JP2585961B2 - スチ―ル板および合成樹脂から構成される自動車ドアロック用ロック保持部材 - Google Patents

スチ―ル板および合成樹脂から構成される自動車ドアロック用ロック保持部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【技術分野】本発明は、関連する自動車ドアを閉じるに
際して旋回ラッチの構成素子が嵌入する凹陥部を有する
ロック板状部と、少なくとも１個所の固定ねじ用のねじ
穴および装着面を有する固定フランジ部とを具備する、
自動車ドア用のスチール板および合成樹脂から構成され
るロック保持部材に関するものである。
【０００２】このようなロック保持部材は、そのロック
板状部が必須不可欠ではないが一般的に楔状に形成され
ているので、現場においてはロック楔と称呼されてい
る。このようなロック保持部材において使用される合成
樹脂構成部は、旋回ラッチとの相互作用の際における騒
音減衰、デザイン的美観および機能的改善に役立ってい
る。
【０００３】
【従来技術】本発明の出発点を成す公知のロック保持部
材（西独特許出願公開２７２５３４５号公報参照）で
は、スチール板が独立した構成部材を形成し、これに凹
陥部、空洞が形成され、これに独立の、完成した合成樹
脂構成部材が組込まれている。しかしながら、このロッ
ク保持部材は、製造技術的観点および組立て技術的観点
から高コストを要することが実証されている。このこと
は、スチール製構成部材を多数必要とする類似の実施態
様（西独実用新案登録８７１０２８８号）についても該
当する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的と
する所は、構成的に簡単であり、また製造、組立てが簡
単な、それにもかかわらず審美的デサイン、安全性、消
音に関し秀れたロック保持部材を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】しかるに上述の目的は、
関連する自動車ドアを閉じるに際して旋回ラッチの構成
素子が嵌入する凹陥部を有するロック板状部と、少なく
とも１個所の固定ねじ用のねじ穴および装着面を有する
固定フランジ部とを具備する、自動車ドア用のスチール
板および合成樹脂から構成されるロック保持部材であっ
て、固定フランジ部とロック板状部もしくは少なくとも
ロック板状部の構成素子とが、スチール板から構成さ
れ、少なくとも固定フランジ部が、射出成形法で射出す
ることにより合成樹脂中に埋没され、スチール板の仕上
げ形成が、支承部として行われ、装着面の表面にまでも
たらされ、装着面の残部が、固定フランジ部におけるス
チール板のロック板状部に対する被覆と同様に射出成形
合成樹脂から構成されていることを特徴とするロック保
持部材により達成されることが本発明者らにより見出さ
れた。支承部はスチール板体構成部分を合成樹脂射出成
形により固定し、固定フランジ部が射出成形合成樹脂に
より被覆され得る。支承部は、さらに自動車の車体、例
えばドア枠に装着されるロック保持部を確実に、しかも
位置的に誤差なく固定することを確実ならしめる。
【０００６】本発明の範囲内において、各種の実施態様
があり得る。好ましい実施態様において、ロック板状部
は、スチール板を屈曲させて成る固定フランジを有し、
これはその凹陥部においてロック板状部頭部およびロッ
ク板状部端部より低くなされ、これら頭部、端部が射出
成形合成樹脂により形成され、スチール板体により補強
強化される。またロック板状部をスチール板から横断面
Ｕ字状に形成し、合成樹脂被覆を設けないことも可能で
ある。またスチール板のねじ穴において、カラー状部と
支承部を設け、ロック保持部材面の慣性モーメントを高
めることが好ましい。このような補強により、比較的薄
いスチール板を使用することが可能となる。上記カラー
状部は、例えば型押しにより形成され得る。またロック
板状部頭部が射出成形合成樹脂により形成され、埋没し
ているスチール板体により補強される上述実施態様にお
いて、この頭部部分においてスチール板体間の合成樹脂
に空洞を設け、これにエラストマーを充填することもで
きる。この空洞内エラストマーは、射出成形合成樹脂と
の材料学的結合を高め得る。
【０００７】本発明は熱可塑性合成樹脂の射出成形法に
より、金属構成部材を、容易に合成樹脂部材中に埋め込
み、これにより恒久的に合成樹脂部材と合体させ得る事
実を利用する。これは射出成形の利点を利用して、本発
明によるドアロック保持部材の製造を容易ならしめる。
本発明は、複数の射出成形体の形態におけるスチール板
から成る構成部分が、射出成形体内壁に対して間隔を置
いて仕上げ形成されるときは、いわばこの部分において
スチール板全体を合成樹脂で包囲することになる事実か
ら出発する。すでに詳述したように、組立てられたロッ
ク保持部材は、さらに前述した定位置装着作用を果た
す。このような本発明によるロック保持部材は、構成的
に簡単化され、機能的に改善され、大量生産品として製
造されることになる。また射出成形法で射出される合成
樹脂とスチール板を一体的に結合することにより、ロッ
ク開閉の際に発する騒音が低減される。また支承部が射
出成形された合成樹脂中に埋没されるから、いわばその
頭部で組立てられるべき車体構成部材、例えばドア枠に
隣接することになる。
【０００８】
【実施例】以下において実施態様を例示する添付図面を
参照しつつ本発明をさらに具体的に説明する。
【０００９】図示されているロック保持部材１は、スチ
ール板２と合成樹脂３から構成される。断面で示される
構成部分は、単純ハッチングの場合にはスチール板、交
差ハッチングの場合には合成樹脂から成る。このロック
保持部材は、自動車ドアロック用であって、基本的構成
部分として、凹陥部５を有するロック板状部４を有す
る。自動車ドアを閉じる際に、旋回ラッチ６の構成素子
がこの凹陥部５に嵌入する（図６参照）。他の本質的構
成部分として固定フランジ部７があるが、これは少なく
とも１個所の固定ねじ用のねじ穴８と装着面９を有す
る。
【００１０】固定フランジ部７およびロック板状部４な
いし少なくともその構成素子は、単一のスチール板から
構成される。固定フランジ部７は、射出成形法による射
出合成樹脂３内に埋没される。スチール板の成形仕上げ
は、支承部として行われ、装着面９の表面をもたらすよ
うになされる。その態様は図２および図５の拡大尺断面
図に示されている。装着面９の残部は、固定フランジ部
７におけるスチール板２のロック板状部４に対する被覆
１１と同様に、合成樹脂３から構成される。図１、２お
よび６を対比することにより認め得るように、ロック板
状部４は、スチール板体１２を屈曲して形成された固定
フランジ部７を有し、その凹陥部５の付近は板状部の頭
部１３ならびに板状部の端部１４より低くなされてお
り、これら頭部１３と端部１４は射出成形合成樹脂によ
り構成されている。これらの合成樹脂から成る構成部分
１３、１４は、スチール板体により強化されている。
【００１１】図３から図５までに示されるように、ロッ
ク板状部４は、横断面がほぼＵ字状をなすスチール板２
から形成されている。これら図面において、合成樹脂被
覆は省略して図示される。図７から認められるように、
図１、２および６による実施態様におけるロック板状部
の頭部１３の範囲において、射出成形合成樹脂３に空洞
部分が残されており、これにエラストマー１５が充填さ
れている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるロック保持部材の平面図である。
【図２】図１の矢印Ａ方向から見たロック保持部材の一
部断面端面図である。
【図３】本発明によるロック保持部材のスチール板体を
示す、図１に対する平面図である。
【図４】図３における矢印Ａ方向から見た端面図であ
る。
【図５】図３における矢印Ｂ方向から見た側面図であ
る。
【図６】自動車ドアロックの他の構成部材との協同作用
を示す、図１によるロック保持部材の一部断面図であ
る。
【図７】図１から図６までの図面に対して拡大された尺
度で示される、図１のロック保持部材の改変形を示す一
部断面図である。
【符号の説明】
１‥‥ロック保持部材 ２‥‥スチール板 ３‥‥合成樹脂 ４‥‥ロック板状部 ５‥‥凹陥部 ６‥‥旋回ラッチ ７‥‥固定フランジ ８‥‥ねじ穴 ９‥‥装着面 １０‥‥支承部 １１‥‥被覆 １２‥‥スチール板体 １３‥‥（ロック板状部）頭部 １４‥‥（ロック板状部）端部 １５‥‥エラストマー

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 関連する自動車ドアを閉じるに際して旋
    回ラッチ（６）の構成素子が嵌入する凹陥部（５）を有
    するロック板状部（４）と、少なくとも１個所の固定ね
    じ用のねじ穴（８）および装着面（９）を有する固定フ
    ランジ部（７）とを具備する、自動車ドア用のスチール
    板および合成樹脂から構成されるロック保持部材であっ
    て、 固定フランジ部（７）とロック板状部（４）もしくは少
    なくともロック板状部（４）の構成素子とが、スチール
    板から構成され、 少なくとも固定フランジ部（７）が、射出成形法で射出
    することにより合成樹脂中に埋没され、 スチール板（２）の仕上げ形成が、支承部（１０）とし
    て行われ、装着面（９）の表面にまでもたらされ、装着
    面（９）の残部が、固定フランジ部（７）におけるスチ
    ール板（２）のロック板状部（４）に対する被覆（１
    １）と同様に射出成形合成樹脂（３）から構成されてい
    ることを特徴とするロック保持部材。
  2. 【請求項２】 請求項（１）によるロック保持部材であ
    って、ロック板状部（４）が、スチール板体（１２）を
    屈曲して形成された固定フランジ部（７）を有し、その
    凹陥部（５）の帯域が板状部の頭部（１３）ならびに板
    状部の端部（１４）より低くなされており、これら頭部
    （１３）および端部（１４）が射出成形合成樹脂（１
    ３）から構成され、かつその射出成形により埋没された
    スチール板体（１２）により強化されることを特徴とす
    るロック保持部材。
  3. 【請求項３】 請求項（１）によるロック保持部材であ
    って、ロック板状部（４）が、スチール板（２）から横
    断面ほぼＵ字状に形成され、合成樹脂被覆されていない
    ことを特徴とするロック保持部材。
  4. 【請求項４】 請求項（１）から（３）のいずれかによ
    るロック保持部材であって、スチール板（２）が、ねじ
    穴（８）において、例えば型押しにより強化屈曲部とし
    て形成されるカラー状部と支承部（１０）を有すること
    を特徴とするロック保持部材。
  5. 【請求項５】 請求項（２）によるロック保持部材であ
    って、ロック板状部の頭部（１３）が、両スチール板体
    （１２）の間において、射出成形合成樹脂中に空洞を有
    し、これがエラストマーで充填されていることを特徴と
    するロック保持部材。
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