時間反応を続けた。その間、圧力
は3〜5kg/cm2であった。トラップに回収された140gの
液体を、水洗後蒸留すると、沸点48〜50℃の透明な液体
が66.9g(収率38.0%)得られた。この液体は、実施例
と同様の各種分析の結果、CF3CF2OCH2CH=CH2の構造を
有する化合物であると同定された。
アセチルフロライド116gを用い、臭化アリル133gを加え
てから、50〜60℃で24時間反応を続けた。その間、圧力
は3〜5kg/cm2であった。トラップに回収された140gの
液体を、水洗後蒸留すると、沸点48〜50℃の透明な液体
が66.9g(収率38.0%)得られた。この液体は、実施例
と同様の各種分析の結果、CF3CF2OCH2CH=CH2の構造を
有する化合物であると同定された。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式 CF3(CF2)nOCH2CR=CH2 [I] (ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは0
または1である)で表わされる含フッ素アリルエーテ
ル。 - 【請求項2】一般式F(CF2)nCOF(ここで、nは0ま
たは1である)で表わされるフロライド化合物、アルカ
リ金属フロライドおよび(メタ)アリルハライドを反応
させることを特徴とする一般式 CF3(CF2)nOCH2CR=CH2 [I] (ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは0
または1である)で表わされる含フッ素アリルエーテル
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6542190A JP2772846B2 (ja) | 1990-03-15 | 1990-03-15 | 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6542190A JP2772846B2 (ja) | 1990-03-15 | 1990-03-15 | 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03264545A JPH03264545A (ja) | 1991-11-25 |
JP2772846B2 true JP2772846B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=13286582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6542190A Expired - Lifetime JP2772846B2 (ja) | 1990-03-15 | 1990-03-15 | 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2772846B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007083740A1 (ja) | 2006-01-20 | 2007-07-26 | Toyo Tanso Co., Ltd. | フッ素又は三フッ化窒素を製造するための電解装置 |
DE102008024221A1 (de) * | 2008-05-19 | 2009-11-26 | Merck Patent Gmbh | Herstellung von CF3O-Gruppen enthaltenden Verbindungen |
CN102211983B (zh) * | 2011-04-08 | 2013-03-20 | 北京宇极科技发展有限公司 | 全氟甲基乙烯基醚的制备方法 |
DE102014115381B4 (de) | 2014-10-22 | 2017-12-28 | Abcr Gmbh | Verfahren zur Trifluoromethoxylierung |
-
1990
- 1990-03-15 JP JP6542190A patent/JP2772846B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03264545A (ja) | 1991-11-25 |
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