JP2516340B2 - トリハロゲノベンゼン異性体の分離方法 - Google Patents

トリハロゲノベンゼン異性体の分離方法

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JP2516340B2 JP61167777A JP16777786A JP2516340B2 JP 2516340 B2 JP2516340 B2 JP 2516340B2 JP 61167777 A JP61167777 A JP 61167777A JP 16777786 A JP16777786 A JP 16777786A JP 2516340 B2 JP2516340 B2 JP 2516340B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トリハロゲノベンゼン(以下、トリクロロ
ベンゼンをTCB、ジクロロブロモベンゼンをDCBBと略記
する。)異性体の吸着分離方法に関する。
本発明によって分離されるTCB、DCBBは農薬、染料、
工業薬品の中間体として重要である。
(従来の技術) TCB及びDCBB類は、それぞれジクロロベンゼンの塩素
化、臭素化及びそれ等に引き続く異性化等により得られ
るが、両類とも各異性体の沸点が近似しているため、異
性体混合物を精留し、単独成分として分離回収するのは
非常に困難である。
これ等の分離方法としては、例えば晶析分離する事に
より1.3.5−TCB、又は3.5−DCBBを回収する方法があ
る。
又、TCB異性体混合物からホージャサイト型ゼオライ
トを用いるTCB異性体混合物の吸着分離方法が特開昭第5
8−219131号公報に開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、晶析分離する方法では各異性体を高純
度で得る事は困難である。又は、後者のゼオライトによ
る吸着分離技術はトルエン等の脱着剤、展開剤を必要と
し、TCBとこれ等との蒸留分離が必要であるとの欠点を
有する。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、このような現状に鑑み、トリハロゲノ
ベンゼン異性体混合を吸着分離する方法につき鋭意研究
を重ねた結果、窒素ガスの存在下で選択的に特定の置換
位置を持つ異性体を分離回収する事ができる特異的な触
媒を見出すに至り、本発明を完成した。
すわわち、本発明は、下記一般式で表わされるトリハ
ロゲノベンゼン類 (但し、XはCl、又はBrを表わす。)の異性体混合物の
うち1.2.3−,1.2.4−,1.3.5−置換異性体から選ばれた
少なくとも2種の異性体を含むTCB、又はDCBB異性体混
合物をゼオライト系吸着剤を用いて吸着分離する方法に
おいて、窒素ガスの存在下で吸着剤としてZSM型ゼオラ
イトを使用する事を特徴とするトリハロゲノベンゼン異
性体の分離方法である。
本発明で用いられるZSM型ゼオライトは窒素ガスの存
在下で特定の位置に置換されている各異性体の吸着しや
すさの順が、破過点以前の段階では1.3.5−<1.2.3−
《1.2.4−置換体となり特に1.2.3−、1.3.5−置換体と
1.2.4−置換体との差が極めて大きな特異的な性質を有
する吸着剤である。
従って本発明の吸着剤を窒素ガスの存在下で用いる事
によって、破過点以前の段階では1.2.3−、1.3.5−、1.
2.4−置換のTCB、又はDCBBの3種異性体混合物から1.2.
4−置換体を単離する事が可能なばかりでなく、1.2.3−
及び1.2.4−置換体、1.3.5−及び1.2.4−置換体の組み
合わせの2種異性体混合物からは、それぞれの各異性体
を単離する事が可能となる。
本発明に使用されるZSM型ゼオライトとしては特公昭4
6−10064号明細書に記載されているZSM−5ゼオライト
及びそれと同じ系列に属すると考えられているゼオライ
トであって、例えば、前記ZSM−5の他に英国特許1,33
4,243号明細書に記載されているZSM−8、特公昭53−23
280号明細書に記載されているZSM−11、米国特許4,001,
346号明細書に記載されているZSM−21、特開昭53−1445
00号明細書に記載されているZSM−35、特開昭51−67299
号明細書に記載されているゼオライトゼータ1及び特開
昭51−67298号明細書に記載されているゼオライトゼー
タ3等が好ましく用いられる。
本発明において使用されるゼオライトは酸型として用
いるのが好ましい。酸型ゼオライトは、良く知られてい
るようにゼオライト中のカチオンとしてH+、NH4+、又は
希土類イオ等の2価以上の多価カチオンを有するもので
あり、これ等は通常ナトリウム等の1価のアルカリ金属
イオンを有するゼオライトのアルカル金属イオンの少な
くとも一部をプロトン、アンモニウムカチオン又は多価
カチオンでイオン交換する事により得られる。又は、ゼ
オライト触媒として使用する前にその結晶水を予め除去
しておく事が必要である。通常は100℃以上で結晶水含
量を小さくする事ができ、好ましくは300〜600℃で加熱
する事により結晶水を殆んど除去する事ができる。
本発明で用いられるゼオライトの形状は粉末状、破塊
状でも良いし、圧縮成型、押出し成型及びマルメライザ
ーによる成型法などによって得られる成型品であっても
良い。又は、成型の際必要ならばベントナイト、アルミ
ナゾル等をバインダーを加える事も可能である。小規模
の場合は粉末からの使用が可能で、工業的には、圧損を
避けるため、直径0.1〜10mmの球状成型品が好ましいく
用いられる。形状の選択は装置によって適切なものを自
由に選定する事ができる。
SiO2/Al2O3比は特に限定されるものではなく、好まし
くは10〜100である。
本発明方法の実施は、分離技術としては公知の固定床
方式によるバッチ方法でも良いし連続方法であっても良
いが、小規模の場合にはバッチ方式の装置が簡単であ
り、運転操作も容易な点から用いられる。
本発明の分離技術は、基本的には吸着剤を充填した1
以上から複数個の吸着室即ち、カラムにおける窒素ガス
存在下の吸着工程及び破過点以前の段階における非吸着
成分の取り出し工程よりなり、続いて窒素ガスによるカ
ラムの洗浄(追加的な非吸着成分の取り出しを含む)一
吸着成分の脱着−吸着剤の再生工程をサイクルとして実
施される。
すなわち、トリハロゲノベンゼン異性体混合物を吸着
室で窒素ガスの存在下で吸着剤と接触させ、破過点以前
の段階では非吸着成分と吸着成分に選択的に分離する事
ができる。
本発明の窒素ガスの存在下における吸着条件としての
吸着温度は、室温〜350℃、好ましく100〜250℃の範囲
の温度である。350℃を越える温度ではトリハロゲノベ
ンゼンの異性化反応等の副反応が起こり好ましくない。
吸着圧力は、大気圧から約50kg/cm2、好ましくは大気
圧から約30kg/cm2の範囲の圧力である。
本発明の吸着分離後の吸着されたトリハロゲノベンゼ
ン異性体の脱着方法は、特に限定されないが水蒸気脱着
が好ましい。
以下、本発明を説明する目的で実施例をあげる。
(実施例) 参考例1 特公昭46−10064号明細書の実施例1の方法に準じてS
iO290.1wt%,Al2O36.1wt%,Na2O3.8wt%,SiO2/Al2O3=2
5.1からなる組成のZS−5型ゼオライト粉末を得た。次
にこれを10wt%硝酸アンモニウム水溶液を用いて(固液
化2.0/kg,95℃)5回イオン交換を行い、充分水洗
し、150℃で5時間乾燥後500℃で3時間焼成し酸型のH
−ZSM−5型ゼオライト粉末を得た。尚、このH−ZSM−
5型ゼオライトのX−線分析の結果はモービル社製のH
−ZSM−5と一致した。
参考例2 特公昭53−23280号明細書の実施例の方法に準じてZSM
−11型ゼオライト粉末を得た。更にこれを参考例1と同
様に処理してH−ZSM−11型ゼオライト粉末を得た。
実施例1 参考例1のH−ZSM−5型ゼオライト粉末8.2gを内径
9.8mm、長さ16.3cmの金属カラムに充填し、1.2.3−及び
1.2.4−TCB異性体混合物を約45℃に加熱溶融させ2kg/cm
2の窒素圧下200℃にて50μl/分の速度で導入した。この
時導入したTCB異性体混合物の組成は1.2.3−/1.2.4−=
30/70wt比であった。
カラム出口から流出してくる液を所定時間毎に採り、
(3〜7分間隔)、その液量を測定し、液組成をガスク
ロマトグラフにて分析した。流出開始から約25分後に採
取した流出液組成が導入液組成と同一となり破過した。
ここまでの流出液の組成変化は表−1のものとなった。
次いで、同一温度で2kg/cm2の圧力下で窒素ガスを20
分間導入して付着TCB異性体混合物を排出−洗浄した。
次に、同カラムに水蒸気(モル分率0.33)と窒素(モ
ル分率0.67)の混合ガスを同温度にて6kg/cm2の圧力
下、60ml/分の速度で導入した。吸着されていたTCBが脱
着されて水と共に流出し、約40分後TCBの流出は終了し
た。脱着によるTCBの総流出量は530.2mgであり、この総
流出液をガスクロマトグラフ分析したところ1.2.4−TCB
が97.6%を占めていた。
今、単位ゼオライト量(g)あたりの1.2.4−TCBの見
かけの吸着容量を下式f′で表わすとすると A:脱着工程で流出したTCB量(g) B:脱着液中の1.2.4−TCB成分濃度(%) 本実施例における見かけの吸着容量f′は、6.31%で
あった。
実施例2〜4 実施例1にて用いたカラムを更に200℃で6kg/cm2の圧
力下で窒素ガスを40ml/分の速度で2時間導入し吸着剤
を乾燥−再生した。
再生終了後、実施例1と同様に、吸着−洗浄−脱着−
再生工程を1サイクルとして実施例1を含め計4回のサ
イクルを繰り返した。破過に到るまでの非吸着流出液の
量と組成、脱着工程での流出液の量と組成及び見かけの
吸着容量f′は表−2のものであった。
尚、4回このサイクルを繰り返した後のゼオライトの
結晶化度をX線分析した結果、結晶構造の破壊は認めら
れなかった。
実施例5 実施例1で使用したH−ZSM−5型ゼオライトを参考
例−2で合成したH−ZSM−11型ゼオライトに代えた以
外は実施例1と同様の装置、方法により吸着−洗浄−脱
着−再生操作を行った。その結果は、表−2のものであ
った。
実施例6 実施例1と同様の装置、方法について、導入原料を1.
3.5−,1.2.4−TCBの異性体混合物に代え、その組成を1.
3.5−/1.2.4−=30/70wt比、として、吸着−洗浄−脱着
−再生操作を行った。実施例1と同様の組成変化を分析
した結果を表−3に示す。
実施例7 実施例1と同様の装置、方法にて、導入原料を、1.3.
5−,1.2.3−TCBの異性体混合物に代え、その組成を1.3.
5−/1.2.3−=35/65wt比として、吸着−洗浄−脱着−再
生操作を行った。実施例1と同様に組成変化を分析した
結果を表−4に示す。
尚、この場合は1.2.3−TCBが強吸着成分であるため、
見かけの吸着容量f′におけるB値は、脱着液中の1.2.
3−TCB成分濃度(%)を表わす。
実施例8 実施例1と同様の装置、方法にて、導入原料を、3.5
−,2.4−DCBBの異性体混合物に代え、その組成を3.5−/
2.4−=35/65wt比として、吸着−洗浄−脱着−再生操作
を行った。実施例1と同様に組成変化を分析した結果を
表−5に示す。
尚、この場合は2.4−DCBBが強吸着成分であるため、
見かけの吸着容量f′におけるB値は、脱着液中の2.4
−DCBB、成分濃度(%)を表わす。
実施例9 実施例1と同様の装置、方法にて、導入原料を3.5−,
2.6−,2,4−DCBBの異性体混合物に代え、その組成を3.5
−/2.6−/2.4−=60/10/30wt比として、吸着−洗浄−脱
着−再生操作を行った。実施例1と同様に組成変化を分
析した結果を表−6に示す。
尚、この場合は2.4−DCBBが最も強吸着成分であるた
め、見かけの吸着容量f′におけるB値は、脱着液中の
2.4−DCBB、成分濃度(%)を表わす。
(発明の効果) 本発明方法によれば、置換型式の異なるトリハロゲノ
ベンゼン(TCB又はDCBB類)異性体混合物をZSM型ゼオラ
イトで吸着分離する事により、従来達成が困難であった
高純度のトリハロゲノベンゼンを工業的にも有利な方法
で得る事が可能となり、使用するZSM型ゼオライトが長
期間の再使用が可能である事を考えあわせると極めて有
用な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−219131(JP,A) 特開 昭61−112034(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記、一般式で表わされるトリハロゲノベ
    ンゼン (但し、XはCl、又はBrを表わす。)のうち1,2,3−;1,
    2,4−;1,3,5−置換異性体から選ばれた少なくとも2種
    の異性体を含むトリハロゲノベンゼン異性体混合物をゼ
    オライト系吸着剤を用いて分離する方法において、窒素
    ガスの存在下でZSM型ゼオライトに接触させ、破過点以
    前の段階で吸着分離することを特徴とするトリハロゲノ
    ベンゼン異性体の分離方法。
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