JP2003040819A - アセチレンアルコールの製造方法 - Google Patents
アセチレンアルコールの製造方法Info
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- JP2003040819A JP2003040819A JP2001222376A JP2001222376A JP2003040819A JP 2003040819 A JP2003040819 A JP 2003040819A JP 2001222376 A JP2001222376 A JP 2001222376A JP 2001222376 A JP2001222376 A JP 2001222376A JP 2003040819 A JP2003040819 A JP 2003040819A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明はアセチレン化合物である2−ブチン−
1−オールの新規な製造法を提供するものである。 【解決手段】1,3−ジクロロ−2−ブテンを加水分解
して3−クロロ−2−ブテン−1−オールとし、次いで
脱塩化水素して合成することを特徴とする2−ブチン−
1−オールの製造方法であり、加水分解をトルエンを溶
媒として、塩基の存在下、反応温度50〜100℃で行
い、脱塩化水素を強アルカリ水溶液と100〜150℃
で行う前記の2−ブチン−1−オールの製造方法であ
る。
1−オールの新規な製造法を提供するものである。 【解決手段】1,3−ジクロロ−2−ブテンを加水分解
して3−クロロ−2−ブテン−1−オールとし、次いで
脱塩化水素して合成することを特徴とする2−ブチン−
1−オールの製造方法であり、加水分解をトルエンを溶
媒として、塩基の存在下、反応温度50〜100℃で行
い、脱塩化水素を強アルカリ水溶液と100〜150℃
で行う前記の2−ブチン−1−オールの製造方法であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、2−ブチン−1
−オールの製造方法に関する。2−ブチン−1−オール
は医薬品中間体として有用である。
−オールの製造方法に関する。2−ブチン−1−オール
は医薬品中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】アセチレン化合物の合成法は下反応式に
示される様に、アセチレン化合物をn−ブチルリチウム
等で処理し、生成したアセチリドをパラホルムアルデヒ
ドと反応させる方法が知られている。例えばJ.Or
g.Chem.Soc.、38巻、3588ページ、1
973年がある。
示される様に、アセチレン化合物をn−ブチルリチウム
等で処理し、生成したアセチリドをパラホルムアルデヒ
ドと反応させる方法が知られている。例えばJ.Or
g.Chem.Soc.、38巻、3588ページ、1
973年がある。
【0003】
【化1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアセチレン化
合物である2−ブチン−1−オールの新規な製造法を提
供するものである。
合物である2−ブチン−1−オールの新規な製造法を提
供するものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
下式で示される1,3−ジクロロ−2−ブテン
下式で示される1,3−ジクロロ−2−ブテン
【0006】
【化2】
【0007】を加水分解し、下式の3−クロロ−2−ブ
テン−1−オールに変換し、
テン−1−オールに変換し、
【0008】
【化3】
【0009】次いで、脱ハロゲン化水素反応により目的
とする下式に示される2−ブチン−1−オールを合成す
る方法である。
とする下式に示される2−ブチン−1−オールを合成す
る方法である。
【0010】
【化4】
【0011】
【発明の実施の形態】1,3−ジクロロ−2−ブテン
は、単品または混合物の状態で用いることができる。す
なわち溶媒に溶解していてもよい。また、1,3−ジク
ロロ−2−ブテンは、それ自体を目的に製造した物であ
る必要はない、例えば他の物質の製造段階で生成する副
生物を利用することができる。クロロプレンモノマーを
製造する際に副生する1,3−ジクロロ−2−ブテンを
好適に用いる事ができる。
は、単品または混合物の状態で用いることができる。す
なわち溶媒に溶解していてもよい。また、1,3−ジク
ロロ−2−ブテンは、それ自体を目的に製造した物であ
る必要はない、例えば他の物質の製造段階で生成する副
生物を利用することができる。クロロプレンモノマーを
製造する際に副生する1,3−ジクロロ−2−ブテンを
好適に用いる事ができる。
【0012】1,3−ジクロロ−2−ブテンは(E)体
及び(Z)体の幾何異性体が存在するが、本発明ではそ
の割合は限定されない。好ましくは(Z)体の割合が多
い方がよい。加水分解の速度が(Z)体の方が早いため
である。
及び(Z)体の幾何異性体が存在するが、本発明ではそ
の割合は限定されない。好ましくは(Z)体の割合が多
い方がよい。加水分解の速度が(Z)体の方が早いため
である。
【0013】加水分解は、1,3−ジクロロ−2−ブテ
ンに水を添加することにより行うことができる。溶媒を
併用することが好ましく、トルエンを好適に用いること
ができるがそれに限定されるものではない。この場合、
発生する塩素をトラップするために塩基を共存させて行
うとよい。塩基として、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属の塩を好適に用いる事ができるがそ
れらに限定されるものではない。塩基は1,3−ジクロ
ロ−2−ブテンに対し0.5〜3.0倍等量の範囲で用
いる事ができ、好ましくは0.8〜1.8倍等量であ
る。
ンに水を添加することにより行うことができる。溶媒を
併用することが好ましく、トルエンを好適に用いること
ができるがそれに限定されるものではない。この場合、
発生する塩素をトラップするために塩基を共存させて行
うとよい。塩基として、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム等のアルカリ金属の塩を好適に用いる事ができるがそ
れらに限定されるものではない。塩基は1,3−ジクロ
ロ−2−ブテンに対し0.5〜3.0倍等量の範囲で用
いる事ができ、好ましくは0.8〜1.8倍等量であ
る。
【0014】加水分解は、通常知られている方法にて実
施できるが、好ましい方法としては、1,3−ジクロロ
−2−ブテンのトルエン溶液に塩基の水溶液を滴下する
方法や、塩基の水溶液に1,3−ジクロロ−2−ブテン
のトルエン溶液を滴下する方法である。反応温度は、任
意の温度で実施できるが、好ましくは、50℃〜100
℃の範囲である。
施できるが、好ましい方法としては、1,3−ジクロロ
−2−ブテンのトルエン溶液に塩基の水溶液を滴下する
方法や、塩基の水溶液に1,3−ジクロロ−2−ブテン
のトルエン溶液を滴下する方法である。反応温度は、任
意の温度で実施できるが、好ましくは、50℃〜100
℃の範囲である。
【0015】反応液を通常の方法にて水層と有機層に分
離し、有機層より目的の3−クロロ−2−ブテン−1−
オールを得ることができる。これを精製して次の脱塩化
水素反応に使用してもよいし、精製せずそのまま使用す
ることもできる。
離し、有機層より目的の3−クロロ−2−ブテン−1−
オールを得ることができる。これを精製して次の脱塩化
水素反応に使用してもよいし、精製せずそのまま使用す
ることもできる。
【0016】脱塩化水素は、3−クロロ−2−ブテン−
1−オールを強アルカリ水溶液と100℃〜150℃の
温度で反応させることで実施される。強アルカリとして
水酸化ナトリウム等を用いる事ができる。その量は3−
クロロ−2−ブテン−1−オールに対して0.5〜3.
0倍等量が好ましく、特に好ましくは0.8〜1.5倍
等量である。
1−オールを強アルカリ水溶液と100℃〜150℃の
温度で反応させることで実施される。強アルカリとして
水酸化ナトリウム等を用いる事ができる。その量は3−
クロロ−2−ブテン−1−オールに対して0.5〜3.
0倍等量が好ましく、特に好ましくは0.8〜1.5倍
等量である。
【0017】反応後通常の方法にて水層と有機層を分離
し、塩酸等の酸で有機層を中和すればよい。このように
して得られた反応混合物から、2−ブチン−1−オール
を単離するには、まず、常圧蒸留によりいったん溶媒を
除去し、残留物を減圧下精密蒸留することにより得るこ
とができる。
し、塩酸等の酸で有機層を中和すればよい。このように
して得られた反応混合物から、2−ブチン−1−オール
を単離するには、まず、常圧蒸留によりいったん溶媒を
除去し、残留物を減圧下精密蒸留することにより得るこ
とができる。
【0018】
【実施例】次に、実施例によってこの発明をさらに詳細
に説明する。 実施例 1,3−ジクロロ−2−ブテンのトルエン溶液870g
(1,3−ジクロロ−2−ブテンとして629g(5.
03mol)を含む)と炭酸ナトリウム水溶液(炭酸ナ
トリウム382g(3.6mol)を水1701gの溶
解したもの)を窒素気流下3Lガラスフラスコに仕込
み、95℃で12時間撹拌した。反応後、水層と有機層
を分離し、有機層734gを回収した。ガスクロマトグ
ラフィーにより分析した結果、422g(3.95mo
l)の3−クロロ−2−ブテン−1−オールが含まれて
いた。収率は78.5%であった。次に、この有機層6
86g(3−クロロ−2−ブテン−オールを395g
(3.7mol)含む)と水酸化ナトリウム水溶液(水
酸化ナトリウム150g(3.75mol)を水177
gに溶かした溶液)を1Lオートクレーブに仕込み、反
応温度120℃で6時間反応させた。圧力は0.23M
Paまで上昇した。反応後、有機層、水層を分離し、有
機層を塩酸で中和した。512gの有機層を得た。有機
層をガスクロマトグラフィーで分析したところ2−ブチ
ン−1−オールが213g(3.04mol)含まれて
いた。収率は81%であった。有機層中のトルエンを留
去後、精密蒸留を行った。目的物は、57℃、20mm
Hgで留出し、主留として125.7g(1.79mo
l)を得た。ガスクロマトグラフィーにて純度を測定し
た結果、99.5%以上であった。蒸留による回収率は
58.9%であった。
に説明する。 実施例 1,3−ジクロロ−2−ブテンのトルエン溶液870g
(1,3−ジクロロ−2−ブテンとして629g(5.
03mol)を含む)と炭酸ナトリウム水溶液(炭酸ナ
トリウム382g(3.6mol)を水1701gの溶
解したもの)を窒素気流下3Lガラスフラスコに仕込
み、95℃で12時間撹拌した。反応後、水層と有機層
を分離し、有機層734gを回収した。ガスクロマトグ
ラフィーにより分析した結果、422g(3.95mo
l)の3−クロロ−2−ブテン−1−オールが含まれて
いた。収率は78.5%であった。次に、この有機層6
86g(3−クロロ−2−ブテン−オールを395g
(3.7mol)含む)と水酸化ナトリウム水溶液(水
酸化ナトリウム150g(3.75mol)を水177
gに溶かした溶液)を1Lオートクレーブに仕込み、反
応温度120℃で6時間反応させた。圧力は0.23M
Paまで上昇した。反応後、有機層、水層を分離し、有
機層を塩酸で中和した。512gの有機層を得た。有機
層をガスクロマトグラフィーで分析したところ2−ブチ
ン−1−オールが213g(3.04mol)含まれて
いた。収率は81%であった。有機層中のトルエンを留
去後、精密蒸留を行った。目的物は、57℃、20mm
Hgで留出し、主留として125.7g(1.79mo
l)を得た。ガスクロマトグラフィーにて純度を測定し
た結果、99.5%以上であった。蒸留による回収率は
58.9%であった。
【0019】
【発明の効果】この発明は、2−ブチン−1−オールの
新規な合成法を提供するものである。2−ブチン−1−
オールは医薬中間体等として有用な化合物である。
新規な合成法を提供するものである。2−ブチン−1−
オールは医薬中間体等として有用な化合物である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4H006 AA02 AC24 AC41 BA02 BA32
BB11 BC10 BC11 BC19 FE11
Claims (2)
- 【請求項1】1,3−ジクロロ−2−ブテンを加水分解
して3−クロロ−2−ブテン−1−オールとし、次いで
脱塩化水素して合成することを特徴とする2−ブチン−
1−オールの製造方法。 - 【請求項2】加水分解をトルエンを溶媒として、塩基の
存在下、反応温度50〜100℃で行い、脱塩化水素を
強アルカリ水溶液と100〜150℃で行う請求項1の
2−ブチン−1−オールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222376A JP2003040819A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アセチレンアルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001222376A JP2003040819A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アセチレンアルコールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003040819A true JP2003040819A (ja) | 2003-02-13 |
Family
ID=19055858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001222376A Pending JP2003040819A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | アセチレンアルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003040819A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104045514A (zh) * | 2014-05-21 | 2014-09-17 | 江苏德峰药业有限公司 | 一种2-丁炔-1-醇的合成方法 |
CN105016966A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-04 | 江苏恒润制药有限公司 | 一种(e)-1-氯-6,6-二甲基-2-庚烯-4-炔的制备方法 |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001222376A patent/JP2003040819A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104045514A (zh) * | 2014-05-21 | 2014-09-17 | 江苏德峰药业有限公司 | 一种2-丁炔-1-醇的合成方法 |
CN104045514B (zh) * | 2014-05-21 | 2016-04-06 | 江苏德峰药业有限公司 | 一种2-丁炔-1-醇的合成方法 |
CN105016966A (zh) * | 2015-07-31 | 2015-11-04 | 江苏恒润制药有限公司 | 一种(e)-1-氯-6,6-二甲基-2-庚烯-4-炔的制备方法 |
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