JPH0526881Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一定の軌道を走行する台車の位置検
出装置に関する。

（従来の技術およびその問題点） 従来より、各種工場における自動化および省力
化のために、一定の軌道を走行する台車がしばし
ば用いられている。例えば、織機工場などにおい
ては、風綿による糸切れの防止や作業環境を向上
させるため、織機の上方に設けられたレールに沿
つて集塵機が移動し、織機上にエアーを吹出し且
つ床上の風綿などを吸引して自動的に掃除する集
塵装置が備えられている。この集塵機は、レール
の端部においてその位置検出を行い、これの検出
信号によつて走行用のモータを逆転させ、レール
上を繰返し往復走行するようになつている。従来
の集塵機の位置検出装置は、集塵機の本体にトグ
ルスイツチを設け、集塵機の走行によつてトグル
スイツチのレバーに当接するバンパーをレールに
対して固定的に設けていた。しかしこの従来の位
置検出装置によると、バンパーがトグルスイツチ
のレバーに当接してトグルスイツチを作動させた
にもかかわらず、集塵機の走行が逆転または停止
せずにオーバーランした場合には、バンパーまた
はトグルスイツチが破損し、その後の復旧に多く
の労力と時間とを費すという問題があつた。

（問題点を解決するための技術的手段） 本考案は上述の問題に鑑みなされ、集塵機のよ
うな走行する台車の位置を検出するにあたり、台
車がオーバーランした場合でも破損することな
く、容易に復旧することのできる位置検出装置を
提供することを目的とし、その技術的手段は、軌
道２及びそれに沿つて走行する台車１の一方に取
り付けられた検出器７と、他方に取り付けられた
バンパー１１とから構成され、前記検出器７と前
記バンパー１１とが当接したときに検出信号を出
力する台車の位置検出装置であつて、前記バンパ
ー１１が、前記軌道２又は前記台車１に固定され
た基部１２と、前記検出器７との当接部材として
前記基部１２に回動可能に取り付けられたバンパ
ー本体１４と、通常は前記バンバー本体１４を前
記検出器７に当接する当接位置に位置決めし、且
つ前記バンバー本体１４に過剰の当接圧力が加わ
つたときには、前記バンバー本体１４を前記検出
器７と非接触となる退避位置に位置決めするトグ
ル機構１９とを有してなることを特徴とする。

（作用） 軌道２に沿つて走行する台車１が検出位置に達
すると、バンパー１１のバンバー本体１４が操作
部に当接し、これによつて検出器７が作動して検
出信号を出力する。台車１がオーバーランする
と、バンバー本体１４は検出器７との強い当接に
よつて当接位置から退避位置へ回動し、その状態
がトグル機構１９によつて保持される。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は織機工場における集塵機を示し、集塵
機１は、織機Ｍの上方に設けられたレール２に沿
つて往復直線移動し、その間に、ブローダクト３
に設けられた多数のノズル４から吹出すエアーに
よつて織機Ｍを清掃し、サクシヨンダクト５の先
端からフロアーＦ上の風綿その他の塵を吸い込ん
で掃除する。

第２図および第３図を参照して、集塵機１に設
けられた制御ボツクス６には、集塵機１の走行方
向を切り換えるためのトグル式の切換スイツチ７
が取付けられている。また、レール２には、ブラ
ケツト９，１０を介してバンパー１１が取付けら
れている。

切換スイツチ７は、その操作レバー８が下方へ
突出しており、操作レバー８を集塵機１の走行方
向に沿つた方向に力を加えることによつて内部状
態が切り換わる。

バンパー１１は、略枠状の基部１２と、基部１
２にピン１３によつて回動可能に取付けられたバ
ンパー本体１４とを有する。バンパー本体１４の
上端部には、ゴムなどの弾性体からなる当接部１
５が設けられている。

バンパー本体１４は、当接部１５が操作レバー
８に当接する当接位置（第２図および第３図の実
線で示す位置）と、操作レバー８と当接せずに退
避した退避位置（第３図の鎖線で示す位置）とに
変位可能である。

このバンパー本体１４と基部１２との間には、
ガイド筒１７及びその内部の圧縮ばね１８からな
る位置決め部材１６が装着されており、これによ
つてバンパー本体１４を位置決めし変位を規定す
るトグル機構１９が構成されている。

すなわち、ガイド筒１７の両端に設けられた溝
状の凹部が、基部１２に角穴が明けられることに
よつて形成された係合バー１２ａと、バンパー本
体１４に２個の角穴が明けられることによつてそ
の間に形成された係止バー軸１４ａとにそれぞれ
嵌入し、圧縮ばね１８によつてこれらの間が押し
広げられており、バンパー本体１４のピン１３の
近傍部分が基部１２の両側に設けられた係止爪１
２ｂに当接している。これが、バンパー本体１４
が当接位置に位置決めされた状態である。

当接部１５を第３図の右方へ押す強い力が作用
すると、バンパー本体１４はピン１３を中心にし
て右方へ回転し、45度の位置で死点を乗りこえて
90度の位置の退避位置に達する。退避位置におい
ては、バンパー本体１４に係止バー軸１４ａを形
成するための上述の角穴の縁部１４ｂが、ガイド
筒１７の周面に当接して位置決めがなされてい
る。

なお、第２図および第３図において、１ａは集
塵機１のフレーム、２０はメインローラ、２１は
ガイドローラ、２２は取付けブラケツト、２３は
ケーブルダクトである。

第４図は集塵機１の走行方向を切換える回路を
示し、リレー接点２５によつて走行用のモータ２
４のオンオフが切換えられるとともに、切換スイ
ツチ７が切換えられることによつて、電源の３相
のうちの２相の接続が入れ替わり、モータ２４の
回転方向が切換わる。

したがつて、集塵機１が第１図および第３図で
示す右方向へ走行移動している状態で検出位置に
達すると、切換スイツチ７の操作レバー８がバン
パー１１の当接部１５に当接し、切換スイツチ７
はこれによつて切換えられ、走行用のモータ２４
が反転して集塵機１は反対方向に走行する。この
ときに、バンパー本体１４は、位置決め部材１６
により当接位置で保持されているが、何らかの原
因で集塵機１の走行方向が反転せず、または反転
しても過大な慣性力によつてオーバーランした場
合には、位置決め部材１６の圧縮ばね１８のばね
力に打ち勝つて退避位置へ、または退避位置へ向
かつて変位し、切換スイツチ７およびバンパー１
１の破損が防止される。

上述の実施例において、切換スイツチ７に代え
てリミツトスイツチなどの他の形式のスイツチを
用いてもよく、その検出信号によつてリレーなど
を作動させて走行方向を反転させ、または他の機
器を制御すればよい。切換スイツチ７をレール２
側に、バンパー１１を集塵機１側に、それぞれ取
付けることとしてもよい。

（考案の効果） 本考案によると、集塵機のように走行する台車
の位置を検出するにあたり、台車がオーバーラン
した場合でも検出器およびバンパーの破損が防止
され、その後の復旧が容易に行われる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は集塵装
置の一部を示す正面図、第２図は第１図の−
線矢視断面を拡大した断面図、第３図は第２図の
矢視図、第４図は走行用のモータの回路図であ
る。 １……集塵機（台車）、２……レール（軌道）、
７……切換スイツチ（検出器）、１１……バンパ
ー、１２……基部、１３……ピン、１４……バン
パー本体、１９……トグル機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 軌道２及びそれに沿つて走行する台車１の一方
   に取り付けられた検出器７と、他方に取り付けら
   れたバンパー１１とから構成され、前記検出器７
   と前記バンパー１１とが当接したときに検出信号
   を出力する台車の位置検出装置であつて、 前記バンパー１１が、 前記軌道２又は前記台車１に固定された基部１
   ２と、 前記検出器７との当接部材として前記基部１２
   に回動可能に取り付けられたバンバー本体１４
   と、 通常は前記バンバー本体１４を前記検出器７に
   当接する当接位置に位置決めし、且つ前記バンバ
   ー本体１４に過剰の当接圧力が加わつたときに
   は、前記バンバー本体１４を前記検出器７と非接
   触となる退避位置に位置決めするトグル機構１９
   とを有してなる ことを特徴とする台車の位置検出装置。