JP2796151B2 - プレニルケトン類の製造方法及びその製造に供する3,3―ジメチル―4―プレニル―1―アルケン―4―オール類 - Google Patents

プレニルケトン類の製造方法及びその製造に供する3,3―ジメチル―4―プレニル―1―アルケン―4―オール類

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/51Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition
    • C07C45/511Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups
    • C07C45/512Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by pyrolysis, rearrangement or decomposition involving transformation of singly bound oxygen functional groups to >C = O groups the singly bound functional group being a free hydroxyl group

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は香料,工業原料等として有用なプレニルケト
ン類の新規にして簡便な製造方法及びその製造に供する
ビス(ホモアリル)アルコール類に関する。
<従来の技術> 従来のビス(ホモアリル)アルコールの分解を用いる
香料として有用なケトン類の製法に関する代表例を例示
する。
下記工程図に示すように、ジアリル カービノールを
熱分解することによって、香料として有用な物質が得ら
れている(Firmenich,USP4392993号公報)。
また、下記工程図に示すように、ジアリル カービノ
ール類を不活性溶媒中で強塩基で処理することによって
ダマスコンなどの香料物質が得られている(Firmenich,
特開昭58−24536号公報;Firmenich,特開昭58−65236号
公報)。
<発明が解決しようとする課題> ところで、前述したジアリル カービノール類を分解
処理する方法においては、自由な任意の位置に選択的に
プレニル基を有するケトン類の化合物を得ることはでき
ないという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑み、選択的にプレニル基
を有するケトン類が得られる新規にして簡便なプレニル
ケトン類の製造方法及びその製造に供するビス(ホモア
リル)アルコール類を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 前記目的を解決するために本発明者らは鋭意,研究を
重ねた結果、カルボン酸又はその誘導体、例えばカルボ
ン酸エステルとプレニルマグネシウム=ハライドを反応
することによって、プレニルマグネシウム=ハライド
が、α位とγ位で一分子づつ反応したビス(ホモアリ
ル)アルコール類の3,3−ジメチル−4−プレニル−1
−アルケン−4−オール類が、主生成物として得られる
ことを知見した。
さらに、これら3,3−ジメチル−4−プレニル−1−
アルケン−4−オール類を熱分解もしくは、不活性溶媒
中で強塩基で処理して分解することによって、選択的に
プレニルケトン類が得られることを知見し、本発明を完
成させた。
かかる知見に基づく本発明のプレニルケトン類の製造
方法は、 カルボン酸誘導体から下記一般式(I) (但し、一般式(I)中Rは、C1〜C30の直鎖及び分岐
状のアルキル基,C2〜C30の直鎖及び分岐状アルケニル
基,C4〜C30の直鎖及び分岐状のアルカジエニル基,C3〜C
15のシクロアルキル基,C6〜C20のアリール基を示す。) で表わされる3,3−ジメチル−4−プレニル−1−アル
ケン−4−オール類を合成する第1工程と、 次いでこの一般式(I)で表わされる3,3−ジメチル
−4−プレニル−1−アルケン−4−オール類を分解し
て、 下記一般式(II) (但し、一般式(III)中Rは前記と同様である。) で表わされるプレニルケトン類を得る第2の工程とを有
する ことを特徴とする。
また一方の本発明の3,3−ジメチル−1−アルケン−
4−オール類は一般式(I) (但し、式中Rは前記と同様である。) で表わされることを特徴とする。
以下、一例を上げて本発明を詳述する。
(第1の工程) 下記工程図に示されるように、カルボン酸誘導体とし
てのシトロネリル酸エテル(式(1))にプレニルマグ
ネシウム(式(2))を反応させて、ビス(ホモアリ
ル)アルコール類の一つの3,3,6,10−テトラメチル−4
−プレニル−1,9−ウンデカジエン−4−オール(式
(4))を得る。
(第2の工程) 下記工程式に示されるように、上記得られた3,3,6,10
−テトラメチル−4−プレニル−1,9−ウンデカジエン
−4−オール(式(4))を、熱分解もしくは不活性溶
媒中で強塩基で処理することによってプレニル基を有す
るケトン(2,7,11−トリメチル−2,10−ドデカジエン−
5−オン)(式(5))を得る。
このように本発明では、第1工程において、 のγ位で反応が起って上記式(3)に示す3,3,6,10−テ
トラメチル−1,9−ウンデカジエン−4−オンの中間生
成物が生成し、次いでこの式(3)に示す中間生成物の
第4位の炭素に結合している置換基の立体障害のため、 のα位で反応が起って式(4)に示すビス(ホモアリ
ル)アルコール類が得られる。
次に、第2工程において、式(4)のビス(ホモアリ
ル)アルコール類を分解して、式(5)に示すプレニル
ケトン類が得られる。
このようにして得られた式(5)に示すプレニケトン
類は、第1の工程の式(3)に示す中間生成物とは構造
を異にする。すなわち、本発明で得られる式(5)に示
すプレニルケトン類は、単なるGrignard反応だけでは得
られないものである。
ここで第1工程で、カルボン酸誘導体から一般式
(I)で代表される式(3)で表わされるビス(ホモア
リル)アルコール類を合成する際、上述したようにプレ
ニルマグネシウム=ハライドを用いるのが好適である。
このプレニルマグネシウム=ハライドとしては、例えば
プレニルマグネシウム=クロリド,プレニルマグネシウ
ム=ブロミド,プレニルマグネシウム=ヨージド等を挙
げることができる。またマグネシウムの代わりに亜鉛,
スズ等を用いGrignard反応の類縁反応であるReformatsk
y反応を行えばよい。
また、カルボン酸誘導体としては、カルボン酸の他例
えばカルボン酸塩,カルボン酸エステル,カルボン酸ア
ミド及びカルボン酸無水物等が挙げられる。
更に、第2の工程における分解方法としては、熱分解
もしくは不活性溶媒中で強塩基で処理する方法が挙げら
れる。又、分解条件は後述する第2実施例における第1
表に示した様に、熱分解の温度条件としては、460℃前
後が最も好ましいが、これらに限定されないことは言う
までもない。
<実 施 例> 次に実施例により、本発明方法を更に説明するが、本
発明は以下の記載に限定されるものではない。
実施例1 (第1の工程) ・3,3−ジメチル−4−プレニル−1−ノネン−4−オ
ールの合成 プレニルマグネシウム=クロリド(0.3モル)のテト
ラヒドロフラン溶液中に、カプロン酸エチル(0.12モ
ル,17.3g)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を、0℃
にて2時間かけて滴下し、同音にて5時間撹拌した。
その後塩化アンモニウム水溶液で加水分解し、以下常
法通り処理して、シリカゲル カラムクロマトグラフィ
ーによって、3,3−ジメチル−4−プレニル−1−ノネ
ン−4−オール(式(6))24.6g(収率86%)を得
た。
構造はIR,NMR,MSにより確認した。
b.p.85−87℃/1mmHg, I.R.(cm-1):3550,3080,1630,1120,1010,910; N.M.R.(δ,ppm):0.89(3H,t,J=4.8Hz,C 3CH2),1.0
6[6H,s,C(C ],1.21−1.47(8H,m,C 2x4),
1.52(1H,s,O),1.62,1.71[6H,s,CH=C(C
],2.26(2H,d,J=7.8Hz,C 2CH),4.83−6.47(4H,
m,C=C 2 and C=C). (第2の工程) .3,3−ジメチル−4−プレニル−1−ノネン−4−オー
ルの熱分解による2−メチル−2−デセン−5−オンの
合成 上記得られた3,3−ジメチル−4−プレニル−1−ノ
ネン−4−オール(9.5g,0.04モル)のイソプロピルエ
ーテル(50%)溶液を、460℃に加熱したパイレックス
管中へ、2ml/minの速度でフィードした。
生成する溶液を減圧蒸留することによって沸点105〜1
07℃/19mmHgの2−メチル−2−デセン−5−オン(式
(7))5.2g(収率77%)を得た。
構造は、IR,NMR,MSにより確認した。
b.p.105−107℃/19mmHg I.R.(cm-1):1700; NMR.(δ,ppm):0.87(3H,t,J=5.0Hz,C 3CH2),1.14
−1.50(6H,m,C 2x3),1.58,1.73[6H,s,(C
2C],2.28(2H,t,J=6.6Hz,CH2C 2CO),2.93(2H,d,J
=7.8Hz,COC 2CH),5.08−5.30(1H,m,C=C). (実施例2) 実施例1の第2工程において、種々の温度で熱分解し
た実験結果を下記第1表に示す。
実施例3〜7 第2表に示す種々のカルボン酸エステルを用い、実施
例1と同様に操作してプレニルケトン類の化合物(式
(8)〜式(12))を得た。
<発明の効果> 以上説明したように本発明によれば、香料,工業原料
として有用なプレニルケトン類を任意なカルボン酸誘導
体から簡便に製造することができるものであり、工業的
に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/203 C07C 33/02 C07C 45/51 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸誘導体から下記一般式(I) (但し、一般式(I)中Rは、C1〜C30の直鎖及び分枝
    状のアルキル基,C2〜C30の直鎖及び分枝状のアルケニル
    基,C4〜C30の直鎖及び分枝状のアルカジエニル基,C3〜C
    15のシクロアルキル基,C6〜C20のアリール基を示す。) で表される3,3−ジメチル−4−プレニル−1−アルケ
    ン−4−オール類を合成する第1工程と、 次いでこの一般式(I)で表される3,3−ジメチル−4
    −プレニル−1−アルケン−4−オール類を分解して、 下記一般式(II) (但し、一般式(II)中Rは前記と同様である。) で表されるプレニルケトン類を得る第2の工程とを有す
    る ことを特徴とするプレニルケトン類の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のプレニルケトン類の製造方
    法において、 上記第1の工程の一般式(I)を合成する際に、プレニ
    ルマグネシウム=ハライドを用いる ことを特徴とするプレニルケトン類の製造方法。
  3. 【請求項3】下記一般式(I) (但し、一般式(I)中Rは、C1〜C30の直鎖及び分枝
    状のアルキル基,C2〜C30の直鎖及び分枝状のアルケニル
    基,C4〜C30の直鎖及び分枝状のアルカジエニル基,C3〜C
    15のシクロアルキル基,C5〜C20のアリール基) で表される3,3−ジメチル−4−プレニル−1−アルケ
    ン−4−オール類。
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