JP2588783B2 - アルキニルケトン誘導体の製法 - Google Patents

アルキニルケトン誘導体の製法

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    • C07C45/45Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by condensation
    • C07C45/455Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by condensation with carboxylic acids or their derivatives

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルキニルケトン誘導体の新規な製法に関
し、更に詳しくは、3−メチル−1−ブチン−3−オー
ルと酸ハロゲン化物とをハロゲン化銅触媒の存在下で反
応させる下記式(1) 但し式中、Rは前記したと同義、 で示されるアルキニルケトン誘導体の新規な製法に関す
る。
(従来の技術) アルキニルケトン類は香料や医薬品、農薬などの中間
体として重要なフラノン類の製造原料となる重要な一群
の化合物である。
従来、この種の化合物を合成する手段としては、例え
ば、アルキン類の銅塩をアシルハライドと反応させてア
ルキニルケトンを合成する方法がしばしば用いられてき
た[Org.React.,22,380(1975)]。
しかしながら銅アセチリド類を工業的に調製すること
はトラブルが多く実用的ではなかった。
かかる従来法の改良法として、1−アルキン類をトリ
エチルアミン中でヨウ化銅(I)/トリフェニルホスフ
イン−パラジウムジクロライド触媒の存在下にアシルハ
ライドと反応させることにより、1段階反応で容易にア
ルキニルケトン(R2=アルキル、スチリル、アリル、2
−フリル)が得られることが開示されている[Synthesi
s,777(1977)]。
しかしながら、上記のごとき従来提案された金属触媒
反応では高価なパラジウム触媒を用いるために工業的製
造にはコストが高くなるという重大な欠点があった。
さらに下記工程図において、式(A)有機ハロゲン化
物と、式(B)末端アセチレン化合物と一酸化炭素と
を、パラジウム化合物の存在下に反応させて、式(C)
アルキニルケトン類を合成する方法が提案されている
(特公昭61−16376号公報)。
上記式において、R1及びR2は有機基を示し、Xはハロ
ゲン原子を示す。
この提案の方法は、ハロゲン化合物R1−Xからの有機
基R1−と、末端アセチレン化合物R2−C≡CHから末端水
素がとれたアセチレン基R2−C≡C−と、一酸化炭素と
の三者が同時に直接結合し、上記式(C)化合物を得る
方法である。
しかしながらこの提案においても、高価なパラジウム
化合物と毒性の強い一酸化炭素を利用し、更に反応によ
って塩化水素が生成する等の理由から工業的な方法とは
言い難かった。
更にまた、下記工程図において、アセチレン誘導体と
酸誘導体とを塩基及び銅−(I)イオンの存在下に反応
させることにより、アルキニルケトン類が得られること
が示されている(特開昭60−136532号公報)。
しかしながら、ここに記載される式(II)のアセチレ
ン誘導体と式(III)の酸誘導体とを適宜に塩基及び銅
−(I)イオンの存在下に反応させて式(I)の置換ア
セチレンケトンを製造する場合において、式(II)のア
セチレン誘導体の式中、R2の定義及び明細書中のどこに
も、本願発明で特定された3−メチル−1−ブチン−3
−オールはもとより、その反応生成物においても記載も
示唆もされていない。
(発明が解決しようとする課題) 上記した如く、従来提案の製造方法には様々な課題が
あった。本発明は、これらの多くの欠点を解消した、ア
ルキニルケトン類の効率的な新規な製造方法を提供する
ことを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上述の従来提案の反応において、高価
なパラジウム触媒を用いることなく、工程及び操作が簡
便で且つ危険性のない合成方法につき鋭意検討した。
その結果、市場で容易に入手可能な上記式(2)の3
−メチル−1−ブチン−3−オールと上記式(3)の酸
ハロゲン化物を安価なハロゲン化銅触媒の存在下に有機
溶媒中で反応させることにより、意外なことにもアセチ
ル化物は生成されず、上記式(1)のアルキニルケトン
誘導体が優先的に生成し、高収率、高純度で一挙に合成
できることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、下記式(2) で示される3−メチル−1−ブチン−3−オールと下記
式(3) 但し式中、Rはアリール基を示し、またXはハロゲン
原子を示す、で示される酸ハロゲン化物を有機溶媒中
で、安価なハロゲン化銅触媒を用いて反応させることを
特徴とする下記式(1) 但し式中、Rは上記したと同義、 で示されるアルキニルケトン誘導体を工程、操作が簡便
で且つ安全性が高く工業的に極めて有利に製造する方法
を提供することができる。
本発明の反応を工程図で示すと下記のように表すこと
ができる。
本発明の上記式(1)のアルキニルケトン誘導体の製
造方法を上記工程図に従って、以下に詳細に説明する。
本発明で用いる式(3)の酸ハロゲン化物 における有機基Rの例としては、例えば、フェニル、ジ
メチルフェニル等のアリール基を挙げることができる。
ハロゲン原子Xとしては、塩素、臭素及びヨウ素を挙げ
ることができる。かかる酸ハロゲン化物の具体例として
は、例えば、塩化ベンゾイル、p−メトキシベンゾイル
クロリド、p−アミノベンゾイルクロリド、p−ジメチ
ルアミノベンゾイルクロリド等の酸塩化物、又はこれら
有機酸の臭化物及びヨウ化物等を挙げることができる。
本発明で用いるハロゲン化銅触媒CuXの具体例とし
は、例えば、塩化銅、ヨウ化銅及び、臭化銅等を挙げる
ことができる。
さらに本発明で用いる有機溶媒としては、例えば、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、n−トリブチルア
ミン等の低級アルキルアミン類、ピリジン、アセトニト
リル、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルホ
スホトリアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン、ベ
ンゾール、トルエン等が好適に用いられ、アルコール
類、カルボン酸類などの活性なプロトン源となるものを
除いた通常用いられれている溶媒であれは任意に用いる
ことができる。
本発明の好ましい実施態様を示すと、酸ハロゲン化
物、3−メチル−1−ブチン−3−オール及び触媒を前
記有機溶媒に加え、撹拌下に反応させることにより行
う。酸ハロゲン化物と3−メチル−1−ブチン−3−オ
ールとのモル比はいずれか過剰であっても反応の生起を
妨げるものではなく、通常は50:1〜1:50の範囲から選ば
れる。又必要に応じて用いる塩基の量は、酸ハロゲン化
物にたいして等モル以上あればよく、一般的には、酸ハ
ロゲン化物1モル当たり約1〜50モル程度の範囲で使用
される。勿論これより多量の塩基を用いることもできる
が、反応上は格別有益な結果をもたらすものではない。
ハロゲン化銅触媒の使用量は特別の制約はなく任意に
選択することが出来るが、一般的には、酸ハロゲン化物
1モルに対し、1/10モル以下、殊に1/10,000〜1/100モ
ルの範囲が好ましい。
本発明の反応は酸ハロゲン化物の構造によっては室温
でも進行するが、好ましい反応速度を得るため200℃ま
で範囲で加熱することができる。本発明の反応により得
られた反応溶液から目的のアルキニルケトン類を分離精
製するには、まず、反応溶液より溶媒を減圧下に回収
し、又は、適当な抽出溶媒により抽出し、洗浄処理した
後、乾燥し、常法により、蒸留、カラムクロマトグラフ
イーなどの任意の手段を用いて精製処理することによっ
て行うことができる。
以下、実施例により本発明の態様を更に詳しく説明す
る。
実施例1 4−ヒドロキシ−4−メチル−1−フェニル−2−ペ
ンチン−1−オンの合成反応フラスコに3−メチル−1
−ブチン−3−オール8.4g(0.10モル)、塩化ベンゾイ
ル14.1g(0.10モル)、ヨウ化銅(I)0.1g及びトリエ
チルアミン100mlを仕込み、60〜70℃で2.5時間加熱撹拌
する。反応終了後冷却し、トりエチルアミンを回収後、
残渣にトルエン100mlを加えて希釈し、稀塩酸水溶液、
飽和食塩水、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、更に
飽和食塩水で洗浄した後硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶剤を回収して標記化合物の粗製物19.1gを得た。この
粗製物を減圧下に蒸留し、沸点139〜141℃/3mmHgの目的
物15.5gを得た(収率82.4%)。
実施例2〜4 実施例1と同様に、次表に示すような条件で、所定の
酸ハロゲン化物及び末端アセチレン化合物を用いて各種
ケトンの合成を行った。その結果を表−1及び表−2に
まとめて示した。なお、収率はガスクロマトグラフィー
で測定した。また、この表には実施例1の結果も併せて
示した。
尚表中のNo.は実施例番号を表す(以下同じ)。
(発明の効果) 本発明によれば、下記式(2) で表される3−メチル−1−ブチン−3−オールと、下
記式(3) 但し、Rは前記したと同義、 で表される酸ハロゲン化物とを、安価なハロゲン化銅触
媒の存在下に反応させることにより、アルキニルケトン
誘導体を高純度、高収率で一挙に合成することができ
る。
しかも従来提案された高価なパラジウム系触媒或は猛
毒で危険な一酸化炭素を使用することなく、工程及び操
作が簡便で、且つ危険性のない画期的な合成法を提供す
ることができる。
本発明によって得られるアルキニルケトン類は、ブラ
テノン[2,2−ジメチル−5−フェニル−2(H)−3
−フラノン]をはじめとするフラノン類の合成中間体と
して極めて重要であり、本発明の工業的な意義は大き
い。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(2) で表される3−メチル−1−ブチン−3−オールと下記
    式(3) 但し式中、Rはアリール基を示し、またXはハロゲン原
    子を示す、 で表される酸ハロゲン化物とを、ハロゲン化銅触媒の存
    在下に反応させることを特徴とする下記式(1) 但し式中、Rは前記したと同義、 で示されるアルキニルケトン誘導体の製法。
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