JP3254745B2 - ジオール化合物およびその製造法 - Google Patents

ジオール化合物およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、飼料添加物とし
て使用されるビタミンAあるいはそのエステル化物の新
規な中間体およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のビタミンAあるいはそのエステル
化物の工業的な製造法は、例えば、(1)Helvetica Chemi
ca Acta, 30, 1911(1947) あるいは(2)Chemie Ingeniuo
r Technik, 45, 646(1973)に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、いずれ
も炭素数13のβ−イオノンを原料とし、2段階の増炭
反応で炭素数20のビタミンA骨格を合成している。す
なわち、(1) の方法では、β−イオノンにクロロ酢酸メ
チルを反応させ、炭素数14のアルデヒド化合物とした
後、炭素数6のアセチレン化合物を反応させて、炭素数
20の骨格を構築している。また、(2) の方法では、β
−イオノンとアセチレンの反応で炭素数15のアルコー
ル化合物を得、さらに2段階を経て炭素数15のホスホ
ニウム塩とした後、炭素数5のアルデヒドを反応させ
て、炭素数20の骨格を合成している。
【0004】このように従来の技術においては、β−イ
オノンから2段階の増炭反応をおこなっているため、工
程数が多くなり、工業的に必ずしも充分なものとは言い
がたかった。
【0005】かかる問題の解決のためには、β−イオノ
ンと炭素数7の化合物を反応させて1段階で炭素数20
の化合物を製造すればよい。ただし、この化合物が容易
にビタミンAあるいはそのエステル化物へ変換できなけ
ればならず、この条件を満足するようなビタミンA中間
体は、従来、知られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、式
(I) で示されるジオール化合物およびその製造法を提供する
ものである。
【0007】式(I)示されるジオール化合物は、3−
メチル−1−ヘキセン−5−イン−3−オールに塩基を
作用させることによりアセチリド化合物とし、これをβ
−イオノンと反応させることにより得ることができる。
【0008】原料の3−メチル−1−ヘキセン−5−イ
ン−3−オールは、例えば、J. Am.Chem. Soc.,90,6141
(1968) に記載の方法に準じて容易に得ることができ
る。
【0009】本発明の反応で用いられる塩基としては、
n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ter
t−ブチルリチウム等のアルキルリチウム、臭化メチル
マグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマ
グネシウム等のグリニヤール試薬等があげられる。これ
らの塩基は、原料の3−メチル−1−ヘキセン−5−イ
ン−3−オールのアセチレン水素の他にアルコール部分
とも反応するため、その使用量は原料に対し2当量以上
必要である。また、これらの塩基が過剰に存在する場
合、続くβ−イオノンとの反応の際に、β−イオノンと
副反応を起こし、目的の式(I)で示されるジオール化
合物の収率が低下し、さらに精製操作も煩雑となること
から、塩基の使用量の上限は、通常、原料の3−メチル
−1−ヘキセン−5−イン−3−オールに対して3当量
以下、好ましくは2.5当量以下である。
【0010】反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素の単独もしくは混
合物があげられる。これらの溶媒の使用量は、特に限定
されない。
【0011】原料の3−メチル−1−ヘキセン−5−イ
ン−3−オールと塩基との反応温度は、通常、−100
〜50℃、好ましくは、−80〜20℃の範囲である。
【0012】原料の3−メチル−1−ヘキセン−5−イ
ン−3−オールと塩基との反応で得られたアセチリド化
合物は、通常、単離することなく溶液状態のままで続く
β−イオノンとの反応に供される。したがって、アセチ
リド化合物とβ−イオノンの反応は、通常、アセチリド
化合物の溶液にβ−イオノンを加える形で実施される。
β−イオノンを加える際には、特に溶媒で希釈する必要
はないが、場合によっては、先に例示した溶媒等で希釈
したものを用いてもよい。
【0013】β−イオノンの使用量は、原料の3−メチ
ル−1−ヘキセン−5−イン−3−オールに対して1当
量以上、好ましくは1.2〜3当量の範囲である。
【0014】反応温度は、通常、−100〜100℃の
範囲であり、好ましくは、−50〜50℃の範囲であ
る。
【0015】反応終了後、通常の後処理操作、例えば、
抽出、洗浄、濃縮等の操作により、目的とする式(I)
で示されるジオール化合物を得ることができる。このも
のは、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー等の操
作でさらに精製することもできる。
【0016】本発明のジオール化合物は下式に示す方法
により、ビタミンAあるいはそのエステル化物へ誘導す
ることができる。
【0017】
【0018】
【発明の効果】本発明のジオール化合物は、容易にビタ
ミンAあるいはそのエステル化物へ誘導することがで
き、工業的に有用なビタミンA中間体である。また、本
発明の方法によれば、ビタミンAの炭素数と同じ炭素数
20の骨格を短工程で合成することができ、工業的に有
利である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 撹拌装置、温度計、コンデンサーおよび滴下ロートを装
着した4つ口フラスコに3−メチル−1−ヘキセン−5
−イン−3−オール11.0gとテトラヒドロフラン1
00mlを仕込み、−60℃に冷却した。その後、1.
6M n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液128mlを
−60〜−50℃で滴下し、さらに同温で30分間撹拌
した。この後、−50〜−40℃でβ−イオノン40.
6gを滴下し、同温で1時間撹拌した後、20℃まで昇
温した。
【0021】反応終了後、反応混合物を0℃まで冷却
し、これに飽和塩化アンモニウム水溶液500ml中を
注入し、トルエン300mlで抽出した。分液後、有機
層を水200mlで洗浄し、減圧濃縮した。得られた残
さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ト
ルエン/酢酸エチル)に供し、9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセニル)−3,7−ジメチル−
1,8−ノナジエン−5−イン−3,7−ジオール2
6.6g(収率88%)を淡黄色液体として得た。 1 H−NMR(CDCl3 ):δ=6.35(d,1H,J=16Hz), 5.9
9(dd,1H,J=11,17Hz), 5.54(d,1H,J=16Hz), 5.29(d,1H,J
=17Hz), 5.10(d,1H,J=11Hz), 2.61(s,1H), 2.50(s,2H),
2.0-1.9(m,2H), 1.67(s,3H), 1.7-1.5(m,3H), 1.58(s,
3H), 1.5-1.4(m,2H), 1.37(s,3H), 0.99(s,6H)IR(ne
at):3390, 2240cm-1
【0022】実施例2 撹拌装置、温度計、コンデンサーおよび滴下ロートを装
着した4つ口フラスコに3−メチル−1−ヘキセン−5
−イン−3−オール11.0gとテトラヒドロフラン1
00mlを仕込み、−20℃に冷却した。その後、1.
0M 臭化エチルマグネシウム/テトラヒドロフラン溶
液210mlを−20〜−10℃で滴下し、さらに同温
で1時間撹拌した。この後、−20〜−10℃でβ−イ
オノン40.6gを滴下し、同温で1時間撹拌した後、
20℃まで昇温した。
【0023】反応終了後、反応混合物を0℃まで冷却
し、これに飽和塩化アンモニウム水溶液500ml中を
注入し、トルエン300mlで抽出した。分液後、有機
層を水200mlで洗浄し、減圧濃縮した。得られた残
さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ト
ルエン/酢酸エチル)に供し、9−(2,6,6−トリ
メチル−1−シクロヘキセニル)−3,7−ジメチル−
1,8−ノナジエン−5−イン−3,7−ジオール2
1.8g(収率72%)を淡黄色液体として得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/04 C07C 33/14 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I で示されるジオール化合物。
  2. 【請求項2】3−メチル−1−ヘキセン−5−イン−3
    −オールと塩基の反応で得られるアセチリド化合物とβ
    −イオノンを反応させることによる請求項1に記載のジ
    オール化合物の製造法。
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