JPH1112204A - 9,10−ジクロロアントラセン類および9,10−ジハロアントラセン類の製造方法 - Google Patents

9,10−ジクロロアントラセン類および9,10−ジハロアントラセン類の製造方法

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JPH1112204A
JPH1112204A JP16917097A JP16917097A JPH1112204A JP H1112204 A JPH1112204 A JP H1112204A JP 16917097 A JP16917097 A JP 16917097A JP 16917097 A JP16917097 A JP 16917097A JP H1112204 A JPH1112204 A JP H1112204A
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dichloroanthracene
atom
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reaction
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JP16917097A
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Yoko Takebe
洋子 武部
Hidenobu Murofushi
英伸 室伏
Takashi Okazoe
隆 岡添
Kimiaki Kashiwagi
王明 柏木
Masayuki Tamura
正之 田村
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規化合物である9,10−ジクロロアントラ
セン類の提供、および9,10−ジハロアントラセン類
の製造方法の提供。 【解決手段】9,9,10,10−テトラクロロ−9,
10−ジヒドロアントラセン類(ただし9,9,10,
10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラセン
を除く)を溶媒中で脱塩素化剤と反応させ、対応する
9,10−ジクロロアントラセン類を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、9,10−ジクロ
ロアントラセン類および9,10−ジハロアントラセン
類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】9,10−ジクロロアントラセンの製造
方法は、(1)アントロンを五塩化リンを用いて塩素化
する方法(J.Chem.Soc.,1923,123,2007) 、(2)9,
9,10,10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロア
ントラセンを、亜鉛または銅を用いて脱塩素化する方法
(Liebigs Ann.Chem.,1913,396,178)が知られている。
【0003】デカフルオロアントラセンの製造方法は、
(3)1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオ
ロアントラキノンをSF4 とHFでフッ素化して、1,
2,3,4,5,6,7,8,9,9,10,10−ド
デカフルオロ−9,10−ジヒドロアントラセンとした
のち、亜鉛を用いて脱フッ素化する方法(J.Chem.Soc.Ch
em.Commun.,1982,534)、(4)アントラセンをKCoF
4 でフッ素化して、Fe2 CO3 で脱フッ素化する方法
(Tetrahedron,1974,3499) が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】9,10−ジクロロア
ントラセン類の合成方法は上述(1)、(2)の9,1
0−ジクロロアントラセンの合成方法が報告されている
のみであって、9,10−ジクロロアントラセン以外の
9,10−ジクロロアントラセン類の合成報告例はな
い。
【0005】また、デカフルオロアントラセンの製造方
法において、上述(3)および(4)の方法の反応温度
がそれぞれ360℃以上および410℃以上と高温であ
り、非常に危険であるため工業的生産が容易ではない。
【0006】本発明は従来知られていなかった9,10
−ジクロロアントラセン類およびその製法を新規に提供
し、またデカフルオロアントラセンの実施容易な製造方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の(A)
〜(C)の発明である。 (A)下記一般式(1)[式中、R1 〜R8 はそれぞれ
独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ
基、アルコキシ基またはアルキル基であり(ただし、R
1 〜R8 がすべて水素原子である場合を除く)、R9
よびR10は塩素原子である。]で表される9,10−ジ
クロロアントラセン類。
【0008】
【化4】
【0009】(B)下記一般式(2)[式中、R1 〜R
8 はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、
ヒドロキシ基、アルコキシ基またはアルキル基であり
(ただし、R1 〜R8 がすべて水素原子である場合を除
く)、R9 およびR10は塩素原子である。]で表される
9,9,10,10−テトラクロロ−9,10−ジヒド
ロアントラセン類を溶媒中で脱塩素化剤と反応させるこ
とを特徴とする前記一般式(1)で表される9,10−
ジクロロアントラセン類の製造方法。
【0010】
【化5】
【0011】(C)前記一般式(1)で表される9,1
0−ジクロロアントラセン類を非プロトン性溶媒中でフ
ッ素化剤と反応させることを特徴とする下記一般式
(3)[式中、R1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原子、
フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基ま
たはアルキル基である(ただし、R1 〜R8 がすべて水
素原子である場合を除く)。]で表される9,10−ジ
フルオロアントラセン類の製造方法。
【0012】
【化6】
【0013】本発明により得られる9,10−ジハロア
ントラセン類は前記一般式(1)で表され、機能性材料
の添加剤またはその前駆体として、きわめて有用な化合
物である。例えば含フッ素樹脂中などに配合して、紫外
線吸収性やエキシマレーザーの吸収性を付与できる。
【0014】一般式(1)で表される9,10−ジクロ
ロアントラセン類において、R1 〜R8 がすべて水素原
子である場合は除かれ、かつR1 〜R8 はそれぞれ独立
に水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基またはアルキル基であり、かつR9 およびR
10は塩素原子である。
【0015】一般式(1)で表される9,10−ジクロ
ロアントラセン類の好ましい例は、R1 〜R8 の1つ以
上がフッ素原子または塩素原子である化合物である。よ
り好ましい例は、R1 〜R8 のすべてがフッ素原子また
は塩素原子である化合物である。すなわち、R1 〜R8
のすべてがフッ素原子であるか、R1 〜R8 のすべてが
塩素原子であるか、またはR1 〜R8 の一部がフッ素原
子でありかつR1 〜R8 の残りが塩素原子である。最も
好ましい例は1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
フルオロ−9,10−ジクロロアントラセンである。
【0016】一般式(1)で表される9,10−ジクロ
ロアントラセン類において、アルキル基は直鎖状または
分岐状のいずれでもよく、炭素数1〜6のアルキル基が
好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキ
シル基などが挙げられる。
【0017】一般式(1)で表される9,10−ジクロ
ロアントラセン類において、アルコキシ基としては直鎖
状または分岐状のいずれでもよく、炭素数1〜6のアル
コキシ基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4の
アルコキシ基である。具体的にはメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0018】一般式(2)で表される9,9,10,1
0−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラセン類
を溶媒中で脱塩素化剤と反応させることにより一般式
(1)で表される9,10−ジクロロアントラセン類が
得られる(以下、第1の反応という)。
【0019】一般式(2)で表される化合物において、
1 〜R8 がすべて水素原子である場合は除かれ、かつ
1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩
素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基または低級アルキ
ル基である。
【0020】一般式(2)で表される化合物の好ましい
例は、R1 〜R8 の1つ以上がフッ素原子または塩素原
子である化合物である。より好ましい例は、R1 〜R8
のすべてがフッ素原子または塩素原子である化合物であ
る。すなわち、R1 〜R8 のすべてがフッ素原子である
か、R1 〜R8 のすべてが塩素原子であるか、またはR
1 〜R8 の一部がフッ素原子でありかつR1 〜R8 の残
りが塩素原子である。最も好ましい例は1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタフルオロ−9,9,10,
10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラセン
である。一般式(2)で表される化合物におけるアルキ
ル基とアルコキシ基は一般式(1)で表される化合物に
おけるアルキル基とアルコキシ基と同様である。
【0021】第1の反応において、原料である一般式
(2)で表される化合物におけるR1〜R8 と生成物で
ある一般式(1)で表される化合物におけるR1 〜R8
とは対応する。
【0022】一般式(2)で表される化合物は、下記一
般式(4)[式中、R1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原
子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ
基またはアルキル基である(ただし、R1 〜R8 がすべ
て水素原子である場合を除く)。]で表されるアントラ
キノン類を五塩化リンおよび/またはフェニルホスホン
酸ジクロリドなどの塩素化剤と反応させることにより得
られる。
【0023】
【化7】
【0024】脱塩素化剤としては、亜鉛、銅、アルミニ
ウムなどの金属が好ましく、これらの金属は1種単独で
使用してもよく2種以上併用してもよい。これらの金属
のうち、特に亜鉛が好ましい。亜鉛を使用する際は、亜
鉛の活性化剤を反応系内に存在させることが好ましい。
【0025】第1の反応に使用する脱塩素化剤の反応モ
ル数は、9,9,10,10−テトラクロロ−9,10
−ジヒドロアントラセン類1モルに対して1〜2モルが
好ましく、より好ましくは1〜1.5モルである。亜鉛
の活性化剤の存在量は9,9,10,10−テトラクロ
ロ−9,10−ジヒドロアントラセン類1モルに対して
0.001〜1モルが好ましく、より好ましくは0.0
1〜0.1モルである。
【0026】溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)などの非プロトン性溶媒やアルコール類が
好ましく、特にDMFが好ましい。亜鉛の活性化剤とし
ては1,2−ジブロモエタン、トリアルキルシリルクロ
リド、塩化亜鉛などがあり、1,2−ジブロモエタンが
好ましい。
【0027】反応温度は10℃〜溶媒の沸点温度で行う
のが好ましい。反応圧力は通常常圧で行う。第1の反応
は、原料の入った反応溶媒中に亜鉛を添加した後、亜鉛
の活性化剤を添加する方法が好ましい。使用する亜鉛は
分割して添加し、原料が消失した時点で、亜鉛の添加を
終了する方法が好ましい。第1の反応の反応時間は通常
3〜24時間である。
【0028】第1の反応の後処理方法としては、水を添
加して反応を終了させた後、トルエンで希釈する方法が
好ましい。トルエンで抽出するが、その前に一度濾過す
るのが好ましい。トルエン層を濃縮して得られる固体を
再結晶によって精製する。再結晶溶媒としてはクロロホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素類、パーフルオロ(2−
ブチルテトラヒドロフラン)などのテトラヒドロフラン
類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、アセトンなどの
ケトン類などを用いうる。
【0029】一般式(1)で表される9,10−ジクロ
ロアントラセン類を非プロトン性溶媒中でフッ化アルカ
リなどのフッ素化剤と反応させることにより一般式
(3)で表される9,10−ジフルオロアントラセン類
が得られる(以下、第2の反応という)。
【0030】一般式(3)で表される化合物において、
1 〜R8 がすべて水素原子である場合は除かれ、かつ
1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩
素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基または低級アルキ
ル基である。
【0031】一般式(3)で表される化合物の好ましい
例は、R1 〜R8 の1つ以上がフッ素原子または塩素原
子である化合物である。より好ましい例は、R1 〜R8
のすべてがフッ素原子または塩素原子である化合物であ
る。すなわち、R1 〜R8 のすべてがフッ素原子である
か、R1 〜R8 のすべてが塩素原子であるか、またはR
1 〜R8 の一部がフッ素原子でありかつR1 〜R8 の残
りが塩素原子である。最も好ましい例は1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタフルオロ−9,10−ジフ
ルオロアントラセンである。一般式(3)で表される化
合物におけるアルキル基とアルコキシ基は一般式(1)
で表される化合物におけるアルキル基とアルコキシ基と
同様である。
【0032】第2の反応において、原料である一般式
(1)で表される化合物におけるR1〜R8 と生成物で
ある一般式(3)で表される化合物におけるR1 〜R8
とは対応する。
【0033】非プロトン性溶媒としては、DMF、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、N−メチ
ル−2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンなどが挙げられ、特にスルホランが好まし
い。また、フッ化アルカリとしてはフッ化カリウムが好
ましい。
【0034】第2の反応は、反応を行う前に共沸脱水を
行い、完全に水分を留出させておくことが望ましい。共
沸溶媒としては水と共沸する溶媒であればよく、トルエ
ンが好ましい。反応溶液を通常は100〜150℃、好
ましくは130〜140℃に加熱して、共沸脱水を行
う。共沸脱水は窒素雰囲気下で行うことが望ましい。水
が留出しなくなった後、反応を開始することが好まし
い。
【0035】第2の反応の反応温度は、通常110〜2
30℃、好ましくは140〜210℃である。反応は窒
素雰囲気下で行うことが望ましく、反応時間は通常1〜
5時間、好ましくは1〜2時間である。
【0036】第2の反応の後処理は反応溶液の温度を室
温に戻してから行うのがよい。反応液に水を添加する
と、固体が析出するが、添加する水の量や固体の洗浄の
水は多い方がよい。得られる固体は再結晶により精製で
きる。再結晶溶媒としては、第1の反応におけるものと
同様なものが使用できる。
【0037】
【実施例】
例1(参考例) 「1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,9,10,10−テトラクロロ−9,10−ジヒド
ロアントラセンの合成」パーフルオロアントラキノン1
6.6g、五塩化リン35.50g、フェニルホスホン
酸ジクロリド64ccを300ccのガラスフラスコに
仕込み、140℃で90分加熱撹拌した。
【0038】その後170℃に昇温して1時間撹拌した
のち、反応溶液を100ccのトルエンで希釈して飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液800ccで中和した。トル
エン700ccで抽出して、トルエン層を硫酸マグネシ
ウムで乾燥したのち、濾過、濃縮すると、黄色固体の
1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,9,10,10−テトラクロロ−9,10−ジヒド
ロアントラセンが19.5g得られた。これをクロロホ
ルムから再結晶して無色薄片状の結晶を得た。
【0039】例2(実施例) 「1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,10−ジクロロアントラセンの合成」例1で得られ
た1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,9,10,10−テトラクロロ−9,10−ジヒド
ロアントラセン10.2gとDMF100ccを500
ccのガラスフラスコに入れ室温で撹拌した。そこに亜
鉛0.23gを添加した後、続いて1,2−ジブロモエ
タン18cc滴下した。
【0040】この操作を2時間後にもう一度行い、さら
に1時間後に亜鉛0.4gを15分おきに3回添加した
後、1,2−ジブロモエタン74ccを滴下した。17
時間後、亜鉛0.11gを追加し、さらに20時間後に
亜鉛0.22gを追加して反応を完結させた。
【0041】反応溶液に水を添加して反応を終了させ、
トルエンで希釈した。この溶液を濾過したのち濾液をト
ルエンで抽出し、トルエン層を硫酸マグネシウムで乾燥
した後、濾過、濃縮して粗生成物の1,2,3,4,
5,6,7,8−オクタフルオロ−9,10−ジクロロ
アントラセンが7.44g得られた。これをTHFで再
結晶した後、さらにアセトンで再結晶を行うことによっ
て1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,10−ジクロロアントラセン3.13gが黄色針状
結晶として得られた[mp.172℃、19F NMR
(CDCl3 )δ(ppm):−134.5(d,J=
11.5Hz),−149.8(d,J=11.5H
z)]。
【0042】例3(実施例) 「1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,10−ジクロロアントラセンの合成」1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタフルオロ−9,9,10,
10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラセン
2.0gとメタノール15ccを100ccのガラスフ
ラスコに入れ50℃に加熱した。そこに、亜鉛を0.3
2gを添加したのち続いて塩化亜鉛を2mg添加して
た。反応溶液を還流温度で2時間加熱した。例2と同様
の後処理を行い、1,2,3,4,5,6,7,8−オ
クタフルオロ−9,10−ジクロロアントラセンを1.
45g得た。
【0043】例4(実施例) 「1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,10−ジクロロアントラセンの合成」1,2,3,
4,5,6,7,8−オクタフルオロ−9,9,10,
10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラセン
0.49gと亜鉛0.11gを50ccのガラスフラス
コに入れ、反応容器の乾燥を行い、アルゴン置換した。
そこへDMF15ccを添加し室温で3時間撹拌した。
例2と同様の後処理を行い、1,2,3,4,5,6,
7,8−オクタフルオロ−9,10−ジクロロアントラ
センを0.25g得た。
【0044】例5(実施例) 「デカフルオロアントラセンの合成方法」例2で製造し
た1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロ−
9,10−ジクロロアントラセン1.96gとフッ化カ
リウム0.97g、スルホラン5ccおよびトルエン2
5ccを冷却管付きの溶媒トラップをつけた50ccの
ガラスフラスコに仕込んだ。窒素雰囲気下で反応溶液を
130℃に加熱した。約1時間後145℃に昇温し、系
内の水分を完全に留出させたのち、残存トルエンを留出
した。
【0045】その後、200℃に昇温した。1時間後原
料が消失したため、反応溶液を放冷し、室温まで冷却さ
れたら、水を100cc添加した。固体が析出したた
め、濾過して水で洗浄して、茶色の土状固体が1.48
g得られた。クロロホルムで再結晶したのち、得られた
結晶をさらにパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフ
ラン)で再結晶することによってデカフルオロアントラ
セン0.51gが黄色結晶として得られた。
【0046】
【発明の効果】本発明の9,10−ジクロロアントラセ
ン類は機能性材料の添加剤またはその前駆体としてきわ
めて有用な化合物である。この9,10−ジクロロアン
トラセン類は、9,9,10,10−テトラクロロアン
トラセン類と脱塩素化剤の反応により低温にて高収率で
得られる。
【0047】従来工業的生産が容易でなかったデカフル
オロアントラセンを1,2,3,4,5,6,7,8−
オクタフルオロ−9,10−ジクロロアントラセンのフ
ッ素化により容易に製造できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 41/22 C07C 41/22 41/24 41/24 43/225 43/225 C 43/23 43/23 E (72)発明者 柏木 王明 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 田村 正之 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)[式中、R1 〜R8 はそれぞ
    れ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ
    基、アルコキシ基またはアルキル基であり(ただし、R
    1 〜R8 がすべて水素原子である場合を除く)、R9
    よびR10は塩素原子である。]で表される9,10−ジ
    クロロアントラセン類。 【化1】
  2. 【請求項2】一般式(1)におけるR1 〜R8 の1つ以
    上がフッ素原子または塩素原子である請求項1に記載の
    9,10−ジクロロアントラセン類。
  3. 【請求項3】1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
    フルオロ−9,10−ジクロロアントラセン。
  4. 【請求項4】一般式(2)[式中、R1 〜R8 はそれぞ
    れ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシ
    基、アルコキシ基またはアルキル基であり(ただし、R
    1 〜R8 がすべて水素原子である場合を除く)、R9
    よびR10は塩素原子である。]で表される9,9,1
    0,10−テトラクロロ−9,10−ジヒドロアントラ
    セン類を溶媒中で脱塩素化剤と反応させることを特徴と
    する請求項1、2または3に記載の9,10−ジクロロ
    アントラセン類の製造方法。 【化2】
  5. 【請求項5】溶媒が非プロトン性溶媒またはアルコール
    類であり、脱塩素化剤が亜鉛である請求項4に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2または3に記載の9,10−
    ジクロロアントラセン類を非プロトン性溶媒中でフッ素
    化剤と反応させることを特徴とする一般式(3)[式
    中、R1 〜R8 はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原
    子、塩素原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基またはアル
    キル基である(ただし、R1 〜R8 がすべて水素原子で
    ある場合を除く)。]で表される9,10−ジフルオロ
    アントラセン類の製造方法。 【化3】
JP16917097A 1997-06-25 1997-06-25 9,10−ジクロロアントラセン類および9,10−ジハロアントラセン類の製造方法 Pending JPH1112204A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100479805B1 (ko) * 2002-08-07 2005-03-30 동우 화인켐 주식회사 9,10-디클로로안트라센 유도체의 제조 방법
JP2010251311A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Fujifilm Corp 有機電界発光素子及び有機電界発光素子の製造方法
JP2019048791A (ja) * 2017-09-12 2019-03-28 富士通株式会社 化合物、化合物の製造方法、グラフェンナノリボンの製造方法、グラフェンナノリボン及び半導体装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100479805B1 (ko) * 2002-08-07 2005-03-30 동우 화인켐 주식회사 9,10-디클로로안트라센 유도체의 제조 방법
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