JPH08796B2 - ジクロロニトロベンゼン異性体の分離方法 - Google Patents

ジクロロニトロベンゼン異性体の分離方法

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JPH08796B2
JPH08796B2 JP14266186A JP14266186A JPH08796B2 JP H08796 B2 JPH08796 B2 JP H08796B2 JP 14266186 A JP14266186 A JP 14266186A JP 14266186 A JP14266186 A JP 14266186A JP H08796 B2 JPH08796 B2 JP H08796B2
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喜久雄 大友
昌志 山口
雅美 伊藤
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Hodogaya Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、農薬、染料等の中間体として有用なジクロ
ロニトロベンゼン(以下DCNBと略記する)異性体の分離
精製方法に関するものである。
(従来の技術及び問題点) DCNB類は工業的には、o−,m−,及びp−ジクロロベ
ンゼンのニトロ化により得られるが、このうち、o−及
びm−ジクロロベンゼンのニトロ化により得られる各主
生成物、即ち3,4−DCNB、及び2,4−DCNBはそれぞれ異性
体である2,3−DCNB、又は2,6−DCNBを含むものであり、
これ等相互の異性体を単独にて分離する事は、各異性体
の沸点及び凝固点が近接している事から極めて困難であ
る。
例えば、農薬中間体として、それぞれ有用である3,4
−、2,3−DCNB混合物の分離には米国特許−3272875等に
て晶析分離による処方が開示されている。又、良く知ら
れている方法として、3,4−、2,3−DCNB間のスルホン化
速度の差異を利用して、混合物を発煙硫酸にて処理し分
解する方法もある。しかし、これ等の方法では、含まれ
る両異性体のそれぞれを高純度で分離、回収する事は難
しく、かつ工業的、経済的にも有利な方法とは言い難
い。
(問題を解決するための手段) 本発明者等は、このような減少に鑑み、DCNB異性体混
合物を分離する方法につき鋭意研究を重ねた結果、驚く
べき事に、ある特定のゼオライト吸着剤を用いて吸着分
離を行なう事により、選択的に特定の置換位置を持つ異
性体それぞれを分離回収する事が可能である事を見出
し、本発明を完成した。
ジクロロベンゼンのニトロ化によって得られる少なく
とも2種以上のジクロロニトロベンゼン異性体混合物を
分離する方法において、該異性体混合物をZSM−5型ま
たはZSM−11型ゼオライト吸着剤に接触させ、1,2,3−位
置換型異性体と、1,2,4−位置換型異性体とに選択的に
吸着分離する事を特徴とするDCNB異性体の分離方法であ
る。本発明で用いるZSM型ゼオライトは、1,2,4−位置換
型DCNB異性体を強吸着するのに対し、1,2,3−位置換型D
CNB異性体は吸着しない極めて特異的な性質を有する吸
着剤である。従って、後者は、吸着剤と接触させる吸着
段階で非吸着成分として高純度で分離することができ
る。一方、強吸着成分は脱着段階で効率良く分離するこ
とができる。
本発明に使用されるZSM型ゼオライトとしては、特公
昭46−10064号明細書に記載されているZSM−5ゼオライ
ト及び特公昭53−23280号明細書に記載されているZSM−
11、が好ましい。
ゼオライトは酸型として用いるのが好ましい。酸型ゼ
オライトはゼオライト中のカチオンとしてH+、NH4 +、又
は希土類イオン等の2価以上の多価カチオンを有するも
のであり、これ等は通常、ナトリウム等の1価のアルカ
リ金属イオンの少なくとも一部をプロトン、アンモニウ
ムカチオン、又は多価カチオンでイオン交換する事によ
り得られる。
又、ゼオライトは、使用する前にその結晶水を予め除
去しておく事が必要である。通常は100℃以上で結晶水
含量を小さくする事ができ、好ましくは、300〜600℃で
加熱する事により結晶水をほとんど除去することができ
る。
本発明で用いられるゼオライトの形状は粉末状、砕塊
状でもよいし、圧縮成型、押出し成型およびマルメライ
ザーなどによって得られる成型品であってもよい。又、
成型の際、必要ならばベントナイト、アルミナゾル等の
バインダーを加える事も可能である。小規模の場合は粉
末からの使用が可能で、工業的には圧損を避けるため、
直径0.1〜10mmの球状成型品が好ましく用いられる。形
状の選択は装置によって適切なものを自由に選定するこ
とができる。
SiO2/Al2O3比は、特に限定されるものでなく、好まし
くは10〜100である。
本発明方法の実施は、分離技術としては公知の固定床
方式によるバッチ方法でもよいし、連続方法であっても
よいが、小規模の場合にはバッチ方式の装置が簡単であ
り、運転操作も容易な点から用いられる。
本発明の分離技術は、基本的には吸着剤を充填した1
以上から複数個の吸着室を備えて、吸着−洗浄−脱着−
吸着剤の再生工程をサイクルとして実施される。
即ち、DCNB異性体混合物を吸着室で吸着剤と接触させ
非吸着成分である1,2,3−位置換型DCNB異性体と強吸着
成分である1,2,4−位置換型DCNB異性体に選択的に分離
する事ができる。
本発明の吸着温度は、室温〜350℃、好ましくは100〜
250℃の範囲の温度である。
吸着圧力は、大気圧から約50kg/cm2、好ましくは大気
圧から約30kg/cm2の範囲の圧力である。
又、吸着時に、吸−脱着に影響を与えない物質を場合
によりDCNB異性体混合物に希釈溶媒として添加してもよ
い。
本発明の吸着分離後の吸着されたDCNB異性体の脱着方
法は、特に限定されないが水蒸気脱着が好ましい。
(発明の効果) かくして、本発明方法によれば、1,2,3−位置換型及
び1,2,4−位置換型と置換型式の異なるDCNB異性体混合
物をZSM型ゼオライトで吸着分離する事により、従来達
成が困難であった高純度のDCNBを得る事が可能となる。
この事は、DCNB類が工業的にはジクロロベンゼン類のニ
トロ化により製造されており、置換型式の異なる異性体
の混入がo−及びm−ジクロロベンゼンを原料とする場
合には避け難いことである事を考えあわせると、極めて
有用な効果である。
更に、ZSM型ゼオライトは長期間の再使用が可能であ
り、工業的見地からも、その効果は高い。
以下、本発明を説明する目的でいくつかの実施例をあ
げる。
(実施例) 参考例1 特公昭46−10064号明細書の実施例1の方法に準じてS
iO290.1wt%、Al2O36.1wt%、Na2O3.8wt%、SiO2/Al2O3
=25.1からなる組成のZSM−5型ゼオライト粉末を得
た。次にこれを10wt%硝酸アンモニウム水溶液を固液比
2.0/kgの割合で用いて、95℃の条件にて5回イオン交
換を行った。水洗後、150℃で5時間予備乾燥し、その
後500℃で3時間焼成した。得られた粉末をX線分析し
た結果は、モービル社製のH−ZSM−5と一致するもの
であった。
参考例2 特公昭53−23280号明細書の実施例の方法に準じてZSM
−11型ゼオライト粉末を得た。更にこれを参考例1と同
様に処理してH−ZSM−11型ゼオライト粉末を得た。
実施例1 参考例1のH−ZSM−5型ゼオライト粉末8.2gを内径
9.8mm長さ16.3cmの金属カラムに充填し、2,3−、及び3,
4−DCNB異性体混合物を45℃に加熱溶融させ2kg/cm2の窒
素圧下200℃にて50μ/分の速度で導入した。この時
導入したDCNB異性体混合物の組成は、2,3−/3,4−=30.
0/70.0wt比であった。
カラム出口から流出してくる液を所定時間毎に採り
(3〜7分間隔)、その液量を測定し、液組成をガラス
クロマトグラフにて分析した。流出開始から約40分後に
採取した流出液組成が導入液組成と同一となり破過し
た。ここまでの流出液の組成変化は表−1のものとなっ
た。
次いで、同一温度で3kg/cm2の圧力下で窒素ガスを30
分間導入し、付着DCNB異性体混合物を排出−洗浄した。
次に、同カラムに水蒸気(モル分率0.33)と窒素(モ
ル分率0.67)の混合ガスを同温度にて6kg/cm2の圧力
下、60ml/分の速度で導入した。吸着されていた3,4−DC
NBが脱着されて水と共に流出し、約40分後DCNBの流出は
終了した。脱着による3,4−DCNBの総流出量は558.6mgで
あり、この総流出液の3,4−DCNBのガスクロマトグラフ
分析による濃度は98.8%であった。
今、単位ゼオライト量(g)あたりの3,4−DCNBの見
かけの吸着容量を下式f′で表わすとすると A:脱着工程で流出したDCNB量(g) B:脱着液中の3,4−DCNB成分濃度(%) 本実施例における見かけの吸着容量f′は6.73%であ
った。
実施例2〜3 実施例1にて用いたカラムを更に200℃で6kg/cm2の圧
力下に窒素ガスを40ml/分の速度で2時間導入し吸着剤
を乾燥−再生した。
再生終了後、実施例1と同様に吸着−洗浄−脱着−再
生工程を1サイクルとして実施例1を含め計3回のサイ
クルを繰り返した。破過に到るまでの非吸着流出液の量
と組成、脱着工程での流出液の量と組成、及び見かけの
吸着容量f′は表−2のものであった。
尚、3回このサイクルを繰り返した後のゼオライトの
結晶化度をX線分析した結果、結晶構造の破壊は認めら
れなかった。
実施例4 実施例1で使用したH−ZSM−5型ゼオライトを参考
例2で合成したH−ZSM−11型ゼオライトに代えた以外
は実施例1と同様の装置、方法により吸着−洗浄−脱着
−再生操作を行った。その結果は表−2のものであっ
た。
実施例5 実施例1と同様の装置、方法にて、導入原料を2,6
−、2,4−DCNBの異性体混合物に代え、その組成を2,6−
/2,4−=9.2/90.8wt比として、吸着−洗浄−脱着−再生
操作を行った。実施例1と同様に組成変化を分析した結
果を、表−3に示す。なお、表−3での見かけの吸着容
量f′(%)におけるB値は脱着液中の2,4−DCNB成分
濃度(%)を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジクロロベンゼンのニトロ化によって得ら
    れる少なくとも2種以上のジクロロニトロベンゼン異性
    体混合物を分離する方法において、該異性体混合物をZS
    M−5型またはZSM−11型ゼオライト吸着剤に接触させ、
    1,2,3−位置換型異性体と、1,2,4−位置換型異性体と
    に、選択的に吸着分離することを特徴とするジクロロニ
    トロベンゼン異性体の吸着分離方法。
JP14266186A 1986-06-20 1986-06-20 ジクロロニトロベンゼン異性体の分離方法 Expired - Lifetime JPH08796B2 (ja)

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