JPH0747556B2 - 含フッ素エーテル化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素エーテル化合物の製造方法

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JPH0747556B2
JPH0747556B2 JP4359075A JP35907592A JPH0747556B2 JP H0747556 B2 JPH0747556 B2 JP H0747556B2 JP 4359075 A JP4359075 A JP 4359075A JP 35907592 A JP35907592 A JP 35907592A JP H0747556 B2 JPH0747556 B2 JP H0747556B2
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fluorine
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containing ether
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茂 黒澤
章 関屋
隆志 有村
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工業技術院長
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は含フッ素エーテル化合
物の特定位置の水素を三フッ化マンガンを用いモノフッ
素化し、吸入麻酔剤剤として有用な含フッ素エーテル化
合物を製造するものである。
【0002】
【従来の技術】1,1,1,2−テトラフルオロエチル
−ジフルオロメチルエーテル(CF3CFHOCF2H)
は、吸入麻酔剤として利用されている有用な化合物であ
る(USP 4,874,901、UKP GB2219292Aなど)。また、
1,1,1,2−テトラフルオロエチル−1,1,1−
トリフルオロエチルエーテル(CF3CFHOCH2CF
3)は、冷媒、洗浄剤を用途とするフロン代替候補化合
物としても注目されている(DEP 4006952A1)。これら
含フッ素エーテル化合物の合成法において、原料の含フ
ッ素エーテル化合物の特定位置の穏和な条件下で水素を
選択的にモノフッ素化する反応は知られていなかった。
【0004】従来、1,1,1,2−テトラフルオロエ
チル−ジフルオロメチルエーテルは、1,1,1−トリ
フルオロエチル−ジフルオロメチルエーテルを原料とし
て反応性の高いフッ素ガスを使用して合成されている
(USP 3,897,502)。実用上の観点からは爆発性のある危
険なフッ素ガスの使用は不便であり、このフッ素化反応
では原料の反応率と目的化合物の選択性は共に低い。つ
まり、フッ素ガスを用いた含フッ素エーテル化合物の直
接フッ素化反応では、反応は爆発的に起こるため反応の
制御が難しく、複数の生成物や分解物が生じるため反応
の選択性に乏しい。
【0005】一方、高次金属フッ化物をフッ素化剤とし
て用いて含フッ素エーテル化合物を製造する方法も知ら
れているが、この場合は、原料とするエーテル化合物中
の複数の炭素原子についた水素原子の反応性に差が小さ
いことから、複数のフッ素原子が結合した多くのフッ素
化物の混合物や多くの異性体が生成する。高次金属フッ
化物は強力なルイス酸であり、フッ素化反応中にエーテ
ル結合の開裂を伴う。従って高次金属フッ化物は選択的
なモノフッ素化には適さないとされていた(M.Brandwoo
d et al., J. Fluorine Chem., 5, 521 (1975))。従っ
て、これまでに高次金属フッ化物を用いて、含フッ素エ
ーテル化合物を位置選択的にモノフッ素化した例は知ら
れていない。以上のように、従来法は必ずしも有用な方
法とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高次金属フ
ッ素化合物を用い、穏和な反応条件下での位置選択的な
フッ素化反応により含フッ素エーテル化合物の選択的な
製造方法を提供することをその課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の含フッ素エ
ーテル化合物は、これを三フッ化マンガンをフッ素化剤
として用いて穏和な条件下でフッ素化するときには、そ
のエーテル結合の分解が起らず、位置選択的にモノフッ
素化し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。 すなわち、本発明によれば、一般式 CF3−CH2−O−R (式中、Rはジフルオロメチル基又は1,1,1−トリ
フルオロエチル基を示す) で表わされる含フッ素エーテル化合物を、三フッ化マン
ガンをフッ素化剤として用いて、75〜100℃の温度
で回分式反応によりそのメチレン位をモノフッ素化する
ことを特徴とする一般式 CF3−CFH−O−R (式中、Rは前記と同じ意味を持つ) で表される含フッ素エーテル化合物の製造方法が提供さ
れる。
【0008】本発明でフッ素化剤として用いる三フッ化
マンガン(MnF3)は、原料含フッ素エーテル化合物
1モルに対し、40〜70モル、好ましくは60〜70
モルの割合で用いられる。
【0009】原料の含フッ素エーテル化合物と三フッ化
マンガンとの反応は、75〜100℃の温度範囲、好ま
しくは80〜100℃以下で実施する。100℃を越え
る高温度においては、非選択的なフッ素化反応やエーテ
ル結合の開裂が生じ、目的物の選択率が低下するので好
ましくない。このため、上記の温度において、かつ、穏
やかに昇温して反応させることが望ましい。
【0010】三フッ化マンガンと気体状の原料化合物と
の接触時間(反応時間)は、通常、1時間〜6時間程度
と長い時間であり、このため、反応方式としては、接触
時間を長時間に保つために有利な回分式反応を用いる。
以上のようにして含フッ素エーテル化合物と三フッ化マ
ンガンとを反応させることにより、原料化合物のメチレ
ン位にフッ素原子を一個導入した含フッ素エーテル化合
物を選択的に製造することが可能となる。本発明に反応
において、反応温度が前記範囲を超えるようになると副
生物の生成量が増加し、目的物の選択率が低下するので
好ましくなく、反応温度が前記範囲より低くなると反応
が円滑に進行しなくなるので好ましくない。前記した7
5〜100℃という極めて穏和な反応温度において、反
応時間を適当に選ぶことにより、50%以上という高い
反応率で目的物を60%以上という高い選択率で製造す
ることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
の含フッ素エーテル化合物の製造法について説明する。
【0012】実施例1 内容積150mlのステンレス製の反応容器に200ミ
リモルのMnF3を加え、真空ラインを用いて3ミリモ
ルの1,1,1−トリフルオロエチル−ジフルオロメチ
ルエーテルを−196℃で加えた。この反応容器を徐々
に加熱し、室温まで1時間で昇温した。次いで、温度7
5℃で6時間加熱した。得られた反応混合物より、副生
するフッ化水素をフッ化ナトリウムに吸着させて除去
し、次いで異なる温度のトラップを通して生成物を分離
し、それぞれの蒸気圧と重量測定により回収量を求め
た。この実験条件での主反応生成物は赤外吸収、1Hと1
9Fの核磁気共鳴スペクトル、分子量測定から、メチレ
ン位の水素原子がモノフッ素化された1,1,1,2−
テトラフルオロエチル−ジフルオロメチルエーテルであ
ることが明らかとなった。また、比較のためにフッ素化
剤としてCoF3、KCoF4を用いた以外は同様にして
実験を行った。
【0013】表1に前記反応結果を示す。表1に示した
反応率(モル%)は反応原料のうちの反応に関与した反
応原料の割合を示し、選択率(モル%)は全反応生成物
のうちの特定化合物の割合を示す。この場合、反応率
は、19F−NMRより算出した。選択率は回収生成物
より原料回収量分を除いて算出した。
【0014】
【表1】 前記表1に示された結果から、フッ素化剤として三フッ
化マンガンを用いるとともに、75〜100℃の反応温
度及び2〜6時間の反応時間を用いることにより、目的
物(B)を高選択率、高収率で製造し得ることがわか
る。
【0015】実施例2 ジ(1,1,1−トリフルオロエチル)エーテルのフッ
素化を、実施例1と同様の方法で行った。
【0016】この実験条件での主反応生成物は、赤外吸
収、1Hと19Fの核磁気共鳴スペクトル、分子量測定か
ら、メチレン位の水素原子がモノフッ素化された1,
1,1,2−テトラフルオロエチル−1,1,1−トリ
フルオロエチルエーテルであることが明らかとなった。
表2にその反応結果としての反応率と目的物であるCF
3CFHOCH2CF3の選択率を示す。
【0017】
【表2】 表2に示した結果から、フッ素化剤として三フッ化マン
ガンを用いるとともに、75〜100℃の反応温度を用
いることにより、目的物を高選択率で製造し得ることが
わかる。
【0018】
【発明の効果】以上に説明した通り、この発明の製造法
により含フッ素エーテル化合物の位置選択的なモノフッ
素化が収率良く行え、原料化合物のメチレン位にフッ素
数が一個増加した含フッ素エーテル化合物の高反応率、
高選択率での製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−319449(JP,A) 特開 平4−273839(JP,A) 欧州特許出願公開450308(EP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 CF3−CH2−O−R (式中、Rはジフルオロメチル基又は1,1,1−トリ
    フルオロエチル基を示す) で表わされる含フッ素エーテル化合物を、三フッ化マン
    ガンをフッ素化剤として用いて、75〜100℃の反応
    温度で回分式反応によりそのメチレン位をモノフッ素化
    することを特徴とする一般式 CF3−CFH−O−R (式中、Rは前記と同じ意味を持つ) で表される含フッ素エーテル化合物の製造方法。
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