JP2503550B2 - 新規含フッ素化合物及びその製造方法 - Google Patents
新規含フッ素化合物及びその製造方法Info
- Publication number
- JP2503550B2 JP2503550B2 JP30143687A JP30143687A JP2503550B2 JP 2503550 B2 JP2503550 B2 JP 2503550B2 JP 30143687 A JP30143687 A JP 30143687A JP 30143687 A JP30143687 A JP 30143687A JP 2503550 B2 JP2503550 B2 JP 2503550B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- producing
- same
- containing compound
- fluorinated compound
- novel fluorinated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規含フッ素化合物及びその製造方法に関
するものである。
するものである。
[従来の技術] 本発明の (n=1、2、又は3)は、文献未載の新規化合物であ
り、反応性の異なる二種類の二重結合を有する。このよ
うな例は、CF2=CFOCF2CF=CF2(特公昭60−45619)な
るものが知られていた。また、反応性が同じ程度である
二重結合を二個以上有する化合物は、例えばCF2=CF(CF
2)nCF=CF2,CF2=CF(OCF2CF2)nOCF=CF2なども知られ
ていた。しかし、含フッ素ポリマー中に二重結合からな
る架橋部位を導入するという点では、前者は環化重合し
てしまい残存二重結合は少なく、後者は高濃度では重合
中にゲル化してしまうという欠点があった。
り、反応性の異なる二種類の二重結合を有する。このよ
うな例は、CF2=CFOCF2CF=CF2(特公昭60−45619)な
るものが知られていた。また、反応性が同じ程度である
二重結合を二個以上有する化合物は、例えばCF2=CF(CF
2)nCF=CF2,CF2=CF(OCF2CF2)nOCF=CF2なども知られ
ていた。しかし、含フッ素ポリマー中に二重結合からな
る架橋部位を導入するという点では、前者は環化重合し
てしまい残存二重結合は少なく、後者は高濃度では重合
中にゲル化してしまうという欠点があった。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明の目的は、従来技術が有していた前述の欠点を
解決するための含フッ素化合物を新規に提供するもので
ある。
解決するための含フッ素化合物を新規に提供するもので
ある。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は、第一に、一般式 (n=1、2、又は3) で表わされる新規含フッ素化合物を提供するものであ
り、第二に、一般式 (式中、X及びYは同一又は相異なり、C1,Br,Iから選
ばれる。n=1、2、又は3)で表わされる含フッ素化
合物と脱ハロゲン化剤とを反応させて脱ハロゲンし、一
般式 (n=1、2、又は3) で表わされる新規含フッ素化合物を得ることを特徴とす
る製造方法を新規に提供するものである。
り、第二に、一般式 (式中、X及びYは同一又は相異なり、C1,Br,Iから選
ばれる。n=1、2、又は3)で表わされる含フッ素化
合物と脱ハロゲン化剤とを反応させて脱ハロゲンし、一
般式 (n=1、2、又は3) で表わされる新規含フッ素化合物を得ることを特徴とす
る製造方法を新規に提供するものである。
本発明の新規含フッ素化合物は、例えば次のように合
成することが出来る。
成することが出来る。
即ち、塩化ヨウ素とトリフルオロクロロエチレンを低
温下反応させた後、ラジカル開始剤の存在下にテトラフ
ルオロエチレンを反応させ、発煙硫酸(H2SO4・SO3)等
で酸化する。さらにフッ化セシウム等存在下ヘキサフル
オロプロピレンオキシド(HFPO)を低温下反応させ、熱
分解によりビニルエーテルを生成せしめ、Zn等の脱ハロ
ゲン化剤を用いて脱塩素反応をすることによって含フッ
素モノマーとして有用な本発明の新規含フッ素化合物
(f)を得ることが出来る。
温下反応させた後、ラジカル開始剤の存在下にテトラフ
ルオロエチレンを反応させ、発煙硫酸(H2SO4・SO3)等
で酸化する。さらにフッ化セシウム等存在下ヘキサフル
オロプロピレンオキシド(HFPO)を低温下反応させ、熱
分解によりビニルエーテルを生成せしめ、Zn等の脱ハロ
ゲン化剤を用いて脱塩素反応をすることによって含フッ
素モノマーとして有用な本発明の新規含フッ素化合物
(f)を得ることが出来る。
塩化ヨウ素とトリフルオロクロロエチレンとの反応は
文献記載(J.Am.Chem.Soc.,83,2495(1961))の方法
で、低温下、好ましくは0℃〜−8℃で反応させること
により選択的にCF2ClCFClI(a)が生成する。
文献記載(J.Am.Chem.Soc.,83,2495(1961))の方法
で、低温下、好ましくは0℃〜−8℃で反応させること
により選択的にCF2ClCFClI(a)が生成する。
(a)とテトラフルオロエチレンとの反応は、過酸化
物、アゾ化合物等のラジカル開始剤の存在下に、通常は
20〜150℃、好ましくは60℃〜100℃でテトラフルオロエ
チレンを5気圧以下、好ましくは3気圧以下に保ちなが
ら行うことにより、CF2ClCFClCF2CF2I(b)を得るこ
とが出来る。
物、アゾ化合物等のラジカル開始剤の存在下に、通常は
20〜150℃、好ましくは60℃〜100℃でテトラフルオロエ
チレンを5気圧以下、好ましくは3気圧以下に保ちなが
ら行うことにより、CF2ClCFClCF2CF2I(b)を得るこ
とが出来る。
(b)の酸化反応は、例えば発煙硫酸にて行なうこと
が出来る。発煙硫酸の濃度は任意に選ばれる。反応温度
は、発煙硫酸の濃度により異なるが、例えば60%の時
は、40〜100℃、好ましくは60〜80℃である。
が出来る。発煙硫酸の濃度は任意に選ばれる。反応温度
は、発煙硫酸の濃度により異なるが、例えば60%の時
は、40〜100℃、好ましくは60〜80℃である。
極性溶媒中、金属フッ化物の作用のもとに(c)とヘ
キサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)とを反応させ
ることにより(d)を得ることが出来る。この時の極性
溶媒としては、例えばアセトニトリル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル(ジグライム)、1,4−ジオキ
サン等があげられる。反応温度は50℃〜−20℃、好まし
くは、20℃〜−10℃である。
キサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)とを反応させ
ることにより(d)を得ることが出来る。この時の極性
溶媒としては、例えばアセトニトリル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル(ジグライム)、1,4−ジオキ
サン等があげられる。反応温度は50℃〜−20℃、好まし
くは、20℃〜−10℃である。
(e)のビニルエーテルは、(d)の気相熱分解、も
しくは(d)と水酸化アルカリとを反応させて得られる
カルボン酸アルカリ塩の熱分解により得ることが出来
る。(d)の気相熱分解における反応温度は、250℃〜4
00℃好ましくは280℃〜350℃であり、またカルボン酸ア
ルカリ塩の熱分解における反応温度は、150℃〜300℃、
好ましくは200℃〜280℃である。反応温度が低い場合に
は変換率が低くなり、また高い場合は分解生成物量が多
くなる。
しくは(d)と水酸化アルカリとを反応させて得られる
カルボン酸アルカリ塩の熱分解により得ることが出来
る。(d)の気相熱分解における反応温度は、250℃〜4
00℃好ましくは280℃〜350℃であり、またカルボン酸ア
ルカリ塩の熱分解における反応温度は、150℃〜300℃、
好ましくは200℃〜280℃である。反応温度が低い場合に
は変換率が低くなり、また高い場合は分解生成物量が多
くなる。
極性溶媒中、亜鉛等の脱ハロゲン化剤を用いて(e)
を脱塩素反応せしめることにより、目的生成物 を得ることが出来る。この反応における溶媒は、例えば
ジグライム、ジオキサン、メタノール等が好ましく使用
される。また、脱ハロゲン化剤としては、亜鉛の他にナ
トリウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄等が挙げられる
が、反応速度の上から亜鉛が好ましく使用される。ま
た、脱ハロゲン化剤のモル比は、(e)の2〜6倍、好
ましくは3〜4倍である。反応温度は20〜150℃、好ま
しくは30℃〜100℃である。
を脱塩素反応せしめることにより、目的生成物 を得ることが出来る。この反応における溶媒は、例えば
ジグライム、ジオキサン、メタノール等が好ましく使用
される。また、脱ハロゲン化剤としては、亜鉛の他にナ
トリウム、マグネシウム、スズ、銅、鉄等が挙げられる
が、反応速度の上から亜鉛が好ましく使用される。ま
た、脱ハロゲン化剤のモル比は、(e)の2〜6倍、好
ましくは3〜4倍である。反応温度は20〜150℃、好ま
しくは30℃〜100℃である。
[作用] 本発明の一般式 (n=1、2、又は3) で表わされる化合物は、反応性の異なった二種類の二重
結合を含んでいることから、含フッ素ポリマー中に二重
結合からなる架橋部位を有効に導入することが出来る。
ここで、n=0の時は、重合において環化重合してしま
うためにポリマー中に二重結合からなる架橋部位を有効
に導入することが困難である。n=1〜3の時は、環化
重合も起こるが、その比はn=0の時に比べ高くないた
め、二重結合の導入が可能になる。n≧4のものは、沸
点の関係から蒸留による精製が困難となるために実際的
ではない。
結合を含んでいることから、含フッ素ポリマー中に二重
結合からなる架橋部位を有効に導入することが出来る。
ここで、n=0の時は、重合において環化重合してしま
うためにポリマー中に二重結合からなる架橋部位を有効
に導入することが困難である。n=1〜3の時は、環化
重合も起こるが、その比はn=0の時に比べ高くないた
め、二重結合の導入が可能になる。n≧4のものは、沸
点の関係から蒸留による精製が困難となるために実際的
ではない。
また得られたポリマーの二重結合部位を他の官能基に
変換することも出来る。
変換することも出来る。
[実施例] 実施例1. 攪拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを備えた1000
mlの四ツ口フラスコに、亜鉛305g(4.60mol)、メタノ
ール500mlを入れ、60〜70℃にする。そこへ OCF=CF2600g(1.17mol)をゆっくり滴下する。滴下終
了後1時間還流熟成する。固形分を別後、下層を蒸留
することにより目的生成物 245g(収率47%)を得た。
mlの四ツ口フラスコに、亜鉛305g(4.60mol)、メタノ
ール500mlを入れ、60〜70℃にする。そこへ OCF=CF2600g(1.17mol)をゆっくり滴下する。滴下終
了後1時間還流熟成する。固形分を別後、下層を蒸留
することにより目的生成物 245g(収率47%)を得た。
b.p.74℃、/141mmHg, 19FNMR(δppm,CFCl3基準) a:−116,b:−124,c:−137,d:−86,e:−145,f:−81,g:
−86,h:−122,i:−191,j:−92,k:−107 カップリング定数(Hz) JFaFb=85,JFaFc=66,JFbFc=112,JFiFj=39,JFiFk=
117,JFjFk=52, 元素分析測定結果;F:68.40,C:24.33 (計算値;F:68.45,C:24.34) 実施例2. 攪拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを備えた500m
lの四ツ口フラスコに、亜鉛71g(1.09mol)、ジオキサ
ン200mlを入れ、100℃にする。
−86,h:−122,i:−191,j:−92,k:−107 カップリング定数(Hz) JFaFb=85,JFaFc=66,JFbFc=112,JFiFj=39,JFiFk=
117,JFjFk=52, 元素分析測定結果;F:68.40,C:24.33 (計算値;F:68.45,C:24.34) 実施例2. 攪拌機、還流コンデンサー、滴下ロートを備えた500m
lの四ツ口フラスコに、亜鉛71g(1.09mol)、ジオキサ
ン200mlを入れ、100℃にする。
そこへ 185g(0.27mol)をゆっくり滴下する。滴下終了後4時
間還流熟成する。固形分を別後、下層を蒸留すること
により目的生成物 を100g(収率61%)得た。
間還流熟成する。固形分を別後、下層を蒸留すること
により目的生成物 を100g(収率61%)得た。
b.p.85℃/38mmHg,19 FNMR(δppm,CFCl3基準) a:−116,b:−124,c:−137,d:−86,e:−145,f:−81,g:
−81,h:−145,i:−81,j:−86,k:−122,l:−191,m:−92,
n:−107 カップリング定数(Hz) JFaFb=85,JFaFc=65,JFbFc=113,JFlFm=38,JFlFn=
118,JFmFn=51 [発明の効果] 本発明の新規含フッ素化合物は、反応性の異なる二種
類の二重結合を含んでいるので、含フッ素ポリマーに共
重合せしめることにより二重結合からなる架橋部位を有
効に導入できるという効果を有する。かかる二重結合は
架橋部位としてだけでなく、他の官能基の導入部位とし
ても有効である。
−81,h:−145,i:−81,j:−86,k:−122,l:−191,m:−92,
n:−107 カップリング定数(Hz) JFaFb=85,JFaFc=65,JFbFc=113,JFlFm=38,JFlFn=
118,JFmFn=51 [発明の効果] 本発明の新規含フッ素化合物は、反応性の異なる二種
類の二重結合を含んでいるので、含フッ素ポリマーに共
重合せしめることにより二重結合からなる架橋部位を有
効に導入できるという効果を有する。かかる二重結合は
架橋部位としてだけでなく、他の官能基の導入部位とし
ても有効である。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式 で表わされる新規含フッ素化合物。
- 【請求項2】一般式 (式中、X及びYは同一又は相異なり、C1,Br,Iから選
ばれる。n=1、2、又は3) で表わされる含フッ素化合物と脱ハロゲン化剤とを反応
させて脱ハロゲンし、一般式 で表わされる新規含フッ素化合物を得ることを特徴とす
る製造方法。 - 【請求項3】X,YがいずれもC1である特許請求の範囲第
2項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30143687A JP2503550B2 (ja) | 1987-12-01 | 1987-12-01 | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30143687A JP2503550B2 (ja) | 1987-12-01 | 1987-12-01 | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01143844A JPH01143844A (ja) | 1989-06-06 |
JP2503550B2 true JP2503550B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=17896862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30143687A Expired - Fee Related JP2503550B2 (ja) | 1987-12-01 | 1987-12-01 | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2503550B2 (ja) |
-
1987
- 1987-12-01 JP JP30143687A patent/JP2503550B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01143844A (ja) | 1989-06-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2392524A1 (en) | Perfluorinated acid fluorides and preparation thereof | |
JP2503549B2 (ja) | 含フッ素化合物の製造方法 | |
JP2701454B2 (ja) | 新規含フッ素化合物,その製造方法及び用途 | |
JP2503550B2 (ja) | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 | |
JP5533920B2 (ja) | ポリフルオロアルカンカルボン酸フルオライドおよびその製造法 | |
JP2589108B2 (ja) | ペルフルオルアルカンジエンの合成方法 | |
JP2638105B2 (ja) | 新規含フツ素化合物及びその製造方法 | |
US4675453A (en) | Process and intermediates for fluorinated vinyl ether monomer | |
JP2833260B2 (ja) | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 | |
JP2503551B2 (ja) | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 | |
US6703533B1 (en) | Preparation of selected fluoroolefins | |
JP2503552B2 (ja) | 新規含フッ素化合物及びその製造方法 | |
JP2503941B2 (ja) | 新規含フッ素化合物 | |
US4766238A (en) | Fluorine-containing compounds, and their preparation and use | |
JPH0749391B2 (ja) | 含フッ素化合物及びその製法 | |
JP2794788B2 (ja) | トリフルオロアクリル酸アリルエステル及びその製造方法 | |
JP2792983B2 (ja) | α―ブロモ‐アシル‐フルオリドの製造法 | |
JP3004081B2 (ja) | 含フッ素化合物の製造方法 | |
JP2954740B2 (ja) | 含フッ素化合物及びその製造法 | |
JPH08231462A (ja) | パーフルオロアルキルカルボン酸フルオライド及びその誘導体の製造方法 | |
JPH02311436A (ja) | 新規含フッ素化合物、その製造方法及び用途 | |
JP2813025B2 (ja) | 含フッ素アリルエーテルおよびその製造法 | |
JP2508763B2 (ja) | フッ素含有カルボン酸エステルの製造方法 | |
JPS59167533A (ja) | パ−フルオロ−(ω−ヒドロキシジメチルアルキルビニルエ−テル)の製造方法 | |
JP2884786B2 (ja) | パーフルオロ−1−ヨード−5−メチル−3,6−ジオキサノナンおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |