JP2737214B2 - 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法 - Google Patents

4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法

Info

Publication number
JP2737214B2
JP2737214B2 JP1059333A JP5933389A JP2737214B2 JP 2737214 B2 JP2737214 B2 JP 2737214B2 JP 1059333 A JP1059333 A JP 1059333A JP 5933389 A JP5933389 A JP 5933389A JP 2737214 B2 JP2737214 B2 JP 2737214B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxy
group
optically active
formula
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1059333A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02237954A (ja
Inventor
史衛 佐藤
和孝 新井
義夫 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUSAN KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
NITSUSAN KAGAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUSAN KAGAKU KOGYO KK filed Critical NITSUSAN KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP1059333A priority Critical patent/JP2737214B2/ja
Publication of JPH02237954A publication Critical patent/JPH02237954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2737214B2 publication Critical patent/JP2737214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医薬品、農薬品の中間体、特にプロスタグ
ランジン系医薬品の合成中間体として有用な下記一般式
〔III〕又は〔IV〕 (但し、式中Rは水素原子又は水酸基の保護基であ
る。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン誘導体の製造法に関する。
従来の技術 従来、光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノン誘導体の合成方法としては、下記〜などの方法
が知られている。
光学活性な3,5−ジヒドロキシ−シクロペンテノン
の片末端の水酸基を選択的に酸化する方法(田中,黒住
ら,Tetrahedron Lett.,32,1713(1976)等)。
フラン誘導体の転位反応でラセミ体の4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノンを得た後、これをアシル化
し、酵素等で不斉水解する方法(特開昭57−62236号,
同63−109797号公報等)。
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンのラセミ体
を不斉ロジウム触媒で選択的に異性化させ、速度論的に
光学分割する方法(野依ら、Tetrahedron Lett.,28,471
9(1987))。
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンのラセミ体
を光学分割剤と結合させてジアステレオマー分離をした
後、光学分割剤を脱離して光学活性体を得る方法(特開
昭57−159777号公報等)。
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンのラセミ体
を光学分割液クロカラムクロマト分離する方法(特開昭
61−267536号公報等)。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記の方法は得られる4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノンの光学純度が十分に満足でき
るものではない。また、上記〜の方法は光学分割と
いう操作を最後に行なう必要があるため、折角得られた
4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンのうちの半量以
上は無駄になってしまうという欠点があり、しかも、
の方法では酵素を使用するため水系の反応になるが、4
−ヒドロキシ−2−シクロペンテノンは極端に水溶性で
かつ不安定な化合物であるので、反応液中からの取り出
し操作が容易でなく、及びの方法は、使用する触媒
や光学分割のために用いる担体が高価で経済的に不利で
あり、更に、の方法は光学分割だけの操作に3工程も
必要である上、等モルの光学分割剤を要するので、工程
が面倒かつ不経済であるという問題点もある。
本発明は、このように従来の方法では短工程で工業的
に製造することが困難であった光学活性な4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノン誘導体の新規な製造法を提供
することを目的とする。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者は、上記事情に鑑み、光学活性な4−ヒドロ
キシ−2−シクロペンテノン誘導体を短工程で工業的に
有利に合成するため、種々の光学活性アリルアルコール
誘導体を用いて鋭意検討を重ねた結果、本発明者が先に
出願した特願昭62−189234号、更には特願昭62−170299
号、同62−238169号に提案した方法で容易に合成できる
光学的に純粋な光学活性アリルアルコール誘導体である
下記一般式〔I〕 又は一般式〔II〕 〔但し、式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は
トリ(低級アルキル)スズ基であり、R′は水酸基の保
護基である。〕 で示される光学活性な3−ヒドロキシ−4−ペンテン酸
誘導体に低級アルキルリチウムを作用させ、続いてt−
ブチルリチウムを作用させることにより、下記一般式
〔III〕 又は一般式〔IV〕 (但し、Rは水素原子又は水酸基の保護基を示す。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン誘導体を短工程でかつ光学分割操作を行なうこと
なく、工業的に有利に合成できることを見い出し、本発
明をなすに至った。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の製造法は、上述したように下記一般式〔I〕 又は一般式〔II〕 で示される光学活性な3−ヒドロキシ−4−ペンテノン
酸誘導体に低級アルキルリチウムを作用させ、続いてt
−ブチルリチウムを作用させて、下記一般式〔III〕 又は一般式〔IV〕 で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン誘導体を得るものである。
ここで、本発明方法で出発原料として使用する上記
〔I〕式及び〔II〕式の化合物において、式中のXは塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリ(低級アルキ
ル)スズ基である。なお、トリ(低級アルキル)スズ基
としては、炭素数1〜5の低級アルキル基を有するも
の、例えばトリメチルスズ基,トリエチルスズ基などが
挙げられる。
また、上記〔I〕及び〔II〕式中のR′は水酸基の保
護基、〔III〕及び〔IV〕式中のRは水素原子又は水酸
基の保護基である。ここで、水酸基の保護基として具体
的には、トリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリ
ル基,t−ブチルジメチルシリル基,フェニルジメチルシ
リル基)、アルコキシアルキル基(例えばメトキシメチ
ル基,エキシエチル基,テトラヒドロピラニル基)、ア
ラルキルオキシアルキル基(例えばベンジルオキシメチ
ル基)、トリチル基、更にはアシル基(例えばアセチル
基,p−ニトロベンゾイル基)等が挙げられる。
本発明では、上記〔I〕又は〔II〕式の3−ヒドロキ
シ−4−ペンテン酸誘導体にまず第1段階反応として低
級アルキルリチウムを作用させるもので、この第1段階
反応で〔I〕又は〔II〕式の3−ヒドロキシ−4−ペン
テン酸誘導体の末端のカルボニル基がリチウム塩に変換
する。
この場合、低級アルキルリチウムとしては、炭素数が
1〜5の低級アルキルリチウム、例えばメチルリチウ
ム,エチルリチウム,n−ブチルリチウム,t−ブチルリチ
ウム等が好適に用いられるもので、低級アルキルリチウ
ムとして後述する第2段階反応と共通のt−ブチルリチ
ウムを用いることが最適である。
また、低級アルキルリチウムは、無水条件下で〔I〕
又は〔II〕式の化合物に作用させることが好ましく、反
応時には予め水分を極力減らしておくことが望ましい
が、系内に混入してくる水分で低級アルキルリチウムの
一部が消費されることが十分考えられる。それ故、低級
アルキルリチウムの使用量は、〔I〕又は〔II〕式の化
合物1モルに対して1〜1.5モル当量が好適である。低
級アルキルリチウムの使用量が1モル当量より少ないと
反応が十分に進まない場合があり、1.5モル当量より多
いと過剰分が無駄となり、経済的メリットが低下する。
次いで、本発明では、このように〔I〕又は〔II〕式
の3−ヒドロキシ−4−ペンテン酸誘導体に低級アルキ
ルリチウムを作用させたものに引き続いて第2段階とし
てt−ブチルリチウムを作用させる。この第2段階反応
は、〔I〕又は〔II〕式の3−ヒドロキシ−4−ペンテ
ン酸誘導体の末端のカルボニル基のα位のアニオン(第
1段階反応によるリチウム塩形成を含めとジアニオン)
形成及びビニルリチウム形成処理である。
ここで、t−ブチルリチウムの使用量は別に制限され
ないが、〔I〕又は〔II〕式の化合物1モルに対して1.
5〜4モル当量、特に2〜3.5モル当量が好ましく、使用
量が1.5モル当量より少ないと反応が十分に進まない場
合があり、4モル当量より多いと過剰分が無駄となり、
経済的メリットが低下する。
更に、上記第1,2段階反応は有機溶媒中で行なうこと
が望ましく、有機溶媒として具体的にはジエチルエーテ
ル等のエーテル類や、これらエーテル類と本発明反応に
直接関与しない非反応性の有機溶媒(例えばヘキサン,
ペンタン等の炭化水素類など)との混合溶媒などが好適
に用いられる。なお、有機溶媒は十分乾燥されたものを
使用することが好ましい。
また、反応温度は第1,2段階反応共に低温にすること
が望ましく、第1段階反応は−30〜−90℃、特に−60〜
−90℃、第2段階反応は−60〜−90℃の範囲が好適であ
り、操作の簡便さの点からは第1,2段階を−70〜−80℃
で通して反応を行なうことが好ましい。
このようにして得られる4−ヒドロキシ−2−シクロ
ペンテノン誘導体はRが水酸基の保護基(R′)である
が、これは必要に応じて常法により脱保護でき、Rが水
素原子である光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノンに導くことができる。
なお、本発明に出発原料として使用する一般式
〔I〕,〔II〕式の光学活性な3−ヒドロキシ−4−ペ
ンテン酸誘導体は、本発明者が先に出願した特願昭62−
189234号、更には特願昭62−170299号,同62−238169号
に提案した方法で光学的に純粋に合成し得る光学活性ア
リルアルコール誘導体から容易に製造することができ
る。
即ち、常法、例えばエノンのケトン還元、ビニル
金属試薬とアルデヒドの反応、アセチレンアルコール
のトランス水素化等で合成できる下記一般式〔V〕 〔式中、R1は炭素数1〜10の置換もしくは未置換のアル
キル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を、Aは で表わされるシリル基又は、 で表わされるスタニル基を表わす。
ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置
換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を
示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。) で表わされ、下記一般式〔VI〕又は〔VII〕 に示される光学活性アリルアルコールがラセミ体又は混
合物として含有されるγ位にシリル基又はスタニル基を
有するトランス型のアリルアルコールをチタンテトラア
ルコキサイド及び光学活性酒石酸ジエステルの存在下に
ハイドロパーオキサイドで酸化して、この光学活性酒石
酸ジエステルの光学活性に応じて上記光学活性アリルア
ルコール誘導体〔VI〕又は〔VII〕を優先的に反応させ
ることにより、上記光学活性アリルアルコール誘導体
〔VII〕又は〔VI〕を光学的に純粋に合成できる。
上記〔I〕,〔II〕の3−ヒドロキシ−4−ペンテン
酸誘導体は、前記方法で得られる光学的に純粋なアリル
アルコールを使用し、例えば下記反応式に示すように下
記式〔i〕の光学活性アリルアルコールのエステル部分
を加水分解し、続いてヨウ素を用いてヨードラクトン化
反応後、得られるラクトン体〔ii〕をnBu4NFで処理する
とヒドロキシカルボン酸〔iii〕が得られ、更にこれをt
BuMe2SiClを用いてジシリル体とした後、K2CO3を作用さ
せると選択的な脱保護が起こって〔I′〕式の3−ヒド
ロキシ−4−ペンテン酸誘導体を収率良く得るといった
方法で容易に製造することができる。
発明の効果 以上説明したように、本発明の製造法によれば、医薬
品や農薬品の中間体、特にプロスタグランジン系医薬品
の合成中間体として有用な下記一般式〔III〕又は〔I
V〕で表わされる光学活性な4−ヒドロキシ−2−シク
ロペンテノン誘導体を短工程で、しかも光学分割の工程
を要さず工業的に有利に製造することができる。
以下、参考例と実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
なお、以下の例においてMeはメチル基,tBuはt−ブチ
ル基,nBuはn−ブチル基,iPrはイソプロピル基,Et2Oは
ジエチルエーテル、THFはテトラヒドロフラン,DMFは、
N,N−ジメチルホルムアミドを示す。
〔参考例1〕 ジイソプロピルアミン(30.0ml,214mmol)のTHF溶液
(200ml)を0℃に冷却し、nBuLi(111ml,170mmol,ヘキ
サン中1.53M)を滴下し、0℃で20分間撹拌した。この
溶液を−70℃に冷却し、酢酸ブチル〔1〕(19.8ml,150
mmol)をゆっくり滴下して20分間撹拌後、(E)−3−
トリメチルシリル−2−プロペナール〔2〕(16.64g,1
28mmol)を−70℃でゆっくり滴下し、その温度のままで
20分間撹拌した。次に、反応液を氷冷したNH4Cl飽和水
溶液(700ml)に注ぎ、有機層を分離後、水層をヘキサ
ン−ジエチルエーテル(5:1)で数回抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗い、乾燥(MgSo4)後、減圧下で溶媒
を留去し、得られる油状物質を蒸留(110〜124℃/0.4mm
Hg)すると、化合物〔(RS)−3〕(収量:24.19g,収
率:77%)が得られた。
<化合物〔(RS)−3〕の特性値>1 HNMR(CCl4)δ: 0.14(S,9H),1.16−1.93(m,4H),2.43(d,J=6.0H
z,2H),3.25(brs,1H),4.05(t,J=6.0Hz,2H),4.26−
4.57(m,1H),5.82(d,J=19.0Hz,1H),6.02(dd,J=1
9.0,3.0Hz,1H) IR(neat):3450,3000,1720,1245,835(cm-1) bp:110−124℃/0.4mmHg 〔参考例2〕 オルトチタン酸イソプロポキシド(Ti(OiPr)4,10.3
7ml,34.86mmol)のジクロロメタン溶液(140ml)に−20
℃でL−(+)−酒石酸ジイソプロピル(L−(+)−
DIPT,8.80ml,41.83mmol)を滴下して10分間撹拌後、参
考例1で得られた化合物〔(RS)−3〕(5.67g,23.24m
mol)のジクロロメタン溶液(15ml)を滴下し、−20℃
で20分間撹拌した。次に、無水t−ブチルヒドロペルオ
キシド(TBHP)のジクロロメタン溶液(8.05ml,34.86mm
ol,塩化メチレン中4.33M)をゆっくり滴下した後、−20
℃で18時間撹拌した。更に、ジメチルスルフィド(4ml,
54.5mmol)を加えて−20℃で1時間撹拌した後、この反
応溶液を10%酒石酸溶液(22ml)とエチルエーテル(20
0ml)との混合液にあけ、室温で10分間撹拌ののち、セ
ライト(10g)及びフッ化ナトリウム(20g)を加え、室
温で30分間撹拌した。抽出物をセラント過し、残渣を
エチルエーテルで数回洗浄した。液を濃縮後、得られ
る油状物質をシリカゲルクロマトにより精製すると、化
合物〔(R)−3〕(収量:2.495g,収率:44%)が淡黄
色油状物として得られた。
<化合物〔(R)−3〕の特性値> ▲〔α〕25 D▼+6.13゜(c1.63.CHCl3) 対応するMTPAエステル(α−メトキシ−α−トリフロ
ロメチルフェニル酢酸の光学活性体)に変換し、1HNMR
分析により>99%eeであることを確認した。
1HNMR,IRデータは、参考例1のラセミ体(化合物
〔(RS)−3〕)のデータと一致した。
〔参考例3〕 参考例2で得られた化合物〔(R−3〕(976mg,4.0m
mol)のTHF(5ml)−Et2O(5ml)−MeOH(2.5ml)溶液
に3N水酸化ナトリウム水溶液(1.5ml)を加え、室温で
一晩撹拌した。これに重炭酸ナトリウム水溶液(10ml)
を加え、反応混合液を0℃に冷却した後、I2(1.52g,5.
99mmol)を加えて0℃で1時間撹拌した。反応液をチオ
硫酸ナトリウム飽和水溶液(50ml)にあけ、混合物をエ
ーテル−酢酸エチル(200ml×3)で抽出し、抽出液を
乾燥(MgSO4)後、減圧下で溶媒を留去すると、油状物
(1.11g)が得られた。
次に、この油状物をTHF(10ml)に溶解し、0℃に冷
却後、テトラブチルアンモニウムクロライドのTHF溶液
(6.0ml,4.02mmol,THF中0.67M)を滴下した。0℃で30
分間撹拌してNH4Cl飽和水溶液(10ml)にあけ、水層がp
H4になるまで希塩酸を少しずつ加え、混合液をクロロホ
ルム(20ml×4)で抽出した。この抽出液を乾燥(MgSO
4)後、減圧下で溶媒を留去し、得られる残渣をジエチ
ルエーテルに溶解してシリカゲルで過すると、化合物
〔4〕(収量:720mg,収率:85%)が得られた。この化合
物〔4〕のメチルエステル体は1HNMR分析により>95%
Z体であり、化合物〔4〕はこれ以上精製することなし
に次の反応に用いた。
<化合物〔4〕の特性値>1 HNMR(CDCl3)δ: 258(d,J=6.0Hz,2H),4.50−4.90(m,1H),6.17−6.
48(m,2H),6.75(brs,2H). 〔参考例4〕 参考例3で得られた化合物〔4〕(720mg,3.0mmo
l)、tBuMe2SiCl(1.36g,9mmol)、イミダゾール(816m
g,12mmol)のDMF溶液(5ml)を室温で一晩撹拌した。こ
れにNaCl飽和水溶液(20ml)を加え、混合液をヘキサン
(20ml×3)で抽出した後、抽出液をNaCl飽和水溶液で
洗浄し、乾燥(MgSO4)し、減圧下で溶媒を留去し、油
状物を得た。次に、得られた油状物をMeOH−THF−H2O
(5:2:2,28ml)に溶解し、炭酸カリウム(415mg,3mmo
l)を加え、室温で10分間撹拌した。反応液をpHが5の
緩衝溶液(30ml)にあけ、CHCl2で数回抽出した。この
抽出液を乾燥(MgSO4)し、減圧下で溶媒を留去して得
られた粗精製物をシリカゲルカラムで精製したところ、
化合物〔I′〕(収量:820mg,収率:80%)が油状物とし
て得られた。
<化合物〔I′〕の特性値>1 HNMR(CDCl3δ: 0.07&0.11(2s,6H),0.86(s,9H),2.55(d,J=4.8H
z,2H),4.70−4.96(m,1H),6.16−6.38(m,2H).13 CNMR(CDCl3)δ: 176.6,142.9,81.1,72.7,41.7,25.7,17.9,−4.3,−4.
9. IR(neat):2930,1705,1250,1090,830(cm-1). 〔実施例〕 参考例4で得られた化合物〔I′〕(650mg,1.82mmo
l)のエーテル溶液(20ml)を−72℃に冷却し、MeLi
(0.88ml,1.82mmol,Et2O中2.08M)を滴下し、−78℃で3
0分間撹拌した。−78℃のままでtBuLi(2.14ml,3.64mmo
l,ペンタン中1.70M)を滴下し、更に20分間撹拌を続け
た。次に、水溶液を氷冷したNH4Cl飽和水溶液(40ml)
とジエチルエーテル(20ml)の混合液に注ぎ込み、混合
液をジエチルエーテル(20ml×3)で抽出した。この抽
出液を乾燥し、減圧下で溶媒を留去して残渣をシリカゲ
ルクロマトにより精製すると、化合物〔III′〕(収量:
288mg,収率:75%)が白色結晶として得られた。
<化合物〔III′〕の特性値> mp:28.5−29.5℃(ペンタンより再結晶したもの) ▲〔α〕21 D▼+67.1゜(c0.82,MeOH) 1 HNMR(CDCl3)δ: 0.11&0.12(2S,6H),0.89(S,9H),2.22(dd,J=2.
3,18.1Hz,1H),2.69(dd,J=6.0,18.1Hz,1H),4.93−5.
02(m,1H),6.17(dd,J=1.2,5.7Hz,1H),7.44(dd,J=
2.3,5.7Hz,1H).13 CNMR(CDCl3)δ: 206.9,164.2,134.7,70.9,44.9,25.6,18.0,−4.9. IR(nujol):1725,1105,830(cm-1 文献値(R.Noyori et.al.,J.Org.Chem.,53,710(198
8)) mp:29℃,▲〔α〕21 D▼+66.6゜(c1.0,MeOH)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕 又は一般式〔II〕 〔但し、式中Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又は
    トリ(低級アルキル)スズ基であり、R′は水酸基の保
    護基である。〕 で示される光学活性な3−ヒドロキシ−4−ペンテン酸
    誘導体に低級アルキルリチウムを作用させ、続いてt−
    ブチルリチウムを作用させることを特徴とする下記一般
    式〔III〕 又は一般式〔IV〕 (但し、Rは水素原子又は水酸基の保護基である。) で示される光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペン
    テノン誘導体の製造法。
JP1059333A 1989-03-10 1989-03-10 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法 Expired - Fee Related JP2737214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1059333A JP2737214B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1059333A JP2737214B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02237954A JPH02237954A (ja) 1990-09-20
JP2737214B2 true JP2737214B2 (ja) 1998-04-08

Family

ID=13110301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1059333A Expired - Fee Related JP2737214B2 (ja) 1989-03-10 1989-03-10 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2737214B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02237954A (ja) 1990-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018528940A (ja) ベラプロストを作製するための方法
JP2003521546A (ja) 3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン−2−オンの合成
WO1986002923A1 (en) Process for preparing bicyclo ad3.3.0 bdoctenes
KR890004560B1 (ko) 페넴 중간체 및 이의 제조방법
JP2737214B2 (ja) 4―ヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法
JP2546559B2 (ja) ジイソピノカンフェイルクロロボランのインシトゥー製造
JPH0561268B2 (ja)
JPH1017561A (ja) アリルアルコール類およびその製造方法
JP2590796B2 (ja) ヒドロキシシクロペンタノン類の製法
JP2709807B2 (ja) 3−クロロ−4−シリルオキシ−2−シクロペンテン−1−オン類の製造法
JP3724854B2 (ja) 1−アザビシクロ[1.1.0]ブタンの製造法
JP3446225B2 (ja) シクロペンタン誘導体及びその製造方法
JP3565587B2 (ja) 15−ヒドロキシミルベマイシン誘導体の新規合成法
JP3254745B2 (ja) ジオール化合物およびその製造法
JP3712077B2 (ja) ヒドロインダン−4−オール誘導体およびその製造方法
JP3403761B2 (ja) 3,5―ジヒドロキシ―1―オクテン―7―イン類及びその製造方法
WO2020193650A1 (fr) Procédé de préparation de composés 1,2-endoperoxyde
JPH07233175A (ja) 金属置換シクロプロピルメタノール誘導体の不斉製造法
WO2003080567A2 (en) Intermediates for the synthesis of discodermolide and related analogues and methods for their preparation
JPH0651676B2 (ja) (5e)−プロスタグランジンe▲下2▼類の製造法
JPH0798796B2 (ja) イソカルバサイクリン類の製造方法
JP2003261485A (ja) 光学活性プロパルギルアルコール類の製造方法
JPS5944336A (ja) 2−アリルシクロペンタノン類の新規製造法
JPH04283526A (ja) 光学活性アリルアルコールの製造方法
JPH06321831A (ja) 1―置換1,4―ジヒドロキシ―2―シクロペンテノン誘導体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090116

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees