JPH0633248B2 - 2−アルケン−5−オリド類の製法 - Google Patents

2−アルケン−5−オリド類の製法

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JPH0633248B2
JPH0633248B2 JP20006186A JP20006186A JPH0633248B2 JP H0633248 B2 JPH0633248 B2 JP H0633248B2 JP 20006186 A JP20006186 A JP 20006186A JP 20006186 A JP20006186 A JP 20006186A JP H0633248 B2 JPH0633248 B2 JP H0633248B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、バター乃至ミルク様の香気を有する香料化合
物として有用な2−アルケン−5−オリド類の新規な製
法に関する。
更に詳しくは、本発明は、4−ヒドロキシ−1−アルケ
ンから容易に合成できる従来文献未記載の下記式(3) 但し式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる4−ヒドロキシ−1,2−エポキシ−アル
カンをシアン化ナトリウム、シアン化カリウムもしくは
シアン化水素と反応させて、下記式(2) 但し式中、Rは上記したと同義、 で表わされる3,5−ジヒトロキシ−アルキルニトリル
を形成させる。次に該式(2)化合物を酸の存在下に加
熱反応させて、下記式(1) 但し式中、Rは上記したと同義、 で表わされる2−アルケン−5−オリド類を合成する製
法に関する。
(従来の技術) 従来、上記式(1)で表わされる2−アルケン−5−オ
リドの製法に関して、例えば下記反応工程図で示した合
成方法(4−メチル−2−デセン−5−オール−1−カ
ルボン酸ラクトンの合成例)が知られている(特公昭4
6−41183)。
上記反応工程図の方法によれば、アセトアルデヒドとナ
トリウムアセチリドを液体アンモニア中で反応させて相
当する式(7)1−イン−3−オールを得、これに三臭
化リンでブロム化して得た上記式(6)化合物とヘキサ
ナールとをリホルマトスキー反応で、式(5)のアルコ
ール化合物とし、これにエチルマグネシウムブロマイド
を作用させて、グリニアー試薬とした後、オートクレー
ブ中においてドライアイス(炭酸ガス)を作用させて炭
素鎖を1つ延長させてカルボン酸とし、リンドラー触媒
を用いて部分還元して、これを蒸留しながらラクトン化
して目的化合物式(1)を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記従来提案の方法における問題点としては、例えば、
工程数が非常に長く、反応手段が極めて煩雑である点、
又、各段とも副生成物が生成し易くそれぞれの化合物を
純度良く得られない点、更に、例えば、2−メチル−2
−デセン−5−オール−1−カルボン酸ラクトンの全収
率は、2.4%であつて極めて低収率であるなどの問題
点がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上述のごとき不利益乃至欠点を回避すべ
き鋭意研究を行つてきた。
その結果、市場で安価且つ容易に入手可能なアルカナー
ルから一工程で容易に合成できる4−ヒドロキシ−1−
アルケンを原料として、工程数が短かく、そして副生成
物を伴うことなく高純度で且つ簡単な操作で工業的に目
的化合物を合成出来ることを発見した。
すなわち、本発明は下記式(4) 但し式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる4−ヒドロキシ−1−アルケンをエポキシ
化剤と反応させて、下記式(3) 但し式中、Rは上記したと同義、 で表わされる4−ヒドロキシ1,2−エポキシアルカン
を形成せしめ、該式(3)化合物をシアン化ナトリウ
ム、シアン化カリウムもしくはシアン化水素と反応させ
て、下記式(2) 但し式中、Rは上記したと同義、 で表わされる3,5−ジヒドロキシ−アルキルニトリル
を形成せしめる。そして、該(2)化合物を酸の存在下
に加熱反応せしめることにより、下記式(1) 但し式中、Rは上記したと同義、 で表わされる2−アルケン−5−オリドを容易な操作で
工業的に高純度且つ安価に製造できることを発見した。
従つて、本発明の目的は、上記従来提案の方法にくらべ
て、安価且つ工業的に副生成物を伴うことなく高純度で
容易に合成できる方法を提供するにある。
本発明の上記式(1)化合物の製造を上記式(4)化合
物の製造例を含めて上記態様を工程図で示すと以下のよ
うに表わすことができる。
本発明の2−アルケン−オリドの製造方法を上記工程図
に従つて、以下に詳細に説明する。
出発原料の上記式(4)の4−ヒドロキシ−1−アルケ
ンは、市場で入手可能であるが、例えば、アルカナール
式(5)とアリルマグネシウムクロライド又はアリルマ
グネシウムブロマイドとを反応することによつても容易
に合成することができる(後述の参考例参照)。
上記式(4)4−ヒドロキシ−1−アルケンから上記式
(3)を合成するには、式(4)化合物を有機溶媒中、
例えば酢酸ソーダ又は炭酸ソーダの存在下にエポキシ化
剤と反応することにより容易に合成することができる。
ここで使用する上記式(4)化合物中、Rの好ましいア
ルキル基の具体例としては、例えばC1〜C16のアルキ
ルを例示することができる。
反応は、例えば、約5°〜約80゜C、より好ましくは1
0°〜約50゜C程度の範囲で、例えば約2〜約50時
間、より好ましくは約5〜約30時間程度の範囲で行う
ことができる。
この反応に使用するエポキシ化剤の具体例としては、例
えば過酢酸、過ギ酸、過安息香酸、過フタル酸などを好
ましく例示することができる。これらのエポキシ化剤の
使用量としては、例えば式(4)化合物1モルに対し
て、約1〜約3モル程度の範囲、より好ましくは約1.
1〜約1.5モル程度の範囲をあげることができる。
又、有機溶媒としては、例えばジクロルメタン、クロル
ホルム、四塩化炭素、ジクロルエタン、ベンゼン、トル
エン、エーテル、酢酸エチルなどを例示することができ
る。これら有機溶媒の使用量には特別の制限はなく適宜
選択が可能であり、例えば式(4)合成物に対して、約
0.5〜約10重量倍程度の範囲を好ましく例示するこ
とができる。
反応終了後は、常法に従つて水洗浄、濃縮後、必要によ
り、例えば蒸留のごとき手段で精製して式(3)化合物
を高純度で得ることができる。
ここで得ることのできる上記式(3)化合物中、Rの好
ましいアルキル基の具体例としては、例えばC1−C16
のアルキルを例示することができる。
例えば、上述の様にして得ることのできる式(3)化合
物から、上記式(2)2,4−ジヒドロキシ−アルキル
ニトリルを合成するには、例えば式(3)化合物をシア
ン化ナトリウム、シアン化カリウムもしくはシアン化水
素と反応させることにより容易に合成することができ
る。この反応は、通常水、エタノール、メタノール、C
MFのごとき溶媒、及び酢酸、プロピオン酸、硫酸マグ
ネシウム、塩化アンモニウムのごとき酸の存在下もしく
は非存在下に行われる。
上記反応の反応温度及び反応時間は、適宜に選択して行
うことができるが、例えば約5°〜約100゜C程度の範
囲の温度で、約4〜10時間程度の範囲の反応時間を好
ましく例示することができる。この反応に使用するシア
ン化ナトリウム、シアン化カリウムもしくはシアン化水
素の使用量としては、例えば式(3)化合物1モルに対
して、約1〜約5モル程度の使用量を好ましくあげるこ
とができる。又、上記のごとき溶媒の使用量には特別の
制限はなく、適宜に選択すれば良いが例えば、式(3)
化合物に対して約1〜約20重量倍程度の範囲で使用さ
れる。又、上述の酸の使用量も適宜選択して行うことが
できるが、例えばシアン化ナトリウム、シアン化カリウ
ムもしくはシアン化水素に対して、約0.5〜約3モル
倍程度の範囲を好ましく例示することができる。
反応終了後は、反応生成物中に有機溶媒を入れ抽出し、
水洗浄を行い、濃縮することにより式(2)化合物を容
易に得ることができる。
ここで得ることのできる上記式(2)化合物中、Rの好
ましいアルキル基の具体例としては、例えば、C1〜C
15のアルキルを例示することができる。
次に、上述で得られた式(2)2,4−ジヒドロキシ−
アルキルニトリルから式(1)2−アルケン−5−オリ
ドを合成するには、例えば式(1)化合物を酸の存在下
に加熱反応させることにより容易に合成することができ
る。
反応は、例えば約30°〜約150゜C、より好ましくは
約50°〜約100゜C程度の広い範囲で行うことができ
る。又、反応時間は、例えば約0.5〜約5時間程度の
範囲で行うことができる。この反応に使用する酸として
は、例えば塩酸、硫酸、リン酸のごとき酸を例示するこ
とができる。これら酸の使用量には、特別の制限はなく
適宜選択すれば良く、例えば式(2)化合物に対して約
0.2〜約5モル倍程度の使用量を好ましくあげること
ができる。
反応終了後、反応生成物中に有機溶媒を注入して抽出す
る。この抽出液を食塩水溶液で洗浄し、次にアルカリ水
溶液で洗浄し、濃縮して目的化合物式(1)を得ること
ができる。得られた式(1)化合物は、必要により蒸留
のごとき手段で精製することもできる。
かくして、本発明で合成することのできる式(1)化合
物の具体例としては、例えば、2−ヘキセン−5−オリ
ド、2−ヘプテン−5−オリド、2−オクテン−5−オ
リド、2−ノネン−5−オリド、2−デセン−5−オリ
ド、2−ウンデセン−5−オリド、2−ドデセン−5−
オリド、2−トリデセン−5−オリド、2−テトラデセ
ン−5−オリド、2−ベンタデセン−5−オリド、2−
ヘキサデセン−5−オリド、2−ベンタデセン−5−オ
リド、2−ヘプタデセン−5−オリド、2−オクタデセ
ン−5−オリド、2−ノナデセン−5−オリド、2−エ
イコサン−5−オリドなどを好ましく例示することがで
きる。
以下、本発明の実施態様を実施例をあげて更に詳細に説
明する。
(参考例) (1)4−ヒドロキシ−1−ノネン式(4)の合成。
フラスコにマグネシウム26.4g、エーテル200m
lを仕込み、これにアリルクロリド80.3gのエーテ
ル400mlの混合溶液を2.5時間かけて滴下する。
滴下後、25゜Cで40分攪拌後、ヘキサナール100g
(0.1モル)を5°〜10゜Cで2時間かけて滴下し、
終了後10°〜15゜Cで2時間攪拌した後、飽和アンモ
ニウム水溶液に注ぎ、エーテル層を食塩水溶液で洗浄
し、乾燥し、濃縮した後減圧下に蒸留して、目的化合物
を120.6g(収率;84.6%)得た。沸点;48
°〜50゜C/2mmHg。
(2)各種4−ヒドロキシ−1−アルケン類を参考例
(1)に従つて合成した。その結果を表−1に示した。
(実施例) (1)4−ヒドロキシ−1,2−エポキシ−ノナン式
(3)の合成。
フラスコに4−ヒドロキシ−1−ノネン14.2g
(0.1モル)、酢酸ナトリウム1g、ジクロルメタン
150mlを仕込み、この中に20°〜23゜Cで1時間
かけて40%過酢酸を滴下する。滴下後10時間、室温
で攪拌する。反応液を水洗浄、硫酸第1鉄水溶液洗浄を
順次行つた後、乾燥後、濃縮し減圧下に蒸留して、式
(3)化合物を14.2g(収率;88.6%)を得
た。
(2)各種の4−ヒドロキシ−1,2−エポキシ−1−
アルケンを実施例(1)に従つて合成した。その結果を
表−2に示した。
(3)2,4−ヒドロキシ−ノニルニトリル式(2)の
合成。
フラスコに水30ml、95%エタノール50ml、シ
アン化カリウム4.78gを仕込み、この中に4−ヒド
ロキシ−1,2−エポキシノナンを10゜Cで1時間かけ
て滴下する。この際、酢酸4.41gを同時に注入しな
がら行つた。滴下終了後、室温で10時間攪拌した後、
70°〜80゜Cで時間加熱し、冷却する。反応物をジク
ロルメタンで抽出し水洗浄した後、乾燥し濃縮する。濃
縮後、減圧下に蒸留して、沸点165°〜168゜C/2
mmHgを有する標記化合物を11.5gを得た。
(4)各種の2,4−ヒドロキシ−アルキルニトリル式
(2)を、実施例(3)に従つて、合成を行つた。その
結果を表−3に示した。
(5)2−デセン−5−オリド式(1)の合成。
フラスコに2,4ジヒドロキシ−ノニルニオトリル7.
9g(0.043モル)、濃塩酸5g(0.05モル)
を仕込み、80゜Cで2時間攪拌する。その後、反応液を
冷却しトルエン抽出を行う。トルエン層を食塩水で洗浄
し、次にアルカリ水溶液で洗浄した後、濃縮する。減圧
下に蒸留して、沸点107°〜111゜C/2mmHgを
有する標記化合物を5.81を得た(収率;80.5
%)。
(6)各種の2−アルケン−5−オリド式(1)を実施
例(5)に従つて合成した。その結果を表−4に示し
た。
(発明の効果) 本発明によれば、バター乃至ミルク様の香気を有する香
料物質として有用な2−アルケン−5−オリド類を工業
的に安価且つ容易に製造できる方法を提供することがで
きる。
すなわち、市場で安価且つ容易に入手可能なアルカナー
ルから一工程で容易に合成できる4−ヒドロキシ−1−
アルケンを原料として、従来製法に比べて短縮された工
程数で副生成物を伴うことなく高純度且つ簡単な操作
で、工業的に目的化合物を高収率で目的化合物を合成出
来る方法を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(2) 式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる3,5−ジヒドロキシ−アルキルニトリル
    を酸の存在下に加熱反応せしめることを特徴とする下記
    式(1) 式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる2−アルケン−5−オリド類の製法。
  2. 【請求項2】下記式(4) 式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる4−ヒドロキシ−1−アルケンをエポキシ
    化剤と反応させて、下記式(3) 式中、Rは上記したと同義、 で表わされる4−ヒドロキシ−1,2−エポキシアルカ
    ンを形成させ、得られる該式(3)の化合物をシアン化
    ナトリウム、シアン化カリウムもしくはシアン化水素と
    反応させて、下記式(2) 式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる3,5−ジヒドロキシ−アルキルニトリル
    を形成させ、次いで該式(2)の化合物を酸の存在下に
    加熱反応せしめることを特徴とする下記式(1) 式中、Rはアルキル基を示す、 で表わされる2−アルケン−5−オリド類の製法。
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EP2832732B1 (en) * 2012-03-27 2019-07-24 Tsujimoto Chemical Co., Ltd. Ppars agonist activity enhancing drug
FR3017878B1 (fr) 2014-02-27 2017-12-08 Charabot Procede de production de lactones a partir d'une souche d'aureobasidium pullulans

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