JP2758403B2 - クロマン誘導体及びαートコフェロールの製造方法 - Google Patents

クロマン誘導体及びαートコフェロールの製造方法

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JP2758403B2 JP63074920A JP7492088A JP2758403B2 JP 2758403 B2 JP2758403 B2 JP 2758403B2 JP 63074920 A JP63074920 A JP 63074920A JP 7492088 A JP7492088 A JP 7492088A JP 2758403 B2 JP2758403 B2 JP 2758403B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は工業的に有用なトコフェロール類の新規な製
造方法及びその製造方法において有用な中間体に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
生体内抗酸化作用を中心とする種々の生理作用が報告
され、注目されるようになったトコフェロール類は、そ
のもの自体のみならず、各種の誘導体として医薬品、食
品、飼料などとして広く汎用されており、極めて重要な
物質である。
このトコフェロール類は、トリメチルハイドロキノン
とフィトール又はイソフィトールを塩化亜鉛や三フッ化
ホウ素・エーテラートのようなルイス酸を触媒として縮
合閉環して合成されている〔Helv.Chim.Acta.,21,309
(1938);J.Chem.Soc.,1938,1382;U.S.P.2,723,278(19
55)及び特公昭45−23146(1970)など参照〕。
この方法の最大の欠点は、原料となるフィトール、イ
ソフィトールが高価であることである。このことがトコ
フェロール類の工業生産の鍵となっており、トコフェロ
ール類の市場価格高騰の原因である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明者等は、高価なフィトール、イソフィト
ールを必要としないα−トコフェロールの製造方法につ
いて長年にわたって鋭意検討した結果、より安価な原料
を用い簡便で効率の良い方法を見出し、本発明を完成す
るに至った。
即ち本発明は、 一般式 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を意味する) で表されるトコクロマノール−1を次亜塩素酸又はクロ
ラミン−Tと反応せしめて、次の化学構造式 (式中、Rは前記の意味を有する) で表される塩素化トコクロマノール−1を得、得られた
該化合物に3,7−ジメチルオクチルハライドのグリニャ
ール試薬を反応せしめ、次の化学構造式 (式中、Rは前記の意味を有する) で表される3′,4′−デヒドロトコフェロールを得、次
いで得られた該化合物を脱保護・還元することを特徴と
する次の化学構造式 で表されるα−トコフェロールの製造方法を提供するも
のであり、 更に本方法において用いられる次の化学構造式(II)
で表されるクロマン誘導体を提供するものである。
(式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を意味する) 上記一連の化学式において、Rの定義における水酸基
の保護基とは、加水分解によるか、或いは還元的に該保
護基が脱離され得る基であればいかなる基でもよいが、
通常用いられる代表的な基をあげれば、例えばアルコキ
シアルキル基(例えばメトキシメチル基、エトキシエチ
ル基など)、トリアルキルシリル基、テトラヒドロピラ
ニル基、ベンジル基などをあげることができる。
本発明においてα−トコフェロールを合成するプロセ
スを図示すれば次の通りである。
本発明方法は、上記に図示した如く、フィトール又は
イソフィトールを使用しない工業的方法であり、本発明
の価値は高い。
以下に各工程の説明を掲げる。
〔第一工程〕
出発物質である式(I)で表される2,5,7,8テトラメ
チル−2−(4′−メチル−3′−ペンテニル)−6−
クロマノール(一般名トコクロマノール−1)或いはそ
のエーテル保護基のあるものを、水とは非混和性の有機
溶媒と水との二相系において次亜塩素酸又はクロラミン
−Tと反応せしめて、式(II)で表される2,5,7,8−テ
トラメチル−2−(3′−クロロ−4′−メチル−4′
−ペンテニル)−6−クロマノール或いはそのエーテル
保護基のあるものを得る工程である。
本工程はエン型クロル化反応と呼ばれ、通常ジクロル
メタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系炭
化水素溶媒と水との二相系で0℃〜室温においてドライ
アイスの小片を添加しつつ行われる〔Chem.Lett.,1982,
141;ibid.,1984,877〕。
〔第二工程〕
本反応は、式(II)で表される2,5,7,8−テトラメチ
ル−2−(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテ
ニル)−6−クロマノール或いはそのエーテル保護基の
あるものを、ヨウ化第一銅存在下に式(V)で表される
3,7−ジメチルオクチルハライドのグリニャール試薬を
反応せしめ、式(III)で表される3′,4′−デヒドロ
トコフェロール或いはそのエーテル保護基のあるものを
一工程で得る反応である。
具体的な方法の一例を述べれば、3,7−ジメチルオク
チルブロマイドと金属マグネシウムをジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフランの如きエーテル系溶媒中にて常
法のグリニャール試薬を調製し、これに0.01〜0.1モル
相当のハロゲン化第一銅、例えば塩化又はヨウ化第一銅
と式(II)で表される2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)−
6−クロマノール或いはそのエーテル保護基のあるもの
を加えて、−10℃〜0℃の温度で反応せしめ、式(II
I)で表される3′,4′−デヒドロトコフェロール或い
はそのエーテル保護基のあるものを得る反応である。
この反応において生成する3′,4′−二重結合はトラ
ンス体が90%以上である。
〔第三工程〕
本反応は、式(III)で表される3′,4′−デヒドロ
トコフェロール(R=H)を有機溶媒、例えばエタノー
ル、酢酸エチルエステル、酢酸中において水素添加触媒
(例えばパラジウム、白金等)の存在下、室温〜100℃
の温度で、且つ適当ならば加圧下に水素添加して式(I
V)で表されるα−トコフェロールを得る反応である。
又式(III)で表される3′,4′−デヒドロトコフェ
ロールのエーテル保護基のあるものについては、(i)
メトキシメチル基はエタノール中無機酸、例えば塩酸、
硫酸にて脱保護し、(ii)エトキシエトキシ基はメタノ
ール中有機酸、例えば蓚酸と還流して脱保護した後、前
述の水素添加反応にて容易に式(IV)で表されるα−ト
コフェロールを得ることができる。
さらに(iii)ベンジル基は無水酢酸−ベンゼン系溶
媒中にて水素添加触媒(例えばパラジウム、白金等)の
存在下に室温〜100℃の温度で、必要ならば加圧下に水
素添加と脱保護を同時に進行させて、式(IV)で表され
るα−トコフェロールを得る反応である。
本発明における方法に出発物質として用いる式(I)
で表される2,5,7,8−テトラメチル−2−(4′−メチ
ル−3′−ペンテニル)−6−クロマノールは、式(V
I)で表されるトリメチルハイドロキノンと式(VII)で
表されるゲラニオール又は式(VIII)で表されるリナロ
ールとをベンゼン中、三フッ化ホウ素エーテラート触媒
下に反応させて得ることができる〔Bull.Chem.Soc.Jp
n.,41,1224(1968)〕。
式(VII)で表されるゲラニオール及び式(VIII)で
表されるリナロールはより安価なミルセンから合成可能
である。
前述の本発明方法において得られる、式(II)で表さ
れるクロマン誘導体は新規化合物であり、トコフェロー
ル類の合成において特に有用な中間体である。
〔実 施 例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
実施例 1 2,5,7,8−テトラメチル−2−(3′−クロロ−4′−
メチル−4′−ペンテニル)−6−クロマノール 2,5,7,8−テトラメチル−2−(4′−メチル−3′
−ペンテニル)−6−クロマノール7g(0.024モル)を
ジクロルメタン70mlに溶解し、水30ml、クロラミン−T6
g(0.026モル)を加え室温で激しく撹拌しつつ、ドライ
アイスの小片を2時間かけて徐々に加える。
白色沈澱を濾別し、有機層を水洗後、無水硫酸マグネ
シウムにて乾燥し、この抽出液から溶媒を留去し、淡黄
色油状物7.3gを得た。
得られた淡黄色油状物を200メッシュのシリカゲル100
gを用い、n−ヘキサン−ベンゼン系にてフラッシュカ
ラムクロマト精製して、無色油状の標題の目的物質4.6g
を得た(収率62.2%)。
元素分析値;C19H27ClO2(322.883)として C H 計算値(%) 70.68 8.43 実測値(%) 70.91 8.40 IR(Neat,cm-1); 3350(OH基),910(CH2=C) NMR(CDCl3,δ); 1.25(3H,s),1.5〜1.7(4H,m),1.80(3H,d),
2.05(2H,t),2.1(6H,s),2.15(3H,s),2.6(2H,t),
4.1(1H,s),4.37(1H,d,d),4.9(1H,d),5.0(1H,s) Mass;M+=322 実施例 2 6−ベンジルオキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)ク
ロマン 6−ベンジルオキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(4′−メチル−3′−ペンテニル)クロマン7.6g(0.
02モル)、クロラミン−T5.5g(0.024モル)、ジクロル
メタン100ml、水30mlを用い、実施例1と同様に操作し
て、無色油状の標題の目的物質5.5gを得た(収率66.7
%)。
元素分析値;C26H33ClO2(413.011)として C H 計算値(%) 75.61 8.05 実測値(%) 75.87 8.12 IR(Neat,cm-1);915(CH2=C) NMR(CDCl3,δ); 1.27(3H,s),1.5〜1.8(4H,m),1.85(3H,d),
2.02(2H,t),2.1(3H,s),2.15(3H,s),2.21(3H,
s),2.26(2H,t),4.37(1H,d,d),4.70(2H,s),4.90
(1H,d),5.02(1H,s),7.3〜7.5(5H,broad) Mass;M+=412 実施例 3 6−メトキシメトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)ク
ロマン 6−メトキシメトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2
−(4′−クロロ−3′−ペンテニル)クロマン6.65g
(0.02モル)、クロラミン−T5.46g(0.024モル)、ジ
クロルメタン100ml、水30mlを用い、実施例1と同様に
操作し、無色油状の標題の目的物質5.6gを得た(収率7
6.3%)。
元素分析値;C21H31ClO3(366.935)として C H 計算値(%) 68.74 8.52 実測値(%) 68.93 8.57 NMR(CDCl3,δ); 1.25(3H,s),1.5〜1.75(4H,m),1.84(3H,d),
2.0(2H,t),2.08(3H,s),2.12(3H,s),2.18(3H,
s),2.6(2H,t),3.6(3H,s),4.35(1H,d,d),4.85(2
H,s),4.95(1H,d),5.05(1H,s) Mass;M+=366 実施例 4 6−エトキシエトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)ク
ロマン 6−エトキシエトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2
−(4′−メチル−3′−ペンテニル)クロマン3.6g
(0.01モル)、さらし粉2.5g(有効塩素量61%,0.011モ
ル)、ジクロルメタン50ml、水20mlを用い、実施例1と
同様に操作し、無色油状の標題の目的物質2.6gを得た
(収率66%)。
元素分析値;C23H35ClO3(394.987)として C H 計算値(%) 69.94 8.93 実測値(%) 70.11 9.04 NMR(CDCl3,δ); 0.9(3H,d),1.05(3H,t),1.2(3H,s),1.52〜
1.78(4H,m),1.85(3H,d),2.02(2H,t),2.05(3H,
s),2.15(6H,s),2.55(2H,t),3.37(2H,m),4.35(1
H,d,d),4.8(1H,m),4.95(1H,d),5.03(1H,s) Mass;M+=394 実施例 5 3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロール 金属マグネシウム243mgとテトラヒドロフラン30mlを
アルゴン気流中室温下に撹拌しつつ、エチレンジブロマ
イド30mgを加え、次いで3,7−ジメチルオクチルブロマ
イド2.2g(0.01モル)のテトラヒドロフラン溶液20mlを
滴下し、滴下終了後、反応温度を60℃に上昇させ、2時
間撹拌してマグネシウムを溶解させる。
次いで反応液を0℃に冷却しつつ、ヨウ化銅0.1g(0.
5ミリモル)及び実施例1で得た2,5,7,8−テトラメチル
−2−(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニ
ル)−6−クロマノール2.9g(0.009モル)のテトラヒ
ドロフラン溶液20mlを加え、反応温度を室温まで上昇さ
せ一昼夜撹拌する。
この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液150mlを加
え、ジエチルエーテル100mlにて2回抽出し、抽出液は
飽和食塩水100mlにて水洗後、無水硫酸マグネシウムに
て乾燥し、溶媒留去して、淡黄色油状物4.4gを得た。
このものを200メッシュのシリカゲル80gを用い、n−
ヘキサン−ベンゼン系にてフラッシュカラムクロマト精
製して、無色油状の標題の目的物質2.15gを得た(収率5
5.8%)。
元素分析値;C29H48O2(428.7)として C H 計算値(%) 81.25 11.29 実測値(%) 81.53 11.32 IR(Neat,cm-1);3400(OH基) NMR(CDCl3,δ); 0.85(9H,d),1.27(3H,s),1.6(3H,s),1.92
(2H,t),2.12(6H,s),2.18(3H,s),2.6(2H,t),4.1
5(1H,broad),5.12(1H,t) Mass;M+=428 実施例 6 3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロールベンジルエー
テル 金属マグネシウム486mg、3,7−ジメチルオクチルクロ
ライド3.53g(0.02モル)、エチレンブロマイド30mg、
ヨウ化銅0.2g(0.001モル)、実施例2で得られた6−
ベンジルオキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−(3′
−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)クロマン
7.43g(0.018モル)、テトラヒドロフラン120mlを用い
て実施例5と同様に操作して、無色油状の標題の目的物
質6.52gを得た(収率69.8%)。
元素分析値;C36H54O2(518.832)として C H 計算値(%) 83.34 10.49 実測値(%) 83.60 10.55 NMR(CDCl3,δ); 0.88(9H,d),1.27(3H,s),1.60(3H,s),1.95
(2H,t),2.10(3H,s),2.17(3H,s),2.22(3H,s),2.
62(2H,t),4.70(2H,s),5.17(1H,t),7.3〜7.6(5H,
m) Mass;M+=518 実施例 7 3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロールメトキシメチ
ルエーテル 金属マグネシウム486mg、3,7−ジメチルオクチルブロ
マイド4.43g(0.02モル)、エチレンジブロマイド30m
g、ヨウ化銅0.2g(1.0ミリモル)、実施例3で得た6−
メトキシメトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)ク
ロマン5.5g(0.015モル)、テトラヒドロフラン120mlを
用いて実施例5と同様に操作して、無色油状の標題の目
的物質4.3gを得た(収率60.6%) 元素分析値;C31H52O3(472.756)として C H 計算値(%) 78.76 11.09 実測値(%) 78.91 11.13 NMR(CDCl3,δ); 0.88(9H,d),1.25(3H,s),1.65(3H,s),1.97
(2H,t),2.10(3H,s),2.15(3H,s),2.20(3H,s),2.
60(2H,t),3.60(3H,s),4.85(2H,s),5.12(1H,t) Mass;M+=472 実施例 8 3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロールエトキシエチ
ルエーテル 金属マグネシウム243mg、3,7−ジメチルオクチルクロ
ライド1.77g(0.01モル)、エチレンジブロマイド30m
g、ヨウ化銅0.1g(0.5ミリモル)、実施例4で得た6−
エトキシエトキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−
(3′−クロロ−4′−メチル−4′−ペンテニル)ク
ロマン3.55g(0.009モル)、テトラヒドロフラン70mlを
用いて実施例5と同様に操作して、無色油状の標題の目
的物質3.4gを得た(収率75.6%)。
元素分析値;C33H56O3(500.808)として C H 計算値(%) 79.14 11.27 実測値(%) 79.37 11.35 NMR(CDCl3,δ); 0.9(9H,d),1.1(3H,t),1.2(3H,s),1.62(3
H,s),1.95(2H,t),2.1(3H,s),2.15(3H,s),2.20
(3H,s),2.60(2H,t),3.3〜3.6(2H,m),4.85(1H,
m),5.12(1H,t) Mass;M+=500 実施例 9 α−トコフェロールの合成 (合成例1) 実施例5で得た3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロ
ール2.15g(5ミリモル)をエタノール40mlに溶解し、
これに5%パラジウム炭素0.2gを加えて接触還元を行
い、もはや水素ガスを吸収しなくなった時点で反応終了
とし、反応液を濾過し、溶媒を留去するだけで無色油状
の標題の目的物質2.1gを得た。収率は定量的であった。
得られた生成物はTLC,IR,NMR,Massにて目的物質であ
ることを確認した。
(合成例2) 実施例6で得た3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロ
ールベンジルエーテル5.19g(0.01モル)をベンゼン40m
l、無水酢酸40mlに溶解し、5%パラジウム炭素0.5gを
加え、室温にて水素ガス圧力4kg/cm2にて中圧還元を6
時間行い、もはや水素圧が減少しないことを確認して反
応液を濾過し、濾液は水200ml中にあけ、ジエチルエー
テル100mlにて2回抽出し、抽出液は炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、次いで飽和食塩水にて洗滌後、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥し、溶媒を留去し、淡黄赤色油状物5.
0gを得た。
このものを200メッシュのシリカゲル150gを用いてn
−ヘキサン−ベンゼン系にてフラッシュカラムクロマト
精製して、無色油状の標題の目的物質4.12gを得た(収
率95.8%)。
(合成例3) 実施例7で得た3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロ
ールメトキシメチルエーテル4.0g(8.5ミリモル)をエ
タノール50ml、2N−酢酸10mlに溶解し、80℃にて2時間
撹拌し、反応液を氷水100ml中にあけ、ジエチルエーテ
ル100mlにて2回抽出し、抽出液は無水硫酸マグネシウ
ムにて乾燥後、溶媒留去して黄赤色油状物3.5gを得た。
次いで5%パラジウム炭素0.3g、エタノール50mlを用
いて合成例1と同様に接触還元し、標題の目的物質3.2g
を得た(収率87.6%)。
(合成例4) 実施例8で得た3′,4′−デヒドロ−α−トコフェロ
ールエトキシエチルエーテル3.0g(6ミリモル)、メタ
ノール50ml、水10ml、蓚酸5gを混合し、2時間撹拌、還
流し、次いで反応液を氷水100ml中にあけ、ジエチルエ
ーテル60mlにて2回抽出し、抽出液を乾燥後、溶媒留去
して、黄赤色油状物の標題の目的物質2.4gを得た。
次いでこれを合成例1に記載したと同様な方法で接触
還元して、標題の目的物質2.1gを得た(収率81.4%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 311/72 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を意味する) で表されるクロマン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を意味する) で表される塩素化トコクロマノール−1に3,7−ジメチ
    ルオクチルハライドのグリニャール試薬を反応せしめ、
    次の化学構造式 (式中、Rは前記の意味を有する) で表される3′,4′−デヒドロトコフェロールを得、次
    いで得られた該化合物を脱保護・還元することを特徴と
    する次の化学構造式で表されるα−トコフェロールの製
    造方法。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、Rは水素原子又は水酸基の保護基を意味する) で表されるトコクロマノール−1を次亜塩素酸又はクロ
    ラミン−Tと反応せしめて、次の化学構造式 (式中、Rは前記の意味を有する) で表される塩素化トコクロマノール−1を得、得られた
    該化合物に3,7−ジメチルオクチルハライドのグリニャ
    ール試薬を反応せしめ、次の化学構造式 (式中、Rは前記の意味を有する) で表される3′,4′−デヒドロトコフェロールを得、次
    いで得られた該化合物を脱保護・還元することを特徴と
    する次の化学構造式で表されるα−トコフェロールの製
    造方法。
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