JP4411711B2 - ハロゲン化芳香族異性体の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化芳香族異性体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化芳香族異性体を吸着分離により製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化芳香族異性体を分離する方法として、精密蒸留法、深冷分離法、吸着分離法が従来知られているが、本発明は、吸着分離法に関する。
【0003】
精密蒸留法の場合、ハロゲン化芳香族異性体間の沸点の差は小さく非常に高段数を有する精密蒸留塔が必要であり、深冷分離法では、冷却における設備及びエネルギーコストは多大なものである。このような問題を解決するものとして、吸着分離法が研究・開発されてきた。特公昭37−5155号公報には、X型ゼオライトにアルカリ金属、アルカリ土類金属イオンを導入した吸着剤がハロゲン化芳香族化合物異性体の分離に使用できることが開示されている。又、特開昭53−105434号公報にはY型ゼオライトにCsやRb等の各種イオンで交換した吸着剤によりジクロロベンゼン異性体混合物から特定の異性体を分離する方法が開示されている。特開昭57−31627号公報、特開昭57−35528号公報、特開昭57−91933号公報には、Kイオン交換Y型ゼオライトを吸着剤としたクロロトルエン異性体の吸着分離方法が開示されている。さらに特開昭58−131923号公報、特開昭59−176223号公報には、それぞれAgおよびKイオン交換Y型ゼオライト、NaおよびCuイオン交換Y型ゼオライトを吸着剤としたm−クロロトルエンの分離法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらのような吸着剤でも分離することは可能であるが、十分な性能が得られない。
【0005】
すなわち本発明の課題はハロゲン化芳香族異性体混合物の効率的な吸着分離方法を提供することである。特に、クロロトルエンまたはジクロロベンゼン異性体混合物からメタ−異性体をラフィネート成分として分離するための吸着分離方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の置換芳香族異性体の吸着分離方法は、「Cs及び/又はRbを含有するY型ゼオライトで、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0.1以上で、且つKを含有する吸着剤とキシレンを主成分とする脱着剤を用いてクロロトルエンまたはジクロロベンゼン異性体混合物からメタ−体をラフィネート成分として吸着分離することを特徴とするハロゲン化芳香族異性体の製造方法。」である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明では、吸着剤としてCs及び/又はRbを含有することを特徴とするY型ゼオライトであって、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0.1以上で、且つKを含有する吸着剤を用いることが特徴である。ゼオライトとは、通常は多孔性の結晶性アルミノシリケートのことを言うが、本発明においては、フォ−ジャサイト型ゼオライトが用いられる。それは次式で示される。
【0011】
0.9±0.2M2/n O:Al2 O3 :xSiO2 :yH2 Oここで、Mはカチオンを示し、nはその原子価を表す。フォ−ジャサイト型ゼオライトでは上式のxは通常2〜6の範囲である。フォ−ジャサイト型ゼオライトは、xが2〜3を有するX型ゼオライトとxが3〜6を有するY型ゼオライトに区別されている。更には、Y型ゼオライトから脱アルミニウム化してxを6以上にした超安定化ゼオライトUSYがある。本発明ではY型ゼオライトが用いられる。
【0012】
分離するハロゲン化芳香族異性体の種類によってはX型ゼオライトとY型ゼオライトで吸着分離性能に差が生じる場合もある。例えばクロロトルエン異性体混合物からメタ−クロロロルエンを非吸着成分、即ちラフィネート成分として分離する場合にはY型ゼオライトの方が好ましい
【0013】
フォ−ジャサイト型ゼオライトは通常、カチオンMがナトリウムを含む型で得られるが、このカチオンはイオン交換により様々なカチオンに置き換えることができる。カチオン交換の方法は通常、目的のカチオンを含む化合物、例えば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物などの水溶液にゼオライトを接触させることにより実施される。イオン交換量はカチオンの種類により異なるが水溶液中に含まれる量やイオン交換処理回数により任意に設定することができる。イオン交換後には十分に水洗し、交換されて水溶液中に溶出したナトリウムイオンや例えば塩素イオン、硝酸イオンなどを除去するのが好ましい。
【0014】
本発明で用いられる吸着剤に含まれるカチオンとしては、Kに加えて、Cs及び/またはRbが必須である。勿論これらのカチオンはイオン交換点になくても良く、ゼオライトに含まれていればよいが、イオン交換点にこれらのカチオンが存在している方が好ましい。その含有量は、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0.1以上である必要がある。好ましくは0.3以上、特に好ましくは0.5以上である。これらの範囲とすることで、ハロゲン化芳香族異性体を分離する際に、効率よく分離を行うことが出来る。なお、イオン交換の上限は通常、ゼオライト中のAlのモル数に対して等量迄である。換言すれば、約1.0迄である。しかし、本発明で用いるCs及び/又はRbはイオン半径が大きいため、X型或いはY型ゼオライトのイオン交換点全てと交換できない。おおよそ、0.7迄であると推定される。
【0015】
CsまたはRb含有率の測定方法は、特に限定されないが、原子吸光法、蛍光X線法、エネルギー分散型X線分析装置などの元素の比率が特定できる方法で測定することができる。具体的には、ゼオライト中に含まれている元素を探索し、定量することによって上記のCsまたはRb含有率を導き出す。成型体の場合は、バインダーが含まれるので、バインダーの含有量がわかっている場合は、バインダー分のアルミニウムは差し引いてCsまたはRbの含有率を出す。バインダー量が不明瞭な場合は、簡便に、SiとAl以外の金属中のCsまたはRbの含有率で置き換えても良い。分離するハロゲン化芳香族異性体によって、好ましく共存して含まれる金属は異なる。クロロトルエン異性体混合物からメタクロロトルエンをラフィネート成分として分離する場合にK及びAgを含んでいることが好ましい。ジクロロベンゼン異性体混合物からメタジクロロベンゼンをラフィネート成分として分離する場合、Cs、Rb以外にPb及びKを含んでいることが好ましい。
【0016】
一般に吸着剤は、成型して用いる。成型体はゼオライトのみを固めたものでも、アルミナ、粘土などのバインダ−と共に造粒したものでも良い。造粒の仕方は、例えばアルミナなどのバインダーと共に混練りした後、押し出し機で押しだし、マルメライザーでまるめることによって作ることができる。その粒径は、通常、0.1mm以上である。これより小さいと圧損が大きくなる。大きさの上限は通常5mmであるが、本発明の吸着剤の場合は、CsやRbのような大きなカチオンを使うので、拡散を有利に進めるために、粒径は小さい方が好ましい。1mm以下が好ましくさらに好ましくは0.5mm以下である。
【0017】
吸着剤は、使用する前に予めゼオライト中の結晶水を除去する。通常は200〜600℃で加熱することにより、結晶水をほとんど除去することができる。
【0018】
本発明の吸着剤を用いて、ハロゲン化芳香族異性体混合物から特定の異性体を吸着分離するための吸着分離技術は、いわゆるクロマト分取法であってもよいし、また擬似移動床による吸着分離方法でもよい。擬似移動床による分離が、特定の1異性体を分離して製造する場合には、最も好ましく用いられる。
【0019】
擬似移動床による連続的吸着分離技術は基本的操作として、次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操作及び脱着剤回収操作を連続的に循環して実施される。
(1)吸着操作:2又は3置換芳香族異性体混合物を含む原料供給物が、本発明の吸着剤と接触して吸着力が強い成分ほど選択的に吸着される。強吸着成分はエクストラクト成分として後で述べる脱着剤とともに回収される。
(2)濃縮操作:弱吸着成分はさらに吸着剤と接触させられ吸着力が弱い成分ほど高純度化されて、脱着剤とともにラフィネ−トから回収される。
(3)脱着操作:高純度化された弱吸着成分はラフィネ−トとして回収される一方、強吸着成分は脱着剤によって吸着剤から追出され、脱着剤をともなってエクストラクト成分として回収される。
(4)脱着剤回収操作:実質的に脱着剤のみを吸着した吸着剤は、ラフィネート流れの一部と接触させられ該吸着剤に含まれる脱着剤の一部が脱着剤回収流れとして回収される。
【0020】
上記、擬似移動による吸着分離操作を模式的に示したのが図1である。吸着剤を充填した吸着室1〜12が連続的に循環して連結されている。
【0022】
本発明の吸着分離法は、クロロトルエンやジクロロベンゼン異性体の分離において、特に顕著である。
【0023】
上記吸着分離方法に使用される脱着剤としては、2置換のハロゲン化芳香族化合物からメタ体をラフィネート成分として分離する場合、例えばクロロトルエン異性体からのメタ−クロロトルエンの分離やジクロロベンゼン異性体混合物からメタージクロロベンゼンの分離の場合は、脱着剤は、キシレンが好ましく用いられ、特に好ましくはメタキシレンである
【0024】
吸着分離方法の操作条件は特に限定されないが、通常温度は室温から350℃、好ましくは50〜250℃であり、また圧力は通常大気圧から20MPa、好ましくは大気圧から3MPaである。本発明の吸着分離方法は気相でも実施されうるが、操作温度を低くして原料供給物または脱着剤の好ましくない副反応を減じるために液相で実施するのが好ましい。
【0025】
本発明において、吸着分離方法とは、単に分離する方法だけでなく、吸着分離によって、特定の物質を製造することも意味することは言うまでもない。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明する。
【0027】
実施例中、吸着剤の吸着特性は次式の吸着選択率 αをもって表した。
【0028】
【数1】
Figure 0004411711
ここで、o、m、pはそれぞれ2置換芳香族異性体のオルト体、メタ体、パラ体を表し、Aは吸着相、Uは吸着相と平衡にある液相を示す。上式におけるα値が1より大きければ大きい程、メタ体がオルト体よびパラ体に比べより吸着されにくく、1より小さければメタ体がオルト体およびパラ体に比べより吸着されやすい。
【0029】
メタ体を非吸着成分であるラフィネート成分として分離するにはαo/m、αp/mともに1より大きいことが必要であり、分離効率から言えば、ともに1.4以上がより好ましい
【0030】
〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕は、実施例中、Rb含有率、Cs含有率として示す。エネルギー分散型X線装置を用いて、Rb、Cs含有率を導いた。
【0031】
(吸着剤の調製)
吸着剤1
ナトリウムタイプX型ゼオライト(以下Na−Xと表す。)(東ソー(株)製・ゼオラムF−9粉末品)100重量部にバインダ−としてアルミナゾル(日産化学200番;Al23=10wt%)をアルミナ換算で25重量部添加してO.15〜0.5mmφに造粒されたNaX型ゼオライトを120℃で乾燥後、500℃で焼成した。Cs含有率は0である。
【0032】
吸着剤2
ナトリウムタイプY型ゼオライト(以下Na−Yと表す。)(東ソ−(株)製・ゼオラムNa−5.1Y粉末品)100重量部にバインダ−としてアルミナゾル(日産化学200番;Al23=10wt%)をアルミナ換算で15重量部添加して0.15〜0.5mmφに造粒されたNaY型ゼオライトを120℃で乾燥後、500℃で焼成した。Cs含有率は0である。
【0033】
吸着剤3
10gの吸着剤1に7.94gの硝酸セシウムを40ccの純水に溶解した硝酸セシウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、十分に水洗した後、乾燥して調製した。Cs含有率は、0.4であった。
【0034】
吸着剤4
10gの吸着剤1に3.00gの硝酸ルビジウムを40ccの純水に溶解した硝酸ルビジウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、十分に水洗した後、乾燥して調製した。Rb含有率は0.2であった。
【0035】
吸着剤5
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに7.21gの硝酸セシウムを40ccの純水に溶解した硝酸セシウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸セシウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別し、十分に水洗した後、乾燥して調製した。Cs含有率は0.5であった。
【0036】
吸着剤6
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに1.26gの硝酸銀を40ccの純水に溶解した硝酸銀溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸銀溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。
【0037】
さらにこれに7.21gの硝酸セシウムを40ccの純水に溶解した硝酸セシウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸セシウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Cs含有率は0.5であった。
【0038】
吸着剤7
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに1.26gの硝酸銀を40ccの純水に溶解した硝酸銀溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸銀溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。
【0039】
さらにこれに2.88gの硝酸セシウムを40ccの純水に溶解した硝酸セシウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Cs含有率は0.3であった。
【0040】
吸着剤8
使用する硝酸セシウム量を1.44gとした以外は吸着剤7と同様に調製した。Cs含有量は0.1であった。
【0041】
吸着剤9
使用する硝酸セシウム量を0.72gとした以外は吸着剤7と同様に調製した。Cs含有量は0.05であった。
【0042】
吸着剤10
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに1.26gの硝酸銀を40ccの純水に溶解した硝酸銀溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸銀溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Cs含有率は0であった。
【0043】
吸着剤11
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに1.26gの硝酸銀を40ccの純水に溶解した硝酸銀溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸銀溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。
さらにこれに5.45gの硝酸ルビジウムを40ccの純水に溶解した硝酸ルビジウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸ルビジウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Rb含有率は0.4であった。
【0044】
吸着剤12
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Cs含有率は0であった。
【0045】
吸着剤13
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに2.45gの硝酸鉛を40ccの純水に溶解した硝酸鉛溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、十分に水洗した。さらにこれに7.21gの硝酸セシウムを40ccの純水に溶解した硝酸セシウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸セシウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに1回(全部で2回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗し、乾燥して調製した。Cs含有率は0.5であった。
【0046】
吸着剤14
10gの吸着剤2に4.0gの硝酸カリウムを40ccの純水に溶解した硝酸カリウム溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、同様の方法で新たに調製した硝酸カリウム溶液と同様の条件下で接触させることをさらに7回(全部で8回)繰り返して行い、液を濾別後、十分に水洗した。これに2.45gの硝酸鉛を40ccの純水に溶解した硝酸鉛溶液を80℃で1時間接触させた後、液を濾別し、十分に水洗した後、乾燥して調製した。Cs含有率は0であった。
(吸着実験)
参考例1〜3
吸着剤3、4及び1のp−キシレン脱着剤下におけるクロロトルエン異性体間の吸着選択性を測定した。測定方法は、内容積6mlのオートクレーブに液相混合物2.6gと500℃で焼成した吸着剤2.4gを充填し、130℃で1時間ときどき攪拌しながら放置した。仕込んだ液相混合物の組成は、n−ノナン:脱着剤(p−キシレン):クロロトルエン( o:m:p=39.2:40.2:20.6 )=5:50:50(量重比)である。n−ノナンは、ガスクロマトグラフィー分析での内標物質として添加したもので上記実験下では実質的に吸着に不活性なものである。
【0047】
該吸着剤と接触させた後の液相混合物の組成をガスクロマトグラフィ−より分析し、(1)式を用いてクロロトルエン異性体間の吸着選択率を求めた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004411711
実施例、比較例
500℃で焼成した吸着剤5〜11を使用し、脱着剤にm−キシレンを使用した以外は実施例1,2と同様にして行った。結果を表2に示す。表2より明らかなように、Cs又はRbを含むY型ゼオライトはクロロトルエン異性体混合物からメタークロロトルエンが弱吸着成分、即ちラフィネート成分として分離できることがわかる。
【0049】
Cs含有量率が0.05以下ではαo/mの吸着選択率が低いことが分かる。
【0050】
【表2】
Figure 0004411711
比較例3,4,5
500℃で焼成した吸着剤10,12を使用し、脱着剤にm−キシレンと3,4−ジクロロトルエンを用いた以外は実施例1〜5と同様にして行った。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
Figure 0004411711
実施例6,比較例6
500℃で焼成した吸着剤6を使用し、脱着剤の種類を変えた以外は実施例1〜5と同様にして行った。結果を表4に示す。脱着剤としてはキシレンが好ましく、特にm−キシレン脱着剤がm−クロロトルエンをラフィネート成分として好ましく分離することが分かる。
【0052】
【表4】
Figure 0004411711
実施例
500℃で焼成した吸着剤6を、長さ1m、内径4.6mmのステンレスカラムに充填し、130℃のオイルバス中において脱着剤であるm−キシレンを1.5ml/分(室温)の一定流量で流している状態で、クロロトルエン(CT)(o:m:p=39.2:40.2:20.6 ):n−ノナン(n−C9)=100:5(重量比)の混合物1.5mlをカラム入口に導入した。n−ノナンは、流出時間の基準とするものであり、他の成分に比較してその吸着は事実上無視できる。カラム出口から流出してくる液を一定時間の間隔でサンプリングし、ガスクロマトグラフにより分析して図2に示す流出曲線を得た。
【0053】
比較例
500℃で焼成した吸着剤10を使用し、脱着剤に3,4−ジクロロトルエンを用いた以外は実施例7と同様にして行った。図3にその流出曲線を示す。図2、3に示した各成分のピーク位置からCs、Ag及びKを含むY型ゼオライト吸着剤とm−キシレン脱着剤の組合せによりメタークロロトルエンを非吸着成分としてより効率的に分離できることがわかる。
【0054】
実施例
吸着剤13のm−キシレン脱着剤下におけるジクロロベンゼン異性体間の吸着選択性を測定した。測定方法は、内容積6mlのオートクレーブに液相混合物2.6gと500℃で焼成した吸着剤2.5gを充填し、130℃で1時間ときどき攪拌しながら放置した。仕込んだ液相混合物の組成は、n−ノナン:脱着剤(m−キシレン):ジクロロベンゼン( o:m:p=39.6:40.0:20.4 )=5:50:50(量重比)である。n−ノナンは、ガスクロマトグラフィー分析での内標物質として添加したもので上記実験下では実質的に吸着に不活性なものである。
【0055】
該吸着剤と接触させた後の液相混合物の組成をガスクロマトグラフィ−より分析し、(1)式を用いてジクロロベンゼン異性体間の吸着選択率を求めた。結果を表5に示す。
【0056】
【表5】
Figure 0004411711
比較例8,9
500℃で焼成した吸着剤14を使用し、脱着剤にm−キシレンと3,4−ジクロロトルエンを使用した以外は実施例8と同様にして行った。結果を表に示す。
【0057】
【表6】
Figure 0004411711
実施例
500℃で焼成した吸着剤13を約160g調製し、4.6mmφx1mのカラム12本に充填し、その内、4本を脱着帯、3本を濃縮帯、3本を吸着帯、2本を脱着剤回収帯とし、擬似移動床法によりジクロロベンゼン(DCB)異性体混合物の吸着分離性能を調べた。供給原料であるジクロロベンゼン異性体混合物の組成はo−/m−/p−=38:41:21であった。脱着剤としてメターキシレンを用い、操作温度120℃で行った。性能曲線を図4に示した。
【0058】
比較例10
500℃で焼成した吸着剤14を約145g調製し、4.6mmφx1mのカラム12本に充填し、その内、4本を脱着帯、3本を濃縮帯、3本を吸着帯、2本を脱着剤回収帯とし、擬似移動床法によりジクロロベンゼン異性体混合物の吸着分離性能を調べた。供給原料であるジクロロベンゼン異性体混合物の組成はo−/m−/p−=38:41:21であった。脱着剤として3,4−ジクロロトルエンを用い、操作温度120℃で行った。
性能曲線を図4に示した。
【0059】
実施例及び比較例10では、m−体は非吸着成分であるためラフィネート側で製品として回収される。性能曲線図4は、エクストラクト中のメタ体が低濃度側でラフィネート中のメタ体が高濃度で得られるほど、分離性能が良いことを示す。本発明に基づく吸着剤と脱着剤の組み合わせによりジクロロベンゼン異性体混合物からm−体をより効率的に分離出来ることが分かる。
【0060】
【発明の効果】
本発明により、Cs及び/又はRbを含有するゼオライトを必須成分とした吸着分離剤を用いることにより、ハロゲン化芳香族異性体混合物から1異性体を効率よく分離し製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施態様である擬似移動床による吸着分離操作を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施例における各成分の流出量の時間変化を示す図である。
【図3】本発明の比較例における各成分の流出量の時間変化を示す図である。
【図4】実施例、比較例10におけるジクロロベンゼン異性体混合物の吸着分離性能を示す図である。

Claims (4)

  1. Cs及び/又はRbを含有するY型ゼオライトで、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0.1以上で、且つKを含有する吸着剤とキシレンを主成分とする脱着剤を用いてクロロトルエンまたはジクロロベンゼン異性体混合物からメタ−体をラフィネート成分として吸着分離することを特徴とするハロゲン化芳香族異性体の製造方法。
  2. 脱着剤の主成分がオルト−又はメタ−キシレンであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化芳香族異性体の製造方法。
  3. Cs及び/又はRbを含有するY型ゼオライトで、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0.1以上で、かつK及びAgを含有する吸着剤とメタ−キシレンを主成分とする脱着剤を用いて、クロロトルエン異性体混合物からメタ−クロロトルエンをラフィネート成分として分離することを特徴とする請求項記載のハロゲン化芳香族異性体の製造方法。
  4. Cs及び/又はRbを含有するY型ゼオライトで、〔(ゼオライト中のCs及び/又はRbのモル数)/ゼオライト中のAlのモル数〕が0 .1以上で、かつK及びPbを含有する吸着剤とメタ−キシレンを主成分とする脱着剤を用いてジクロロベンゼン異性体混合物からメタ−ジクロロベンゼンをラフィネート成分として分離することを特徴とする請求項記載のハロゲン化芳香族異性体の製造方法。
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