JP2718466B2 - ビスキノリノール誘導体及びビスベンゾキノリノール誘導体 - Google Patents

ビスキノリノール誘導体及びビスベンゾキノリノール誘導体

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JP2718466B2
JP2718466B2 JP6283083A JP28308394A JP2718466B2 JP 2718466 B2 JP2718466 B2 JP 2718466B2 JP 6283083 A JP6283083 A JP 6283083A JP 28308394 A JP28308394 A JP 28308394A JP 2718466 B2 JP2718466 B2 JP 2718466B2
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和久 平谷
利和 高橋
和行 春日
秀樹 杉原
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    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07D215/02Heterocyclic compounds containing quinoline or hydrogenated quinoline ring systems having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen atoms or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D215/16Heterocyclic compounds containing quinoline or hydrogenated quinoline ring systems having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen atoms or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D215/20Oxygen atoms
    • C07D215/24Oxygen atoms attached in position 8
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビスキノリノール誘導体
及びビスベンゾキノリノール誘導体、その中間体、それ
らの製造方法、金属イオン抽出剤及び金属イオンの抽出
方法に関するものである。
【0002】8−キノリノールや10−ベンゾキノリノ
ールは溶液中からそれに含まれている金属イオンを抽出
するための抽出剤として用いられているが、その金属イ
オン抽出能は未だ満足すべきものではなく、抽出能の高
められた金属イオン抽出剤の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は以下の
通りである。 (1)金属抽出能にすぐれた化合物を提供すること。 (2)前記化合物の中間体を提供すること。 (3)前記化合物及びその中間体の製造方法を提供する
こと。 (4)金属の抽出性能にすぐれた金属抽出剤を提供する
こと。 (5)金属の抽出方法を提供すること。 本発明の他の課題は以下の記載から明らかに理解される
であろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表
されるビスキノリノール誘導体又はビスベンゾキノリノ
ール誘導体が提供される。
【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
キノリル基を示す) また、本発明によれば、下記一般式(2)で表されるビ
スキノリン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体が提供
される。
【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
てもよい10−ベンゾキノリル基を示す) さらに、本発明によれば、下記一般式(1)
【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
キノリル基を示す)で表されるビスキノリノール誘導体
又はビスベンゾキノリノール誘導体を製造する方法にお
いて、2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペンと
2位がアルキル基で置換されていてもよい8−ヒドロキ
シキノリン又は2位がアルキル基で置換されていてもよ
い10−ヒドロキシベンゾキノリンを塩基の存在下で反
応させて、下記一般式(2)
【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
てもよい10−ベンゾキノリル基を示す)で表されるエ
ーテル化合物を生成させた後、これを加熱処理すること
を特徴とする前記方法が提供される。さらにまた、本発
明によれば、下記一般式(2)
【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
てもよい10−ベンゾキノリル基を示す)で表されるビ
スキノリン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体を製造
する方法において、2−クロロメチル−3−クロロ−1
−プロペンと2位がアルキル基で置換されていてもよい
8−ヒドロキシキノリン又は2位がアルキル基で置換さ
れていてもよい10−ヒドロキシベンゾキノリンを塩基
の存在下で反応させることを特徴とする前記方法が提供
される。さらにまた、本発明によれば、下記一般式
(1)で表されるビスキノリノール誘導体及びビスベン
ゾキノリノール誘導体からなる金属イオン抽出剤が提供
される。
【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
キノリル基を示す) さらにまた、本発明によれば、金属イオンを含む溶液A
に対し、前記金属イオン抽出剤を含み、かつ溶液Aと実
質的に非混和性の溶液Bを接触させて溶液A中の金属イ
オンを溶液Bに抽出させることを特徴とする金属イオン
の抽出方法が提供される。
【0005】本発明のビスキノリノール誘導体及びビス
ベンゾキノリノール誘導体は、以下に示す2つの反応工
程により製造される。 (第1の工程)この工程は、2−クロロメチル−3−ク
ロロ−1−プロペンと2位がアルキル基で置換されてい
てもよい8−ヒドロキシキノリン又は2位がアルキル基
で置換されていてもよい10−ヒドロキシベンゾキノリ
ンを塩基の存在下で反応させて、エーテル結合を有する
ビスキノリン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体を生
成させる工程である。この工程における反応を式で示す
と以下の通りである。 (1)8−ヒドロキシキノリンを用いる場合
【化3】
【0006】(2)10−ヒドロキシベンゾキノリンを
用いる場合
【化4】 前記式中、R3は水素又はアルキル基を示す。アルキル
基としては、炭素数1〜12、好ましくは1〜4の直鎖
状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる。
【0007】前記反応は、塩基の存在下で行われ、反応
温度は40〜150℃、好ましくは70〜100℃であ
る。8−ヒドロキシキノリン又は10−ヒドロキシベン
ゾキノリン(以下、これらを単にキノリン化合物とも言
う)は、2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペン
1モル当り、2〜3モル、好ましくは2〜2.5モルの
割合で用いられる。また、反応は、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等の反応溶媒の存在下で好ま
しく行われる。塩基としては、第3級ブトキシカリウ
ム、第3級ブトキシナトリウム、エトキシナトリウム等
のアルカリ金属アルコラートや水素化ナトリウム等の金
属水素化物等が用いられる。また、反応促進のための微
量の添加剤としてヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等
のアルカリ金属ヨウ素化物等を併用することができる。
塩基の使用量は、キノリン化合物1モル当り、1〜1.
2モル、好ましくは約1モルの割合である。
【0008】(第2工程)この工程は、前記第1工程で
得られた一般式(2)で表されるエーテル結合を有する
ビスキノリン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体を加
熱し、一般式(1)で表されるビスキノリノール誘導体
又はビスベンゾキノリノール誘導体を生成させる工程で
ある。この工程における反応を式で示すと次の通りであ
る。 (1)ビスキノリン誘導体を用いる場合
【化5】 (2)ビスベンゾキノリン誘導体を用いる場合
【化6】 前記式中、R3は前記と同じ意味を有する。前記反応
は、170〜250℃、好ましくは180〜200℃の
温度で行われる。
【0009】本発明による前記一般式(1)で表される
ビスキノリノール誘導体及びビスベンゾキノリノール誘
導体(以下、これらを単にビスキノリノール化合物とも
言う)は、その分子中に含まれる水酸基と窒素原子のた
めに、高い重金属抽出能を有し、重金属抽出剤として、
有害重金属の除去や、有用重金属の回収及び濃縮、多数
の金属イオンの中から特定重金属の分離等の目的で使用
される。
【0010】本発明のビスキノリノール化合物は、多価
金属イオン、例えば、銅イオン、ニッケルイオン、コバ
ルトイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、カドミウ
ムイオン、水銀イオン等の重金属イオンに対して高い抽
出能を示し、特に、二価重金属イオン、例えば、C
2+、Co2+、Zn2+等に高い抽出能を示す。
【0011】本発明のビスキノリノール化合物を抽出剤
として用いて、金属イオンの抽出を行うには、金属イオ
ンを含む溶液Aを、ビスキノリノール化合物を含む溶液
Bに接触させ、一定時間激しく攪拌する方法により行
う。この場合、溶液Bは、溶液Aと実質的に非混和性の
ものである。
【0012】溶液Aは、抽出対象となる金属イオンを含
むもので、通常、水溶液が用いられるが、必ずしも水溶
液に限定されるものではなく、有機溶媒と水との混合溶
液や、アルコール等の有機溶液も適用される。また、こ
の溶液Aは、通常、pH1〜7の酸性または中性溶液が
用いられる。一方、溶液Bの形成に用いられる溶媒は、
溶液Aと実質上非混和性のもの、例えば、溶液Aが水溶
液である場合は、クロロホルム、ジクロルエタンなどの
有機ハロゲン化物や、ベンゼン、トルエン等の炭化水
素、さらにヘキサノール、オクタノールなどの水難溶性
アルコール等が適用される。
【0013】前記のようにして、溶液A及びBを撹拌や
振とう等で接触させるときには、溶液A中の金属イオン
は溶液B中のビスキノリノール化合物と接触し、捕捉さ
れる。このようにして、溶液A中の金属イオンは溶液B
中に抽出される。
【0014】
【発明の効果】本発明のビスキノリノール化合物を抽出
剤として用いるときには、前記したように溶液Aに含ま
れる金属イオンを溶液B中に抽出分離させることができ
るが、本発明のビスキノリノール化合物は、一分子中に
2つのキノリノール又はベンゾキノリノール部分をもつ
ために、その抽出速度が大きく、きわめて効率的な抽出
を可能とする。
【0015】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0016】実施例1 2−(8−ヒドロキシ−7−キノリル)メチル−3−
(8−ヒドロキシ−7−キノリル)−1−プロペン(化
合物A)の合成 8−キノリノール7.0g(0.048mol)をジメ
チルホルムアミド50mlに溶解し、この溶液に第3級
ブトキシカリウム5.0g(0.045mol)を加
え、気体の発生が止み、液が透明になるまで攪拌する。
その後2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペン
2.5g(0.020mol)及びヨウ化カリウムを少
量を加え、70℃で24時間加熱攪拌する。冷却後15
0mlの水を加え、50mlベンゼンで3回抽出する。
ベンゼン溶液を100mlの水で3回洗浄後無水硫酸マ
グネシウムで乾燥する。ベンゼンを減圧留去して得た残
留物をクロロホルムを溶出液とするシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより生成物を分離し、2−(8−キ
ノリルオキシ)メチル−3−(8−キノリルオキシ)−
1−プロペン1.6g(収率47%)を得た。この化合
物は、NMR、IR及び質量分析等で、その構造を同定
した。 質量分析:計算値 342.1367 (C22182
2) 実測値 342.1375 また、この化合物は、常温で無色固体状を示し、その融
点は約101〜102℃であった。次に、この化合物
0.6gを無溶媒で200℃で2時間加熱し、冷却後ク
ロロホルムを溶出液とし、シルカゲルを用いてカラムク
ロマイトグラフィーにより生成物を分離し目的とする化
合物A0.54g(収率90%)を得た。NMR,IR
および質量分析等でその化合物の構造を同定した。 質量分析:計算値 342.1367 (C22182
2) 実測値 342.1331 この化合物Aは常温で無色固体状を示し、その融点は約
131〜132℃であった。
【0017】実施例2 2−(2−メチル−8−ヒドロキシ−7−キノリル)メ
チル−3−(2−メチル−8−ヒドロキシ−7−キノリ
ル)−1−プロペン(化合物B)の合成 実施例1において、8−キノリノールの代わりに、2−
メチル−8−キノリノール7.0g(0.044mo
l)を用いる以外は全く同様にして、2−(2−メチル
−8−キノリルオキシ)メチル−3−(2−メチル−8
−キノリルオキシ)−1−プロペン3.8g(収率51
%)を得た。この化合物は、NMR、IR及び質量分析
等で、その構造を同定した。 質量分析:計算値 370.1680 (C24222
2) 実測値 370.1685 この化合物は常温で無色固体状を示し、その融点は約7
7〜79℃であった。次に、この化合物0.96gを無
溶媒で200℃、2時間加熱した後、実施例1の場合と
同様の後処理により、目的とする化合物B0.84g
(収率88%)を得た。この化合物Bは、NMR、I
R、質量分析等でその構造を確認した。 質量分析:計算値 370.1680 (C24222
2) 実測値 370.1657 この化合物Bは常温で淡黄色固体状を示し、その融点は
約177〜178℃であった。
【0018】実施例3 2−(10−ヒドロキシ−9−ベンゾキノリル)メチル
−3−(10−ヒドロキシ−9−ベンゾキノリル)−1
−プロペン(化合物C)の合成 実施例1において、8−キノリノールの代わりに、10
−ベンゾキノリノール2.1g(0.011mol)を
用いる以外は全く同様にして、2−(10−ベンゾキノ
リルオキシ)メチル−3−(10−ベンゾキノリルオキ
シ)−1−プロペン0.7g(収率32%)を得た。こ
の化合物Cは、NMR、IR及び質量分析等で、その構
造を同定した。 質量分析:計算値 442.1680 (C20222
2) 実測値 442.1658 また、この化合物は常温で淡黄色固体状を示し、その融
点は約112〜114℃であった。次に、この化合物
0.15gを無溶媒で200℃、2時間加熱した後、実
施例1の場合と同様の後処理により、目的とする生成物
化合物C 1.3g(収率87%)を得た。この化合物
CはNMR、IR及び質量分析等で、その構造を同定し
た。 質量分析:計算値 442.1680 (C30222
2) 実測値 442.1691 また、この化合物Cは、常温で黄色固体状を示し、その
融点は約141〜144℃であった。
【0019】実施例4 ビスキノリノール化合物を抽出剤とする抽出試験 試験1 溶液A中の金属イオンをキノリノール化合物を含む溶液
B中に抽出するために、20mlスクリュー管に溶液A
と溶液Bを入れ、25℃で2時間振トウ機で振トウして
抽出試験を行った。抽出剤としては、前記化合物Aを用
いた。また、溶液A及びBの成分組成は次の通りであ
る。 溶液A:pH=6.2に調整した0.1mMCu(OA
c)2、0.1mM Ni(OAc)2、0.1mM Co(OAc)2、又は
0.1mM Zn(OAc)2を単独で含む水溶液5ml。 溶液B:化合物Aの1mMを含むクロロホルム5mlの
溶液。 溶液Aから溶液Bへ抽出された金属イオン量を原子吸光
分析により測定したところ、表1に示したような割合で
抽出された。表1において示した%は溶液Aの金属イオ
ンの初期量のうち溶液Bへの抽出された金属イオンの割
合である。
【0020】
【表1】
【0021】これらの結果から、化合物AがpH6.2
の水溶液Aから4種の金属イオンのすべてをきわめて効
率的に抽出することがわかる。
【0022】試験2 試験1において、溶液AとしてpH6.2に調整した各
々0.1mMのCo(OAc)2、Ni(OAc)2、C
o(OAc)2、およびZn(OAc)2を含む混合水溶
液5mlを用いる以外は全く同様にして抽出試験を行っ
た。金属イオンは溶液Aから溶液Bへ各々表2に示すよ
うな割合で抽出された。
【0023】
【表2】
【0024】これらの結果から、化合物Aが4種類の金
属イオンを含むpH6.2の水溶液Aからニッケルイオ
ンを除き、効率的に抽出することがわかる。
【0025】試験3 試験1において、溶液Bとして、化合物Bの1mMを含
むクロロホルム5mlの溶液を用いる以外は全く同様に
して抽出試験を行った。金属イオンは溶液Aから溶液B
へ各々表3に示すような割合で抽出された。
【0026】
【表3】
【0027】これらの結果から、化合物BがpH6.2
の水溶液Aから銅イオンを最も効率よく抽出し、次に、
亜鉛イオン、ニッケルイオンの順に、抽出することがわ
かる。他方、コバルトイオンに対してはほとんど抽出性
能を持たないことがわかる。
【0028】試験4 試験2において、溶液Bとして、化合物Bの1mMを含
むクロロホルム5mlの溶液を用いる以外は全く同様に
して抽出試験を行った。溶液Aから溶液Bへ抽出された
量を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】これらの結果から、化合物Bが4種類の金
属イオンを含むpH6.2の水溶液Aから銅イオンを最
も効率よく抽出し、次に亜鉛イオン、ニッケルイオンと
なり、コバルトイオンに対しては全く抽出能を持たない
ことがわかる。
【0031】試験5 試験1において、溶液Bとして、化合物Cの1mMを含
むクロロホルム5mlの溶液を用いる以外は全く同様に
して抽出試験を行った。金属イオンは溶液Aから溶液B
へ各々表5に示すような割合で抽出された。
【0032】
【表5】
【0033】これらの結果から、化合物CがpH6.2
の水溶液Aから銅イオンを最も効率よく抽出し、次に、
ニッケルイオンをわずかに抽出したが、コバルトイオ
ン、亜鉛イオンに対しては全く抽出能を持たないことが
わかる。
【0034】試験6 試験2において、溶液Bとして、化合物Cの1mMを含
むクロロホルム5mlの溶液を用いる以外は全く同様に
して抽出試験を行った。金属イオンは溶液Aから溶液B
へ各々表6に示すような割合で抽出された。
【0035】
【表6】
【0036】これらの結果から、化合物Cが4種類の金
属イオンを含むpH6.2の水溶液Aから銅イオンを最
も効率よく抽出するのに対して、ニッケルイオン、コバ
ルトイオン、亜鉛イオンに対しては全く抽出能を持たな
いことがわかる。
【0037】試験7 試験1において、溶液Aの組成を0.1mMCu(OA
c)2 とし、pHを1から6.2まで変化させ、また溶
液B中の抽出剤を1mMの化合物A、B、C又は比較の
ため2mMの5ーオクチルオキシメチルー8ーキノリノ
ールとした以外は全く同様にして抽出試験を行った。各
pHに調整された溶液Aから各々3種の抽出剤を含む溶
液B中へ抽出された金属イオンの量を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】これらの結果から、化合物Aは測定した全
てのpH領域において銅イオンを抽出することができ、
pH1.4でやく半分の抽出量となった。これは5−オ
クチルオキシメチル−8−キノリノールに匹敵又は凌駕
することがわかった。化合物BはpHが3以上で銅イオ
ンを抽出することがわかった。化合物CはpH6近くで
銅イオンの抽出能をもつことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 秀樹 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるビスキノリ
    ノール誘導体又はビスベンゾキノリノール誘導体。 【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
    もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
    キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
    キノリル基を示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるビスキノリ
    ン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体。 【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
    い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
    てもよい10−ベンゾキノリル基を示す)
  3. 【請求項3】 下記一般式(1) 【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
    もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
    キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
    キノリル基を示す)で表されるビスキノリノール誘導体
    又はビスベンゾキノリノール誘導体を製造する方法にお
    いて、2−クロロメチル−3−クロロ−1−プロペンと
    2位がアルキル基で置換されていてもよい8−ヒドロキ
    シキノリン又は2位がアルキル基で置換されていてもよ
    い10−ヒドロキシベンゾキノリンを塩基の存在下で反
    応させて、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
    い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
    てもよい10−ベンゾキノリル基を示す)で表されるエ
    ーテル化合物を生成させた後、これを加熱処理すること
    を特徴とする前記方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R2は2位がアルキル基で置換されていてもよ
    い8−キノリル基又は2位がアルキル基で置換されてい
    てもよい10−ベンゾキノリル基を示す)で表されるビ
    スキノリン誘導体又はビスベンゾキノリン誘導体を製造
    する方法において、2−クロロメチル−3−クロロ−1
    −プロペンと2位がアルキル基で置換されていてもよい
    8−ヒドロキシキノリン又は2位がアルキル基で置換さ
    れていてもよい10−ヒドロキシベンゾキノリンを塩基
    の存在下で反応させることを特徴とする前記方法。
  5. 【請求項5】 下記一般式(1)で表されるビスキノリ
    ノール誘導体又はビスベンゾキノリノール誘導体からな
    る金属イオン抽出剤。 【化1】 (前記式中、R1は2位がアルキル基で置換されていて
    もよい8−ヒドロキシ−7−キノリル基又は2位がアル
    キル基で置換されていてもよい10−ヒドロキシ−9−
    キノリル基を示す)
  6. 【請求項6】 金属イオンを含む溶液Aに対し、請求項
    5の金属イオン抽出剤を含み、かつ溶液Aと実質的に非
    混和性の溶液Bを接触させて溶液A中の金属イオンを溶
    液Bに抽出させることを特徴とする金属イオンの抽出方
    法。
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