JP2524829Y2 - 清掃装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、レールに沿って走行して機台を清掃する清
掃装置に関し、特に寸法形状の異なる機台に対して清掃
可能とした清掃装置に関する。

〔従来の技術及びその課題〕

従来より、繊維工場などにおいては、風綿による糸切
れの防止や作用環境を向上させるため、精紡機やワイン
ダなど各種の機台の上方に設けられたレールに沿って清
掃装置を走行させている。

このような清掃装置は、レールに沿って走行移動する
台車にブローダクトが取り付けられており、このブロー
ダクトのノズルから天井や機台に向かってエアーを吹き
出し、これによって機台に付着した風綿などの塵埃を吹
き払って自動的に清掃を行なうようになっている（特公
昭60−52217号）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来の清掃装置は、ブローダクトのノズルか
ら吹き出したエアーによって走行しながら機台の清掃を
行うものであるため、ブローダクト及びノズルと機台と
が干渉しないように適当に離す必要があった。

ところが、機台の高さや横幅の寸法又はその形状など
が機台の種類によって大きく異なるため、従来のように
走行しながら清掃を行うのみでは、それぞれの機台の清
掃の必要な箇所に対してエアーが充分に当たらず、効率
的な清掃が行えないという問題があった。

さらには、機台の大きさによっては連続する１本のレ
ールによって台車を走行させることができない場合もあ
るが、そのような場合には２台の台車を走行させなけれ
ばならず、コスト高になってしまうという問題もあっ
た。

本考案は、上述の問題に鑑み、寸法形状の異なる機台
に対しても必要な箇所に充分にエアーを当てて効率的な
清掃を行うことの可能な清掃装置を提供することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

請求項１記載の考案に係る装置は、上述の課題を解決
するため、レールに沿って走行する台車と、前記台車に
設けられ、当該台車が前記レールに沿って走行しながら
エアーを吹き出して機台を清掃するための走行清掃用ブ
ローダクトと、機台の清掃を行うために当該機台に対し
て固定的に設けられた配管に対し、前記台車の走行方向
の特定の位置である清掃用停止位置において結合し、前
記配管にエアーを供給するためのエアー供給用ブローダ
クトと、前記台車の清掃用停止位置の近辺において、前
記走行清掃用ブローダクトと前記エアー供給用ブローダ
クトとへのエアーの流路を切り換えるための切り換え弁
装置とを有してなる。

請求項２記載の考案に係る装置は、レールに沿って走
行する台車と、前記台車に設けられ、当該台車が前記レ
ールに沿って走行しながらエアーを吹き出して機台を清
掃するための、当該台車から下方に延びるように設けら
れた走行清掃用ブローダクトと、機台の清掃を行うため
に当該機台に対して固定的に設けられた配管に対し、前
記台車の一方の走行端である清掃用停止位置において結
合し、前記配管にエアーを供給するための、当該台車か
ら走行方向に沿って突出するように設けられたエアー供
給用ブローダクトと、前記走行清掃用ブローダクトと前
記エアー供給用ブローダクトとへのエアーの流路を切り
換えるための切り換え弁装置と、前記台車の清掃用停止
位置の近辺において、前記切り換え弁装置を切り換える
ためのドグとを有してなる。

請求項３記載の考案に係る装置は、前記台車を前記清
掃用停止位置において一定の時間停止させ、その後再度
走行を開始するように制御する制御装置を有してなる。

〔作用〕

台車が走行している間には、走行清掃用ブローダクト
からエアーが吹き出して機台の清掃が行われる。

走行している台車が清掃用停止位置に近づくと、ドグ
などによって切換え弁装置が作動し、これによってエア
ーが走行清掃用ブローダクトからエアー供給用ブローダ
クトに切り換わる。

これとともに、エアー供給用ブローダクトが配管に結
合し、配管からエアーが吹き出すことによって別の機台
の清掃が行われる。

制御装置は、清掃用停止位置において台車を一定の時
間だけ走行停止させ、その後に再度走行を開始させる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は繊維工場に設置された本考案に係る清掃装置
１の正面図、第２図は清掃装置１の側面図である。

清掃装置１は、多数の機台3,3…の上方に設けられた
レール11、レール11に沿って走行する台車12、台車12の
両側に取り付けられたブローダクト13,13及びサクショ
ンダクト14,14などから構成されている。

台車12には、ブロワー装置、レール11の上面及び両側
面に接して回転するローラ、及びそのローラを回転駆動
するモーターが設けられており、モーターの回転停止、
又は回転方向の制御が行われることにより、レール11の
全域、又は一部区間を自動的に往復運転する。その間
に、ブローダクト13に取り付けられたノズル21,21…か
らエアーが吹き出し、これによって機台３上の塵埃を吹
き払い、またサクションダクト14の先端からフロアーＦ
上の風綿その他の塵埃を吸い込んで清掃を行う。

それぞれのブローダクト13は、台車12からほぼ水平に
延びる水平部ダクト22、水平部ダクト22の先端に取り付
けられた切り換え弁装置23、切り換え弁装置23から下方
に延びる走行清掃用ダクト24及び走行方向に延びるエア
ー供給用ダクト25からなる。

走行清掃用ダクト24は、台車12がレール11に沿って走
行中において、ノズル21からエアーを吹き出して機台３
を清掃するためのものである。

エアー供給用ダクト25は、台車12の一方の走行端であ
る清掃用停止位置PE1（第１図に鎖線で示す位置）にお
いて、後述する機台４の清掃を行うために当該機台４に
対して固定的に設けられた配管７の受け口7aに突入して
結合し、その配管７にエアーを供給するためのものであ
る。

切り換え弁装置23は、清掃用停止位置PE1の近辺にお
いてレール11に固定的に設けられたドグ51に当接して作
動し、走行清掃用ダクト24とエアー供給用ダクト25とへ
のエアーの流路を切り換えるためのものである。

また、台車12にはリミットスイッチ27が取り付けられ
ており、このリミットスイッチ27がレール11に取り付け
られたドグ27aに当接して台車12の側面に取り付けられ
た図示しない制御装置に信号を出力することにより、台
車12を走行させる上述のモーターを停止させ、これによ
って台車12が清掃用停止位置PE1において停止するよう
になっている。

なお、制御装置は、リミットスイッチ27からの信号に
よって台車12を一定の時間T1だけ清掃用停止位置PE1に
停止させ、その後に、モーターを逆転させて台車12を逆
の方向に走行させるように制御する。

また、台車12が清掃用停止位置PE1において停止して
いる間も、ブロワー装置は作動しており、ブローダクト
13からエアーは吹き出している。

第３図は機台４に対する配管７の例を示す図である。

機台４は、上述の機台３とは寸法形状が異なってお
り、レール11の一端部からさらに外側に配置されてい
る。上述の機台３は、例えば精紡機やワインダであり、
機台４は、例えばワインダへボビンを自動的に供給する
連続自動ボビン供給装置（CBF）である。

この機台４の上方において、上述した受け口7aに連続
して配管７が水平方向に配置されている。この配管７
に、ノズル8a,8a…を有した垂直方向の配管8,8が取り付
けられている。なお、受け口7aは、エアー供給用ダクト
25の挿脱が容易なようにエアー供給用ダクト25の外径よ
りも適当に大きな内径を有しているとともに、これらが
結合した際にエアーが外部に余り洩れないように、クッ
ション性を有したシール材が取り付けられている。

受け口7aからエアーが供給されると、ノズル8aからエ
アーが吹き出し、機台４の清掃がうまく行われるように
なっている。

第４図は切り換え弁装置23の正面図、第５図は切り換
え弁装置23の断面正面図、第６図は切り換え弁装置23の
断面側面図、第７図は切り換え弁装置23の背面図であ
る。

これらの図において、切り換え弁装置23は、上面部3
1、斜面部32,33、及び側面部34,35を有した略逆三角形
の箱状をなしている。上面部31及び斜面部32,33には、
それぞれ水平部ダクト22、走行清掃用ダクト24、又はエ
アー供給用ダクト25が、それぞれの端部に設けたフラン
ジを利用してボルトによって取り付けられており、水平
用ダクト22と走行清掃用ダクト24又はエアー供給用ダク
ト25とが切り換え弁装置23内で連通可能となっている。

斜面部32,33には、スポンジなどの弾性材料からなる
円筒状の弁座41,42が設けられており、側面部34,35に渡
って貫通して設けられた回転軸43に取り付けられた板状
の弁体44が、回転軸43の回動によって弁座41,42を選択
的に塞ぐことによって、水平部ダクト22から送られてく
るエアーがエアー供給用ダクト25又はエアー供給用ダク
ト25のいずれか一方に選択的に供給されることになる。

特に第６図及び第７図を参照して、回転軸43の背面側
には、ほぼ直角に開いた２本のアーム45a,45bからなる
レバー45、及びそれぞれのアーム45a,45bの先端に設け
られたカムフォロア46,46が取り付けられており、また
正面側には、小レバー47、及び引っ張りバネ48が取り付
けられている。

一方、機台３と機台４との境界部分において、これら
機台3,4の上部に設けられた給篠装置５のハンガー5aの
端部に、断面略Ｖ字形のドグ51がブラケット52により取
り付けられており、清掃用停止位置PE1近辺における台
車12の走行移動にともなって、レバー45のカムフォロア
46がドグ51に当接し、これによってレバー45が回転し、
回転軸43が回転する。

引っ張りバネ48は、弁体44が弁座41,42を閉じる方向
に回転軸43を回動させるよう、小レバー47を引っ張って
付勢する。なお、49,49は引っ張りバネ48を支持するピ
ンである。

したがって、例えば第７図の実線で示す状態において
は、レバー45は図の右方向に回動した位置で安定してい
るが、台車12が図の右方向（矢印M1方向）に走行移動
し、ドグ51の設けられた位置にっやてくると、アーム45
aのカムフォロア46がドグ51の左側の下面に当接し、カ
ムフォロア46がその下面に沿って転動しつつ、アーム45
aは図の左方向（矢印M2方向）に回転し、約45度回転す
ると、その後は上述の引っ張りバネ48によって直角まで
回転し、鎖線で示すように、レバー45が図の左方向に回
動した位置で安定する。

これによって、弁体44が弁座41を塞いだ状態から他方
の弁座42を塞いだ状態に切り換わり、水平部ダクト22か
らのエアーは走行清掃用ダクト24からエアー供給用ダク
ト25へと切り換わる。

これと並行して、リミットスイッチ27が作動し、清掃
用停止位置PE1において台車12が一定時間T1だけ停止す
るとともに、エアー供給用ダクト25が受け口7aに突入
し、エアーが配管７に供給されて機台４の清掃が行われ
る。

時間T1が経過すると、台車12が上述と逆の方向に走行
移動し、ドグ51の設けられた位置において上述とは逆に
レバー45が右方向に回転し、水平部ダクト22からのエア
ーを走行清掃用ダクト24に供給するように切り換わる。

上述の実施例によると、台車12が清掃用停止位置PE1
までしか走行しないにも係わらず、それよりも外側に配
置された機台４の清掃を行うことができ、１台の台車12
によって形状寸法の異なる機台3,4に対して、また広い
範囲に対して清掃を行うことができ、低コストである。

しかも、機台４の清掃の必要な箇所に対してエアーが
充分に当たるように配管7,8を設けることができるの
で、効率的に清掃を行うことができる。

上述の実施例において、ドグ51を棒状のものとしても
よい。ドグ51は、機台3,4又はレール11などに、適当な
ブラケットやアームなどを介して取り付けることができ
る。エアー供給用ダクト25又は受け口7aを進退可能な構
造とし、台車12が同一方向に走行している途中で停止し
て特殊な機台の清掃を行うようにしてもよい。その他、
清掃装置１、機台3,4の各部の形状、寸法、構造、材質
などは、上述以外の種々のものとすることができる。

〔考案の効果〕

本考案によると、寸法形状の異なる機台に対しても必
要な箇所に充分にエアーを当てて効率的な清掃を行うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は繊維工場に設置された本考案に係る清掃装置の
正面図、第２図は清掃装置の側面図、第３図は外側の機
台に対する配管の例を示す図、第４図は切り換え弁装置
の正面図、第５図は切り換え弁装置の断面正面図、第６
図は切り換え弁装置の断面側面図、第７図は切り換え弁
装置の背面図である。 １…清掃装置、3,4…機台、7,8…配管、11…レール、12
…台車、13…ブローダクト、23…切り換え弁装置、24…
走行清掃用ダクト（走行清掃用ブローダクト）、25…エ
アー供給用ダクト（エアー供給用ブローダクト）、51…
ドグ、PE1…清掃用停止装置。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レールに沿って走行する台車と、 前記台車に設けられ、当該台車が前記レールに沿って走
   行しながらエアーを吹き出して機台を清掃するための走
   行清掃用ブローダクトと、 機台の清掃を行うために当該機台に対して固定的に設け
   られた配管に対し、前記台車の走行方向の特定の位置で
   ある清掃用停止位置において結合し、前記配管にエアー
   を供給するためのエアー供給用ブローダクトと、 前記台車の清掃用停止位置の近辺において、前記走行清
   掃用ブローダクトと前記エアー供給用ブローダクトとへ
   のエアーの流路を切り換えるための切り換え弁装置と を有してなることを特徴とする清掃装置。
2. 【請求項２】レールに沿って走行する台車と、 前記台車に設けられ、当該台車が前記レールに沿って走
   行しながらエアーを吹き出して機台を清掃するための、
   当該台車から下方に延びるように設けられた走行清掃用
   ブローダクトと、 機台の清掃を行うために当該機台に対して固定的に設け
   られた配管に対し、前記台車の一方の走行端である清掃
   用停止位置において結合し、前記配管にエアーを供給す
   るための、当該台車から走行方向に沿って突出するよう
   に設けられたエアー供給用ブローダクトと、 前記走行清掃用ブローダクトと前記エアー供給用ブロー
   ダクトとへのエアーの流路を切り換えるための切り換え
   弁装置と、 前記台車の清掃用停止位置の近辺において、前記切り換
   え弁装置を切り換えるためのドグと を有してなることを特徴とする清掃装置。
3. 【請求項３】前記台車を前記清掃用停止位置において一
   定の時間停止させ、その後再度走行を開始するように制
   御する制御装置を有してなる請求項１又は請求項２記載
   の清掃装置。