JP2587272B2 - 3z,6z,8e‐ドデカトリエノールの製造方法並びにこの製造方法において使用する中間体及びこれら中間体の製造方法 - Google Patents

3z,6z,8e‐ドデカトリエノールの製造方法並びにこの製造方法において使用する中間体及びこれら中間体の製造方法

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JP2587272B2 JP15758488A JP15758488A JP2587272B2 JP 2587272 B2 JP2587272 B2 JP 2587272B2 JP 15758488 A JP15758488 A JP 15758488A JP 15758488 A JP15758488 A JP 15758488A JP 2587272 B2 JP2587272 B2 JP 2587272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は3Z,6Z,8E−ドデカトリエノールの製造方法
並びにこの製造方法において使用する中間体及び中間体
の製造方法に関し、その目的は天然のシロアリ道標ベフ
ェロモンと同じ立体配置の3Z,6Z,8E−ドデカトリエノー
ルを極めて簡便な加水分解という方法のみで、つまり高
収率で合成できる前駆中間体の創出にあり、しかもこれ
ら前駆中間体の出発物質が汎用的で入手が容易な、従っ
て工程全体として工業的生産方法に適した3Z,6Z,8E−ド
デカトリエノールの製造方法並びにこの製造方法におい
て使用する中間体及びこれら中間体の製造方法の提供に
ある。
尚、この明細書において、シロアリ道標ベフェロモン
とは、ヤマトシロアリ道標ベフェロモンを意味する。
(従来技術) 一般に、等翅目ミゾガシラシロアリ科に属するヤマト
シロアリは、木造家屋の木質構造材の繊維質を分解し
て、木材の構造力を低下させる被害を及ぼすシロアリの
一種として良く知られている。
従来、シロアリの駆除剤として有機塩素系農薬が使わ
れてきたが、強い残留毒性のため、昭和62年に使用禁止
となった。
現在、有機塩素系農薬に替わるシロアリ防除に使用す
る物質として、シロアリの産生する道標ベフェロモンで
ある3Z,6Z,8E−ドデカトリエノールが研究されている。
該フェロモンの合成に関する技術として例えば、 a) 3,4−エポキシブタノールを原料とする方法、 b) ブタナールを原料とする方法等が知られている。
[(a) J.Insec.Physiol.,17,181-188(1971), (b) J.Org.Chem.,34(7),2180-2182.] しかし、これらの方法は以下に示すような欠点を有し
ている。
(従来技術の欠点) すなわち、a)の3,4−エポキシブタノールを原料と
する方法、b)のブタナールを原料とする方法で得られ
たドデカトリエノールは、いずれの場合も3位、8位の
二重結合は天然フェロモンと同じくそれぞれシス体
(Z)、トランス体(E)に制御されているものの、6
位の二重結合はシス体(Z)とトランス体(E)の混合
物として得られ、結局天然フェロモンとは立体配置が異
なったドデカトリエノールが混在するものであった。
シロアリ道標ベフェロモンである3Z,6Z,8E−ドデカト
リエノールの6位の二重結合は、シス体に制御されてい
なければシロアリ道標ベフェロモンとしての有効性が認
められず(Tai et al.,J.Insect.Physiol.,17,181(197
1).)、結局前記従来方法ではいずれも幾何異性体の
分離操作を必ず必要とし、好ましいシロアリ道標ベフェ
ロモンを簡単に高収率で得ることは困難であった。
(発明の解決課題) そこでこの発明者らは、天然のシロアリ道標ベフェロ
モンと同じ立体配置の3Z,6Z,8E−ドデカトリエノールを
極めて簡便な加水分解という方法のみで、つまり高収率
で合成できる中間体を創出し、しかもこれら中間体の出
発物質が汎用的に入手が容易な、従って工業的生産方法
に適した3Z,6Z,8E−ドデカトリエノールの製造方法並び
にこの製造方法において使用する中間体及びこれら中間
体の製造方法を創出せんとした。
(発明の解決手段) 即ち、この発明者らは1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリ
エン(次式1)を加水分解することを特徴とする3Z,6Z,
8E−ドデカトリエノール(次式2)の製造方法並びにこ
の製造方法において使用する中間体及びこれら中間体の
製造方法を提供することにより特定の合成中間体から天
然のシロアル道標ベフェロモンと同じ立体配置の3Z,6Z,
8E−ドデカトリエノールを加水分解という極めて簡単な
方法のみで、つまり高収率で合成できる前駆中間体の創
出に成功し、しかもこれら前駆中間体はその出発物質が
汎用的で入手が容易な、従って工程全体として工業的生
産方法に適した3Z,6Z,8E−ドデカトリエノールの製造方
法並びにこの製造方法において使用する中間体及びこれ
ら中間体の製造方法を得ることに成功し、この発明方法
等の完成に至ったものである。
(発明の構成) 以下、この発明の構成について詳細に説明する。
この発明においては、まず主たる発明物質である3Z,6
Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデカトリエン(次式
4)、あるいは他の1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリエン
を溶媒に溶解し、酸触媒の存在下で、0℃〜50℃好まし
くは室温〜40℃の条件下で攪拌する。
この反応液にエーテルを加えて水及び飽和食塩水で順
次洗浄した後、エーテルを留去する。
これにより得られた残留物を吸着クロマト(シリカゲ
ルを吸着剤、ヘキサンとエーテルを展開溶媒とする)に
より精製して、3Z,6Z,8E−ドデカトリエノール(次式
2)を得る。
この特定発明方法において、酸触媒を使用するのは3
Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデカトリエン
(式4)のアセタールをアルコールに変換するためので
あり、酸触媒として添加する酸は特に限定するものでは
ないが、例示すればp−トルエンスルホン酸、塩酸又は
p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等がある。
この特定発明方法において、反応温度を0℃〜50℃好
ましくは室温〜40℃の条件下とする理由は、0℃未満で
は反応の進行が困難えあり、50℃より高温では二重結合
の異性化が起こるためである。
以上、この発明に係る3Z,6Z,8E−ドデカトリエノール
(式2)の製造方法について説明したが、3Z,6Z,8E−ド
デカトリエノール(式2)のアルコール性水酸基を保護
するものは、前述のテトラヒドロピラニロキシル基に特
に限定されず、前記の如くORで示される水酸基とエーテ
ル又はエステル結合するものであれば全くよく、Rとし
て例示すれば、エトキシエチル基、ベンジル基、ベンゾ
イル基、アシル基、アルキル基又はアリール基を置換さ
せたベンジル基等を挙げることができる。
この特定発明方法で使用する発明物質、つまりフェロ
モン合成中間体である3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロ
キシドデカトリエン(式4)の好適な製造方法について
述べる。
(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ニルトリフェニルホスホニウムハライド(次式6)を乾
燥溶媒に溶解して、−40℃〜室温、好ましくは−30℃〜
0℃の条件下で塩基を作用させて、ホスホニウムイリド
を調製する。
(ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいず
れか) この調製されたホスホニウムイリドの反応系に、同一
温度条件下、トランス−2−ヘキサナールを続けて滴下
し、反応させる。
この反応液を水中に投入し、炭化水素系溶媒で抽出す
る。
この有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した後、溶媒
を留去する。
これにより得られた残留物を吸着クロマト(シリカゲ
ルを吸着剤とし、ペンタンとエーテルを展開溶媒とす
る)により精製して、3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロ
キシドデカトリエン(式4)を得る。
この方法において、系内の反応中の温度を−40℃〜室
温、好ましくは−30℃〜0℃とする理由は、−40℃未満
では反応の進行が遅く、室温より高温ではイリドの分解
が起こるためである。
この方法において、上記工程中塩基を作用させる理由
は、ホスホニウム塩のα位の水素を引き抜きホスホニウ
ムイリドを形成させるためである。
従って、この条件を満たす塩基であれば、特に限定す
るものではないが、特に例示すれば、n−ブチルチリウ
ム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウ
ム、ナトリウムアミド、カリウムアミド、チリウムアミ
ド、カリウムメチラート、カリウムエチラート、カリウ
ム−i−プロピラート、カリウム−t−ブチラート、ナ
トリウムアルコラートがある。
以上、発明物質である3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニ
ロキシドデカトリエン(式4)の製造方法について説明
した。
尚、保護基としてのテトラヒドロピラニロキシル基を
一般式ORで表されるアルコール性水酸基の保護基に変更
することも可能であり、Rとして例示すれば、エトキシ
エチル基、ベンジル基、ベンゾイル基、アシル基、アル
キル基又はアリール基を置換させたベンジル基等を採用
し、上記3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデカト
リエン(式4)と同じ製造方法に準ずれば、この発明の
中の関連発明方法とすることができる。
上記主たる発明物質の前駆中間体である第2発明物質
たる(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキ
セニルトリフェニルホスホニウムハライド(式6)の好
適な製造方法について述べる。
(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−ハライド(次式7)とトリフェニルホスフィン
とを溶媒を用いずに60℃〜150℃好ましくは80℃〜120℃
で加熱するか、オートクレーブ中非プロトン性溶媒に溶
解して、60℃〜180℃好ましくは100℃〜150℃で加熱し
ながら反応させ、(Z)−6−テトラヒドロピラニロキ
シ−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウムハライド
(式6)を得る。
(ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいず
れか) この方法の工程において、反応温度を60〜180℃とす
る理由は反応温度が180℃を超えた場合は、原料及び生
成物の二重結合の異性化及び分解が起こり、60℃未満の
場合は、反応が進行しなくなり、結局いずれの場合も好
ましくないからである。
この方法の工程において、溶媒を使用する場合には、
この反応の進行を妨げる溶媒以外なら全て好適に使用す
ることができ、特に好ましいものとして非プロトン性溶
媒を有するが、この発明で使用できる溶媒を例示すれ
ば、テトラヒドロフラン、ベンゼン、クロルベンゼン、
ジメチルホルムアミド、トルエン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、メタノール等がある。
以上、第2発明物質である(Z)−6−テトラヒドロ
ピラニロキシ−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウ
ムハライド(式6)の製造方法について説明した。
尚、上記(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3
−ヘキセニルトリフェニルホスホニウムハライド(式
6)の保護基をテトラヒドロピラニロキシル基に限定せ
ず、ORで示されるRとしてエトキシエチル基、ベンジル
基、ベンゾイル基、アシル基、アルキル基、又はアリー
ル基を置換させたベンジル基等とすれば、第2関連発明
とすることができる。
この発明方法の一例である第2関連発明方法で使用す
る(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−ハライド(式7)の好適な一製造方法について
述べる。
(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−オール(次式8)に、ピリジン存在下、反応温
度を氷温以下として、p−トルエンスルフォニルクロラ
イド(トシルクロライド)を滴下し置換反応させる。
この反応液を水中に投入し、エーテルにて抽出操作を
行い、このエーテル層を1N塩酸、飽和硫酸銅水溶液、
水、飽和炭酸ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄す
る。
これを濃縮して、トシルエステルを得る。
この工程において、反応温度を氷温以下とする理由
は、氷温より高温ではトシル化した後、反応系中に含ま
れる塩素アニオンによって反応生成物の塩素化が進行す
るためである。
この方法において、ピリジンを必要とする理由は、反
応により生じる系中の塩化水素を中和し、反応を促すた
めである。
従って、塩基であれば、上述の如くピリジンにのみ限
定するものではない。
次に、得られたトシルエステルに炭酸水素ナトリウム
とハライドリチウム(次式9)を加え、反応温度が40℃
〜50℃の条件で置換反応させる。
この反応液を水中に投入し、エーテル抽出後エーテル
層を飽和食塩水で洗浄する。
これを濃縮後、吸着クロマト(シリカゲルを吸着剤と
し、ヘキサンとエーテルを展開溶媒とする)により精製
し、(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキ
セン−1−ハライド(式7)を得る。
LiX (9) (ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいず
れか) この工程でハライドリチウム(式9)を加えるのはト
シルエステル基をハロゲンに変換させるためである。
前記実施例においてハライドリチウムを好適な置換剤
として記載したが、必ずしも置換剤はハライドリチウム
に限定されるものではなく、ハライドアニオンを得られ
る化合物であれば、この方法においては全て好適に使用
できる。
この工程において、前述の如く炭酸水素ナトリウムを
加えて反応系を弱アルカリ性に保つのは、反応系が酸性
になるとテトラヒドロピラニロキシル基を脱離してしま
うからである。
尚、反応温度を40℃〜50℃の条件化で行う理由は、40
℃未満の場合には反応の進行が極めて遅くなり、50℃よ
り高温の場合には中間体及び反応生成物の分解が起こる
ためである。
次に、この製造方法で使用する(Z)−6−テトラヒ
ドロピラニロキシ−3−ヘキセン−1−オール(式8)
の好適な一製造方法について述べる。
6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−1−
オール(次式10)を溶媒中に溶解し、第1触媒の存在
下、反応温度を氷温以下として、水素雰囲気中で攪拌し
ながら接触半還元する。
この反応液を濾過し、氷冷した塩酸、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水、及び食塩水で順次洗浄した。
これを濾過し、濃縮した後に残留物を得る。
この残留物を吸着クロマロ(シリカゲルを吸着剤、ヘ
キサンとエーテルを展開溶媒とする)により生成して、
(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセン
−1−オール(式8)を得る。
この製造工程で使用する上記第1触媒としては、炭酸
カルシウム又は硫酸バリウムを担体として、パラジウム
を担持させた還元触媒のうち少なくとも一種の触媒であ
って、場合によればこの触媒にキノリンを混合した触媒
が望ましく使用でき、要するに還元触媒としての活性の
比較的弱いものであれば特に限定されることなく好適に
使用できる。
その理由は、炭酸カルシウム又は硫酸バリウムを担体
として、パラジウムを担持させた還元触媒を用いること
により、工業生産上反応効率良く還元させることができ
るからである。
更にこの工程において、キノリンの混合物を採用する
理由は、これらの触媒毒としての機能即ち還元触媒の活
性を弱め三重結合が完全に還元された飽和化合物となる
可能性を排除するためである。
この工程において、接触半還元をする際の反応温度を
氷温以下とする理由は、温度が氷温より高温になると、
三重結合を還元した際に、トランス体を生成する可能性
が高くなり好ましくないからである。
この製造方法で使用する6−テトラヒドロピラニロキ
シ−3−ヘキシン−1−オール(式10)の好適な一製造
方法について述べる。
乾燥窒素ガス雰囲気中でエチルマグネシウムブロマイ
ドのエーテル類溶媒溶液に3−ブチン−1−オールテト
ラヒドロピラニルエーテル(次式11)を加えて40℃〜50
℃の条件下で攪拌し、縮合反応を行う。
次に、エチレンオキシドを氷温以下の条件で添加し、
攪拌して反応させる。
この反応液を塩化アンモニウム水溶液に投入し、エー
テルで抽出操作を行う。
この有機層を飽和食塩水で洗浄した後、濾過し濃縮す
る。
これにより得られた残留オイルを蒸留操作により精製
して、6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−
1−オール(式10)を得る。
この工程において、乾燥窒素ガス雰囲気中で反応を行
う理由は、エチルマグネシウムブロマイドが空気中の水
蒸気、酸素、二酸化炭素等と反応してしまうためであ
り、乾燥した不活性ガスであれば特に窒素ガスに限定す
るものではない。
この工程において、エーテル類溶媒を使用するのは、
エチルマグネシウムブロマイドを安定化させるためであ
り、エーテル類溶媒としては特に限定するものではない
が、特に例示すればテトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル等がある。
この工程において、エチルマグネシウムブロマイドを
使用する理由は、3−ブチン−1−オールテトラヒドロ
ピラニルエーテルのメチン基の水素をマグネシウムハラ
イドに置換させるためであり、有機ハロゲン化物を金属
マグネシウムと処理して調製された試薬であれば、エチ
ルマグネシウムブロマイドに特に限定するものではな
い。
上記工程において、40℃〜50℃の条件下で反応を行う
理由は、メチン基の水素を完全にマグネシウムハライド
に置換するためである。
この工程において、エチレンオキシドを氷温以下の条
件で反応させる理由は、エチレンオキシドの沸点が10.7
℃であるため、氷温より高温になると、反応系中のエチ
レンオキシドが少なくなって反応の進行が妨げられるた
めである。
最後にこの製造方法で使用する3−ブチン−1−オー
ルテトラヒドロピラニルエーテル(式11)の好適な一製
造方法について述べる。
3−ブチン−1−オール(次式12)の溶媒溶液中に酸
触媒を添加し、2,3−ジヒドロピランを加えて、氷温以
下で反応させた後、更に室温〜40℃で反応させる。
この反応液を水中に投入し、有機溶媒で抽出操作を行
い、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で順次
洗浄する。
これを濾過して濃縮し、残留オイルを得る。
得られた残留オイルを蒸留操作により精製して、3−
ブチン−1−オールテトラヒドロピラニルエーテル(式
11)を得る。
この工程において、氷温以下で反応させた後、更に室
温〜40℃で反応させる理由は、反応の進行を促進し、反
応を完結させるためである。
この工程において、酸触媒を使用するのは、2,3−ジ
ヒドロピランの不飽和結合に3−ブチン−1−オールの
アルコール性水酸基が反応してエーテルを形成させるた
めであり、酸触媒として添加する酸は特に限定するもの
ではないが、特に例示すればp−トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、トリクロル酢酸、p−ニトロ酢酸、p−ニトロ安
息香酸等がある。
以下にこの発明方法及び発明物質を図示する。
特定発明方法 第一関連発明方法 第二関連発明方法 第一関連発明物質 第二関連発明物質 (ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいず
れかを意味し、式中Rはテトラヒドロピラニル基、エト
キシエチル基、ベンジル基、ベンゾイル基、アシル基、
アルキル基又はアリール基を置換させたベンジル基のい
ずれかを意味する。) (発明の効果) 以上詳述した如く、この発明に係る3Z,6Z,8E−ドデカ
トリエノールの製造方法並びにこの製造方法において使
用する中間体及びその中間体の製造方法は、新規中間体
1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリエンとこの中間体を加水
分解することを主たる特徴とする3Z,6Z,8E−ドデカトリ
エノールの製造方法等であるから、天然のシロアリ道標
ベフェロモンと同じ立体配置の3Z,6Z,8E−ドデカトリエ
ノールを極めて簡便な加水分解という方法のみで、つま
り高収率で合成できる前駆中間体の創出であり、しかも
これら前駆中間体の出発物質が汎用的で入手が容易な、
従って工程全体として工業的生産方法に適した3Z,6Z,8E
−ドデカトリエノールの製造方法並びにこの製造方法に
おいて使用する中間体及びこれら中間体の製造方法であ
るという効果を奏する。
以下に実施例、比較例及び参考例を示すことにより、
この発明の効果をより一層明確にする。
[第一関連発明物質である3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラ
ニロキシドデカトリエンより3Z,6Z,8E−ドデカトリエノ
ールを合成する場合の実施例] (実施例1) 3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデカトリエン
63g(240mmol)のメタノール溶液500mlに、p−トルエ
ンスルホン酸ピリジニウム塩3.2g(13mmol)を加えて、
40℃で約5時間反応させた。
この反応液をエーテル中に投入し、水及び飽和食塩水
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させた。
これを濾過し、濃縮した後、残留物を吸着クロマト
(シリカゲルを吸着剤、ヘキサンとエーテルを展開溶媒
とする)により精製して反応生成物を得た。
この反応生成物を質量スペクトルにより元素分析を行
った結果を、下記第1表に記載する。
この反応生成物の赤外線吸収スペクトルの吸収波数は
(cm-1)は、3340(br.s)、3020(s)、2955(s)、
2920(s)、2860(s)、1645(w)、1455(m)、14
35(m)、1400(m)、1380(m)、1335(w)、1260
(w)、1045(s)、980(s)、945(s)であった。
測定は、試料をフィルム法により調製し、測定を行っ
た。
更に、プロトン核磁気共鳴スペクトルの共鳴周波数
(Hz)は、0.903(3H,t,J=7.3Hz)、1.410(2H,t,q,J
=7.3,7.3Hz)、2.078(2H,ddt,J=6.7,1.4,6.7Hz)、
2.364(2H,ddtt,J=6.4,1.5,6.4,0.7Hz)、2.960(2H,d
ddd,J=7.3,7.3,1.5,1.5Hz)、3.654(2H,t,J=6.6H
z)、5.243(1H,dt,J=10.6Hz)、5.406(1H,dtt,J=1
1.0,7.3,1.5Hz),5.552(1H,dtt,J=10.6,7.3,1.5H
z)、5.685(1H,dt,J=15.0,7.7Hz)、5.965(1H,dd,J
=10.6,10.6Hz)、6.308(1H,dddt,J=11.0,15.0,1.5,
1.5Hz)であった。
測定は、試料をクロロホルム−dに溶解し、周波数が
400MHzのプロトン核磁気共鳴スペクトルにより測定を行
なった。
以上の結果から、反応生成物は、3Z,6Z,8E−ドデカト
リエノールが得られていることが分かった。
この反応生成物の重量は40gであり、収率は93%であ
った。
なお、第1図に赤外線吸収スペクトル図を第2図にプ
ロトン核磁気共鳴スペクトル図をそれぞれ記載する。
(実施例2及び3) 酸触媒を下記第2表の触媒に変化した以外は実施例1
と全く同様に処理及び同定して得られた3Z,6Z,8E−ドデ
カトリエノールの収率を第2表に併せて記す。
[第二関連発明物質である(Z)−6−テトラヒドロ
ピラニロキシ−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウ
ムハライドより第一関連発明物質である3Z,6Z,8E−テト
ラヒドロピラニロキシドデカトリエンを合成する場合の
実施例及び比較例] (実施例4) (Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ニルトリフェニルホスホニウムブロマイド180g(342mmo
l)を、乾燥テトラヒドロフラン(以下THFと略す)1.5l
及び乾燥ヘキサメチルホスホリックトリアミド1.5lに溶
解し、−40℃の条件下でn−ブチルリチウム(1.6N240m
l380mmol)を滴下した。
反応溶液を−30℃に保持して1時間反応させた後、ト
ランス−2−ヘキサナール35g(350mmol)を一気に加
え、温度を30分毎に5℃昇温するように徐々に0℃まで
上げた。
この反応液を水中に投入し、ペンタンで抽出した。
この有機層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥
した。
これを濾過し濃縮した後、残留物を吸着クロマト(シ
リカゲルを吸着剤、ペンタンとエーテルを展開溶媒とす
る)により精製して反応生成物を得た。
この反応生成物を質量スペクトルにより元素分析を行
った結果を下記第3表に記載する。
この反応物の赤外線吸収スペクトルの吸収波数(c
m-1)は3020(m)、2930(s)、2860(s)、1670
(w)、1650(w)、1455(w)、1440(w)、1210
(m)、1140(s)、1120(s)、1080(s)、1030
(s)、980(m)であった。
測定は、試料をフィルム法により調製し、測定を行っ
た。
更に、プロトン核磁気共鳴スペクトルの共鳴周波数
(Hz)を測定した。
測定は、試料をクロロホルム−dに溶解し、周波数が
400MHzのプロトン核磁気共鳴スペクトルにより測定を行
った。
以上の結果から、反応生成物は、3Z,6Z,8E−テトラヒ
ドロピラニロキシドデカトリエンが得られていることが
分かった。
この反応生成物の重量は63gであり、収率は70%であ
った。
なお、第3図に赤外線吸収スペクトル図を、第4図に
プロトン核磁気共鳴スペクトル図をそれぞれ記載する。
(実施例5〜8並びに比較例1及び2) トランス−2−ヘキサナール添加後の反応中の温度を
下記第4表の如く変化した以外は実施例4と全く同様に
処理及び同定して得られた3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラ
ニロキシドデカトリエンの収率を第4表に併せて記す。
(実施例9) 塩基をt−ブチルオキシカリウム(380mmol)と変化
した以外は、実施例4と全く同様に処理及び同定して得
られた3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデカトリ
エンの収率は45%であった。
[第2関連発明方法である(Z)−6−テトラヒドロピ
ラニロキシ−3−ヘキセン−1−ハライドより第二関連
発明物質である(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ
−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウムハライドを
合成する場合の実施例及び比較例] (実施例10) (Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−ハライド100g(380mmol)とトリフェニルホス
フィン105g(400mmol)を混合し、100℃で約3時間加熱
した。
得られた粘稠液をドライアイス−アセトンペーストを
用いて冷却した後、乾燥エーテルで数回洗浄した。
エーテルを留去して反応生成物を得た。
この反応生成物を質量スペクトルにより元素分析を行
なった結果を、下記第5表に記載する。
この反応物の赤外線吸収スペクトルの吸収波数(c
m-1)は、3060(m)、3020(m)、2930(s)、2860
(s)、1620(w)、1590(m)、1485(m)、1440
(s)、1350(m)、1320(m)、1200(m)、1115
(s)、1075(s)、995(m)、745(s)、720
(s)、690(s)、530(s)、510(s)であった。
試料をフィルム法により調製し、測定を行った。
更にプロトン核磁気共鳴スペクトルの共鳴周波数(H
z)を測定した。
測定は、試料をクロロホルム−dに溶解し、周波数が
400MHzのプロトン核磁気共鳴スペクトルにより測定を行
なった。
以上の結果から、反応生成物は、(Z)−6−テトラ
ヒドロピラニロキシ−3−ヘキセニルトリフェニルホス
ホニウムハライドが得られていることが分かった。
この反応生成物の重量は180gであり、収率は90%であ
った。
なお、第5図に赤外線吸収スペクトル図を、第6図に
プロトン核磁気共鳴スペクトル図をそれぞれ記載する。
(実施例11、12及び比較例3、4) 反応温度を60℃(実施例11)、180℃(実施例12)、5
0℃(比較例3)及び200℃(比較例4)と変化した以外
は、実施例10と全く同様に処理及び同定して得られた
(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセニ
ルトリフェニルホスホニウムブロマイドの収率を下記第
6表に記す。
(実施例13) 溶媒を使用して反応させる場合に、溶媒としてクロル
ベンゼンを200ml添加した以外は実施例10と全く同様に
処理及び同定して得られた(Z)−6−テトラヒドロピ
ラニロキシ−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウム
ブロマイドの収率は60%であった。
[(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−オールより(Z)−6−テトラヒドロピラニロ
キシ−3−ヘキセン−1−ハライドを合成する場合の参
考例] (参考例1) (Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−オール140g(70mmol)をピリジン800mlに溶解
し、氷温以下の条件でp−トルエンスルホニルクロライ
ド200g(1.05mol)を加えた。
氷温以下の条件で3時間反応させた後、3℃にて一晩
放置した。
この反応液を水中に投入し、エーテルにて抽出操作を
行なった。
このエーテル層を1N塩酸、飽和硫酸銅水溶液、水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で順次洗浄し、
硫酸ナトリウムにて乾燥させた。
これを濾過後濃縮し、240gの粗製トシレートを得た。
この粗製トシレート240gを乾燥アセトン2lに溶解し、
炭酸水素ナトリウム118g(1.4mol)と臭化リチウム91.2
g(1.05mol)を加えて、室温で5時間更に40〜50℃で5
時間反応させた。
この反応液を水中に投入し、エーテル抽出を行なった
後、食塩水で洗浄した。
これを硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、濃縮
して残留物を得た。
この残留物を吸着クロマト(シリカゲルを吸着剤、ペ
ンタンとエーテルを展開溶媒とする)により精製し、14
7gの(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキ
セン−1−ブロマイドを得た。収率は80%であった。
(参考例2) トシレートを合成する際の反応温度を室温と変化した
以外は、参考例1と全く同様に処理して得られた(Z)
−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセン−1−
ブロマイドの収率は60%であった。
(参考例3) トシレートを合成する際に添加したピリジンを添加し
なかった以外は、参考例1と全く同様に処理して得られ
た(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセ
ン−1−ブロマイドの収率は0%であった。
(参考例4及び5) 臭化リチウムを下記第7表の如く変化した以外は参考
例1と全く同様に処理して得られた(Z)−6−テトラ
ヒドロピラニロキシ−3−ヘキセン−1−ブロマイドの
収率を第7表に併せて記す。
(参考例6) ハロゲン化する際に、反応温度を40℃〜50℃としたの
を、氷温以下の条件と変化した以外は、参考例1と全く
同様に処理して得られた(Z)−6−テトラヒドロピラ
ニロキシ−3−ヘキセン−1−ブロマイドの収率は10%
であった。
[6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−1−
オールより(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−3
−ヘキセン−1−オールを合成する場合の参考例] (参考例7) 6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−1−
オール160g(808mmol)をペンタン1に溶解し、硫酸
バリウムを担体としてパラジウムを担持させた触媒8gと
キノリン8gを加えて、氷温以下水素雰囲気中激しく攪拌
した。
約5時間後ガスクロマトグラフィーにより反応が終了
したことを確認して、反応液をセライト濾過し、濾液を
濃縮した。
これにエーテル1を加えて、氷冷した0.5N塩酸、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び食塩水で順次洗浄
し、硫酸ナトリウムにて乾燥した。
エーテルを留去し、残留物を吸着クロマト(シリカゲ
ルを吸着剤、ヘキサンとエーテルを展開溶媒とする)に
より精製し、154gの(Z)−6−テトラヒドロピラニロ
キシ−3−ヘキセン−1−オールを得た。収率は95%で
あった。
(参考例8) 還元触媒を炭酸カルシウムを担体としてパラジウムを
担持させた触媒に変化した以外は参考例7と全く同様に
処理して得られた(Z)−6−テトラヒドロピラニロキ
シ−3−ヘキセン−1−オールの収率は90%であった。
(参考例9) 触媒毒としてのキノリンを添加しなかった以外は参考
例7と全く同様に処理して得えられた(Z)−6−テト
ラヒドロピラニロキシ−3−ヘキセン−1−オールの収
率は80%であった。
(参考例10) 反応温度を室温とした以外は、参考例7と全く同様に
処理して得られた(Z)−6−テトラヒドロピラニロキ
シ−3−ヘキセン−1−オールの収率は73%であった。
[3−ブチン−1−オールテトラヒドロピラニルエーテ
ルより6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−
1−オールを合成する場合の参考例] (参考例11) 乾燥窒素ガス雰囲気中でエチルマグネシウムブロマイ
ド133g(1mol)の乾燥THF溶液500mlに、3−ブチン−1
−オールテトラヒドロピラニルエーテル140g(910mmo
l)の乾燥THF溶液1を、40℃〜50℃の条件下で滴下し
た。
滴下終了後2時間40℃〜50℃の条件下で攪拌した。
この反応液に、エチレンオキシド60g(1.37mol)の乾
燥THF溶液200mlを氷温以下で滴下した。
滴下終了後、室温で約12時間攪拌した。
この反応液を塩化アンモニウム水溶液に投入し、エー
テルで抽出操作を行なった。
この有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウ
ムにて乾燥させ、濾過した後、濃縮した。
得られた残留オイルを蒸留することにより生成して、
162gの6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキシン−
1−オールを得た。収率は90%であった。
(参考例12) エチルマグネシウムブロマイドをメチルマグネシウム
クロライド(1mol)と変化した以外は、参考例11と全く
同様に処理して得られた6−テトラヒドロピラニロキシ
−3−ヘキシン−1−オールの収率は88%であった。
(参考例13) 乾燥窒素ガス雰囲気中で反応を行なうのを大気中で反
応を行なうと変化した以外は、参考例11と全く同様に処
理して得られた6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘ
キシン−1−オールの収率は60%であった。
(参考例14) エチルマグネシウムブロマイドと3−ブチン−1−オ
ールテトラヒドロピラニルエーテルを反応させる場合
に、40℃〜50℃の条件下で反応させたのを、氷温以下の
温度条件に変化した以外は、参考例11と全く同様に処理
して得られた6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘキ
シン−1−オールの収率は20%であった。
(参考例15) エチレンオキシドを氷温以下の条件で反応させるの
を、室温で反応させた以外は、参考例11と全く同様に処
理して得られた6−テトラヒドロピラニロキシ−3−ヘ
キシン−1−オールの収率は10%であった。
[3−ブチン−1−オールより3−ブチン−1−オール
テトラヒドロピラニルエーテルを合成する場合の参考
例] (参考例16) 3−ブチン−1−オール80g(1.14mol)及び2,3−ジ
ヒドロピラン115g(1.37mol)の乾燥THF溶液に氷温以下
の条件下で、p−トルエンスルホン酸0.4g(1.2mmol)
を添加した。
氷温以下の条件で1時間、更に室温にて4時間反応さ
せた。
この反応液を水中に投入し、エーテルにて抽出操作を
行なった。
この有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食
塩水で順次洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。
濾過後、濃縮して残留オイルを得た。
この残留オイルを蒸留することにより精製して、167g
の3−ブチン−1−オールテトラヒドロピラニルエーテ
ルを得た。収率は95%であった。
(参考例17) 酸触媒として添加したp−トルエンスルホン酸をトリ
クロル酢酸(1.2mmol)と変化した以外は参考例16と全
く同様に処理して得られた3−ブチン−1−オールテト
ラヒドロピラニルエーテルの収率は92%であった。
(参考例18) 室温にて4時間反応させたのを氷温以下の条件と変化
した以外は参考例16と全く同様に処理して得られた3−
ブチン−1−オールテトラヒドロピラニルエーテルの収
率は50%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ3Z,6Z,8E−ドデカトリエ
ノールの赤外線吸収スペクトル図及びプロトン核磁気共
鳴スペクトル図、第3図及び第4図はそれぞれ3Z,6Z,8E
−テトラヒドロピラニロキシドデカトリエンの赤外線吸
収スペクトル図及びプロトン核磁気共鳴スペクトル図、
第5図及び第6図はそれぞれ(Z)−6−テトラヒドロ
ピラニロキシ−3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウ
ムハライドの赤外線吸収スペクトル図及びプロトン核磁
気共鳴スペクトル図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 69/003 C07C 69/003 C 69/78 69/78 C07D 309/12 C07D 309/12 C07F 9/54 9450−4H C07F 9/54 (72)発明者 中薗 豊 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (72)発明者 今野 満 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−66138(JP,A) 特開 昭52−144609(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリエン(次式
    1)を加水分解することを特徴とする3Z,6Z,8E−ドデカ
    トリエノール(次式2)の製造方法。 (ただし、式中Rはテトラヒドロピラニル基、エトキシ
    エチル基、ベンジル基、ベンゾイル基、アシル基、アル
    キル基又はアリール基を置換させたベンジル基のいずれ
    か)
  2. 【請求項2】(Z)−6−OR−3−ヘキセニルトリフェ
    ニルホスホニウムハライド(次式3)に、塩基の存在下
    で、トランス−2−ヘキサナールを縮合反応させること
    を特徴とする1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリエン(式
    1)の製造方法。 (ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれ
    かを意味し、Rはテトラヒドロピラニル基、エトキシエ
    チル基、ベンジル基、ベンゾイル基、アシル基、アルキ
    ル基又はアリール基を置換させたベンジル基のいずれか
    を意味する。)
  3. 【請求項3】3Z,6Z,8E−ドデカトリエノール(式2)の
    中間体である3Z,6Z,8E−テトラヒドロピラニロキシドデ
    カトリエン(次式4)。
  4. 【請求項4】(Z)−6−OR−3−ヘキセン−1−ハラ
    イド(次式5)にトリフェニルホスフィンを縮合反応さ
    せることを特徴とする、(Z)−6−OR−3−ヘキセニ
    ルトリフェニルホスホニウムハライド(式3)の製造方
    法。 (ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれ
    かを意味し、Rはテトラヒドロピラニル基、エトキシエ
    チル基、ベンジル基、ベンゾイル基、アシル基、アルキ
    ル基又はアリール基を置換させたベンジル基のいずれか
    を意味する。)
  5. 【請求項5】3Z,6Z,8E−ドデカトリエノール(式2)の
    中間体である(Z)−6−テトラヒドロピラニロキシ−
    3−ヘキセニルトリフェニルホスホニウムハライド(次
    式6)。 (ただし、式中Xは塩素、臭素、ヨウ素の原子のいずれ
    か)
  6. 【請求項6】前記の塩基が、n−ブチルリチウム、アル
    カリ金属アミド、アルカリ金属ハイドライドもしくはア
    ルコラートのうち少なくとも一種であることを特徴とす
    る請求項2記載の1−OR-3Z,6Z,8E−ドデカトリエン
    (式1)の製造方法。
JP15758488A 1988-06-25 1988-06-25 3z,6z,8e‐ドデカトリエノールの製造方法並びにこの製造方法において使用する中間体及びこれら中間体の製造方法 Expired - Lifetime JP2587272B2 (ja)

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