JP2022048291A - ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンの製造方法 - Google Patents

ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンを効率よく高収率で製造できる新規な製造方法の提供。【解決手段】一般式(2):R1CF2CH2I(式中、R1は炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)で表されるヨウ化フルオロアルカンの製造方法であって、一般式(1):R1CF2CH2OH(式中、R1は炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)で表される含フッ素アルキルアルコールを、トリフェニルホスフィンの存在下、溶媒中で、ヨウ素と反応させる工程を含み、前記溶媒が、硫黄原子を含有する化合物及びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法。【選択図】なし

Description

本開示は、ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンの製造方法に関する。
フルオロオレフィンである2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(HFO-1336mcyf)は、次世代冷媒として有望視されている。HFO-1336mcyfは、例えば、ヨウ化フルオロアルカンである1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-4-ヨードブタン(IHFB)から製造することができる。
IHFBの製造方法としては、例えば、まず、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノール(7FB)をp-トルエンスルホニルクロライドと反応させて、1,1-ジ-H-パーフルオロブチルp-トルエンスルホネートを得、次に、これとNaIをジエチレングリコール中で、反応容器温度が220℃になるまで加熱して、反応させる方法が知られている(非特許文献1)。
IHFBの他の製造方法としては、例えば、まず、7FBを1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(HMDS)と反応させて、CCHOSiMeを得、次に、これにPhPIClを加えてヘキサン中で還流後、溶媒を留去し、得られた粉末を160~190℃で熱分解させる方法が知られている(非特許文献2)。
他のヨウ化フルオロアルカンの製造方法としては、例えば、HCF(CFCHOH又はHCF(CFCHOHと、トリフェニルホスフィン、イミダゾール及びヨウ素とを、ジエチルエーテルとアセトニトリルの混合溶媒中で、反応させる方法が知られている(非特許文献3)。
J.Am.Chem.Soc.,1953,75(23),5978-5979 Tetrahedron Letters,1994,35(12),1941-1944 Arkivoc 2017, part ii, 421-432
本開示は、ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンを効率よく高収率で製造できる新規な製造方法を提供することを目的とする。
項1.一般式(2):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるヨウ化フルオロアルカンの製造方法であって、
一般式(1):RCFCHOH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表される含フッ素アルキルアルコールを、トリフェニルホスフィンの存在下、溶媒中で、ヨウ素と反応させる工程を含み、
前記溶媒が、硫黄原子を含有する化合物及びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法。
項2.前記溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)及びN-メチルピロリドン(NMP)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、項1に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
項3.前記Rが炭素数1~2のパーフルオロアルキル基である、項1又は2に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
項4.前記含フッ素アルキルアルコール1モルに対して、1.5~5モルのヨウ素を反応させる、項1~3のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
項5.前記ヨウ素と反応させる工程を40~150℃の温度で行う、項1~4のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
項6.一般式(3):RCF=CH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるフルオロオレフィンの製造方法であって、
項1~5のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法により得られたヨウ化フルオロアルカンを、触媒の存在下で脱ハロゲン化する工程
を含む、製造方法。
項7.一般式(2):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるヨウ化フルオロアルカン、及び/又は、
一般式(3):RCF=CH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるフルオロオレフィンを含み、
さらに、一般式(4):RCFCHOC(=O)R
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表し、Rは-H又は炭素数1~3のアルキル基を表す)
で表される化合物、及び/又は、
一般式(5):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表される化合物を含む、組成物。
項8.前記一般式(4)で表される化合物及び前記一般式(5)で表される化合物の合計含有量が、組成物全体の20質量%以下である、項7に記載の組成物。
本開示により、ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンを効率よく高収率で製造できる新規な製造方法が提供される。
本開示は、以下の実施形態を含む。
本開示は、一般式(2):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるヨウ化フルオロアルカンの製造方法であって、
一般式(1):RCFCHOH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表される含フッ素アルキルアルコールを、トリフェニルホスフィンの存在下、溶媒中で、ヨウ素と反応させる工程を含み、
前記溶媒が、硫黄原子を含有する化合物及びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法に関する。
上記一般式(1)において、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す。炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、炭素数1~10のアルキル基において1つ以上の-Hが-Fで置換されたものであれば特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。また、炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、炭素数1~10のパーフルオロアルキル基が好ましく挙げられる。
炭素数1~10の直鎖状及び分岐鎖状のパーフルオロアルキル基としては、例えば、-CF、-C、-C、-C、-C11、-C13、-C15、-C17、-C19、-C1021等の-C2n+1(n=1~10)等が挙げられる。炭素数1~10の環状のパーフルオロアルキル基としては、例えば、-C、-C、-C、-C11、-C13、-C15、-C17、-C1019等の-C2n-1(n=1~10)等が挙げられる。
また、ヨウ化フルオロアルカンを合成しやすく(高い反応効率で)、高収率で得る観点から、Rの炭素数は、1~3が好ましく、1~2がより好ましく、2が特に好ましい。
このように、炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、炭素数1~3のパーフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1~2のパーフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数2のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。
上記一般式(1)で表される含フッ素アルキルアルコールとしては、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノール(7FB)が特に好ましい。
上記一般式(2)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、上述の一般式(1)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基の例示(好ましい例示等も含む)と同じものが挙げられる。
上記一般式(2)で表されるヨウ化フルオロアルカンとしては、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-4-ヨードブタン(IHFB)が特に好ましい。
上記ヨウ素化反応工程(ヨウ素と反応させる工程)で用いられる溶媒は、硫黄原子を含有する化合物及びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。当該溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄原子(S)を含有する化合物等が挙げられる。
当該溶媒は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
上記溶媒としては、ヨウ化フルオロアルカンを合成しやすく(高い反応効率で)、高収率で得る観点から、アミドを含むことが好ましく;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)及びN-メチルピロリドン(NMP)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)及びN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがさらに好ましく;N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)を含むことが特に好ましい。
なお、上記ヨウ素化反応においては、まずトリフェニルホスフィン(PPh)とヨウ素(I)の反応による塩:[PhPI]が生成する。続いて、塩:[PhPI]と一般式(1)の含フッ素アルキルアルコールが反応して、塩:[RCFCHO-PPhが生成し、最後にヨウ化物イオンの求核置換反応(SN2反応)によりヨウ化フルオロアルカンが得られる。ここで、上記溶媒がアミドである場合は、上記各塩(活性種)の溶解性がより向上するため、含フッ素アルキルアルコールと上記塩(活性種)の反応、及び/又は、ヨウ化物イオンの求核置換反応(SN2反応)の反応性がより向上し、ヨウ化フルオロアルカンがより高い収率で得られると考えられる。
また、ヨウ素及びトリフェニルホスフィンの使用量を増やすことによっても、上記各塩(活性種)の生成量を増やすことができ、ひいてはヨウ化フルオロアルカンの収率を向上させることができる。
上記ヨウ素化反応において、ヨウ素の使用量は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、含フッ素アルキルアルコール1モルに対して、1.5~5モルが好ましく、2~4モルがより好ましく、2.5~3.0モルがさらに好ましい。
上記ヨウ素化反応において、トリフェニルホスフィンの使用量は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、含フッ素アルキルアルコール1モルに対して、1.5~5モルが好ましく、2~4モルがより好ましく、2.5~3.0モルがさらに好ましい。
上記ヨウ素化反応においては、反応系に塩基を添加することもできる。当該塩基は、ヨウ素化反応に特に影響を与えず、副生成物のHIを除去することができる。
当該塩基としては、特に限定されず、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;カリウムtert-ブトキシド、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等のアミン;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩等が挙げられる。これら塩基は、単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、副生成物の除去等の観点から、アミンが好ましく、イミダゾール等の芳香族アミンがより好ましい。
当該塩基を使用する場合、その使用量は、特に限定されないが、副生成物の除去等の観点から、含フッ素アルキルアルコール1モルに対して、1.0~5モルが好ましく、1.0~4モルがより好ましく、1.0~3.0モルがさらに好ましい。
上記ヨウ素化反応の反応温度は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、40~150℃が好ましく、50~140℃がより好ましく、80~120℃がさらに好ましい。
上記ヨウ素化反応の反応圧力は、特に限定されず、常圧(大気圧)で反応を行うことができる。
上記ヨウ素化反応の反応時間は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、0.1~240時間が好ましく、0.3~24時間がより好ましく、1~8時間がさらに好ましい。
上記ヨウ素化反応後、得られたヨウ化フルオロアルカンを精製することもできる。
精製方法としては、特に限定されないが、例えば、反応後の溶液に、溶媒(例えば水等)を添加して分液することにより、水層に未反応のヨウ素を分離回収し、また、有機層を蒸留してヨウ化フルオロアルカンを得る方法等が挙げられる。
従来のヨウ化フルオロアルカンの製造方法は、高温条件を必要としたり、多段階反応を経由したり、基質により反応が進みにくい等、目的物の収率が必ずしも高くなく、スケールアップも容易ではないものであった。
しかし、本開示のヨウ化フルオロアルカンの製造方法は、マイルドな条件下の1段階反応であるため、ヨウ化フルオロアルカンを効率よく高収率で製造することができ、またスケールアップも容易である。
また、本開示は、一般式(3):RCF=CH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるフルオロオレフィンの製造方法であって、
上述のヨウ化フルオロアルカンの製造方法により得られたヨウ化フルオロアルカンを、触媒の存在下で脱ハロゲン化する工程
を含む、製造方法に関する。
上記一般式(3)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、上述の一般式(1)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基の例示(好ましい例示等も含む)と同じものが挙げられる。
上記一般式(3)で表されるフルオロオレフィンとしては、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(HFO-1336mcyf)が特に好ましい。
当該フルオロオレフィンの製造方法において、ヨウ化フルオロアルカンの製造工程は上述のとおりである。
また、上記ヨウ素化反応工程により中間体のヨウ化フルオロアルカンを製造後、ヨウ化フルオロアルカンを精製してから次の脱ハロゲン化工程に用いてもよいし、ヨウ化フルオロアルカンを精製することなく次の脱ハロゲン化工程に用いてもよい。
脱ハロゲン化工程において、触媒としては、特に限定されないが、例えば遷移金属が好ましく挙げられる。
遷移金属としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、銅、スズ、水銀、亜鉛合金等が挙げられる。上記亜鉛合金としては、例えば、Zn/Cu、Zn/Sn、Zn/Hg等が挙げられる。当該遷移金属は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
なお、亜鉛粉末は、酸化物で覆われていたり、表面に薄い酸化被膜を形成し得るため、触媒として用いる際は、酸化物等を取り除いて活性な表面を出すことが好ましい。酸化被膜除去剤としては、亜鉛粒子表面の酸化被膜を除去することができ、その後の反応へ影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。当該酸化被膜除去剤としては、例えば、1,2-ジヨードエタン、1,2-ジブロモエタン、1,2-ジクロロエタン等のジハロゲン化炭化水素;クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、テトラクロロシラン等のハロゲン化シラン;水、塩化水素、塩化水素のジエチルエーテル溶液、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素・ジブチルエーテル錯体、ジエチルアルミニウムクロリド等が挙げられる。
上記亜鉛粒子の粒子径は、溶媒中での分散性の観点から、3mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましく;亜鉛粒子の取扱性及び生成物との分離容易性の観点から、1μm以上が好ましい。なお、亜鉛粒子の粒子径とは、レーザー回折法により測定した値である。
脱ハロゲン化工程においては、溶媒を使用することができる。当該溶媒としては、特に限定されないが、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチルピロリドン(NMP)等のアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄原子を含有する化合物;水等が挙げられる。
当該溶媒は、1種で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
上記溶媒において、フルオロオレフィンの合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、好ましくはエーテルとアミドであり、より好ましくはTHFとDMAである。
上記脱ハロゲン化反応の反応温度は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、20~200℃が好ましく、30~180℃がより好ましく、50~160℃がさらに好ましい。
上記脱ハロゲン化反応の反応圧力は、特に限定されず、常圧(大気圧)で反応を行うことができる。
上記脱ハロゲン化反応の反応時間は、特に限定されないが、目的物の合成のしやすさ(反応効率等)及び収率等の観点から、10分間~48時間が好ましく、30分間~24時間がより好ましく、1~10時間がさらに好ましい。
上記脱ハロゲン化反応後、得られたフルオロオレフィンを精製することもできる。
精製方法としては、特に限定されないが、例えば通常行われる蒸留・精留により分離回収して精製する方法;ろ過、分液により精製する方法;前記方法を組み合わせて精製する方法等が挙げられる。また、精製の際に溶媒を回収して、再度使用することもできる。
当該フルオロオレフィンの製造方法は、中間体のヨウ化フルオロアルカンを効率よく高収率で得ることのできる上記ヨウ化フルオロアルカンの製造方法に引き続いて行われるため、フルオロオレフィンを効率よく高収率で製造することができる。
さらに、本開示は、一般式(2):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるヨウ化フルオロアルカン、及び/又は、
一般式(3):RCF=CH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表されるフルオロオレフィンを含み、
さらに、一般式(4):RCFCHOC(=O)R
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表し、Rは-H又は炭素数1~3のアルキル基を表す)
で表される化合物、及び/又は、
一般式(5):RCFCH
(式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
で表される化合物を含む、組成物に関する。
一般式(2)~(5)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基としては、上述の一般式(1)におけるRの炭素数1~10の含フッ素アルキル基の例示(好ましい例示等も含む)と同じものが挙げられる。
また、一般式(4)におけるRの炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、好ましくはメチル基である。
上記一般式(4)で表される化合物は、例えばヨウ素化反応の際に副生し、上記一般式(5)で表される化合物は、例えば脱ハロゲン化反応の際に副生する。
一般式(4)で表される化合物及び一般式(5)で表される化合物の合計含有量は、ヨウ化フルオロアルカン及び/又はフルオロオレフィンをより多く含む観点から、組成物全体の20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
上記組成物は、例えば中間体成分や冷媒等として好ましく用いることができる。
例えば、一般式(2)で表されるヨウ化フルオロアルカンの含有量が多く(例えば組成物全体の80質量%以上)、一般式(4)で表される化合物の含有量が少ない(例えば組成物全体の20質量%以下)組成物は、一般式(3)で表されるフルオロオレフィン製造のための中間体成分等として好ましく用いることができる。
例えば、一般式(3)で表されるフルオロオレフィンの含有量が多く(例えば組成物全体の80質量%以上)、一般式(5)で表される化合物の含有量が少ない(例えば組成物全体の20質量%以下)組成物は、冷媒等として好ましく用いることができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以下に、実施例を挙げてさらに詳細に説明する。ただし、本開示は、これら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1-ブタノール(7FB)を50.06g(0.25モル)、ヨウ素190.23g(0.75モル)、トリフェニルホスフィン196.60g(0.75モル)、イミダゾール17.21g(0.25モル)を、212mlのN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)に添加し、混合した。この混合液を120℃で6時間撹拌して反応させた。反応物を減圧蒸留(圧力0.04kPa、オイルバス温度75℃)し、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-4-ヨードブタン(IHFB)を得た。収率は98%であった。副生成物は、酢酸-(1H,1H-ヘプタフルオロブチルエステル)(4%)であった。
(比較例1)
7FBを1.53g(0.77×10-2モル)、ヨウ素2.86g(1.1×10-2モル)、トリフェニルホスフィン2.95g(1.1×10-2モル)、イミダゾール1.53g(2.3×10-2モル)を、3.5mlのジエチルエーテルと6.5mlのアセトニトリルの混合溶媒に添加し、混合した。この混合液を40℃で3時間撹拌して反応させた。しかし、反応は進まず、IHFBを得ることはできなかった。
(比較例2)
7FBを1.52g(0.76×10-2モル)、ヨウ素7.61g(0.03モル)、トリフェニルホスフィン7.87g(0.03モル)を、5.8mlのトリエチレングリコールジメチルエーテルに添加し、混合した。この混合液を120℃で6時間撹拌して反応させた。しかし、反応は進まず、IHFBを得ることはできなかった。
(比較例3)
7FBを1.56g(0.78×10-2モル)、ヨウ素2.88g(1.1×10-2モル)、トリフェニルホスフィン2.96g(1.1×10-2モル)を、5.7mlのテトラヒドロフラン(THF)に添加し、混合した。この混合液を80℃で3時間撹拌して反応させた。しかし、反応は進まず、IHFBを得ることはできなかった。
(実施例2)
IHFB10.02g(0.03モル)、亜鉛粉末(粒子径150μm以下)4.85g(0.07モル)を57mlのN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)に添加し、混合した。この混合液を120℃で撹拌して、1,2-ジブロモエタン0.59g(0.003モル)を添加し、4時間攪拌して反応させ、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(HFO-1336mcyf)を得た。収率は88%であった。副生成物は、1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロブタン(HFC-347ccd)(11%)であった。
(実施例3)
IHFB1.00g(0.003モル)、亜鉛0.42g(0.006モル)を0.99mlのN,N-ジメチルアセトアミド(DMA)と0.99mlの水に添加し、混合した。この混合液を100℃で4時間攪拌して反応させ、HFO-1336mcyfを得た。収率は97%であった。副生成物は、HFC-347ccd(3%)であった。
上記実施例1~3では、本開示の製造方法を用いると、ヨウ化フルオロアルカン及びフルオロオレフィンを効率よく高収率で製造することができた。一方、上記比較例1~3では、原料の含フッ素アルキルアルコールを溶媒中で充分に溶解できないため反応が進まず、目的物のヨウ化フルオロアルカンを得ることができなかった。

Claims (8)

  1. 一般式(2):RCFCH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表されるヨウ化フルオロアルカンの製造方法であって、
    一般式(1):RCFCHOH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表される含フッ素アルキルアルコールを、トリフェニルホスフィンの存在下、溶媒中で、ヨウ素と反応させる工程を含み、
    前記溶媒が、硫黄原子を含有する化合物及びアミドからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法。
  2. 前記溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)及びN-メチルピロリドン(NMP)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
  3. 前記Rが炭素数1~2のパーフルオロアルキル基である、請求項1又は2に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
  4. 前記含フッ素アルキルアルコール1モルに対して、1.5~5モルのヨウ素を反応させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
  5. 前記ヨウ素と反応させる工程を40~150℃の温度で行う、請求項1~4のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法。
  6. 一般式(3):RCF=CH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表されるフルオロオレフィンの製造方法であって、
    請求項1~5のいずれか一項に記載のヨウ化フルオロアルカンの製造方法により得られたヨウ化フルオロアルカンを、触媒の存在下で脱ハロゲン化する工程
    を含む、製造方法。
  7. 一般式(2):RCFCH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表されるヨウ化フルオロアルカン、及び/又は、
    一般式(3):RCF=CH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表されるフルオロオレフィンを含み、
    さらに、一般式(4):RCFCHOC(=O)R
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表し、Rは-H又は炭素数1~3のアルキル基を表す)
    で表される化合物、及び/又は、
    一般式(5):RCFCH
    (式中、Rは炭素数1~10の含フッ素アルキル基を表す)
    で表される化合物を含む、組成物。
  8. 前記一般式(4)で表される化合物及び前記一般式(5)で表される化合物の合計含有量が、組成物全体の20質量%以下である、請求項7に記載の組成物。
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