JP2782512B2 - トリシクロ〔5.3.1.0 ▲上3▼’▲上8▼〕ウンデカ−4−エンの製造法 - Google Patents
トリシクロ〔5.3.1.0 ▲上3▼’▲上8▼〕ウンデカ−4−エンの製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は式(1)、
で表わされるトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−
エンの製造法に関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン骨格を有する化
合物の中には香気成分として知られているものが多い
(特開昭53−111049〜111052号、特公昭56−4538号)。
例えば今までに次の式(3)、(4)、(5)、
(6)、(7) で表わされる化合物等が知られている。これらはいずれ
も青葉様の強い芳香を有し、香料の基剤として極めて有
用な化合物である。 しかしながら、これら化合物を合成するうえで重要な
中間体であるトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−
エン(1)を大量に、かつ収率良く合成する方法はな
く、高石らが化合物(6)の構造を確認するために次に
示す反応式に従つて化合物(9)へ導いた際に中間体と
して化合物(1)の合成を行なつているのみである〔ケ
ミストリー・レターズ(Chem.Lett.)825(1978)〕。 (式中、Tsはトシル基を示す) しかし、この反応は上式から明らかな如く、化合物の
構造を決定するために、わざわざ多段階の反応を用いて
化合物(1)を導いたものであつて、化合物(1)を合
成するための実用的な方法とは云えない。 従つて、前記式(3)〜(9)で示される化合物等の
トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン誘導体を合成する
際の共通中間体として有用な前記式(1)で示されるト
リシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを簡便に、
かつ高収率で、しかも大量に合成できる製法が所望され
ていた。 〔問題点を解決するための手段〕 斯かる実状において、本発明者は鋭意研究の結果、ト
リシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エン(1)を一
回の操作で一挙に製造しうる方法を見出し、本発明を完
成した。 すなわち本発明は、 (式中、Xはハロゲン原子を示す) で表わされる公知のトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ
ン−3−カルボン酸ハロゲン化物(特公昭56−18588号
公報)を遷移金属触媒及び三級アミン類の存在下処理
し、脱ハロゲン化水素、脱カルボニル化反応を一挙に行
なうことを特徴とする前記式(1)で示される化合物の
製造法を提供するものである。 遷移金属触媒としては、例えばパラジウム金属触媒、
ロジウム金属触媒等が好適なものとして挙げられる。パ
ラジウム金属触媒としては、例えば塩化パラジウム、臭
化パラジウム、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム、
パラジウムブラツク、パラジウム付活性炭、テトラキス
(トリフエニルホスフイン)パラジウム等の0価のパラ
ジウム等が挙げられる。また、ロジウム金属触媒として
は、例えば金属ロジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウ
ム、クロロトリス(トリフエニルホスフイン)ロジウム
(I)、ヒドリドカルボニルトリス(トリフエニルホス
フイン)ロジウム(I)等の金属ロジウム、酸化物、錯
体等が挙げられる。遷移金属触媒は、原料化合物(2)
に対してその0.01〜20モル%、特に0.1〜5モル%とな
るように使用するのが好ましい。 また、反応中に生成するハロゲン化水素の除去試薬と
して使用される三級アミン類は、例えばピリジン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ピコリン、キノリン
等が挙げられる。三級アミン類は、原料化合物(2)に
対して1〜10当量、特に1〜2当量使用するのが好まし
い。 反応は一般には無溶媒で行なうことができるが、反応
に不活性な溶媒の存在下行なうこともできる。 反応温度は、0〜200℃、特に100〜150℃が好まし
い。 〔作用及び発明の効果〕 本発明方法によれば、香料を製造するための中間体と
して、また木様感のあるカンフアー様の香気を有しそれ
自身も香料成分として有用な化合物であるトリシクロ
〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを容易に、かつ高収
率で製造することができる。 〔実施例〕 次に実施例を挙げて説明する。 実施例1 トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン−3−カルボン
酸塩化物(4.2g、20.0mmol)及びトリ−n−ブチルアミ
ン(4.4g、22.0mmol)の混合物に臭化パラジウム(52m
g、0.2mmol)を加え、反応温度130℃で2時間加熱撹拌
する。反応混合物を1N塩酸で処理してアミンを除去した
後、エーテルで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ溶媒を留去する。残渣を減圧蒸留したところ、
トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを3.0g
(19.9mmol)を得た。本化合物は、木様感のあるカンフ
アー様の香気を有していた。 収率 99% 沸点 138〜141℃/40mmHg IR(Neat)cm-1 3020、1640 1H−NMR(CDCl3溶媒、TMS内部標準、δ) 1.1〜2.2(14H,m)、5.4〜5.5(1H,m)、5.8〜5.9
(1H,m) 13C−NMR(CDCl3溶媒、TMS内部標準、δ) 23.49(d)、24.80(t)、25.02(t)、28.54
(d)、28.64(d)、31.41(d)、32.16(t)、32.
79(t)、33.75(t)、122.31(d)、135.08(d) これらのスペクトルの結果は、いずれも文献値〔ケミ
ストリー・レターズ(Chem.Lett.)825(1978)〕と一
致した。
エンの製造法に関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン骨格を有する化
合物の中には香気成分として知られているものが多い
(特開昭53−111049〜111052号、特公昭56−4538号)。
例えば今までに次の式(3)、(4)、(5)、
(6)、(7) で表わされる化合物等が知られている。これらはいずれ
も青葉様の強い芳香を有し、香料の基剤として極めて有
用な化合物である。 しかしながら、これら化合物を合成するうえで重要な
中間体であるトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−
エン(1)を大量に、かつ収率良く合成する方法はな
く、高石らが化合物(6)の構造を確認するために次に
示す反応式に従つて化合物(9)へ導いた際に中間体と
して化合物(1)の合成を行なつているのみである〔ケ
ミストリー・レターズ(Chem.Lett.)825(1978)〕。 (式中、Tsはトシル基を示す) しかし、この反応は上式から明らかな如く、化合物の
構造を決定するために、わざわざ多段階の反応を用いて
化合物(1)を導いたものであつて、化合物(1)を合
成するための実用的な方法とは云えない。 従つて、前記式(3)〜(9)で示される化合物等の
トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン誘導体を合成する
際の共通中間体として有用な前記式(1)で示されるト
リシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを簡便に、
かつ高収率で、しかも大量に合成できる製法が所望され
ていた。 〔問題点を解決するための手段〕 斯かる実状において、本発明者は鋭意研究の結果、ト
リシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エン(1)を一
回の操作で一挙に製造しうる方法を見出し、本発明を完
成した。 すなわち本発明は、 (式中、Xはハロゲン原子を示す) で表わされる公知のトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ
ン−3−カルボン酸ハロゲン化物(特公昭56−18588号
公報)を遷移金属触媒及び三級アミン類の存在下処理
し、脱ハロゲン化水素、脱カルボニル化反応を一挙に行
なうことを特徴とする前記式(1)で示される化合物の
製造法を提供するものである。 遷移金属触媒としては、例えばパラジウム金属触媒、
ロジウム金属触媒等が好適なものとして挙げられる。パ
ラジウム金属触媒としては、例えば塩化パラジウム、臭
化パラジウム、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム、
パラジウムブラツク、パラジウム付活性炭、テトラキス
(トリフエニルホスフイン)パラジウム等の0価のパラ
ジウム等が挙げられる。また、ロジウム金属触媒として
は、例えば金属ロジウム、酸化ロジウム、塩化ロジウ
ム、クロロトリス(トリフエニルホスフイン)ロジウム
(I)、ヒドリドカルボニルトリス(トリフエニルホス
フイン)ロジウム(I)等の金属ロジウム、酸化物、錯
体等が挙げられる。遷移金属触媒は、原料化合物(2)
に対してその0.01〜20モル%、特に0.1〜5モル%とな
るように使用するのが好ましい。 また、反応中に生成するハロゲン化水素の除去試薬と
して使用される三級アミン類は、例えばピリジン、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ピコリン、キノリン
等が挙げられる。三級アミン類は、原料化合物(2)に
対して1〜10当量、特に1〜2当量使用するのが好まし
い。 反応は一般には無溶媒で行なうことができるが、反応
に不活性な溶媒の存在下行なうこともできる。 反応温度は、0〜200℃、特に100〜150℃が好まし
い。 〔作用及び発明の効果〕 本発明方法によれば、香料を製造するための中間体と
して、また木様感のあるカンフアー様の香気を有しそれ
自身も香料成分として有用な化合物であるトリシクロ
〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを容易に、かつ高収
率で製造することができる。 〔実施例〕 次に実施例を挙げて説明する。 実施例1 トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン−3−カルボン
酸塩化物(4.2g、20.0mmol)及びトリ−n−ブチルアミ
ン(4.4g、22.0mmol)の混合物に臭化パラジウム(52m
g、0.2mmol)を加え、反応温度130℃で2時間加熱撹拌
する。反応混合物を1N塩酸で処理してアミンを除去した
後、エーテルで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで
乾燥させ溶媒を留去する。残渣を減圧蒸留したところ、
トリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−エンを3.0g
(19.9mmol)を得た。本化合物は、木様感のあるカンフ
アー様の香気を有していた。 収率 99% 沸点 138〜141℃/40mmHg IR(Neat)cm-1 3020、1640 1H−NMR(CDCl3溶媒、TMS内部標準、δ) 1.1〜2.2(14H,m)、5.4〜5.5(1H,m)、5.8〜5.9
(1H,m) 13C−NMR(CDCl3溶媒、TMS内部標準、δ) 23.49(d)、24.80(t)、25.02(t)、28.54
(d)、28.64(d)、31.41(d)、32.16(t)、32.
79(t)、33.75(t)、122.31(d)、135.08(d) これらのスペクトルの結果は、いずれも文献値〔ケミ
ストリー・レターズ(Chem.Lett.)825(1978)〕と一
致した。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.式(2) (式中、Xはハロゲン原子を示す) で表わされるトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカン−3
−カルボン酸ハロゲン化物を遷移金属触媒及び三級アミ
ン類の存在下処理し、脱ハロゲン化水素、脱カルボニル
化反応を一挙に行なうことを特徴とする式(1) で表わされるトリシクロ〔5.3.1.03,8〕ウンデカ−4−
エンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60221561A JP2782512B2 (ja) | 1985-10-04 | 1985-10-04 | トリシクロ〔5.3.1.0 ▲上3▼’▲上8▼〕ウンデカ−4−エンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60221561A JP2782512B2 (ja) | 1985-10-04 | 1985-10-04 | トリシクロ〔5.3.1.0 ▲上3▼’▲上8▼〕ウンデカ−4−エンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6281335A JPS6281335A (ja) | 1987-04-14 |
JP2782512B2 true JP2782512B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=16768654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60221561A Expired - Lifetime JP2782512B2 (ja) | 1985-10-04 | 1985-10-04 | トリシクロ〔5.3.1.0 ▲上3▼’▲上8▼〕ウンデカ−4−エンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2782512B2 (ja) |
-
1985
- 1985-10-04 JP JP60221561A patent/JP2782512B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6281335A (ja) | 1987-04-14 |
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