JP3237541B2 - アルデヒド又はケトンの還元方法 - Google Patents

アルデヒド又はケトンの還元方法

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ketone
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒド又はケ
トンのカルボニル基を安全かつ容易に還元することがで
きるアルデヒド又はケトンの新規な還元方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルデ
ヒド又はケトンの還元によるアルコールの製造は、工業
的に非常に重要なプロセスであり、この製造方法として
は、これまで種々の報告がなされているが、中でも還元
剤として安価であり、かつ空気や水分に対して安定で取
り扱い易いポリメチルヒドロシロキサンを使用する方法
は、非常に有効な方法である。
【0003】このポリメチルヒドロシロキサンを使用す
る方法は、アルデヒド又はケトンをポリメチルヒドロシ
ロキサンと反応させて還元した後、脱シリル化してアル
コールを製造する方法であり、この方法としては、ポリ
メチルヒドロシロキサンの活性化剤として触媒量の有機
スズ化合物を使用する方法(J.Lipowitz等、
J.Org.Chem.,38、162〜165(19
73))、ポリメチルヒドロシロキサンの活性化剤とし
てフッ化カリウム、蟻酸カリウムを使用する方法(C.
Chuit等、Synthesis、1989、981
〜984)が知られている。
【0004】しかしながら、前者の方法においては、有
毒なスズ化合物を使用するため工業的な製造には適用し
難いという問題があり、また、後者の方法においては、
大量のポリメチルヒドロシロキサン活性剤が必要な上、
高価なN,N−ジメチルホルムアミドやジメチルスルホ
キシド等の極性溶媒を使用しなければならず、いずれの
方法も工業的な製造においては満足いく方法ではなかっ
た。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、アルデヒド又はケトンのカルボニル基をポリメチル
ヒドロシロキサンを使用して安全かつ容易に還元するこ
とができるアルデヒド又はケトンの還元方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記反応式(A)に示すように、アルデヒド又はケ
トンを下記一般式(1)で示されるポリメチルヒドロシ
ロキサンと触媒量のフッ化テトラブチルアンモニウムの
存在下に反応させることにより、無溶媒又は安価な汎用
溶媒中で安全かつ容易にアルデヒド又はケトンを還元で
き、しかも、還元によりシス−トランス等の異性体が生
成する基質では、一般的に低温下において高い選択性が
得られるが、本発明の還元反応は活性が非常に高く、−
70℃のような低温下においても反応が容易に進行する
ため、非常に高い選択性で還元が可能であること、更
に、上記方法で得られるアルデヒド又はケトンの還元物
を脱シリル化することにより、容易に対応するアルコー
ルを得ることができることを見出し、本発明をなすに至
った。
【0007】
【化2】 (但し、式中R1、R2は互いに同一でも異なってもよ
く、それぞれ水素原子又はメチル基であり、nは0以上
の整数である。)
【0008】従って、本発明は、アルデヒド又はケトン
に上記一般式(1)で示されるポリメチルヒドロシロキ
サンを触媒量のフッ化テトラブチルアンモニウムの存在
下で反応させて、上記アルデヒド又はケトンのカルボニ
ル基を還元することを特徴とするアルデヒド又はケトン
の還元方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のアルデヒド又はケトンの還元方法におい
て、原料として使用するアルデヒド、ケトンとしては、
種々のアルデヒト化合物やケトン化合物を使用でき、こ
れら化合物は、脂肪族、脂環式、芳香族系のいずれの化
合物であってもよい。即ち、炭素不飽和結合を有してい
てもよく、更に炭素原子に結合する水素原子の一部又は
全部がハロゲン原子などで置換されたものであってもよ
く、酸素原子などの炭素原子とは異種の原子又は異種原
子を含む基が介在されていてもよく、カルボニル基を有
し、従来よりポリメチルヒドロシロキサンと反応して還
元可能ないずれのアルデヒド又はケトンでも使用するこ
とができる。
【0010】また、アルデヒド又はケトンと反応させる
ポリメチルヒドロシロキサンは、下記一般式(1)で示
されるものである。
【0011】
【化3】
【0012】上記式(1)において、R1、R2は互いに
同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子又はメチル
基であり、nは0以上の整数で、好ましくは0〜1,0
00の整数である。
【0013】上記式(1)のポリメチルヒドロシロキサ
ンの使用量は、基質のアルデヒド又はケトンに対してS
iH単位換算で1当量以上、特に1〜5当量が好まし
い。使用量が1当量に満たないと還元反応が完結しない
場合がある。
【0014】更に、フッ化テトラブチルアンモニウム
は、ポリメチルヒドロシロキサンの活性化触媒として使
用するもので、その使用量は、基質であるアルデヒド又
はケトンに対して触媒量でよく、通常、アルデヒド又は
ケトンに対して0.001〜0.5当量、特に0.00
5〜0.1当量が好適である。使用量が0.001当量
に満たないと満足な効果が得られない場合があり、0.
5当量を超えて使用しても高い効果は期待できず、コス
ト高となり経済的に不利になる場合がある。
【0015】本発明に係る還元反応は、原料のアルデヒ
ド又はケトンと上記式(1)のポリメチルヒドロシロキ
サンの混合物にフッ化テトラブチルアンモニウムを添加
する方法、アルデヒド又はケトンとフッ化テトラブチル
アンモニウムの混合液にポリメチルヒドロシロキサンを
添加する方法、あるいはポリメチルヒドロシロキサンと
フッ化テトラブチルアンモニウムの混合液にアルデヒド
又はケトンを添加する方法のいずれにおいても可能であ
る。
【0016】なお、上記還元反応において、溶媒は本質
的に必要ではないが、撹拌性が悪い場合などに必要に応
じてテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル
などの汎用溶媒を使用してもよい。
【0017】上記還元反応の反応条件は特に限定されな
いが、本発明の反応は、活性が非常に高く、−70℃の
ような低温下においても反応が容易に進行する。
【0018】本発明の方法で原料のアルデヒド又はケト
ンのカルボニル基を還元反応させた後、得られた反応液
を直接、あるいはフッ化カリウム、フッ化テトラブチル
アンモニウム等のフッ化物で処理後、加水分解あるいは
メタノールなどにより加アルコール分解して脱シリル化
することにより、容易に原料のアルデヒド又はケトンの
カルボニル基C=OがC−OHに還元されたアルコール
を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明のアルデヒド又はケトンの還元方
法によれば、アルデヒド又はケトンを無溶媒又は安価な
汎用溶媒中で安全かつ容易に還元できる。また、還元に
よりシス−トランス等の異性体が生成する基質では、一
般的に低温下において高い選択性が得られるが、本発明
の還元反応は活性が非常に高く、−70℃のような低温
下においても反応が容易に進行するため、非常に高い選
択性で還元が可能である。更に、本発明方法で得られる
アルデヒド又はケトンの還元物を脱シリル化することに
より、容易に対応するアルコールを得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0021】〔実施例1〕温度計を備えた10mlフラ
スコ中にp−tert−ブチルシクロヘキサノン308
mg(2mmol)、ポリメチルヒドロシロキサン18
0mg(Si−H換算1.5モル当量)及びTHF4m
lを仕込み、−70℃に冷却後、マグネティックスター
ラーで撹拌下にフッ化テトラブチルアンモニウムの1M
テトラヒドロフラン溶液0.1mlを添加し、30分間
反応させた。この反応液へ1M−THF溶液2mlを加
え、室温まで昇温後、ジエチルエーテルと飽和食塩水の
入った容器に注ぎ、ここへ1N塩酸を加えてpH2とし
た。エーテル層を分液により分離し、炭酸水素ナトリウ
ムで中和、硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を減圧除去
し、得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーで精
製したところ、p−tert−ブチルシクロヘキサノー
ル269mgが得られた。収率は86%であり、トラン
ス:シス比は96:4であった。
【0022】〔実施例2〜8〕表1に示す各種カルボニ
ル化合物を使用し、実施例1と同様の方法で反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】〔実施例9〕温度計を備えた10mlフラ
スコ中にシトロネラール598mg(3.8mmo
l)、ポリメチルヒドロシロキサン350mg(Si−
H換算1.5モル当量)及びTHF8mlを仕込み、0
〜5℃に冷却後、マグネティックスターラーで撹拌下に
フッ化テトラブチルアンモニウムの1M−THF溶液
0.2mlを添加し、15分間反応させた。反応液より
THFを減圧除去し、残渣をジエチルエーテル8mlと
アセトン8mlの混合液へ溶解した後、ここへフッ化カ
リウム1.13g(19mmol)を加えて3時間撹拌
した。得られた液をろ過後、濾液を濃縮したシリカゲル
クロマトグラフィーで精製したところ、シトロネロール
541mgが得られた。収率は89%であった。
【0025】〔実施例10〕シトロネラールを3−フェ
ニルプロパナールに変更する以外は実施例9と同様にし
て反応及び後処理を行い、3−フェニルプロパノールを
収率85%で得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 33/20 C07C 33/20 33/30 33/30 33/32 33/32 35/08 35/08 35/29 35/29 67/31 67/31 69/675 69/675 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/14 C07B 41/02 C07C 29/143 C07C 33/025 C07C 33/20 C07C 33/30 C07C 33/32 C07C 35/08 C07C 35/29 C07C 67/31 C07C 69/675

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルデヒド又はケトンに下記一般式
    (1)で示されるポリメチルヒドロシロキサンを触媒量
    のフッ化テトラブチルアンモニウムの存在下で反応させ
    て、上記アルデヒド又はケトンのカルボニル基を還元す
    ることを特徴とするアルデヒド又はケトンの還元方法。 【化1】 (但し、式中R1、R2は互いに同一でも異なってもよ
    く、それぞれ水素原子又はメチル基であり、nは0以上
    の整数である。)
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