JP3092218B2 - 1,3,5−トリクロルベンゼンの製造方法 - Google Patents

1,3,5−トリクロルベンゼンの製造方法

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JP3092218B2 JP03181377A JP18137791A JP3092218B2 JP 3092218 B2 JP3092218 B2 JP 3092218B2 JP 03181377 A JP03181377 A JP 03181377A JP 18137791 A JP18137791 A JP 18137791A JP 3092218 B2 JP3092218 B2 JP 3092218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトリクロルベンゼン(以
下、”TCB”と略称する)異性体混合物から1,3,
5−TCBを製造する方法に関するものである。1,
3,5−TCBは医農薬中間体として利用される。
【0002】
【従来の技術】TCB異性体間の沸点は類似しているた
め蒸留で分離するには超精密蒸留を必要とし、それでも
高純度の製品を得るのは困難である。蒸留法以外の方法
として晶析法を挙げることができる。TCB各異性体の
物性値を表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】表1から明らかなようにTCBの融点は高
いが、特に1,3,5−TCBの融点が最も高い。従っ
て晶析法で分離可能と考えられるが1,2,3−TCB
との融点差は10℃と小さく高純度の1,3,5−TC
Bを得るのは困難である。蒸留法、晶析法以外の分離方
法として吸着分離法がある。吸着分離に供給されるTC
B原料中には目的とする1,3,5−TCBが含まれて
いなければならないことは言うまでもない。一般に、T
CBはベンゼンのトリクロル化によって得られるが、こ
の反応は配向性の強い反応で得られる異性体はほとんど
1,2,4−TCBであり、本発明が目的とする1,
3,5−TCBは生成しない。具体的な1例を述べれば
1,2,4−TCB約90%、1,2,3−TCB約1
0%である。G.H.Olah等によれば(J.of
Org.Chem.,27,3449(1962))T
CBの熱力学的平衡組成は表2に示すように推定され
る。
【0005】
【表2】
【0006】この熱力学的平衡組成から判断すればTC
Bを酸触媒上で異性化して1,3,5−TCBを得るこ
とができると予想される。しかし、ベンゼン環に置換し
ている塩素の数が増加するにつれて反応性は著しく低下
する。特に、TCBの場合には通常の酸触媒ではほとん
ど異性化しない。非常に強い酸触媒作用を有する塩化ア
ルミニウム触媒の場合でも、TCBを異性化させるのに
反応温度を約250℃まで上げなければならず同時に多
量の副生成物を生じ工業的に使用に耐え得るものではな
い。そこで、我々はTCB異性化反応を経済的に行わせ
る方法として、TCBを液相状態で水素の存在下ゼオラ
イトの酸型体と接触させる方法を提案した。例えば、こ
のようにして異性化された1,3,5−TCBを含有す
る異性体混合物は吸着分離工程に供給され1,3,5−
TCBが高純度で分離、製造される。TCBの吸着分離
法については特公平1−12733号公報に開示されて
いる。そこでは吸着剤としてフォージャサイト型ゼオラ
イトを用い、脱着剤としてトルエン、クロルトルエン、
クロルベンゼン等を使用することによって、1,3,5
−TCBを非吸着相成分として分離できることが開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの方法では、
まだ脱着剤の性能は十分ではなく更なる改善が望まれて
いた。
【0008】すなわち、この分離法において吸着剤とし
てフォージャサイト型ゼオライトが用いられるが、用い
られる脱着剤ではまだ十分な性能を示していない。ま
た、1,3,5−TCBはベンゼンのトリクロル化によ
っては生成しないことからTCB異性体混合物は吸着分
離工程に供給されるに先立って予め異性化反応により
1,3,5−TCBを含有したTCB異性体混合物にす
る必要がある。しかしながら、異性化反応により1,
3,5−TCB濃度を増大せしめたTCB異性体混合物
を吸着分離工程に供給すると吸着剤の性能が徐々に低下
するという重大な問題点に到った。
【0009】本発明者らは、脱着剤性能の改善及び吸着
剤の経時的な劣化の防止について鋭意検討した結果、特
定の脱着剤を用いること及び異性化反応で生成した副生
成物の少なくとも一部を除去することにより、かかる問
題点を解決し本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ト
リクロルベンゼン異性体混合物から1,3,5−トリク
ロルベンゼンを吸着分離するに際し、吸着剤としてフォ
ージャサイト型ゼオライトを用い、脱着剤としてキシレ
ンを用いることを特徴とする1,3,5−トリクロルベ
ンゼンの製造方法であり、さらに、1,3,5−トリク
ロルベンゼン濃度の乏しいトリクロルベンゼン異性体混
合物を液相状態で水素存在下にて固体酸触媒と接触せし
め異性化反応により1,3,5−トリクロルベンゼン濃
度を増大させ、ついで反応で生成する副生成物を除去し
た後、吸着分離により1,3,5−トリクロルベンゼン
を分離することを特徴とする1,3,5−トリクロルベ
ンゼンの製造方法である。
【0011】つまり、本発明は、1,3,5−TCBを
含有するTCB異性体混合物を、フォージャサイト型ゼ
オライトからなる吸着剤と接触せしめ1,3,5−TC
Bを非吸着相として分離し、ついで吸着剤に吸着してい
る1,3,5−TCB以外のTCB異性体混合物から主
になる成分を、脱着剤としてキシレンで脱離し再び1,
3,5−TCBを含有するTCB異性体混合物を供給す
ることを繰り返すことにより1,3,5−TCBを分離
する方法を提供するものである。さらには、1,3,5
−TCB濃度の乏しいTCB異性体混合物を液相状態で
水素の存在下ゼオライトの酸型体と接触させ異性化反応
により1,3,5−TCB濃度を増大させ、反応により
副生する塩酸、ベンゼン、クロルベンゼン、ジクロルベ
ンゼン、テトラクロルベンゼン、高沸点化合物等を反応
生成物から蒸留で分離した後、吸着分離工程に供給する
ことにより吸着剤の経時的な劣化を防ぐとともに高純度
の1,3,5−TCBを製造する方法を提供するもので
ある。特に、吸着分離工程に供給するTCB異性体混合
物中に塩酸が含まれていると吸着剤の性能を著しく低下
させるので好ましくない。
【0012】本発明の吸着分離に用いられる吸着剤はフ
ォージャサイト型ゼオライトであり一般に次式(1)で
示される。
【0013】 0.9±0.2M2/nO:Al:XSiO:YHO …(1) (式中、Mはカチオンを示し、nはその原子価を示
す。)。
【0014】前記式(1)で示されるフォージャサイト
型ゼオライトはX型とY型とに分類され、X型はX=
2.5±0.5であり、Y型はX=3〜6である。ま
た、Yは水和の程度により異なる。
【0015】本発明において、フォージャサイト型ゼオ
ライトからなる吸着剤によりTCB異性体のうち最も吸
着力が弱い1,3,5−TCBがラフィネート成分とし
て分離回収できる。吸着剤として好ましいフォージャサ
イト型ゼオライトのカチオンとしては、周期律表の第I
A族、第IB族および第IIA族から選ばれた少なくとも
1種のカチオンが挙げられる。これらカチオンのイオン
交換法はゼオライトに関する知識を有する当業者には広
く知られており、通常はゼオライトに加えようとする1
種またはそれ以上のカチオンの可溶性塩の水溶液にその
ゼオライトを接触させることによって実施される。
【0016】本発明の方法によりTCB異性体混合物か
ら1,3,5−TCBを吸着分離法によって分離するた
めの技術は、クロマト分取法あるいは、これを連続化し
た疑似移動床による吸着分離法で行われる。
【0017】クロマト分取法の場合には次のようにして
行われ、その操作が繰り返される。即ち (1)吸着操作:トリクロルベンゼン異性体混合物がフ
ォージャサイト型ゼオライトの吸着剤にパルス的に供給
される。強吸着成分が吸着剤に吸着され、弱吸着成分は
吸着されずに、非吸着成分として吸着剤から破過してく
る。この破過した非吸着成分は次に述べる脱着剤ととも
に回収される。 (2)脱着操作:脱着剤が吸着剤に供給され、吸着剤に
強吸着した吸着剤成分を追い出し脱着剤とともに回収さ
れる。
【0018】疑似移動床による連続的吸着分離技術は基
本的操作としては次に示す吸着操作、濃縮操作、脱着操
作を連続的に循環して実施される。 (1)吸着操作:トリクロルベンゼン異性体混合物がフ
ォージャサイト型ゼオライトの吸着剤と接触し、強吸着
成分が選択的に吸着される。弱吸着成分はラフィネート
成分として高純度化され後で述べる脱着剤とともに回収
させる。 (2)濃縮操作:強吸着成分を選択的に吸着した吸着剤
は後で述べるエクストラクトの一部と接触させられ、吸
着剤上に非選択的に吸着している弱吸着成分が追い出さ
れ強吸着成分が高純化される。 (3)脱着操作:高純化された強吸着成分は脱着剤によ
って吸着剤から追い出され、脱着剤を伴ってエクストラ
クト成分として回収される。
【0019】本発明において、フォージャサイト型ゼオ
ライトに対してTCB各異性体のうち1,3,5−TC
Bが弱吸着成分であり、1,2,4−TCB及び1,
2,3−TCBが強吸着成分である。従って、本発明の
目的とする1,3,5−TCBはラフィネート成分とし
て脱着剤とともに回収することができる。
【0020】上記吸着分離法において脱着剤は吸着剤に
吸着した強吸着成分を脱着する働きをすると同時に、吸
着操作においては脱着剤が吸着剤に吸着された状態でト
リクロルベンゼン異性体混合物が供給され脱着剤を吸着
剤から追い出しながら強吸着成分が吸着剤に吸着するこ
ととなる。従って、脱着剤は吸着分離においてきわめて
重要な働きをしている。吸着分離法で分離された成分は
脱着剤との混合物であるので、その後蒸留分離する必要
がある。このことから、脱着剤はTCBとの沸点差が大
きいことが要求される。
【0021】以上のことから1,3,5−TCBを吸着
分離によりラフィネート成分として回収するのに好まし
い脱着剤について鋭意検討した結果、キシレンが最も好
ましいことが明かとなった。キシレン異性体のうちで
も、メターキシレンが特に好ましい。
【0022】吸着分離をするための操作条件としては、
温度は50〜350℃、好ましくは80〜250℃であ
り、圧力は大気圧から100Kg/cm2 ・G、好ましくは
大気圧から40Kg/cm2 ・Gである。本発明による吸着
分離はTCBの融点が高いことから液相で実施される。
【0023】次に、異性化工程について述べる。1,
3,5−TCB濃度の乏しいTCB異性体混合物は液相
状態で水素の存在下で固体酸触媒と接触させることによ
って異性化され1,3,5−TCB濃度の増大したTC
B異性体混合物となる。ここで用いられる固体酸触媒と
しては酸型のゼオライトが好ましく用いられる。TCB
の異性化反応に好ましく用いられるゼオライトとしては
ベータ型および/またはモルデナイト型を挙げることが
できる。ゼオライトを酸型にするにはゼオライト中に存
在するナトリウムなどのアルカリ金属イオン等をプロト
ンやプロトン前駆体であるアンモニウムイオンでイオン
交換したり、あるいは2価以上の多価カチオンを導入
し、その後乾燥、焼成により達成できる。イオン交換は
公知のイオン交換法により行うことができる。たとえ
ば、酸、アンモニウム塩または多価カチオンの水溶性塩
を含む水溶液でゼオライトを処理することにより、容易
にイオン交換できる。また、触媒の反応時間に伴う異性
化性能の低下を防止するために、TCB供給原料ととも
に供給する水素を活性化する機能を有する成分、例えば
レニウム、ニッケル等を触媒に添加することは好まし
い。また、銀の添加も好ましい効果を示すことがある。
このようにして調製された触媒は好ましい反応条件下で
TCB異性体混合物と接触される。
【0024】水素の存在量は供給原料であるDCTに対
してモル比で0.003モル/モル以上必要であり、余
り多すぎると経済性の面で不利があるので上限はその経
済性との兼ね合いで決まる。通常は10モル/モル以下
である。反応温度は通常250〜500℃程度である
が、特に300〜450℃が好ましい。反応圧力は特に
限定されるものではないが、液相反応で行うため、反応
系を液相状態に保つべく反応圧力を設定しなければなら
ないのはいうまでもない。 重量空間速度(WHSV)
は0.05〜10Hr-1、好ましくは0.1〜5Hr-1
である。
【0025】1,3,5−TCB濃度の乏しいTCB異
性体混合物はこのようにして異性化されるが、異性化反
応と同時に併発する副反応により塩酸、ベンゼン、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、テトラクロルベンゼ
ン、高沸点化合物等が生成する。これら副生成物につい
て吸着剤性能への影響について詳細に調べた結果、吸着
工程に供給されるTCB異性体混合物中に、特に塩酸が
存在していると吸着剤の性能を経時的に低下させること
が明らかになった。また、その他の副生成物も吸着工程
に供給されるTCB異性体混合物中に存在することによ
り吸着分離性能を低下させたり、目的とする1,3,5
−TCBの製品純度を低下させるので好ましくないこと
がわかった。
【0026】したがって、これら副生成物は吸着分離工
程に供給される前に蒸留分離法等の方法によりTCB異
性体混合物と分離除去されることが必要である。特に、
塩酸については十分に除去することが好ましい。
【0027】かくして、異性化反応混合物中から副生成
物を除去した後吸着分離により1,3,5−トリクロル
ベンゼンを分離する。次いで、1,3,5−トリクロル
ベンゼン濃度の乏しいトリクロルベンゼン異性体混合物
を再び異性化せしめる。このような本発明のプロセスの
一態様の概略図を図1に示す。以下、図1を簡単に説明
する。1,3,5−TCB濃度の乏しいTCB異性体混
合物は異性化器に供給され異性化反応により1,3,5
−TCB濃度の増大したTCB異性体混合物となり脱塩
酸塔に送られる。ここで塩酸が除去され、その後蒸留塔
で低沸点化合物と高沸点化合物が分離される。分離精製
されたTCB異性体混合物は吸着塔に供給され、1,
3,5−TCBが高純度に濃縮された製品として回収さ
れる。1,3,5−TCBを分離した残りの異性体混合
物は必要により異性化器へリサイクルされる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。
【0029】実施例では、バッチ式による静的方法での
吸着剤の吸着特性を次式の吸着選択率(α)で示す。
【0030】
【数1】
【0031】ここで、A、Bはトリクロルベンゼン異性
体のどれか1つを示し、Sは吸着相、Lは吸着相と平衡
にある液相を示す。
【0032】上式の値が1より大の時A成分が選択的に
吸着され、1より小の時はB成分が選択的に吸着され
る。また、α値が1より大なる吸着剤(あるいは1より
小さく0に近い)程AとBの吸着分離が容易となる。
【0033】実施例1 NaーX型フォージャサイトゼオライトの造粒品を50
0℃で約1時間焼成し、デシケータ中で冷却した。脱着
剤とトリクロルベンゼン異性体混合物からなる組成液を
脱着剤:1,3,5−TCB:1,2,4−TCB:
1,2,3−TCB:n−ノナン=50:5:40:
5:5(重量比)に調製した。脱着剤として、メターキ
シレンを用いた。n−ノナンはガスクロマトグラフィー
分析での内部標準物質として添加したもので、実質的に
吸着剤に対し不活性な物質である。吸着剤を2.1g、
上記調製液を2.7g取り内容積6mlのオート・クレ
ーブ内に充填し、130℃で30分間放置した。その結
果を表3に示す。表3から明らかなようにメターキシレ
ン存在下において1,3,5−TCBは他のTCB異性
体に比べて吸着力が弱く優れた分離性能を示すことがわ
かる。
【0034】実施例2 実施例1と同じ吸着剤を用い、脱着剤をパラーキシレン
とした以外は、実施例1と同様にして吸着分離を行なっ
た結果を表3に示す。
【0035】比較例1、2 実施例1と同じ吸着剤を用い、脱着剤としてトルエン、
クロルベンゼンの各々について実施例1と同様にして吸
着分離を行なった結果を表3に示す。実施例1に比較し
て分離性能が低下していることが明らかである。
【0036】実施例3、4 NaーX型フォージャサイトゼオライトの造粒品を50
0℃で約1時間焼成し、30g分取した。硝酸カルシウ
ム・4水和物9.80gを90mlの純水に溶かした溶
液に、この焼成したゼオライトの造粒品を入れ80℃で
約1時間イオン交換処理をした。その後、純水でよく洗
浄し120℃で1晩乾燥し500℃で約1時間焼成して
Ca−Na型フォージャサイトゼオライトを調製した。
脱着剤としてメターキシレン、オルソーキシレンの各々
について実施例1と同様にして吸着分離性能を調べた。
その結果を表3に示した。
【0037】実施例5 シリカ/アルミナ比3.2のNaーY型ゼオライトの造
粒品を500℃で約1時間焼成したものを吸着剤とし、
脱着剤としてメターキシレンを用いて実施例1と同様に
して吸着分離性能を調べた。その結果を表3に示した。
【0038】実施例6 NaーX型フォージャサイトゼオライトの造粒品を50
0℃で約1時間焼成したものを吸着剤として、内径4.
95mmのステンレス製カラムに4m充填した。このカ
ラムを150℃のオイル・バスに浸しメターキシレンを
線速9.89cm/分で流した。そこに1,3,5−T
CB:1,2,4−TCB:1,2,3−TCB:n−
ノナン=10:80:10:5(重量比)に調製した組
成液を1.57mlパルス的に供給し、TCB混合液を
クロマト的に展開した。その結果を図2に示した。脱着
剤として用いられるメターキシレン存在下で、TCB異
性体混合物が効率よく分離されていることがわかる。
【0039】比較例3 メターキシレンの代わりにクロルベンゼンを用いて実施
例6と同様にして実験を行った。その結果を図3に示
す。図3より明らかなように脱着剤としてクロルベンゼ
ンを用いると、1,3,5−TCB異性体混合物の分離
が悪いことがわかる。
【0040】比較例4 NaーX型フォージャサイトゼオライトの造粒品を50
0℃で約1時間焼成したものを吸着剤として、内径4.
95mmのステンレス製カラムに1m充填した。そのカ
ラムに塩酸を1000ppm溶解したTCB異性体混合
物を130℃で48時間流通させた。その後カラムから
吸着剤を抜き出し、アセトンで洗浄後、120℃で1晩
真空乾燥し500℃で約1時間焼成した。この吸着剤を
用い実施例1と同様にして吸着分離性能を調べた。その
結果を表3に示す。実施例1と比較して著しく分離性能
が低下していることがわかる。
【0041】実施例7 シリカ/アルミナ比17.2のベータ型ゼオライト粉末
にアルミナゾルをAl換算で15wt%添加して
混練後14〜24メッシュに押出成形し500℃、2時
間空気中で焼成した。このベータ型ゼオライト成形体を
10wt%塩化アンモニウム水溶液を用いて固液比2l
/kg、約90℃で5回イオン交換を行なった。その
後、塩素イオンが存在しなくなるまで十分水洗を繰り返
した。次いで過レニウム酸水溶液を触媒に対してレニウ
ム金属として0.5wt%になるように取り、触媒を浸
して2時間放置した。その後、液を切り120℃で一晩
乾燥後540℃で2時間焼成し触媒とした。
【0042】この触媒を用いて次の反応条件で異性化さ
せた。 <反応条件> WHSV:0.60Hr-1 反応温度:390℃ 反応圧力:40kg/cm−G H/供給原料:0.22mol/mol 供給原料:1,2,4−TCB。
【0043】120時間反応させた時の生成液を分析す
ると次のとおりであった。 低沸点化合物(CB、DCBを含む):5.1wt% 1,3,5−TCB:8.7wt% 1,2,4−TCB:75.6wt% 1,2,3−TCB:10.1wt% 高沸点化合物(TECB、H.E.):0.5wt% (但し、CB:クロルベンゼン、DCB:ジクロルベン
ゼン、TECB:テトラエチルベンゼン、H.E.:ヘ
ビー・エンド)。
【0044】また、この生成物には塩酸が1.4wt%
生成していた。この異性化生成液を脱塩酸を行ない、そ
の後蒸留塔で低沸点化合物と高沸点化合物を除去した。
このようにして得られた異性化生成液はTCB濃度10
0%であり、異性体比率は、1,3,5−TCB/ΣT
CB=9.2%、1,2,3−TCB/ΣTCB=1
0.7%であった。
【0045】この異性化生成液を用いて実施例1と同様
にしてNa−X型フォージャサイトゼオライトの造粒品
を吸着剤とし、脱着剤としてメタ−キシレンを用いて吸
着分離性能を調べた。この時の脱着剤メタ−キシレンと
トリクロルベンゼン異性体の比率はメタ−キシレン:ト
リクロルベンゼン異性体混合物:n−ノナン=50:5
0:5(重量比)であった。得られた結果を表3に示
す。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、優れた分離性能によ
り、1,3,5−トリクロルベンゼンを吸着分離により
分離し、製造することができる。また、本発明によれ
ば、吸着剤の経時的な劣化もなく優れた分離性能を保持
し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスの一態様の概略図を示す。
【図2】実施例6で得られたパルス方式の吸着分離の結
果を示す。
【図3】比較例3で得られたパルス方式の吸着分離の結
果を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 25/10 C07C 17/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリクロルベンゼン異性体混合物から
    1,3,5−トリクロルベンゼンを吸着分離するに際
    し、吸着剤としてフォージャサイト型ゼオライトを用
    い、脱着剤としてキシレンを用いることを特徴とする
    1,3,5−トリクロルベンゼンの製造方法。
  2. 【請求項2】 1,3,5−トリクロルベンゼン濃度の
    乏しいトリクロルベンゼン異性体混合物を液相状態で水
    素存在下にて固体酸触媒と接触せしめ異性化反応により
    1,3,5−トリクロルベンゼン濃度を増大させ、つい
    で反応で生成する副生成物を除去した後、吸着分離によ
    り1,3,5−トリクロルベンゼンを分離することを特
    徴とする1,3,5−トリクロルベンゼンの製造方法。
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JPH0525067A (ja) 1993-02-02

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